ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年11月23日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年11月のゲストは山形県の株式会社高畠ワイナリーの村上健(たけし)会長です。
まずは赤ワイン、ピノ・ノワールで乾杯!奥様との意外な共通趣味とは?シャインマスカットでワインを造ってみると?
今週も盛りだくさんです。(全5回 4回目)

辰巳:11月の4回目。今月のお客様は山形県高畠ワイナリー、村上健会長でございます。

村上:よろしくお願いします!

辰巳:これまで3回、スパークリングと白が2種類。ようやく赤が出てまいりました。ご自身は実はどんなワインがお好きなんですか?

村上:季節によって受け付けるものが違う。夏場は2週目に飲んだピノ・ブランのような爽やかな白が好きなんですけど、秋口にかけてはやはり、重たい赤が欲しくなります。

辰巳:確かにそれはあります。それで今日は赤。

村上:これは2021年のバリック、ピノ・ノワール。自社の畑と1軒だけ高畠町の農家さんにほんの少し作っていただいてるんですが、ほぼほぼ自社畑と思ってくださってけっこうです。

辰巳:では、乾杯!

全員:カンパ〜イ🎶

【高畠バリック ピノ・ノワール 2021】

辰巳:シェフにまず伺いましょう、このワインいかがですか?(いつも通りこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフも同席していただいてます)

井村:香りもすごいし、ワインの輪郭もしっかりしていて、初心者にも好まれるワインじゃないかなと思います。

村上:ピノ・ノワールはどうしても色が出づらい品種(日本では特に)なんですが、香りは非常にベリー系のワインに仕上がってると思いますし、樽熟もしてますんで、膨よかで丸みのある赤ワインになってると思います。

辰巳:そしてこの赤ワインに合わせたお料理は?

井村:キノコづくし。キノコをすんごく炒めるんです。水分がなくなったところで鶏肉のムースを合わせてテリーヌにしてあります。このワインと(お料理に使った生クリーム)乳製品を少し合わせたいと思ったので。

村上・辰巳:いただきま〜す!!

【秋のキノコの温かいテリーヌ】

辰巳:なんか見た目の色が’豚足?’なんですが美味し♡

井村:少しトリュフの香りもつけてます。

辰巳:ワイン自体がそんなにハードじゃないんで、このぐらいの(ヘビーではない)料理がバランスいいかなと思います。

村上:美味しいですねぇ♡キノコの旨みが凝縮されてて香りも豊かで。

辰巳:高畠町はキノコもけっこう採れるんでしょ?

村上:今年は猛暑で、キノコはなかなか出ないのかなぁと思ってたんですけど、10月の10日前後から雨が降ってきて。高畠はね、松茸が有名なんですよ。

辰巳:そうなんですか?まだいただいたことないですねぇ笑笑。

村上:いや〜ん、その時期に来ないと!笑笑。10月14日、仲間内で「松茸会館」(たねやさんと言うお酒屋さんらしいです)に集まって採れたての松茸で宴会をしようと・・・本当に美味しい松茸をいただきました(←大自慢)。美味しいんですよ、やっぱ香りがね。もちろんこのキノコも美味しいですよ。

井村:大黒しめじとか6種類ぐらいのキノコ使ってますから。

辰巳:いやぁ美味しい。

辰巳:では今日はちょっと早いんですけど、リクエスト曲を聴きましょう。

村上:いろんなジャンル、ブルース、シャンソンなどやられている、そしてギターもピアノも弾かれる。ワイナリーによく来ていただいてるユニークな方。

辰巳:想像もつかない、ご年配?

村上:まぁけっこういってます笑。南さん。

辰巳:南沙織?爆。

村上:(南)佳孝さんでした。(←こうせつさんかと思いました)「スローなブギにしてくれ」の、、、

辰巳:はい、映画にもなった。これ原作誰でしたっけ?浅野温子さんでしたっけ?(←片岡義男の短編青春小説。1981年浅野温子主演で映画化されました。)この辺のことは覚えてるんですよ。

村上:体つき、顔立ちとはまったく違う歌声でひじょーに爽やかに歌われるので、ぜひお聴きください。


南佳孝「スローなブギにしてくれ」(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=wNwuPWN5oWI/

辰巳:高校、大学時代は角川映画がバンバン宣伝してた頃で、もう耳についてる曲の一つですよねー。映画はお好きなんですか?

村上:そうですね、どちらかというと洋画。

辰巳:こんなこと聞いちゃまた失礼なんですが、高畠町は映画館あったんですか?笑笑。

村上:あっったんです笑。東映と銀映ってのがあってですね、

辰巳:米沢じゃなしに高畠に2軒!?

村上:小学校低学年ぐらいまではまだあった。今度高畑いらっしゃった時にはお連れしますけど、高砂屋珈琲店というコーヒー屋さんがあって、当時の銀映にあった映画ポスターを今まだ飾ってあるんです。石原裕次郎さんの「太陽の季節と」か古いポスターが現存してるんです。

辰巳:銀映っていつぐらいまであったんですかね?

村上:昭和40年代のころはいっぱいで・・・。(←1970〜1973年の間に閉館したようです)

辰巳:それからテレビの時代になって。そのころまでは最大の娯楽だったですからね。

村上:当時は1回で3本(3本立て)とかありましたからね。怪獣映画も観ました。ガメラvsナンチャラ、あとは大魔神とか。

辰巳:大映系ですね。若大将とかは?

村上:それ系はあまり観なかったですね。

辰巳:こういう曲を聴きながらそれぞれの時代を思い出すんですよね。

辰巳:お酒はいくつからですか、ほんとは?僕は小学校からでしたけど🤫

村上:家ではそんなに厳しくなかったんで、17〜18ぐらいから飲み始めて。でもスポーツ(野球)やってたんでそんなに飲まなかったです。高校野球の夏が終わって酒蔵に勤めたころはもう普通に飲んでましたね。

辰巳:タバコは?

村上:15ぐらいからですかね笑笑。

辰巳:タバコの方が長いんですね笑。女性は?

村上:いやいやいやいやもう笑。奥手で結婚もずいぶん後でございます。

辰巳:奥様は?

村上:隣の川西町でございます。

辰巳:川西町って確か井上ひさしさんの出身じゃ?

村上:そうですそうです。

辰巳:同い年ぐらい?

村上:6つ違うかな、高畠ワイナリーに入ってから。私が27で彼女は21でした。

辰巳:ぇw、21?シェ、シェフは?

井村:僕は28のときに同い年(の奥さん)と結婚しました。

辰巳:ま、普通。地方の方が早かったりしますからね。奥様は?

村上:はい、一人でございます爆。ワイン業界とも関係なくお酒もまったく飲めないんです。女房の家系を見ると、お父さんもお母さんも大酒飲みなんです。お父さんはともかく、お母さんもしっかり飲むんですよ。それのトラウマか、一滴も飲めない。

辰巳:飲めない?飲まない?

村上:飲むと寝ちゃう。

辰巳:でもね、旦那がね、ワイナリーの社長、会長になってね、その会社のワインもまったく飲まないもんなんですか?

村上:飲まないですねぇぇぇ〜笑。(私は)家でもワイン、日本酒、ビール飲んだりしてますが、「飲みたい」「一杯ちょうだい」って一切言いません。

辰巳:子供さんは?

村上:残念ながらうちは子供がいないもんですから。独りで飲みます。

辰巳:そりゃ寂しい。

村上:そうですかね?でもこれはどうしょもないですから。あとは趣味に走ってます。

辰巳:どっちに走ってるんすか?

村上:もう17〜18年になりますけど、大型バイクに乗っていろんなとこに出かけてます。何人かつるんで。うちの女房も大型免許、バイク持ってたもんですから、一緒に。もしくは女房が先乗りして私が追いかけるような。

辰巳:それはいい趣味。どこら辺まで行くんですか?

村上:出雲大社とか。山形からだと片道1000キロ驚!女房は前の日から友人と行ってて私は次の日追いかけて出雲大社で待ち合わせ〜みたいなのをよくやってました。

辰巳:行く先々でワイナリーに寄ったりとかは?

村上:島根ワイナリー、行きましたよ。

辰巳:あそこも大きいですからねぇ。

村上:日本一なんじゃ?

辰巳:出雲大社のすぐ近くにある大成功してるワイナリーですよねぇ。そんな趣味があったんですね。でもま、(バイク乗ってると)お酒飲めない。

村上:でもね、(妻が飲めないのは)助かってますよ、私が散財してますから笑。どうしても飲む機会が多いので。全国にも行きますし、地元の会合、特に今、組合の組合長やってるもんですから。*山形県の酒造組合。
日本では山形と山梨にしか組合がない。長野とか新潟は(あるけど)任意団体なんですね。いろんなところで会合があるから全国にも行かなくちゃいけない。東北でも岩手で新たに「GIを取りたい」という会合にも参加させてもらったり・・・。指導まではいきませんけど、助言はさせてもらってます。
(*山形県ワイン酒造組合:https://giyamagata-wine.jp/


辰巳:山形は今現在のワイナリーは?

村上:加盟団体は19、ワイナリーは20(←収録当時、1社はまだ免許取り立てで参加してないそうです)。

辰巳:山形も20社になりましたか。まだまだ増えそう?

村上:増えそうですね。上山、天童あたりですね。

辰巳:なんていうワイナリーでしたっけ?

村上:(ドメーヌ)ケロス。こないだテレビに出たって言ってました。

辰巳:増えれば増えるほど、いいんですが、また競争が激しくなる。

村上:山形(県内)の場合はまだまだブドウが十分にありますからそんなに大きな競争はないんですが、県外の競争はまだまだありますね。

辰巳:なかなかブドウ買えないからね。で、山形のデラウェアの生産量も激減してるって?

村上:山形のデラウェアは本当に減ってまして、取り合いになってます。

辰巳:原因として、ひとつは’高齢化の耕作放棄’、もうひとつは’シャインマスカット’ですか?

村上:おっしゃる通りです。シャイン(マスカット)の畑の反(面積)あたりの収入が高い。ま、10倍はいかないにしても5倍はいく。

辰巳:普通に考えたらシャインマスカット作ろうとしちゃうんですよねぇ。

村上:そうなると、今度は「シャイン(マスカット)が飽和状態になるんじゃないか?」っていうことで我々は危惧してます。不作の年に我々もシャインマスカットのワインを造ったことあるんですけど、『特徴がない』。なかなか難しいんです。

辰巳:そう、食べると美味しいんですけど・・・。どこのワイナリーもほとんど成功してない感じがします。

村上:香りがない、味がない、のにアルコールだけをちょっと感じる。で、甘みはそれほど強くないんです。

辰巳:どうしても補糖しなくちゃいけない。シャインマスカットってのはワインに逃げられない品種なんですね。

村上:今年は雨が少なくて、シャインマスカットは随分と色焼けしてしまって(本来青緑色なのに)茶色が勝ってしまって。「売り物にならない」「単価が下がってしまう」ということもあって、ずいぶんもらったんです。

「もう食べたくない、飽きた」(←贅沢?)。同時に赤い葡萄ももらったんですけど、赤い葡萄旨いですね、いや、赤みがかったブドウの方が絶対旨いっ笑笑。(←本音が爆裂しました)

辰巳:だって本来赤ですから、白ブドウは突然変異ですからね。だから「シャインを潰して混ぜて造る」しか方法ないでしょうね。

村上:でしょうねぇ。シャインの特性活かすためにはやっぱり単体で仕込みたい→でも単体だと個性がない→個性を出すためにはどうやったらいいのか?・・・氷結で造ったりもしたんですけど、それでもやはり香りが出ないんですねぇ。難しい。。。

辰巳:なんだか専門的な話になってしまいました。シェフ、今日はあまりしゃべってなかったような。

井村:ぜんぜんしゃべってますよ。

辰巳:このワインとお料理の同じペアリングを、「Villas des Marriages 多摩南大沢」でお楽しみいただけますので是非!お客様は山形県高畠ワイナリーの村上会長でした。来週は最終回です、よろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

高畠ワイナリー
https://www.takahata-winery.jp/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年11月23日放送回

ワイナリー

高畠ワイナリー
https://www.takahata-winery.jp/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム