ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年12月9日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
12月のゲストは山梨県勝沼、原茂ワイン株式会社の古屋真太郎社長です。実家の生業を継がなくてはいけない重責を感じながらもギターに明け暮れていた古屋少年。辰巳さんとの最初の出会いは継ぐ前のリフォーム番組でした。(全5回  2回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:はい、12月は5回放送があるんですけど、第2週目でございます。今月は山梨県勝沼の原茂ワイン、3代目の古屋真太郎さんにお越しいただいております。

辰巳・古屋:よろしくお願いします!

辰巳:原茂というのは「’原’という地域の’茂左衛門’」だったというお話を先週伺いましたが、実は山梨県のワイナリーで初めてお邪魔したのが原茂ワインだったんですけど、、、。

古屋:何度か来ていただいてますね。

辰巳:覚えてます?多分2000年だったと思うんですけど、最初はリフォームの番組。(古屋:頷)あの頃は「*辰巳琢郎のリフォーム夢家族」というタイトルでテレ東でやってまして、”リフォーム番組”のフロンティアだった。その番組のまだ初めの方で、「民家を改造してワインショップとお店を作った」という”リフォーム物件のご紹介”としてお邪魔してるんですよ。お互いまだ若い頃笑。あれで「日本のワイナリーってこんなんなんだー」って思いました。ワイナリーで最初に行ったのは「食いしん坊万才」の時のマンズワインの小諸ワイナリーだったんですけど、山梨では初めてだったと思います。だから2003年から日本ワインを応援する前。古民家の前に手の届かないぐらいの高い葡萄棚があってブドウがぶら下がってて、みたいなところだったんですけど、あれはリフォーム間もない頃だったんですか?
(*辰巳琢郎の夢家族 参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/辰巳琢郎のリフォーム夢家族 後継している現在の番組は「辰巳琢郎の家物語」:https://www.bs-asahi.co.jp/tatsumi/

古屋:そうです。古い家ってこともあったんですけど、新しくワイナリーを作るお金もないから「自分ち改装してワインショップ広げよう」ってことで住んでる家の玄関先をワインショップにしたんです。

辰巳:そうか、それでこれまでワインショップだったところを工場にして?

古屋:はい、工場の方はある程度近代的なものもすでにあったんで、スレートで増築して。父がやってた頃の箇所は・・・お金の都合なんですけど、今は私が杉板貼って隠してあります。元々の家の方は古い雰囲気があるんですけど、工場の方はスレートで付け足し付け足しで(リフォーム時に)古民家と見合うように工場は杉板で隠しつつ、、、。えー、「原茂ワインはワインが美味しいよ」ってなかなか言ってくれないもんですから「建物いいよ、雰囲気いいよ」でワタシ助かってます爆。

辰巳:原茂ワインさんとルバイヤートさん(丸藤葡萄酒工業)と勝醸さん(勝沼醸造)とクラムボンさん、4軒の古いワイナリーの民家で構成した「*日本遺産」になったという。
その頃はまだ社長ではなく?継いだのは何年ぐらい?
(*「日本ワイン140年史」日本遺産認定参考サイト:https://www.furusato-tax.jp/feature/detail/19213/7128

古屋:私が50過ぎてからなのでー(←1963年生まれ)。最初から「長男、後継」っていう雰囲気だったんですけど、私が社長になっても父が頑張ってて、当時からあった「原茂園(原茂観光葡萄園)」の名前が有名だったんですよ。そして父の人生が終わった時に、私が「原茂ワイン」と看板を書き換えて「ワイン専門になります」と改めました。父は「原醸造」から「原茂園」に変えたんですけど、(主たるは)観光葡萄園でやってたもんで(親子)喧嘩しちゃってたんですよねー。「生食用は貴方(父)が*ジベ(←ジベレリン処理)してください。私はワイン造ります!」って。そこから分業になってきたんです。

辰巳:この間も話題になった(←10月のゲスト、白百合醸造の内田由美子専務の時にこの話が出ました)”ジベ”ですね。
ともあれ乾杯しましょう。

(*ジベレリン処理 参考サイト:https://www.ajfarm.com/2559/

全員:カンパーイ🎶

原茂ワイン「甲州樽熟成 2018」

辰巳:んーなるほど。今回は「原茂甲州樽熟成 2018年」ですね。樽熟成とありますが、樽がダァーっと前に出るんではなしに、ほのかに辛味・苦味・旨味がついてる感じですけど。シェフ、このワインいかがですか?

(今回も会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」井村貢シェフに同席いただいています)

井村:優し~い樽の香りというか、、、とにかく優しいですね。でもしっかり辛味がある。

辰巳:あんまり樽を強くすると’甲州らしさ’がなくなってくる。樽使いってホントに難しいって思うんですけど、これはどんなことを考えたどんな商品なんでしょうか?

古屋:おっしゃる通り、優しいんですね。だからあまり樽に長く入れると樽負けしちゃう。そうすると個性を失って「木の香りだけだよね」ってなってしまう。甲州らしさってってなんだろう?っていうところで優しいワイン、だけど’香り’は伝わった方がいいんですね。でもやっぱり”シュール・リー”とは違いがないと、料理と合わせる時に’どっちつかず’になってしまうんです。やっぱりこれには’樽からくる香りってのはつけたい、でも味わいの優しさはとっときたい’。

辰巳:前回のシュール・リーでは(英語読みの)’リーズコンタクト’と名乗ってましたが、今回は’バレル エイジド’とまた英語できました笑。このワイン元々「原茂ヴィンテージ」っていう名前じゃありませんでしたっけ?

古屋:その年のワインのことも’ヴィンテージ’というんですが、ヴィンテージってそもそも”古いワイン”のことを言うんですよ。それと混同しちゃうからこの度’ヴィンテージ’抜りました!

辰巳:以前の原茂甲州ヴィンテージがこれになったってことですね?

古屋:そうです。

辰巳:ラベルもあまり変わらない、ブドウと葉っぱの絵が描かれてますけども。井村シェフ、今日はこのワインにどんな料理を合わせてくれたんでしょうか?

井村:はい、今日は北海道産のシャケと地元八王子のほうれん草をサバイヨンという卵のソースで合わせました。ワインに複雑味を感じたので上に香ばしいパイを乗せて。


サーモンとほうれん草のパイ サバイヨンソース

辰巳:パイ乗ってますね。これをバリバリっと割って一緒に?(井村:頷)、それとカリフラワーとほうれん草。このシェフね、もう”野菜の魔術師”みたいなシェフなんです。ではいただきまーす!
これまたおいし♡このパイはワインの樽に少し近づけようとするアレンジだと思います。ラジオを聴いてるだけじゃなかなかこのニュアンスが伝わらないかもしれませんが、ぜひHP等でご覧になってください。(←、ぁ、このサイトのことですね)

古屋:「目に見て食べたくなる」。美しいといいますか、色合いも(ラジオで)表現できないのは残念です。樽の優しくて香ばしい感じは”パイ”っ!と想像なさるのは視点が合ってる。

井村:ありがとうございます!

辰巳:このピンクペッパーも効いてる。

井村:好きなんです、この香り♡(←ピンクペッパーは井村シェフが要所要所のアクセントで使っています)

辰巳:’味変’というかね、途中でピンクペッパーを齧ると香りがフワァ~っと広がってきて、、、

井村:またワインの次の一口が進むといいますか・・・。

辰巳:ピンクペッパーってロゼや赤に合わす時によく使うんですけど、樽を効かせたワインにも。なかなかやりますね。
こちらのお料理も今日のワインとペアリングしてお召し上がりいただけますので是非お越しください。(←2022年1月いっぱいまではお店で提供予定です。詳しくは予約時にご確認ください。)

古屋:本当に”ワインが活きる”っていう感じがしますね。

辰巳:やっぱりワインはそれだけグビグビ飲むもんじゃぁないと改めて思いますよね。

辰巳:前回子供の頃からギターが好きで、ぇ、(井上)陽水から入ったって言ってましたっけ?(古屋:頷)陽水さんはどの歌の頃から?

古屋:やっぱり「*断絶」。ギターの入りがかっこいいなぁみたいな。それを聴いたのが小学生の頃。
(*井上陽水が1972年にリリースしたアルバム)

辰巳:僕より5歳ほど年下だから僕は陽水は中学の頃でした。高校になってチューリップになった頃は古屋さん中学生?

古屋:はい、「エレキギターかっこいいな!」っと思った頃。

辰巳:その頃はもうバンドとかやってた?

古屋:えぇ、まぁヘボバンドといいますか笑、まずは’独りでやろう’って感じだったです。今は女性ヴォーカルで(私が)ギターを弾いてるんですけど。今もやってます。

辰巳:えぇ!?なんて(名前の)バンドなんです?

古屋:「*大西かやバンド」、ヴォーカルの名前をとって。勝沼というか、ブドウ園のイヴェントなんかでやらしていただいてます。
(*大西かやさんは元テレビ山梨のアナウンサー)

辰巳:お噂だけは聞いてましたけど、ちゃんとギターを弾いてる姿を見たことがないんで。

古屋:「ヘボい人がいるから上手い人がいるんだよ」、の「ヘボい」を担当しています笑。子供の頃に「(女子に)モテたかった」「ギター弾いたらモテるんじゃないか視点」にいっちゃったんですね笑。

辰巳:みんなそうですよ、ギターにいくかサッカーにいくか笑。

古屋:ま、そんな気持ち笑。そんなことでボーカルもやりたかったけどカラオケも歌えないぐらい声が低い。

辰巳:先週も言いましたけど、声優さんやったら絶対モテると思いますよー。

古屋:じゃ、今から笑笑。

辰巳:そろそろ曲いきましょうか。今日はなんでしょ?

古屋:クイーン、「Hammer To Fall」です。

辰巳:ではお聴きください。


Queen「Hammer To Fall」(1984年)
https://www.youtube.com/watch?v=D5bzrb-v9Y0

辰巳:ギター少年だった若い頃からもうブドウ園はあったわけですけど、いずれはやる(継ぐ)とは思ってたわけでしょ?

古屋:そうですね。父が飲んべぇだったんで当時から「ワインは飲むものだ、だから辛口なんだ」と。それで甘いお土産ワインにはいかないで、「オレが飲む、地元の人が飲むワインだよ」はいつも強く言ってたので、晩酌はいつもワインでした。

辰巳:後継だから子供の頃から(ワインを)舐めさせられたりしたんでしょ?

古屋:それはずっと後になってから。

辰巳:フランスなんかではオッパイを飲んでる頃から指にワインをつけて舐めさせるみたいなことをやってるようですけど。

古屋:それはなかったんですけど、お祭りの時にふざけて飲んだ時はあったような。でも最初はビールだったかな?

辰巳:勝沼でビール!?

古屋:その頃すでに’乾杯はビール’(←とりあえずビール?)はあったんですよね、ビールはアルコール度数が低いから。

辰巳:その頃は将来ワイン造りをするのを覚悟してた?それとも反発してた?

古屋:”少年よ大志を抱け”ってな言葉もあったんですが、うちの場合は”ブドウ園の長男”。もうこれは強制で、反発したい気持ちもありましたけど、両親の姿を見て自分の立場を言い聞かせました。(姉妹)上下は女に挟まれているので・・・。若い頃はこんな風になりたいあんな風になりたいっていう願望があったんですけどね。”農業をやらなきゃいけない”って思ったときはちょっと寂しかった。

辰巳:そして東京の大学に出てきてワインを志した?

古屋:いや、その時はスポーツだったんですよ。

辰巳:スポーツ?

古屋:スキー。

辰巳:スキー!?ちょっとこの話を聞いてるとまた長くなりそうなので、この続きはまた来週ということで。まだあと3週ありますので、引き続き宜しくお願いします。12月のお客様は原茂ワイン3代目社長の古屋真太郎さんをお迎えしています、ではまた来週!

全員:ありがとうございました!


(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年12月9日放送回

ワイナリー

原茂ワイン株式会社
https://www.haramo.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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