ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年4月11日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年4月のゲストは山梨県勝沼の「マルサン葡萄酒」代表取締役、若尾亮さんです。
「田舎を出たくて東京に進学」。この番組でもしばしば話題に上りますが、若尾さんもその一人でした笑。
それでも30歳で結婚した奥様とは15年付き合ったというなんとステキなお話を、甲州のオレンジワインを飲みながら伺います。
(全4回 2回目)

辰巳:4月のお客様は山梨県勝沼からお越しくださいました、「マルサン葡萄酒」若尾亮さんでーす!そしてこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!

辰巳:ではまず乾杯して、ワインの話からいきましょうか。

全員:カンパ〜イ🎶

【醸し甲州 2022】

辰巳:ほぉ、前回は熟成した甲州(甲州百2013)だったんですけど、今回は、う〜ん・・・オレンジ系ですか?

若尾:そうですね。オレンジワイン。

辰巳:ラベルに何も書いてないんすけど笑。丸に3本線が引かれてる、みたいな。

若尾:うちの家紋です。

辰巳:「醸し甲州2022」?どういうこだわりのワインなんでしょうか?

若尾:スタンダードな甲州は「ブドウの味を強く出したくて強く絞る」んですけど、これをいちばん最初に造った2012年は「皮に特徴あるんなら強く絞らないでそのまま皮ごと発酵させてしまおう」。ということでファーストヴィンテージは2013年。今はオレンジワインは一つのカテゴリーになってますけど、当時は(日本では)まだそんな言葉がなかった。

辰巳:グルジア(現ジョージア)はクヴェヴリで発酵させてましたしイタリアはとかは昔からそうですよね。

若尾:皮の味出すこと、それを集中して考えるようになってから結果こういうオレンジ色になるんですけど。今はレギュラー商品として造ってます。

井村:先週の(10年以上の)熟成とはまた違った熟成具合。独特のコクと香りの余韻が残りますね。甲州の皮の味というんでしょうか。

辰巳:それでありながらまだフレッシュ感というか、

若尾:そうですね、ありますね。

辰巳:早摘みなんですか?

若尾:それでも9月末なので、そんなに早いってほどではないです。

辰巳:前回の「百」は10月の半ばから後半だったですからね。ちなみにこれはおいくら?

若尾:2376円。

辰巳:細かい笑。でもこれもリーズナブルでいいですねぇ。

若尾:ありがとうございます!

辰巳:さ、お料理がやってきました。これは何です?

井村:八王子でなめこが獲れまして笑。いつもお世話になってる農家さんが畑の横に菌床を。今年から獲れるようになったんです。そのなめこと椎茸とアサリを合わせて、フリカッセという料理に。牛乳を泡立ててクリーミーに。

辰巳・若尾:いただきます!!

【八王子産なめことあさりのフリカッセ 香草風味】

辰巳:味深いすね。

若尾:美味しいす♡それしか言えない。

辰巳:このワインと合うかどうか?問題はね笑。

若尾:とてもクリーミー。

辰巳:このハーブ感が繋いでる感じがします。バターは?

井村:ソースの方に少し。

辰巳:樽系の白にはバター合わせたりしますが、あえてこの、オレンジに合わせたのは?

井村:樽に似てるというか、しっかりと熟成されてるし、でも樽ほどしつこくない。だから貝とかきのこを使った軽めのお料理にしてみたんです。

辰巳:まぁ菌床だから1年中あるもんでしょうけど、きのこって秋のイメージが・・・。

井村:でも椎茸は春に出るものなんで、季節と収穫時期としては合ってるのかと。フランスのキノコは秋に日本に入ってくるんで、イメージとしては秋なのかも。

辰巳:なるほど。では食べながら曲を聴いて、それからお話を聞きましょう。今日は何を?

若尾:ザ・スペシャルズでア・メッセージ・トゥ・ユー・ルーディ。80年代頭のイギリスのバンド。ルーディっていうのは”やさぐれモノ”とか”チンピラ”、みたいな意味で、あんまり使う言葉じゃないのかな。当時のイギリスの、あんまり治安が良くなかった時期のヤンチャな連中に向けて作った曲って聞きました。

辰巳:では聴いてみましょう。

The Specials 「A Message To You Rudy」(1979年)
https://www.youtube.com/watch?v=1mfFTCgzrU8/

辰巳:何でこの曲?

若尾:音楽がずっと好きで、高校生1年生ぐらいの時に、山梨にある小さいCDショップでこれを買って。そんな音楽を話せる輩もいなかったんで独りでウォークマンで聴いてました。この番組出演の話いただいた時に最初に浮かんだので。

辰巳:高校生の時に聴いてたけど、曲としてはもっと古いですよね?

若尾:80年代頭とかですね。今でも好きですけど、当時からロックとかパンクとかが好きで、そっからレゲェになって、、、。

辰巳:音楽少年?

若尾:でしたね。楽器もやってて、中学の最初はエレキギター。僕の3つ上の兄貴が時代がバンドブームの終わりぐらいの世代で、ブルーハーツとか、ユニコーン、ラフィンノーズ、とかですかね。ただ僕の高校生の時は、いわゆる’ヤンキー’が多くて、先輩が文化祭で特攻服を着て横浜銀蝿のコピーをやっていたのを見て笑、「僕はここにいちゃダメだ」と笑笑、それで東京に出る決意をしました爆。

辰巳:それじゃダメだ、って思ったんですよね?

若尾:なんか、東京に行きたかったんすね、田舎の僕が・・・笑。

辰巳:中高は地元の?

若尾:中学は勝沼中学。生まれは甲府で小学校3年の時に勝沼に引っ越してきたんで。高校は隣の塩山高校で3分の1がヤンキーでしたね笑笑。

辰巳:ヤンキー全盛時代?

若尾:いや、ビーバップハイスクールはもう終わってた頃なので、”余波(なごり)”みたいな感じ。

辰巳:流行の電波が遅いんですね笑笑。

若尾:空き缶咥えて上履きペタンペタンみんな歩いてましたよ笑笑。近寄らないようにしてましたけど笑。

辰巳:「こりゃダメだ」で東京に行かれるんでしょうけど、その前に!前回の話で、今の奥さんとは東京時代に付き合ってたけど実はもっと長いんだ!っていう。

若尾:はい、中学の同級生です。小さい学校だから3クラスだけの。

辰巳:男女比はいっしょぐらいでみんな知ってる(知り合い)笑。

若尾:そうすそうす笑。

辰巳:そのころから知ってて付き合い始めた?

若尾:中3の春から付き合い始めました驚!っという記憶です。それから入籍が30歳ですね。

辰巳:お付き合い15年。

若尾:でも2年ぐらい開いてます。(おっと)よくある話です。20歳ぐらいの時に2年ぐらい。

辰巳:お互いそれぞれ”都会の絵の具に染まって”みたいな?爆。でもね、中高とずっと付き合ってたってのは大事ですいよね。ある種羨ましい。そのころはお互いにモテてて?

若尾:あーーー、僕は2軍ぐらいでしたね笑。1軍ほど目立たないポジション。

辰巳:スポーツは?

若尾:中学は剣道、高校はスラムダンク世代なのでバスケット初めてベンチオーバーでした笑。

辰巳:奥さんは?

若尾:高校は別だったんですけど、水泳部、だった気がします。

辰巳:今日も写真(パンフレット)持ってきてもらったんですけど、すごくいいファミリー。(←最後部をご覧ください)
(若尾さんの奥さんの)ご両親がいて、奥さんと若尾さん、3人のお子さんがいて。いいなぁこの写真。で、義理父さんが2代目?

若尾:そうですね、ワイナリーとしては。まだ健在でバリバリやってますねぇ。

辰巳:へぇぇ。若尾家は記録に残ってるだけで300年。その中でワイナリーのたくさんある日本一の勝沼ですが、子供の頃からブドウ、ワインは身近にあったわけで、

若尾:僕の父親が農協に勤めながら、家に畑もあったもんですから、父親がどういうふうに過ごしてきたかってのは何となく横目では見てましたけど。でもなんの興味もなかったですし、

辰巳:逆にそれに反発する場合と、がんばろうという場合とあるわけで。

若尾:うーん、「継げ!」っていう話もなかったし、とにかくここを、勝沼を、出で東京に行かなきゃダメだ!爆。「こんなつまらんとこにいてたまるか!」進学した理由は「山梨を出たかった」。

辰巳:やっぱ山梨の場合は”東京”なんですね。実のお父さんの家でやってたブドウ畑ってまだある?

若尾:あります。でも今は借してて、別の人がやってますけどね。僕には兄と妹がいますけど、どっちも(畑は)やってないっすね。

辰巳:前回から話聞くまでは根っからのブドウ、ワイン造りしてる人だと思ってましたけど、違ったんですねぇ。今お子さん3人いらっしゃいますけど、どんな感じ?将来は?

若尾:う〜ん、どうなんでしょうね。あまり僕からは言わないようにしてます。僕は「若尾家」に入って初めて”家業”ってのを見たんですよ。周りの同世代のワイナリー見てても「なんか自然に継いでる」ように見えて。だから僕の子供たちも自然にそうなるのかなぁなんて思ってますけど。
意識して僕から「継いでよ」とかは言わないようにしてます。僕が10代20代自由に生きてきたので『自由にしてください』。

辰巳:いちばん上は?

若尾:中3です。

辰巳:まだまだですね。これから若尾家の4代目がどうなるか?それはそれで期待を持ちつつ・・・

若尾:ま、継いでくれたら嬉しいなとは思いますけどね。

辰巳:ではこの続きはまた来週ということで。4月のお客様は山梨県勝沼「マルサン葡萄酒」の若尾亮さんでした。

全員:ありがとうございました!!!

【お知らせ】

2020年7月から4年間、会場を提供していただいた「Villas des Marriages 多摩南大沢」が6月末、多くの人に惜しまれつつ閉店されました。井村シェフの日本ワインに寄り添ったお料理、スタッフの皆様の丁寧なおもてなし、四季折々のお庭と目の前の八王子の自然・・・。素敵な空間をありがとうございました。
なお、番組は「プリオホールディングス(https://prior.co.jp/)」系列の店舗に会場を移して継続されます。
引き続きお楽しみください。

若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年4月11日放送回

ワイナリー

若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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