2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
7月のゲストは株式会社都農ワイン、取締役工場長の赤尾誠二さんです。実家の家業は母が飼った1匹の豚がきっかけ!?嘘のような誠のお話をオハコのキャンベル・アーリー飲みながら検証します。(全5回 2回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:はい、7月のゲストは九州の宮崎県から、都農ワインの赤尾誠二工場長をお招きしております!
辰巳・赤尾:よろしくお願いします!
辰巳:いやぁー、夏っ!こういう季節にふさわしいワインを今日はお持ちいただきました、キャンブルスコ!
赤尾:はい、「キャンブルスコ・ロゼ・ペティヤン」です。
辰巳:ではまずは乾杯しましょう!
全員:カンパ~イ🎶
都農ワイン キャンブルスコ・ロゼ・ペティアン
https://tsunowine.shop/?pid=140398965
辰巳:んーーー、いいですねぇ。先週もちょっと甘めのをいただきましたが、「都農ワインといえば!」っと我々が認識したのが「キャンベル・アーリー」です。ペティヤン(微発泡)にしたのはいつからですか?
赤尾:3年前ですかね。
辰巳:(キャンベル・アーリー種は元々)スティルワインもあったし、ガス充填のスパークリングワインもあったでしょ?これはじゃぁ第3弾?
赤尾:そうですね、はい。酵母が入ってるスパークリングワインっていうのはすごく味に特徴があるので、普通のスパークリングワインに比べてキレもあるし食事に合わせやすいのかなーと。
辰巳:あ、今週もこちら「Villas des Mariages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもお付き合いいただいています。どうですかシェフ、このワイン?
井村:いやぁ、美味しいです。すっごいフルーティで香りも口の中で広がって、泡のキレがシャープな感じで夏にはピッタリ!
辰巳:そしてこのキャンブルスコに合わせて今日はブルーテ?なんかガスパッチョみたいな色合いの・・・。でもこの色はビーツかな?
トマトとフランボワーズのブルーテ
井村:いや、これはトマトと木苺を使ってます。ワインに木苺の香りを感じたんで合わせてみました。
辰巳:なかなかラジオでお料理の表現をするのは難しいんですが、このお店に来ればこのワインとお料理が召し上がれます。
ではいただきましょう!
全員:いただきます!
辰巳:ん?上に乗ってるのは?
井村:これはフレッシュチーズです。
辰巳:シェフ手作りの?
井村:そうです、最近ハマっております笑。
辰巳:味はやっぱりガスパッチョに近いですよ。近いけどやっぱりこの木苺の酸味がキリッと効いてます。赤尾さん、ちょっとこれ言葉にしてください笑。
赤尾:(実は都農町トマトの産地で、ミニトマトが全国1位になったこともあるんですよ。)このトマトの青い独特の風味と木苺の優しい酸味が一体となっていて、ワインのキュッとした酸味とキレとのバランスがすごくいいと思います。
井村:ありがとうございます(照笑)。
辰巳;今日は久しぶりの東京ということでご一緒してるんですけど、赤尾さんはねー、大人気の醸造家で、もう引っぱりだこ。いろんなイヴェントに登場してますよね。そう、だからもう1年半前から出演をお願いしてたんですけど、、、。
赤尾:ほんとスイマセン汗(←なかなかタイミングが合わなかったようです)。
辰巳:ようやく実現しました。最初の頃はね、ものすごく朴訥なしゃべりをされてて、それがどんどん上手になって今や饒舌なイメージが笑笑。
赤尾:いやいや、宮崎弁しか喋れないんです、申し訳ない笑。
辰巳:で、このワインとの相性いかがですか?
赤尾:見た目(←色)も含めて、すごく特徴を捉えたペアリングだと思ってます。シェフ流石です。
辰巳:流石ですけどこれちょっと色が合いすぎてて笑。ちょっとベタな感じもするんですけど笑笑、でも逆にいうと王道。皆さんに楽しんでいただければと思いますのでぜひお店で体験してください。(注:コロナ禍での政府の対応によってはこちらのサービスができない可能性があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)
では食べちゃぉ♡いただきます!
辰巳:ところで今のこの仕事を始めて何年でしたっけ?
赤尾:18(歳)からやって今46なんでで27年ですね。
辰巳:高校も地元でしょ?
赤尾:そうです、農業高校。高鍋農業高校っていう、、、。
辰巳:ぁ、高鍋まで?宮崎市のもうちょっと南の方でしたっけ?
赤尾:高鍋町、宮崎市内から車で40分ぐらいですかね。
辰巳:高鍋ってわりと有名ですよね、ぁ、ラグビー強かったんだっけ?
赤尾:そうです、高鍋高校は花園に毎回行っていて。
辰巳:スポーツはなんかやってたんですか?
赤尾:バスケットボールやってましたね。そんなに身長高くないんすけどね、体型なんとなくラガー系笑笑。
辰巳:ラガーでもスクラムハーフ系だとそれこそ強そうな気がしますけど笑。
赤尾:その高鍋でも高鍋高校と高鍋農業高校はまた別の高校で、高鍋高校は頭脳明晰でスポーツも万能。高鍋農業高校は将来農業の担い手を育成するような園芸科学だったり畜産科だったり。ハムとかパンとかソーセージを作る学校で、僕の学科は「食品科学科」。板前さんやお寿司屋さんを目指す職人さんを養成する学科でした。
辰巳:でー?何になろうと思ってその高校に入ったんですか?
赤尾:元々寿司屋の板前さんとかー、料理人になりたかったんです。
井村:驚笑。
辰巳:!!!
赤尾:ま、ボク次男で親の刷り込みもあって、自分で食ってけるような仕事がしたいと。
赤尾さんのルーツは太平洋側のほぼ中央
辰巳:家業は?
赤尾:畜産をしてたんです。生まれ育ちが川南っていう町で、僕が生まれた昭和49年に母ちゃんが豚を1頭買っちゃって(飼っちゃって)、みたいな。
辰巳:みたいな???
赤尾:ま、だからペットで豚を飼うみたいな笑。父親は自動車の整備工みたいのをしてたんですけど、その豚がどんどん増えていっちゃって、それから年商1億いくぐらい豚で・・・爆。
辰巳:すごいな。っっっっちょ・・・。お父さん元々は自動車の整備工してたわけでしょ?ペットに飼った豚がおっきくなって?豚ってどんどん増えるんすか?
赤尾:そうです。で、どんどん規模も大きくなっていって。まぁ兄貴もいるんで(親からは)「誠二は手に職つけて・・・」
辰巳:「好き勝手に出て行け!」と?笑笑。
赤尾:両親は家にいるんすけどいないんすよ、家業ばっかりしてるんで。で、ばぁちゃん子だからばぁちゃんがいつもご飯作ってくれるんですけど、例えば”ひじき”。これが晩ご飯だったらあと2~3日ひじき続くんすよ、大鍋で炊いてね笑笑。だから「自分で食べたいものがあったら自分で作れ!」って。それで中学生のときに自分で初めて作った料理が牛丼だったんです。
辰巳:ほぅ、豚丼じゃなしに?爆。
赤尾:その時はなぜか牛丼でしたね、まぁ豚も食べてましたけどー
笑笑。
辰巳:わりと冷たいんですね笑。
赤尾:まぁ確かにうちに元気のなさそうな子豚が生まれると、母親はストーブの近くにあげて「かわいそう」っとか言いながらケアするんすけど、半年も経つとこの子が”円”マークに変わって(売られていく~)。それは白い豚でした。
辰巳:宮崎って畜産県ですから黒豚も結構有名ですけどね。まぁそれがどうやってワインに繋がっていったかっていうのを1曲挟んで伺おうと思います。今日の利食えるとは何でしょ?
赤尾:はい、ウルフルズの「ガッツだぜ」、です。
辰巳:では聴いてみましょう!
ウルフルズ「ガッツだぜ!!」(1996年)
https://www.youtube.com/watch?v=iF9atmasl_8
辰巳:はい、曲の間に「キャンブルスコ」をもうちょっと冷やしていただいてました。いやぁもっとよくなりましたよね。キャンベルアーリーのブドウ自体がすごく素直に表現されてるのがわかります。アルコール度数もそんなに高くないでしょ?
赤尾:8%ぐらい。
辰巳:それぐらいがいいじゃないですかー、もうグビグビ飲めちゃう笑。
赤尾:ほんと、シードルのような。
辰巳:最近”ノロワイン”っていう言い方あるんですよ、知ってました?
赤尾:知りません。
辰巳:”ノロウィルス”じゃないですよ笑。”ノンアルコール・ローアルコール”。最近だいぶ注目されていて、これまではとりあえず糖度を上げてアルコール度数の高い濃いぃワインを造っていたところ、今どんどん(真逆に)変わりつつあるという。わざわざ”アルコールを抜く”という加工をしてアルコールを下げる動きがあるんですよね。
日本の食用ブドウとかはね、(気候的に)そんなに糖度が上がらないからちょうどそのまま造るとすごく自然に美味しいワインができるんじゃない?その代表が”キャンベル・アーリー”じゃないかなって僕は思ってまして。こういうワイン嬉しいすねー。
赤尾:ありがとうございます!
辰巳:こういうの安きゃ嬉しいんですが、これいくらです?
赤尾:これ2000円ぐらいだったと思います。(←税込2343円でした)
辰巳:2000円ぐらいですか。これ1500円ぐらいだったら・・・。
赤尾:もうちょっと量が造れれば汗笑。ちょっとまだ手作業が多くてですね。
辰巳:機械化はできないんですか?
赤尾:キャンベル・アーリーってのはどうしてもまったりとした”*フォクシーフレーヴァー”が出てくる。それを抑えたいってのもあって、発酵時期に2日ぐらい時間を取ってるんで、、、。仕込み時期の2日間は非常に・・・。
(*フォクシー・フレーヴァー 参考サイト:https://nihonwine.jp/enjoy-wine-life/fox-flavor-style/)
辰巳:酸素を抑えたい?
赤尾:そうですね、そういうことをスポット的にやってます。
辰巳:シェフ、こういうワインって料理人としてどうですか?嬉しくないですか?
井村:そうですね、最初から続けて何杯か飲めますし、なんか元気になるワインですよね。
辰巳:ジョッキで飲みたい笑笑。
(話元に戻ります)
料理人になりたかった赤尾少年がどうしてワインの道に入ったのか?ここで聞きましょう!
赤尾:はい、ひとつは大学受験。愛媛大学っていうところに先生から推薦もらって受けたんですよ。で、見事落っこちちゃってですね笑、
辰巳:何学部を受けたんですか?
赤尾:ちと覚えてないんですけど、やっぱり微生物系の農芸化学みたいの・・・。
辰巳:愛媛大学って海渡ってて行かなくちゃですね、日向灘。
赤尾;たまたま僕の先輩が愛媛大学に行かれてて、関わった先生に勧められて受けたんですよ。それで落っこちて、就職をするか専門学校に行こうかなーぐらいの時にー、
辰巳:一浪して再チャレンジってのはなかったんすか?
赤尾:なかったですねー、なかったっ。その頃タイミング的に都農町っていう町役場で「ワイナリーを作りたい」っていうプロジェクトがあって、ワインの技術者を募集、その子を育てていくっていうプロジェクトがあった時に、その話が僕たちの高校にも来たんですよ。それで就職も進路も決まってなかったのが僕しかいなかったんです笑笑。
辰巳:なんか「運命」ですよね。
赤尾:そうですね、そうですね。
辰巳:えーと、18(歳)で?じゃ、もう30年近く前ですよね?
赤尾:今46(歳)なんで28年前。で、その高校の時の『プチ卒論』ってのがあって、ゼリーの中に生きた酵母が入ってるんですよ。そのゼリーを筒の中に敷きつめて、上からブドウジュースを垂らすんです。「上からジュースが流れてきたら下はワインになってる」っていうのを先輩から引き継いで僕もやってたんですよ。だから”ワイン”っていうワードは知ってたんです笑。
辰巳;一応確認しますけど、それまでワイン飲んだことなかったんですか?
赤尾:な、ないです笑。ただ、うちの家の近くにブドウ農家さんがいてキャンベル・アーリーを作ってたんですよ。中学生の時アルバイトで箱詰めとか手伝ったりしてたんですけど、その時傷んだブドウとかをもらったのをばぁちゃんが梅酒瓶でなんか仕込んでましたね。
辰巳:ん、ん、ん、ちょ、ちょ、ちょ、キャンベル・アーリーを梅酒みたいに仕込んで?ワインじゃなしに混成酒みたいな感じですよね?
赤尾:・・・なんつんですか?、作っちゃいけないんですよね笑。
辰巳:あ、簡単に言うと密造酒、みたいな爆。梅酒はね、アルコールにエキス出すだけだからいいんですけど、アルコール入れずに発酵させてた(←かなり小声)?おばぁちゃん亡くなってます?笑笑。
赤尾:もうとっくにいない、だいぶ前です笑笑。
辰巳:古き良き時代、だったのかもしれませんねー。
赤尾:果汁が発酵していい香りになってきて、テンション高くなったのは覚えてます笑。
辰巳:!!!。ちょっと舐めたり、、、しましたよね?
赤尾:だってジュースだと思ってたんですよ。
辰巳:梅酒漬けた後の梅食べてそういえば酔っ払ったりしてましたもんねー。そう言う体験があってワインの道に入った赤尾誠二さんのお話はまた次週伺おうと思います、今日はありがとうございました!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。また、コロナ禍における様々な政府の対策によっては「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」のメニュー提供等が変更になっている場合があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年7月8日放送回
- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/