2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年10月のゲストは山梨県山梨市の東晨(とうしん)洋酒株式会社、醸創責任者の田草川和仁さんです。
元バリバリのラガーマンと、実はラグビー大好き辰巳さん。さて、今月はどんな話が飛び出すんでしょうか?(全4回 1回目)
辰巳:はい、10月になりました。この、ワイナリーがいちばん忙しい仕込み真っ盛りの中(←収録は9月17日でした)、誰一人ゲストの方が来てくださらないっ💦。という状況だった中、”男気ある”ゲストがお越しくださいましたー笑。山梨県山梨市、東晨洋酒株式会社の田草川和仁さんです!
田草川:よろしくお願いします!
辰巳:ようこそお越しくださいました!今日は本当にありがとうございました。おまけに怪我もされていてね笑、収穫作業も遅らそうかと思っていたというところ。別の方探そうと思ったりもしたんですが、やっぱりいなかった笑笑。
田草川:だと思いますよ笑。
辰巳:この時期、いくら八王子とはいえ(←勝沼方面からだと中央線で1時間弱)、誰もいなくてほんとに困ってたんです。今日は存分にお話ししていただきたいと思います!そして今日もこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています。
井村:よろしくお願いします!
辰巳:さ、まずは飲みたいな笑。乾杯しましょう!
全員:カンパ〜イ🎶
【ペトリコール ケルナー2022】
辰巳:今日は白ワインです。! あれ、ちょっと変わった香りが・・・。シェフどうですか?
井村:すごいキリッとして、喉越しがすごいいいワインですね。
辰巳:ですね〜。ちょっと(ラベル)読みにくいんですけど、ペトリ・・・?
田草川:ペトリコール、英語なんです。
辰巳:でも見た感じロシア語、キリル文字っぽいんですよ。でもそうじゃないんですよね?
田草川:発音記号みたいです。
辰巳:でもこの”R”は違うんじゃないですか?裏返ってますよ。で、これは?
田草川:山梨のケルナーです。
辰巳:山梨でケルナー作るなんてね〜、メチャメチャめずらしいというか、変わり者というか笑。造り手の間では”変わり者”で通ってるんじゃないですか?
田草川:ん、まぁ「変態」ですね笑笑。
辰巳:自ら言う爆。っというか元々ラガーマンなんですよね?「ラガーワイン」っていうワインも造っててね。今は「W杯」もやってて盛り上がってますけど。僕は昔からラグビー好きで、今ようやっと「ラグビー」も「日本ワイン」も日の目を見るようになってきて、なーんか”繋がり”を感じるんですけどね。
井村:このワイン、お花のような独特の香りがあって、飲むとうわぁって酸が広がる。
辰巳:ケルナー77%にトレッビアーノが23%!
田草川:知り合いから「このトレッビアーノ、もう要らねーから切っちゃうんだけど、もし要るならやるよ」って言われて苗を遠慮なくいただいて。ただ、ケルナーもトレッビアーノも標高の高いところにあったのを盆地の底の方(日川地区)に持ってきたんで、、、。
辰巳:じゃ、その標高の高い畑をそのまま借りちゃえばよかったんじゃ?
田草川:・・・かなり遠いんで・・・できればうちの周りで栽培したい・・・笑。
辰巳:樹齢も結構いってるんですか?
田草川:ケルナーはもう20年以上経ちますね。トレッビアーノは定植してして3年。だからこのセパージュ(ペトリコール)は造って2年目です。それまではケルナ−100%でやってたんですけど、ここ数年ケルナーの栽培が難しくなってきちゃって。。。
辰巳:北海道はかなりいいケルナー作ってますけどね。
田草川:北海道に研修に行ったときに、(ケルナーが)デラウェアに似たニュアンスを感じたんですね。であれば山梨でも栽培できるんじゃないかと笑笑。すっげーアンチョク爆。
辰巳:むちゃむちゃアンチョク笑。
田草川:それから苗を取り寄せて、、、。
辰巳:これ2022年ヴィンテージ”限定342本”、ってなんすかコレ!?
田草川:いや、これまだ多い方なんすよ笑。
辰巳:、、、アイテム数は多いんでしょ?
田草川:そうなんすよ。元々は単独品種毎に仕込みしてたんですけど、イタズラし始めて最初は地域毎、それから畑毎、栽培者毎・・・。それで「どんなワインができるんだろ?」。ってところから小仕込みがどんどん始まって、必然的にアイテムも増えてきちゃった。今20以上。品種的にはほぼマスカット・ベーリーA、に、甲州、ケルナー、トレッビアーノ、メルロー、甲斐ノワール、そして最近ヤマソーヴィニョン。
辰巳:年間の生産本数は?
田草川:仕込みでいうと15〜20tぐらい。
辰巳:2万本弱、ですね。すべてが日本ワイン?
田草川:そうです。
辰巳:あと葡萄園もやってらっしゃる?
田草川:自分で借りてる畑が、まだ整園してないところも含めて1haぐらい。食用も作ってはいるんですけど、だんだん減らしてます。最終的には全部ワイン用にしようかなと。
満面の笑みの田草川さんですが、かたわらには松葉杖。よくぞ山梨からおいでくださりました。
(畑やワイナリーでの怪我ではないらしいです。)
辰巳:創業は?
田草川:昭和38年。(1963年)
辰巳:(ワイナリーは)還暦?
田草川:ぁ、そうですよ。そうだった。(←辰巳さんに言われるまでまったく気がついてませんでした)
辰巳:2代め?
田草川:そうですね。ま、父というよりも、父の同級生のブドウ農家が集まって「せっかく自分たちで作ってるんだから」っということで。
辰巳:ん、じゃ、同級生の農家さんが集まってワイナリーを作った?
田草川:っというか、元々あったワイナリーを買い取った。
辰巳:この、東晨洋酒。東に、辰巳の’辰’、の上に日曜日の’日’って書くこの「晨」は?
田草川:「陽が上る」っていう意味らしいですよ。(←はい、PCで「晨」を探すとだいーぶ後方に’あさ、あした、夜明け’と出てきます)
「東から陽が上る」というとっても縁起が良い言葉らしいです。
辰巳:意味はなんだろうと思ってましたが、カッコイイ。
田草川:その「晨(しん)」という字をなかなか読んでもらえない。(農業の”農”にするには)「おい、この字、棒2本足りないぞ」と。
辰巳:言われてみれば。
田草川:よく「トウノウトウノウ」言われるんです。
辰巳:東京農大出身ってわけじゃないですよね?
田草川:(まさかの)東京農大です笑。
辰巳:おっと!そのイメージもあるから「トウノウ」と思われてる?
田草川:それもあると思います。
辰巳:そういば。料理食べるの忘れてました。シェフ、今日の料理は?
井村:江戸東京野菜の「内藤カボチャ」のブルーテ。
辰巳:内藤って、あの地名の?
井村:はい、そこから伝わったみたいなんです。今は国立の方でも作ってるみたいです。
全員:ではいただきまーす🎶
【内藤カボチャのブルーテ】
辰巳:カボチャのピューレに乗ってる白いのは?
井村:蜂蜜を混ぜた少し甘めのクリーム。それにピンクペッパーとクルミのキャラメリゼを上に浮かべてあります。これでケルナーの香りを引き出したいなと思って。
田草川:ありがとうございます。
辰巳:ワインも美味しくなる、料理も美味しくなるの相乗効果、こういうのが最高ですよね。ところで、このワインの名前のペトリコール。どんな意味でしたっけ?
田草川:「夏場、乾いた土に降る雨」、に立ち上がってくる独特の香り。あの香りのことを「ペトリコール」っていうらしいです。だから夕立の匂い。
辰巳:はぁぁぁ。あの雨上がりの甘酸っぱい匂い?(←甘酸っぱいですかね?)なんかカッコイイ。
田草川:「ペトリコール」という’音’がすごい気に入っちゃって。
辰巳:このラベル見たら、なんかすごい可愛い女性が造ったんじゃないかと思うワインなんですが、(目の前の)イカついオトコ爆。似合わないっちゃ似合わないんですけど、いいんでしょうね、このギャップが笑。
ではこれをいただきながら曲を聴きたいと思います。今日はなんにしましょ?
田草川:中学の時の朝のホームルームで当時みんなで合唱してた「宝島」。
辰巳:日本のアニメ?ぼくは「ひょっこりひょうたん島」世代だから笑。(←ここで反応した人は辰巳さんと同世代笑)あれ、シェフも知らない?もしかして山梨限定のアニメだったり?笑笑。ま、聴いてみたらわかるかも。
田草川:多分。歌ってる人の名前はぜんぜん覚えてないんですけど、カラオケにも入ってますよ。
(スタッフより、歌っているのは「町田よしとさん」っという情報がありました)
辰巳:あー、確か「人間の証明」とか歌ってたボーカリストじゃ?違ったっけ?ま、聴いてみましょう♪
「宝島」町田よしと(1978年)
https://www.youtube.com/watch?v=09vkO0Qvw_4/
(その後の調べで町田よしと(義人)さんは、「人間の証明」ではなく「野生の証明」の主題歌を歌っていて元ズー・ニー・ヴーのメンバーだということが判明しました。
参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/町田義人/)
辰巳:なんっっとなく、聴いたことがあります。そこまでヒットした曲じゃないでしょ?
田草川:僕の中でヒットしてた爆。
辰巳:何がよかった?曲?アニメ?
田草川:中一の時アニメが好きで、もうドンピシャはまってた。
辰巳:そうかそうか、僕よりちょっと下の世代。何年生まれでしたっけ?
田草川:昭和40年、今月で58歳になります。
辰巳:ご本人ももうすぐ還暦じゃないですかー?
田草川:もう目の前、(赤い)ちゃんちゃんこがブ〜ラブラ笑笑。
辰巳:結構似合いそう笑。
辰巳:オヤジ達が昭和38年に始めたワイナリー。昔のブランド「サンリヴァー」はまんま「日川」でしょ?「ひかわ」で知られてますが「にっかわ」ともいう。ほんとはどっちなんですか?
田草川:川の名前は「にっかわ」で、高校の名前は「ひかわ」。
辰巳:この高校もラグビーの名門ですよね。僕はこの高校の名前をラグビーの名門として覚えましたから。花園常連校ですよね?
田草川:最近はなかなか正月迎えられずに来ちゃってますけど。
辰巳:高校時代からラグビーを?
田草川:小学校3年から。こう見えて小さい頃は、家ん中で読書してるような可愛い子だったんです爆。で、親父が見かねて「外で運動させよう」。
辰巳:お父さんもラグビーされてたんですか?
田草川:いや、親父は柔道です。だもんで僕も中学校は柔道部だったです。でも地域柄ラグビーがすっげー盛んな場所で、ラグビースクールもあったんで、そこに入れた最年少(小学3年生)で無理やり連れてかれてー、みたいなところから始まった。だから小学校の男子の同級生は、ほぼラグビー経験者です笑。
辰巳:ってことはみんな日川高校行くんすか?笑。(←いやいや)でもそういう地盤があるから日川高校は強くなる?あの、ウィングの・・・ぁ、藤原優(まさる)さんだ!けっこう近所に住んでて一緒に飲んだりもしたんですよ。林真理子さんの同級生でワイン好き。あの林真理子さんをお姫様抱っこできるのは藤原優さんだけじゃないかと?
田草川:僕一度だけご自宅に呼んでいただいたことがあって、チョーーー高っかいワインを飲ませていただいたんです。
辰巳:あの人ね、ヨーロッパに住んでてね、ってなんかラグビーの話になっちゃってますが。ほんとはもっとラグビーの話したいんですが。あれ、お父さんがワイナリー始めたのって何人ぐらい?
田草川:7〜8人かな。みんな同級生。その中には当時の生徒会長さんもいて、(彼の提案で)「日川」の名前を使いたかったんですが、すでに何社かその名前を使っていて。みなさんへそ曲がりなんで笑、「だったら『日川」』は使いたくねぇ、でも日川にゆかりのある名前」にしたい。今の「東晨」って名前は日川高校内で発行しているの冊子の名前だったんで、それをワイナリー名にさせてくれないか学校に談判をして許しを得た。っていう話は聞いてます。
辰巳:ってことは名前からして、由緒ある”ラガーマン”のワイナリーですよねー。で、このワイナリーがどうやって成長してきたか?は、今日はもう時間がなくなってしまいました笑汗。
来週はこの続きをお送りしたいと思います。また来週〜。
全員:ありがとうございました!
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
東晨洋酒株式会社
https://yn-sunriver.jimdofree.com/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年10月5日放送回
- ワイナリー
東晨洋酒株式会社
https://yn-sunriver.jimdofree.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/