ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年12月16日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
12月のゲストは山梨県勝沼、原茂ワイン株式会社の古屋真太郎社長です。将来はブリティッシュロックミュージシャン?っと思いきや、学生時代はスキーに明け暮れていた様です、しかもガチ体育会系。勝沼の老舗ワイナリー後継の悪あがきを語りながら「ハラモシャルドネ」で乾杯!(全5回  3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:今月は「勝沼ワイン協会」の会長でもございます、原茂ワイン3代目の古屋真太郎さんにお越しいただいています。

辰巳・古屋:よろしくお願いします!

辰巳:そういえば「勝沼ワイン協会」のご紹介をすっかり忘れてましたけど?

古屋:ま、「順番がきたー」ということで今受けております笑。勝沼には大手のマンズ、メルシャン、サッポロさんから私たちみたいな小さいところまで、いろんなスタイルのワイナリーがあるんですが、今24社と準会員ってのも10社ほど加入してまして。けっこう大所帯になってます。

辰巳:だって日本一のワイン産地ですからね。

古屋:この会の特徴は、以前会長をやった人たちもこの会にまだいるんですねー。だから私は一番上じゃない。

辰巳:ちなみに前会長は?

古屋:勝沼醸造の有賀さん、その前は丸藤葡萄酒の大村さん笑笑。(←日本ワインの事情通なら「うをぉっ」と声を上げるところです、多分)

辰巳:その前は三澤さんとか?笑笑(←中央葡萄酒の三澤茂計氏)

古屋:いや、蒼龍(葡萄酒)の鈴木(卓偉)さん。まぁそういう感じで「地元資本のワイナリーが会長やってるよ」っていう流れ。だから年の順で来てしまった笑笑。

辰巳:任期は?

古屋:一応2年なんですけど暗黙の了解で「×2年」、だいたい4年ですね笑。

辰巳:では乾杯したいと思います。

全員:カンパ~イ🎶


ハラモ シャルドネ 2018

辰巳:う~ん、これもちょっと変わった、クセのあるといいますか、面白いワインですねぇ。
今日も収録場所「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもご一緒していただいておりますが、シェフ、このワインいかがですか?

井村:いやぁ、美味しいですー。もう一発目にその言葉が出てくる。
本当に深みがあって楽しめるワインだなと思いました。

辰巳:果実味たっぷりのガツーンっとくるワインじゃないんですけど、すごく香る。面白いです。これどんなワインなんですか?

古屋:甲州は日本の代表品種で優しいワイン。当然のことながら”勝沼の顔”です。一方でシャルドネは世界品種。コロナの前は海外の人も日本に来ていたんで、この世界品種も造って(他国のシャルドネと)比べてもらって認めてもらえたら「じゃぁここの甲州もいいんじゃない?」ってなるんじゃないかなーと関連付けたんです。

辰巳:はぁぁぁ、なるほど。いろんな人とお話ししましたけど、このコメントは初めてでした。「甲州を飲んでいただくための橋渡しでシャルドネを造る」と。

古屋:シャルドネという品種は白ワイン用としては最高峰だと思うんです。ブルゴーニュのモンラッシェとかね。だから自分でも挑戦してみようと思って。カナダやアメリカから来た友達に飲んでもらった時に「大したことないな、じゃぁ甲州もどうせ大したことないんでしょ」ってならないように。

辰巳:世界でいちばん作られている白ワインブドウ品種ですから基準になるという意味ですね。

井村:完成度がすごい。

辰巳:これ2018年ヴィンテージですけど熟成もききそうだし。

古屋:時間が経っても美味しく飲めるのをイメージして1ケースずつ10年前からとってあります。当時私がシャルドネを植えた頃は、みんな甲州にしか目がいってなかったんですけど、初めて「いいシャルドネに会ったなー」と思ったのは丸藤(葡萄酒工業)の大村(春夫)社長のところ。そこで「俺もシャルドネやらなきゃ!」っと。

辰巳:なるほどー。製造本数1129本、3樽分だけという少量生産ですが、このワインに合わせるお料理は何でしょうか?

井村:真鯛と根菜を使ったスープ仕立てのお料理です。


真鯛と根菜のブイヨン 豆乳のムースをのせて

辰巳:カップの上が泡で(下に)何があるのか全くわからない笑。

井村:カプチーノ仕立てにしてあります笑。

辰巳:いただきま~す。
ん?ブイヤベース?フッシュ系のスープ?

井村:はい、お魚系のスープなんですけど、泡を入れることで舌触りを軽くしました。その軽さとシャルドネがマッチすればいいかなぁと。

辰巳:この泡はなんですか?

井村:豆乳です。時間をかけてムース状に泡立ててます。豆乳は豆からできてますんで、たくさん入ってる野菜と合うんです。

古屋:私初めての味わい、表現できない笑。

辰巳:こういうのにはわりとロゼとか合わしたりしますけど、このしっかりめのシャルドネ、酸もしっかりあるのでアクセント的にはいいですね、このグリーン(パセリです)なんかとも。’加える’マリアージュというか。

井村:あと入ってるのは里芋、味の濃い紫の大根、じゃがいもが2種類。魚の香ばしさ、貝の旨味として真鯛と帆立貝。

辰巳:寒くなると特にあったかいスープが美味しく感じますよねぇ。

辰巳:そうそう、先週のお話の続き。冬といえばスキー、ですけど、大学時代スキーにハマってたとか?

古屋:父が山を登る山男だったんですけど、山岳部にいながらスキーが好きで競技スキーをやってて、それに連れて行かれたような。だから私は中学の頃から大会に出てたんです。

辰巳:競技スキー?アルペン?

古屋:そうです。回転、大回転、滑降の3種目があって全部やってました。

辰巳:へぇぇぇぇ!?

古屋:国体には4回。大学時代は山梨国体の時に。社会人になってからも少しやったんですけどしばらくして辞めました。

辰巳:、中学からアルペン?

古屋:えぇ、全中大会とか。でも山梨なんで代表になるのそんなに難しくないんすよ、みんなやらないから笑笑。

辰巳:そんな言い方したら元も子もないじゃないですかー笑。でも山梨にもスキー場3つ4つありましたよね?

古屋:人工スキー場が御坂にありますし、山梨には4つぐらいかな?昔はスキーはすごく人気がありました、今はスノボとかになっちゃいましたけど。

辰巳:僕も大学生時代、春と秋は芝居して夏はずーっとアルバイトしてお金貯めて冬はスキーってのがだいたい1年のサイクル。あとは日常的に麻雀。全然勉強しない学生笑。

古屋:私も大学時代は麻雀笑。

辰巳:やっぱ麻雀ですよねー。麻雀で人生勉強したってのはありますよねぇ。(←ぇ、そういうもんなんですか?)シェフぐらいになるとまた歳もひと世代下なんですけど麻雀なんかやってました?(辰巳さん1958年生、古屋さん1963年生、井村シェフ1972年生)

井村:いえ、もう流行ってなかったですね。

辰巳:やっぱりね。時代を感じますねぇ。
ではちょっと曲いきましょう。今日のリクエスト曲はなんでしょう?

古屋:オジーオズボーンの「I don’t Know」。ランディ・ローズのギターがよくって。

辰巳:へぇぇ、まずは聴きましょう、どうぞ。


オジー・オズボーン「I don’t Know」
https://www.youtube.com/watch?v=EnBBqs9sgxg

辰巳:1980年の曲、僕は学生時代バリバリ芝居やってた頃でしたけど古屋さんは高校生の頃ですね?(古屋:頷)
話戻りますが、スキーって何が楽しかったんですか?

古屋:スピード感ですね。「バイクに乗るよ」みたいな歳でもあったし。「生の体で感じられる風」はすごいスピード感がありました。

辰巳:スキーやってるとモテました?

古屋:その当時は純粋に”優勝したい”とかだったんで暇があれば筋力をつけたり走ったりしたもんですから。

辰巳:ほんとにスポーツマンだったんですね。

古屋:大学に入ってから「もうちょっと音楽やりたいな」、で選手と同時に役員もやったんですけど「もうカンベンしてください」ということになって、それからスキー場には行かなくなりました。

辰巳:ってことは大学までですか?

古屋:はい、大学4年までです。高校3年生の時に「オマエなかなか(スキーの筋が)いいねぇ」と褒められて。ところが大学に入った途端「麻雀も面白いじゃん」笑、ってなって。あれ、音楽もやりたいや、じゃ、スキーは・・・まいっか爆。
しばらくして山梨国体(当時は甲斐路国体)の時に再び選手として呼ばれました、まぁ幸運でしたね。それで卒業して田舎帰ったら冬場は仕事ないんですよ。

辰巳:そうか、じゃぁ冬場はスキーやりたい放題?だったらスキーやめる必要もなかったんじゃ?

古屋:でもね、やっぱり後輩に抜かれてくると「ここらでやめとくか」ってなる。それとワインの仕事も忙しくなってきたんです。だから私の趣味は「何日も行くスキー」→「1日でできるゴルフ」→「数時間で楽しめる釣り」→「机の上でできる囲碁」、みたいにだんだん短くなってきちゃって笑笑。

辰巳:いろんなことやるんすねー、”趣味人”。

古屋:遊ぶこと大好き♡「遊ぶために仕事してる」ぐらいに思わないと。長く辛い人生はワインが癒してくれるかもしれないけど、自分の楽しみもね。

辰巳:ワインは楽しみじゃなく仕事なんですね?

古屋:例えばロマネ・コンティやペトリュスがあるとして。これをどんな人が楽しむのかなぁと思いながら現地で体感したらだんだんワインに夢中になってきたんです。で、田舎に帰って親父と喧嘩しながら過ごしてた頃に「*勝沼ワイナリーズクラブ」ってのができまして。当時の中央葡萄酒の三澤社長が町内ワイナリーを集めて、「地元資本でこれからワインをどうしていくか考えようぜっ」って言ってくれて。それでようやく注目するようになりました。

辰巳:あっ、そうなんですか。「勝沼ワイナリーズクラブ」っておっきな影響あったんですねー。何年でしたっけ?
(*勝沼ワイナリークラブ:http://kwc1987.com

古屋:1986年です。メンバーは入れ替わってはいるんですけど、「勝沼でワインをやっていくとはどういうことか?」を先輩たちからすごく影響を受けたんですよね。三澤さん(中央葡萄酒 三澤茂計さん)と丸藤の大村(春夫)さんとクラムボンの(現代表 野沢たかひこさんの)お父さんと私の4人でボルドーにも行きました。「せっかく来たんだから五大シャトーのワイン買ってこうぜ!」「ブルゴーニュも買おうぜ!」ってなって1985年のロマネ・コンティ1ケース。4人で分けました(!!!!!)。

辰巳:その頃はまだ安かったんでしょ?

古屋:向こうで(現地で1本)8万円です。そんなもんなんですよ~。この前銀座のレストランでメニュー見たら「280万円」なんて書いてあって爆。

辰巳:とんでもないですよねぇ、そんなになるからワイン自体がだんだん文化じゃなくなってくるんすよ。

古屋:でもまぁ”8万円のワインが世界で飲まれてる”現実を注視していると「こりゃ真剣に取り組まないと追いつけない」。「こりゃ仕事じゃなく”人生だよ”」になっちゃった。

辰巳:それが「勝沼ワイナリーズクラブ」だった。そっから(勝沼の動きが)変わっていくんですねー。ではまた次回、スイマセン、この番組思ったより短くて。12月のお客様は勝沼 原茂ワインの3代目社長 古屋真太郎さんです。また来週お会いしましょう!

全員:ありがとうございました!


(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年12月16日放送回

ワイナリー

原茂ワイン株式会社
https://www.haramo.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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