ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年12月2日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
12月のゲストは山梨県勝沼、原茂ワイン株式会社の古屋真太郎社長です。独特のいでたちで登場したのには訳がありますが、それについてはまた次回以降。初回は甲州シュール・リーを飲みながら愛するブリティッシュロックを熱く語ります。(全5回  1回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:もう12月になってしまいました、早いですねぇ。来年もあっという間に終わっちゃうのかなぁとか。。。それもちょっと気が早いすかね笑。今月のお客様は山梨県勝沼からお越しいただきました、原茂ワインの3代目社長の古屋真太郎さんです!

辰巳・古屋:よろしくお願いします!

辰巳:カッコイイ帽子をかぶって眼帯をつけて、独眼竜政宗というか暗黒街の顔役というか笑、そんな出で立ちでいらっしゃいます。ま、この辺の話はまたゆっくりと伺おうと思いますけど。古屋さんって昔から思ってたんですけど、なんかね、声に特徴があるんですよ。だからラジオにちょうどいいんじゃないかと思うんですけど。

古屋:声が低いんですよ。実は昔バンドをやりたいと思ってたんですけど、声が低くて歌えなかったんです。それで「ギターに専念しよう」ってなことで今バンドでギターを弾いてるんです。

辰巳:低いってのはわかるんですけど、声に何となく”色”があるというか。声優さんで古屋さんみたいな声の人がいたような・・・。
そして今日もここ「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席していただきます。

井村:よろしくお願いします!

辰巳:今月も美味しいお料理をたくさん作ってくださったようです。ではまずは乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶


原茂ワイン 甲州シュール・リー 2020
https://www.haramo.com/products.html

辰巳:まずは白ワインです、甲州。甲州のなんですか?

古屋:*シュール・リー、**リーズコンタクト。リーズコンタクトは英語です。ワインってとかくフランス語なんですけど、僕は「なるべく英語を使おう」と思って。
(*シュール・リー参考サイト:
https://wine-link.net/pc/dictionary/detail/1125
(**シュール・リーの英語訳)

辰巳:でも”甲州シュール・リー”って一つのワイン用語みたいになってますからね。

古屋:なのでこれはワイン名ではなく英語の注釈です。

辰巳:さっきバンドとか言ってましたけど、アメリカ好きですか?

古屋:いや、ロンドン、、、イギリス系です。

辰巳:イギリス系ですかー?ってことはやっぱりフランス嫌いでしょ?笑笑。(←どうもここに持っていきたがる傾向がある、フランスがあまり好きではない辰巳さん)ドイツ人とフランス人もけっこう仲悪いですけど、イギリス人とフランス人もかなりけなし合うんですよ笑。で、できるだけ英語を使いたいと?

古屋:その”イギリス”っていうのはワインにとっても大きい意味があります。歴史的にはイギリスは「ワインを買う」側だったんですよね。だからフランスはどんどんイギリスにアピールしていくという。まぁこういう勉強したのもギターもイギリスのロック系が好きなのも全部偶然なんですけど。

辰巳:今世界のワイン市場を牛耳ってるのは”ロンドン市場”だったりしますからね。

古屋:私たちも「*KOJ」で「甲州売りに行きましょう」の先はロンドン。
(*KOSHU OF JAPAN:http://www.koshuofjapan.com/ja/

辰巳:最近は温暖化でワインも出来ますけどロンドンは元々寒くてね、ワイン(ブドウ)ができなくてフランスから買ってたし、18~19世紀は産業革命でお金もあったし、”ワインを買う”という裕福層がいたのもロンドンだったという、、、。そんなイギリスかぶれの古屋さんですが笑。このワインは2020年のシュール・リーですけど、だいぶ前から造ってるんですよね?

古屋:甲州の優しい味わいにこの澱からくるアミノ酸。元々は「手早く造ってフレッシュですよ」っていう時代、”新酒祭り”とかがフォーカスされてる時代だったんですけど、「後からもっと美味しいワインができるよー」っていうムーブメントが起きてこの”シュール・リー”っていう技術が当たり前になったんです。

辰巳:原茂ワインさんでは何年ぐらい前から?20年ぐらい?

古屋:そうですね。私は長男で、「大学4年間は好きにやっていいよー、でも卒業したらすぐに帰ってこいっ!」っと。

辰巳:卒業されて家に戻ったのは?

古屋:さぁ何年でしたっけねぇ笑。

辰巳:生まれは?

古屋:1963年です。

辰巳:普通に浪人留年せずに行けば85年?

古屋:ですかね。で、(実家に)帰って5年ぐらい経った頃にメルシャンさんがこのシュール・リーをやりだして、しかもその技術をオープンにしてくれて。これを機に甲州は「フレッシュでジューシー」から脱却しました。

辰巳:なるほど、それから(甲州の)定番として30年ぐらい造られてきたんですね。シェフ、この番組が始まって1年半、これまでも甲州のシュール・リーはいろいろお飲みになってるとは思いますが、これはどうですか?

井村:旨味がグッと、けっこう前に出てくるワインだと思います。余韻も残りますし。

辰巳:あんまりキンキンに冷やさない方がいいかもしれませんね。温度も上がってきて今多分15℃ぐらいですけど、ちょうど味わいも深くなってきました。で、本日のお料理は?


中西ファームの大根と生姜のブルーテ

井村:このワインの旨味に合わせて、今旨味と甘味が乗ってる大根を使いました。

辰巳:なんかポタージュスープみたいですけど?

井村:ちょっと生姜の香りを加えたブルーテです。上のグリーンは大根の葉っぱをピューレにして少し苦味を合わせてみました。

辰巳・古屋:いただきまーす!

辰巳:ふんふん、いいなぁ。

古屋:このほんのりしてる感じがワインの後味にうまく合う感じ。

辰巳:すごく寄り沿わしてきましたね。ベースは野菜の出汁だけですか?

井村:そうです、ブイヨン、と大根だけ。動物性は使ってないです。この大根だけで十分旨味が乗ってますんで。

古屋:!? 大根だけでこの味はすごいですね!素材を知ってるんでしょうね、「これをこうやればこうなる」のを。偶然できた感じじゃない、、、やっぱりプロですよ。

辰巳:このお店に来るお客さんはほとんど日本ワインを頼んでシェフの料理とのマリアージュを楽しむんですよ。もうこのジャンルでは日本一でしょ。「『わざわざ』八王子まで来てこのマリアージュを楽しもう!」ということから始まった番組ですからね。

古屋:すごくいいワインを造ろうとすると値段が高くなるのも良くないと思いつつ、うちもたくさん造ってるワイナリーじゃないもんですから、ある意味”『うちのワインを』飲みたい人に飲んで欲しい”。

辰巳:ちなみにこれはおいくら?

古屋:これ1890円。

井村:コスパいいですねぇ。

古屋:自分の中では”2000円以上とそれ以下”と一応区別はつけてるんですけど。ワインってのは「(値段が)高くならないように」、も考えなきゃいけない。やっぱり日常的に飲んで欲しいし。その中にたまにいいものも造らなきゃダメで、、、。2000円以下の位置づけはそこですね。

辰巳:ワイン好きの連中と話をしていると3~4000円のワインだと「安いー!」ってなる。普段どんだけ高いワインを飲んでるんだっ!?笑笑。もちろんそういう人ばっかりじゃないですけど。山梨のみなさんもそうでしょうけど、普通に晩酌で「とりあえずビール」じゃなしに「とりあえずワイン」にするにはこのぐらいのお値段じゃないとね。

ここで曲を聴きましょうか?古屋さんの第1回目のリクエスト曲はなんでしょう?

古屋:はい、レッド・ツェッペリンの「Since I’ve Been Lovin’You」。

辰巳:この曲直訳すると?

古屋:???笑(←ウィキペディアによると邦題は「貴方を愛し続けて」らしいです)。この曲が好きなのはジム・ペイジっていうギタリストがギブソン(レスポール)っていうギターを弾いてて「カッコイイ!俺もあーなりたい!」って思ってたから。

辰巳:なるほどー歌詞は関係ないんですね笑笑。

古屋:日本のアルバムには歌詞カードが付いてるんですけど、海外版は付いてないんですよ。だから「気持ちでテキトー」笑笑。

辰巳:まぁロックなんてそんなもんでしょうけど、日本人は「洋楽を聴いて英語を勉強しました」って人も多いし、僕もビートルズの歌詞カード見て「何この略語?」みたいなこと思ったこともありますけど笑。では聴いてみましょう。


Since I’ve Been Lovin’You
https://www.youtube.com/watch?v=K8R7zjJMIfU

辰巳:いや、なんか僕も懐かしい感じもしましたけど、これ何年の曲でしたっけ?80年代後半ぐらい?

古屋:いや、もっと早いんじゃ?ビートルズと同じぐらいなんで私が小学校の頃。だからリアルタイムよりもずっと後になって聴いてるんですよ。ちなみに最初に音楽に興味が湧いて来たのは井上陽水。
(←Since I’ve Lovin’Youは1970年でした)

辰巳:そうかそうか、まぁそういう時代は感じますよね。
今月は木曜が5回あるんであと4回なんですが、最初に大事なこと聞き忘れてました。原っぱの”原”に”茂”で「原茂(ハラモ)ワイン」ですけど創立何年ですか?

古屋:元は「原醸造」と言っていたんですけど、1924年から協同組合で始まってます。生食用ブドウが売り切れなくて余ったぶどうをワインにしようというのが勝沼のワイン産業の始まりで協同組合ができたんですよ。それが姿を変えて「原茂ワイン」になったり「くらむぼん」になったり「ダイヤモンド(酒造)」になったり。。。税務署の指導で「株式会社にしなさい、事務所組織にしなさいよ」と。そこから「原茂ワイン」に名前が変わったんです。

辰巳:名前が変わったのは?

古屋;1973年です、まだ祖父の時代。

辰巳:1924年?そんなに古かったんですか。これ甲子園球場が出来た年、かな?(←ご名答!)

古屋:そうすね、大正の終わり頃。おじぃさんが若い頃、そして私は父が50歳の時の子なんですよ。

辰巳:なるほど。そこでジェネレーションが(1世代)飛ぶような感じで?(古屋:頷)だから古屋さんが3代目で。

古屋:原茂ワインの名前の由来ですが。「原醸造」の’原’は(当時の)原っていう場所、そして私の家系で代々継がれてる名前が”茂左衛門”だったんです。「原の茂左衛門さん」で『原茂』。

辰巳:じゃぁ今は”古屋茂左衛門”さん?

古屋:襲名するとそうなりますけど。

辰巳:茂左衛門さん。

古屋:”原”の”茂左衛門”です笑。

辰巳:原茂ワインの説明が終わったところで今回は時間になってしまいました笑。また来週以降よろしくお願いします。今月のお客様は原茂ワインの3代目社長、古屋真太郎さんです。また来週お会いしましょう!

全員:ありがとうございました!


(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年12月2日放送回

ワイナリー

原茂ワイン株式会社
https://www.haramo.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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