ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年6月15日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年6月のゲストは山梨県勝沼の「丸藤葡萄酒工業」代表取締役の大村春夫さんです。
3回目はほんのり甘い「ルバイヤート ロゼ」で乾杯!昭和の日本ワインの立役者が次々に登場したボルドー時代の後は大村社長の結婚までの道のりが明らかに!(全5回 3回目)

辰巳:6月3回目です。お客様は山梨県勝沼「丸藤葡萄酒工業」大村春夫さんです。
いつも通りこの会場「Villas des Marriages多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席していただいてます。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:もうね、しゃべりが途切れなくてついワインを飲むの忘れてしまう、っていうことで今週は忘れずに乾杯。

全員:カンパ〜イ🎶

【ルバイヤート ロゼ 2019】
https://www.rubaiyat.jp/item/275/

辰巳:今日はロゼ。やや甘いですね。ルバイヤートロゼの2019年、1309本限定。これはセニエですか?

大村:甲州とメルローとマスカット・ベーリーAのブレンド。

辰巳:昔からこれありましたけどずっとこの造り?

大村:最初、嬬恋だったか合歓の里(ネムノサト)だったかの野外フェスで、レストランで使いたいのでハーフボトルのお土産用も含めて「ロゼを造ってほしい」と言われて。

当時はセニエとかの本格的なロゼを造ってる時代じゃなかった(そのノウハウの情報も出回ってなかった)し、でも「ブレンドはちょっと・・・」、と躊躇してたんですけど、「そこをなんとか🙇」っちゅことで最初にロゼを造った、ような気がします。

辰巳:シェフ、このロゼ、ちょっと特徴的ですけどどうですか?

井村:スッキリしてるかと思いきや、ま、スッキリもしてるんですけど、非常にまろやか。

辰巳:で、なんかね、旨み苦味、あとしっかり熟成感。色はオレンジがかったいわゆる’サーモンピンク’。

大村:ロゼって甘口が多かったんですけど、うちは昔から辛口を造ってて。「もうちょっと甘くてホッとできるワインがほしいよね」ってことでこれが今だにあります。量はそんなにたくさん造ってないんですけど。

辰巳:僕は10年前ぐらいの(このワインの)ヴィンテージを熟成させてすごく美味しかった記憶がある。2007〜8年のかな。これはおいくら?

大村:1700・・・いくらだったかな?それぐらいです笑。(ごちょごちょ調べたようで)1870円みたいです。
(←その後ネットで確認したところ、1925円と判明しました)

辰巳:でもロゼってこんなに料理に合わせやすいのになんで売れないんですかねぇ。もう20年もいろんな場所で”ロゼロゼロゼロゼ”って叫んできたのにー。

大村:”フランスでロゼが流行ってるよ”って聞いたけれども、それでも(日本では)売れなかった。

辰巳:まぁお店もね、ワインかさばるから(売れない在庫は)めんどくさいんですよね。赤か白でいいと。

井村:・・・苦笑。

大村:うちの売店にいらっしゃる女性のお客様の中にも『渋い赤』くださいって人がいたり笑。

辰巳:あー遅れてんすねー爆。今世界的にはワインの嗜好もどんどんライトになってきていて、赤にしても「ガツーン」っていうワインは離れてきてるんじゃないですか?

大村:なんか(消費者が)頭でっかちになってきて”渋いワイン、ボルドーの赤みたいな”ってなことを言われてきたんじゃないか?

辰巳:なんかね、そこらへんの勉強するソースが違う?あるいは、昔ながらに飲んできたオジサマ方に洗脳されてる?

大村:昔は”ロゼのことを赤”って思い込んでる人がいて、赤ワインを出したら「これじゃない」と。っっっていう時代もあったみたいですが、そのちょっとあとは「渋い赤ワイン」ください。でもこの人は本当に「渋い赤ワイン」を所望してたのかなぁ。

辰巳:まぁワインも嗜好品ですから、それに対して文句言うもんでもないですけどね。でも料理に合わせるとなると・・・。シェフ、今日のお料理は?

井村:今日は。下の層がフォワグラ、

辰巳:!珍しいですね、シェフがフォワグラ使うなんて!?

井村:はい、このワインを飲んだ時の複雑味と合わせられるものがいいなと。ジャガイモのヴィシソワーズを濃いめに作ったもの、と、コンソメジュレを合わせました。ま、いろんな’旨み’で食べていただければと。

辰巳:この緑は?

井村:これは自分が育ててるイタリアンパセリ(!)。

全員:ではいただきます!

【フォアグラとヴィシソワーズの冷製ロワイヤル コンソメジュレ添え】

辰巳:美味し♡このフォワグラがあんまりフォワグラしてなくて、パセリが苦味のちょっとしたアクセントになってて。これ、いいです!毎回いいんですけどこの合わせたは今までにないというか、”ピンポイントでビシっ”。
しかもワインがより一層美味しく感じられる。

大村:美味しいですねぇ。(このロゼに)ピッタリです。

辰巳:これもうちょっと味わってる間に曲を聴きたいと思います。今日は何を?

大村:山本潤子さんの「卒業写真」。

辰巳:ユーミン作曲の?

大村:そう。これもうちの蔵コン繋がりですけど。

辰巳:どっかのグループにいた、とか?

大村:「ハイファイセット」、「赤い鳥」。もう伝説的な、、、。

辰巳:「赤い鳥」は・・・(知らない体です)

大村:えぇぇぇ、ほんとに知らない???

辰巳:ハイファイセットなら知ってます。その「卒業写真」は、最初ユーミンが自分で歌うためでなしに作った?
(←ユーミン(荒井由美)の楽曲ですが自身のリリース前、1975年に「ハイファイセット」に提供されました)


山本潤子「卒業写真」
https://www.youtube.com/watch?v=vT76xsX-E9U

辰巳:山本潤子さんの「卒業写真」でございました。

6月のお客様は丸藤葡萄酒工業の大村春夫さんです。今日は3回目の放送。若い頃はボルドーで勉強して、それから結婚するまで10年。わりと独身生活が長かったと笑。その間どういう恋模様があったのかな〜?
(前回の放送で辰巳さんは、「若い頃の大村さんは絶対モテたはず!」と推測?断言?してました)

大村:ボルドー大学にいた頃は今はもう顧問になっているマンズワインの松本信彦っていうのが先にいて、僕のことは「変な日本人がいるぞ」、と認識されていたようで。

辰巳:山形の浜田さんは?(←山形県の浜田株式会社の浜田淳さん)

大村:浜田さんとはちょうど入れ替わり。僕は街中のメゾンドイチジアンってとこに(住んで)いたんですけど、松本さんたちがせっかくだからって、ボルドー大学の学生寮みたいなとこに呼んでもらって、そこで浜田さんと入れ替わり。
(浜田さんが出るタイミングで大村さんが入ったんですね)。で、そのときにサントリーの*鈴田さんがいたんですよ。

1983年に鈴田さんはボルドー大学を主席で卒業しー、そののちサントリーがシャトー・ラグランジュを買うことに。
当時ラグランジュは鷲のマーク(大正製薬ではありません笑)のCalvetというネゴシャンの傘下で、すでにサントリーさんが入れてたんですよ。
そのあとシャトーをサントリーさんが買った時点で(ボルドー大学の)エミール・ペイノー教授がサントリーについた。

そして、たまたま僕が行ってた研究所のマルセル・デュカスっていう直属の上司が、いったんITVをやめていて。
「彼を雇おうと思うんだけどどうかな?」っと鈴田さんから電話があって「穏やかな人物だしいいんじゃ?」と返事しました。
もう一人、マダム・バレルっちゅ高速道路めっちゃ飛ばすようなオバさんがいて、どっち?ってなったとき初代の社長はデュカスになりました。、、、っという縁がありました。
(*鈴田健二さん:2009年に65歳で亡くなられています)

辰巳:そうですかー。でも今のところ男、か、おばちゃんしか出てこないですけど?爆。(日本ワインの歴史のなかではなかなかな重要な発言されてるのに)フランス女性とか出てこないんですけどー。

大村:だからあんま出てこないんすよ、松本さんから『石の大村』って言われてたんすから笑笑。

辰巳:じゃぁ松本さんはけっこう遊ばれてた?

大村:彼は結婚したてで、でも単身赴任で赤ちゃん産まれたばっかりで、ものすごいお金かけて(日本に)国際電話してました。

辰巳:あの頃は高かった!

大村:今のようにパソコンあるわけじゃないですから。連絡取るには商社のテレックス(←今の若者は知っているのでしょうか?

過去の産物としてすでに教科書に載ってるかもしれませんね)借りてアポ取るか、国際電話しかないんですよ。

だから松本さんは(国際電話で)お金かかってると思います。

辰巳:その寮には女性はいなかったんですか?

大村:いなかったですね。大学にはいたでしょうけど、醸造のクラスにはほとんどいなかった。

辰巳:そんなもんでした?今けっこう多いのに。

大村:授業終わって寮に帰ってくるとペルーだ、チリだ、イギリスだーと多人種がいるわけです。その連中が郵便ポストを開けて(手紙の宛名を見て)ほくそ笑んでるのが羨ましかったです。

辰巳:大村さんは?

大村:親父ぐらいからしか爆。

辰巳:あれ、大学時代(東京農大)は?

大村:クラスに女子2人しかいなかったですからねぇ。

辰巳:他のクラスにもいたでしょうに?

大村:どうしてもそこにもっていきたいんですね笑笑。

僕はだって、醸造試験場時代に「〆鯖」が読めなくて爆、「メサバ」って何?「つくね」も知らなかった(ぇw)。それぐらい遊び歩いてない人だったんすよ。

辰巳:’食べること’と’遊ぶこと’は違うじゃないですか笑。

大村:僕がすーっと独りもんでいたもんだから、ある正月に(東京駅で行われる)駅コンを紹介してくれたおばちゃんと銀座で飲んでたら。
後々仲人になっていただく勝鬨酒販さんを紹介してくれて、「いつまでも独りじゃいかんゎ」ってことで隠れ見合いを設定してくれたんですよ。

辰巳:どこで?

大村:ホテルオークラかレカンかで迷った時に、ホテルのレストランってすぐには失くならないだろうからってことで「レカン」にしようかってことで毎月5000円、半年で30000円貯めたんですよ。
そしたらその1週間も経たないうちに「オークラにフランス人のシェフが来るらしいよ」って噂が立ちー、

その『「ミッシェル・トラマン」ウィークエンド』にすぐ「行く行く!」っとなって、それが”隠れ見合い”の席。

独身の女の子3人と、駅コン繋がりのおばちゃんとその息子と僕。で、その時隣に座ってた女の子と結婚したんです。そんなもんです、たまたまです。
「アンタ男なんだから2軒目行きなよ」ってそのおばちゃんは帰ってって、青山の当時プールバーっていったかな?、ビリヤードがあるバーに行ったときに、また隣だったのが今のカミさん。
カミさんは当時合同酒精に勤めてて、輸入ワインも扱ってて、牛久(シャトー)で花見があるからって一緒に行ったりなんかして、、、。

辰巳:あのぉ、一応(合同お見合い?)は独身女性3人いたんでしょ?その中でなんで???

大村:みなさんなかなかなもんだったですよ笑。

辰巳:隣にいた手軽な?笑。

大村:手軽なっちゅのはひどい!(←ひどいっ!)

辰巳:たまたま隣にってことは手軽なってことじゃ?

大村:そうですけど、これカミさんに聞かれたら困る爆。マズイ、非常にマズイ爆。

(『縁』です)

大村:カミさんとはひと回り違うから(基本的に)話が合わないんですよ。「どこでもドアーズ」なんて言われてもわかんない。
ちょうどピンクレディが流行ってた時代は僕はフランス行ってて知らないし。

辰巳:でもその2軒目のプールバーに行っても隣だったんでしょ?やっぱどっかフィーリング合った?

大村:そうなんでしょうね。3人ともワインの関係者ではあったんです。1人は廣屋さんにお勤め、1人は勝鬨さんの長男のお嫁さんの妹さん。

辰巳:よくぞ、この35年前の話を頭脳明晰に語れますね🫨

大村:だって”お手軽”とか言うから爆。

辰巳:結局好みだったってことじゃ?たまたま綺麗な好みの女性が隣にいたんですね。

大村:そういうことです、ありがとうございます。

辰巳:この話はこれぐらいにして、次回はまた違う話をしたいと思います。

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

https://www.rubaiyat.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年6月15日放送回

ワイナリー

丸藤葡萄酒工業株式会社
https://www.rubaiyat.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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