2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年6月のゲストは山梨県「大和葡萄酒株式会社」代表取締役社長、萩原保樹社長です。
常時ジョークとの見極めが難しい”ハギートーク”ですが、今回は「甲州のルーツ」を真面目に語っていただいてます。
(全5回 2回目)
辰巳:今月のお客様は、山梨県勝沼からお越しいただいてます。「大和葡萄酒」の萩原保樹社長です。
(いつも通りこの会場「Villades Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)
全員:よろしくお願いします!
辰巳:(苗字は)”はぎわら”なんですね?
萩原:”はぎ、はら”です。
辰巳:ぁ、すいません。いっつもどっちかなと思うんですけどね。ショーケン(萩原健一)は?
萩原:あの人は”はぎ、わら”。
辰巳:山梨は萩原さんって苗字すごい多いですけど、地元は”はぎはら”さんなんですかね?
萩原:わかりませんっ笑。
辰巳:(勝沼醸造の)有賀(あるが)さんは地元では”ありが”さんとはほとんど言わないって言ってましたけど。
あとは(ダイヤモンドワイナリーの)雨宮さんは”あまみや”ではなく”あめみや”さんなんですよね?まぁ山梨ではよく聞く苗字です。
最近は勝沼のワイナリーとか山梨を舞台にしたドラマもちょこちょこ増えてきまして、そういう名字をよく耳にしますけど。
萩原社長は「大和葡萄酒」の4代目。1913年、大正2年の創業ですよね。先週も聞いた気がしますけど「大和葡萄酒」の”大和”って
なんでしたっけって?
萩原:はい、聞かれましたよ笑。江戸時代初期の油問屋「大和屋」が今の「大和葡萄酒」の屋号。
辰巳:そうそう、そこまで聞いて「なんで”大和”の屋号がついてるのかな」って。奈良出身だったのかな、とか・・・。
萩原:それは関係ないですね。
辰巳;甲州というブドウも大和の方からきたという説もあったり。何れにしても大陸から渡ってきたブドウなんで、
舟で運ばれてどっかで上陸して瀬戸内を通って大阪湾から入ってきたんじゃないかっていう話もあったりしますけど。
ま、その「大和葡萄酒」に合致してるといいますか、今日のワインは『古代甲州』。”大和・古代”これが繋がってていいんです。
萩原:「戦艦大和」とも繋がってません?笑。戦艦大和の主人公も古代進とかいうんです。
辰巳:あーそうか。僕も観てましたけど、どっちかっていうと世代じゃない。(←1958年生まれ)萩原さんは?
萩原:うーん、ギリギリ見てたかな。(←1963年生まれ)
辰巳:井村シェフは?
井村:ちょっと上の世代です。(←1972年生まれ)
(宇宙戦艦ヤマトの最初の放映は1974年)
辰巳:そういう世代間、歌も映画もアニメにも表れてくるもんなんですね。
まずは今日のワイン「古代甲州」、これはどんなワインなんでしょ?
萩原:よく「どういう意味の古代甲州なんですか?」とよく聞かれます。先ほど”日本のブドウのルーツ”という話になりましたが、
秀吉が朝鮮出兵の時に始まるんでしょうね多分。その頃に始まって仏教の伝来とともに勝沼にも入っていたとも言われています。
勝沼に天然記念物のブドウの木が2本だけあるんですけどその2本とも手前どもで管理してるんです。そのうちの「*甲龍」から
枝分けをして、特性としては粒がバラバラなんですね。要は食用ではなくて醸造用に向いてる甲州。
この「古代甲州」はそのブドウから造られてる、というストーリーです。
(「甲龍」参考サイト(だいぶ古いです)):https://www.lib.pref.yamanashi.jp/kosyu/manabu/tennen.html
辰巳:樹齢は?
萩原:140年ぐらい経ちますかね。
辰巳:!!!
萩原:今でも生きてますよ。
辰巳:ちょうど「日本ワインの歴史」と同じようなもんですね。ではこれで乾杯しましょう。
全員:カンパ~イ🎶
「古代甲州 2021」
http://www.yamatowine.jp/shopdetail/002000000011/008/P/page1/recommend/
萩原:(先週)100回目ってことは99回までワタシは呼ばれなかったってことですね爆。
辰巳:そうですよー笑笑。
萩原:ハッキリ言いますね笑。
辰巳:色々と段取りがあるもんですから笑。
辰巳:シェフ、どうですかこのワイン?
井村:すごい繊細な味がします。集中して(香りを嗅ぐと)和梨のような香りやナッツのような香りもします。
そういった香りのワインは料理にも合わせやすい。そんな印象です。
辰巳:これは「古代甲州」からの枝を分けて造ってる?
萩原:そうです。天然記念物の甲州の枝分けと思っていただければ。
辰巳:天然記念物の鳥とか牛とかを子飼してるってるような感じですね。今このワインは何本ぐらい造ってるんですか?
萩原:1万(本)ちょっとぐらいですかね。私どもは日本のワインメーカーとして、「日本の文化を醸す」と同時に「ワインも醸す」わけですから
それにはやっぱり’歴史’も大事だ、と。まぁ(日本ワインの歴史も)150年ぐらい経ちましたけど「千里の道も一歩から」
というワイン造りをしていきたいと思ってます。
辰巳:なんかねーいろいろすごいんですよ、こちらのワインはコンセプトが含まれてて。昔のディスコに通ってた学生時代に目覚めたのか、、、
萩原:遊びすぎたから?笑。
辰巳:ぇw、遊んでいろいろ仕入れたんですか?
萩原:っていうか海外に(視察とか)行くじゃないですか。そうすると’歴史’と’ワイン’と’料理’と’文化’に触れることによって
「自分たちが今作れなくてもその次の世代までに築き上げることが大事なんじゃないかな」と気づいたんです。ま、単純なことなんですよね。
辰巳:そうなんですけどそれがなかなかまだ整理されてない。そこらへんをうまく編集して伝えていくっていうのが本当に大事だなと思います。
僕が日本ワインを応援しているのもそういう意味もあって、それが楽しみというか。
萩原:その歴史に触れることによって”日本の古来品種ってまだ他にもあるだろう?” 。っていうことで大阪の「*紫ブドウ」と京都の「**聚楽ブドウ」
ってのも発見しました。日本の文化に根付いたブドウをこの世にちゃんと蘇らせてワイン造りをしていこう、っと常々思ってます。
見かけはチンピラですけどワイン造りはホンモンです爆。
(*紫ブドウ参考サイト:https://nihonwine.jp/enjoy-wine-life/about-nihon-wine/murasaki-grape-japan-wine/)
(**聚楽ブドウ参考サイト:https://kirp.kpu.ac.jp/activity/2019-a8/))
辰巳:チンピラなんて誰も言ってないじゃないですかっ笑笑。これが社長の味なんですよね。
知り合ってまだ20年ぐらいですけど、来年還暦ということで言葉にずいぶん重みが出てきたように思います。
こうやって言い続けて造り続けてっていうのも大事だなぁと。
萩原:”何事にも一つ事”です、ワイン造りは。
辰巳:聚楽ブドウとか紫ブドウとかっていうのは甲州の枝分かれなんでしょ?
萩原:そうです、枝分かれっていうか”甲州の元”だと思います。
辰巳:カタシモ(ワイナリー)の高井社長なんかは「甲州の起源は大阪や~!!!」ってずっと言ってますもんね笑。
萩原:「大阪の紫ブドウは僕が発見しました!」って言ったら高井さんから電話があって「わしゃアンタ嫌いや」笑笑。
辰巳:ハッキリ言いますからね笑。でもそう言いながらけっこうアレですよ、、、。
萩原:楽しいですよ、切磋琢磨するべきだと思います。
辰巳:まだ仲悪いんすか?
萩原:いや、電話すれば出てくれるから爆。
辰巳:ちゃんと認めてるんですよ笑。
萩原:「嫌いや」って言うのが生きがいみたいです笑笑。
辰巳:大阪人のデリケートなとこっていうか天邪鬼なとこですね。
辰巳:そういえば料理がきてました。シェフ、今日のお料理はなんでしょう?
「能登とり貝と加賀太きゅうりのサラダ 加賀れんこんのピューレとともに」
井村:5月の下旬にこのお店(Villas des Marriages 多摩南大沢)で石川県の食材の料理フェアというのをやったんですけど、
その時に使ってよかった加賀れんこんと加賀太きゅうり、あと能登とり貝を合わせたお料理になってます。
辰巳:ほぉ。大阪の名物でもレンコン饅頭とかあるんですけど、やっぱ粘り気があるんですよね。この酸味はワインに合わせて?
井村:はい、これはレモンの果汁と皮で。
萩原:いいね✌︎
辰巳:このちょっとした土臭い感じもこのワインと
萩原:いいですね。恋もワインも料理もバランスですよ爆。
辰巳:スタジオ周辺ウケてますけど。恋は情熱よりバランスだと?
萩原:バランスですっ!
辰巳:この料理、とり貝?美味しい!
萩原:ほんと、臭みもないし。もう一個くださいって感じ笑笑。
辰巳:トリ貝の塩っ気ってこの古代甲州に合いますよね。
これからあと2ヶ月このお店で召し上がれますのでぜひお越しください!
萩原:まとまってますよね。
辰巳:うーん、美味しい♪ではこれを味わっている間にリクエスト曲を。今日は何にしましょう?
萩原:・・・私ですか?(←ですよ)。そりゃやっぱ青春時代。ディスコ通いしてたシーナ・イーストンでもいかがですか?
辰巳:いきましょうか。曲は?
萩原:「モーニング・トレイン」、です。
辰巳:ではどうぞ。
シーナ・イーストン「(9to5)Morning Train」(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=S_3vZYOYNYU
辰巳:ついこないだのような気がしますが、この曲も40年前なんですねぇ。なんかゾッとしません?笑。
萩原:ま、ゾッとすると同時にワイン造りの’現役’は後15年ぐらいしかできないじゃないですか。だからこっから少し思考を変えて、
「業界としての次世代に何が残せるか?」、を少しずつ考えるようになりました。何も残せないかもしれないけどそういう意識は大切だなぁ、
と思うようにはなりました。少し大人になりました笑。
辰巳:今4代目でしょ、5代目は?
萩原:ま、娘が。”不肖の娘に不肖の父”って感じですかね笑笑。
辰巳:お子さんはお嬢さん一人?
萩原:そうです。
辰巳:萩原さんはいつ頃から家を継ぐって思ってました?
萩原:意外に中学の頃から思ってましたよ。
辰巳:あれ、一人っ子?
萩原:いえ、姉がいますよ、意地悪な姉が笑笑。
辰巳:ぇw、意地悪なんですか?
萩原:けっこうキツかったですよ。今だにキツイです笑。
辰巳:でも家に男の子が一人だから”自分が継ぐ”と?
萩原:そうです。
辰巳:中学時代って早くないですか?
萩原:他に能力がなかったんす。野球だと投げたら160kmちょっと欠ける、(100m)走ったら10秒切るか切らないかだったから爆。
ちょっとダメだったんですね~笑笑。
辰巳:だったら東京農大をちゃんと卒業して・・・。
萩原:まぁそれも裏口ですね笑笑。
辰巳:・・・いつもこの調子だからね、どこまでホントなんだか笑。だから’元暴走族’(←先週のジョーク)も信じちゃう。
それでもきちんとあと継がなくちゃと覚悟は決めた。
萩原:覚悟決めるのは早かったっすよ。迷いはなかったです。
辰巳:東京時代は楽しい学生生活(←ディスコ三昧)やってたのに?
萩原:おふくろがけっこう呪いみたいのかけるんですよ笑。『いつ親が死ぬかもわからないから、早く働きなさい』。枕元で言われてた呪いですね。
辰巳:そういう意味ではまっすぐ。純情。いい青年だったんですねぇ。
萩原:シェフはどうでした?
井村:僕はー、、、すごいお利口さんでした笑笑。
萩原:言葉は西ですよね?
井村:大阪です。
辰巳:僕もシェフも大阪の住吉出身だから同じ雰囲気あるんです、世代は違いますけど。
でもどっか真面目そうに見えていちびりな部分もあるし。
話を戻しますと、今日改めてお話し聞いたらわりと順調にやってるんですね、将来の照準も定めて。
あれ、結婚ーは?
萩原:まぁまあ、その話はまた今度笑。
辰巳:ラジオですからね、言える話かそうでないか笑。その辺は来週、か、来週との間笑、にしましょうかね。
本日のお客様は山梨県勝沼からお越しくださいました「大和葡萄酒」の萩原保樹社長でした!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
大和葡萄酒株式会社
http://www.yamatowine.com
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2022年6月9日放送回
- ワイナリー
大和葡萄酒株式会社
http://www.yamatowine.com- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/