2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』今年初めのゲストは京都府の丹波ワイン株式会社 製造部醸造課課長 内貴麻里さんです。
京都でイタリア品種栽培、サンジョベーゼはゴボウの味?後半は辰巳さんの大学時代の後輩夫妻が突如乱入し、ベタベタコテコテの関西弁最終回!(全4回 4回目)
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辰巳:はい、1月のお客様は京都府、丹波ワインの内貴麻里さん!最終回になっちゃいました、早いですねー。
内貴:いよいよ、寂しいですねぇ。
辰巳:来月も来はりますか?笑。
内貴:なんなら笑笑。
辰巳:このノリが楽しいですねー、京都の醸造家。最近女性の醸造家も増えてきましたよね。日本ワインの女性醸造家の中で、いちばんボス的な感じがするのは誰ですか?年齢的にも、あるいはキャリア的にも、あるいは知名度的にも?
内貴:(山形・タケダワイナリーの)岸平典子さんですかね。
辰巳:岸平さんは(年齢的に)少し上ですか?
内貴:そうですね、上ですね。
辰巳:彼女がいちばん上ですかね?
内貴:ま、なんとなくそんな感じですかね笑。
辰巳:あとは丸藤(葡萄酒工業)の安蔵正子さん(メルシャン 安蔵光弘さんの奥方)もそうですし、フジッコの鷹野ひろ子さんもそうですし、(キスヴィンワイナリーの)斉藤まゆさんも・・・あと誰がいましたっけ?あーもちろん(三澤ワイナリーの)三澤彩奈さん。
内貴:ミエ・イケノさん(ドメーヌ ミエ・イケノの池野美映さん)とかね。
辰巳:どんどん増えてきました、北海道にもいっぱいいらっしゃいますしね。そんな中、内貴さんとこうしてゆっくり喋るの初めてですよね?こんなに面白くてノリのいい人だとは思いませんでしたけどね。
内貴:ハハハハハ
辰巳:初回での話の中で出てきた『転び獣医』という言葉がしばらく頭から離れない笑笑・・・獣医さん志望だったけれど、
内貴:なれず、
辰巳:今はワインを造っているという。そしていずれ動物園に勤めたい、違いましたっけ?
内貴:最終的には動物とともに生きていきたい笑笑。
辰巳:そんな内貴さんと、こちらヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の井村貢シェフ、今日もよろしくお付き合いください。
井村:よろしくお願いします!
辰巳:では3人で乾杯しましょ~!
全員:カンパ~イ🎶
京都ワイン 京都丹波サンジョベーゼ 2018
辰巳:おぉぉ!なんか、ちょっと渋い・・・渋めはあるけど”媚びない”ワイン。さ、このワイン何でしょ?
内貴:こちらはサンジョベーゼ、ですね。イタリアの品種です。
辰巳:イタリアでもっともたくさん造られてる品種になるのかな?
内貴:そうですね。
辰巳:何でまたサンジョベーゼを京都の山の中で?
内貴:いろいろ品種を試すにあたって気候的にイタリアあたりがいいのではないか、と、よくある道なんですけど笑。弊社、ドイツ系品種からスタートしてまして、やっぱり厳しいものがありまして、、、。
辰巳:ぇw、ドイツ系からスタートしたんですか!?
内貴:リースリングやピノ・ブラン、あとピノ・ノワールがけっこう植わってたんですけど、こちらの方がちょっと温暖なので。イタリアあたりの方が気候区分には近いのでイタリア品種を増やした時期がありまして。
辰巳:バルベーラも?ネッビオーロも?
内貴:あります、ネッビオーロ(栽培)難しいですねぇ。
辰巳:ドルチェットは?
内貴:、はないです。トレビアーノとかマルヴァジーアとかもあるんですけど、その中で唯一単品でモノになったのが”この子”ですね。
辰巳:サンジョベーゼはなかなか色が出にくいって話聞いたことあるんですけど?
内貴:出にくいです。わりと大房で太陽光がしっかりと当たらないと色づかないのでー。だからけっこうブドウ裏返したりしますね、太陽に向けて、当てるために。
辰巳:太陽に当てたからといって赤くなるわけじゃないでしょ?
内貴:いや太陽光、大事です。
辰巳:実ぃ(ブドウ)ですか?葉っぱですか?
内貴:いやいやいや、ブドウです。
辰巳:このワインもね、そんなに濃くはないですよね?
内貴:濃くはないですけど、サンジョベーゼの中ではかなり色づいた方です。
辰巳:樽は?
内貴:使ってます。
辰巳:でもそんなにはキツくない。
内貴:新樽が30%ぐらい。
辰巳:すごくバランスがいい。
内貴:この年はけっこうよかったですね、酸もしっかりしてたので。
辰巳:井村シェフ、どうですかこのワインは?
井村:はい、キリっと酸があって樽もほんのりはんなり・・・笑。
辰巳:京都のワインってやっぱり”はんなり”ってしっくりきますよね。
内貴:そうですね、便利な言葉ですよね。
辰巳:元々は「花なり(ハナナリ)」っていうらしいですよ。
内貴:そうですそうです。華やかな、
辰巳:奥行きのある、、、そんなイメージありますけどね。
井村:好きですね、料理にも合わせやすいです。
国産牛 サーロインのロティ ゴボウ茶のソース
辰巳:今日は何を合わせました?
井村:牛肉です。こういうはんなりしたワインにははんなりした料理にしたいなと笑。
辰巳:”はんなり”の連発爆、安売りしすぎちゃうか?笑笑。
井村:いやいやいやいや、アレなんですよ笑、日本の”煮物”からイメージをとったんですけども、大根とゴボウを合わせてみました。
辰巳:ほぉぉぉ!
井村:ゴボウのピューレです。で、大根をコンソメでしゃぶしゃぶにしたものを付け合わせにしてあります。ソースはコンソメなんですけど、切り干し大根で出汁をとって、やっぱり切り干し大根って大根の香りが凝縮されてますんで、これをバッとコンソメに出してあげる。。。
辰巳:手が込んでますねぇ。コンソメはなんですか?
井村:鶏です。牛だとちょっとしつっこい。で、最後にゴボウ茶で仕上げます。この赤のタンニンとゴボウの渋さが合うんじゃないかと。
辰巳:ラジオじゃぜんぜんわかんない。みなさんぜひこのヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢のレストランに来ていただいて召し上がってください!ではいただきます!
井村:口の中で多分煮物の味になるんじゃないかな。
辰巳:ふふふふふ、なんか筑前煮みたいな香りが。。。
内貴:和風です。でもめちゃくちゃ美味しい、こんな美味しい肉食べたことないです♡
辰巳:サンジョベーゼってイタリアの品種なのにゴボウの香り、わりと土臭い香りがするので、、、いいですねこのワイン、面白い。なんか世界が広がる。ゴボウとかレンコンとかそれこそ海老芋にも合うかもしれませんね。これはヒット!この店に来て食べなあかんメニューがどんどん増えていきます。
内貴:2倍も3倍もワインが美味しくなります。もうこれ以上のマリアージュが考えられないぐらいマッチしてます。
辰巳:もう最上の褒め言葉!
井村:ありがとうございます!
辰巳:でもワインってそういうものだと思ってて、単品で飲むよりより料理をいただきながら飲むべきだし、そういうワインの方が「いいワイン」だなと思うので。そういう意味でもこのお料理は「ワインの本質を暴き出す」。すごいでしょこのシェフ?見かけによらず笑。なんかちょっと髪型変えはってね、ツーブロックにしてねー、どないしたんですか?若い彼女でもできたんですかー?爆
井村:いやいや笑。
辰巳:すいません、ちょっと下品なツッコミをしてしまいまして笑。
内貴:困ってはりますよ笑。
井村:スッキリしたかっただけで・・・笑。
辰巳:でも今月も4回、美味しい料理が出てきて嬉しいですね。
内貴:ですね。
辰巳:ですねってなんか気持ちのこもってない相槌をいただきまして笑笑。
内貴:目一杯(気持ち)入ってたと思うんですけど、入ってませんでした?笑。いやお料理が美味しくて余韻に浸ってたんです笑。
辰巳:いっしょけんめい食べてて飲んでてそっちに心奪われてて、シェフのことなんてど~でもえぇや、ツーブロックだろうがどうでもえぇやみたいに思ってたでしょ?爆。
内貴:読まれてますね笑笑。
辰巳:ではここらで曲いきましょう。
内貴:三代目J SOUL BROTHERSの「RAINBOW」。
辰巳:わかります?
井村:はい、ツーブロックです笑。
内貴:ようやくシェフにもわかる曲が出てきたっていう笑。
辰巳:こういうのはボクよくわからないんで。いつ頃のどんな曲なんですか?
内貴:これは最近の曲ですよ(2018年)。一応私も若い曲も聴いてるよってことで。
辰巳:これ日本人?
内貴・井村:クスクス
内貴:日本人ですよ笑、エグザイルの弟分みたいな。
辰巳:横文字やと全部ガイジンかと笑笑。何人グループ?
内貴:7人です。ツーブロックの人もいます笑。
辰巳:これ大事なんですよ、クイズ番組で出るんで笑笑。嵐は5人!
では、J SOUL BROTHERSの、、、
内貴:「RAINBOW」
https://www.youtube.com/watch?v=G1w4sljdPds
辰巳:なんでこの曲を?
内貴:あのー、仕込みをしてるとですね、ホントに疲れてくるんですよ。連日ワインを造っている状況が8月半ばから10月半ばぐらいまで続くんですけど、もうホントに疲れてきて。。。でもそんな時の雨上がりにキレイな虹が見える時があるんですよ。でーそん時にこの曲が頭の中で流れー、キレイな虹を見てー、一瞬その忙しさを忘れてー、そこでリセットしてまた仕事に向かえるという。非常に癒される曲なんです。
辰巳:そうなんですか?シェフわかります?
井村:はい、僕らもそうです。
辰巳:歌詞わからへんしどんな曲かもわからへんから、これからどうやって虹を思い浮かべようと・・・ちょっと思ってしまった笑笑。虹といえば「*虹と雪のバラード」。わからへんでしょ?
(*虹と雪のバラード:
https://ja.wikipedia.org/wiki/虹と雪のバラード
https://www.youtube.com/watch?v=cPwnaq9PQF0)
内貴:「Over The Rainbow」?
辰巳:あれは世界的に有名なやつ、「虹と雪のバラード」っていうのはね、札幌オリンピックの歌なんですよ。(内貴:はぁ。)あ、シェフが生まれた年か?すんませんね昔の話で、(これまでの)ゲストが年配の人が多かったもんで笑笑。
辰巳:実はこのヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の近所に京都の学生時代の劇団の後輩が住んでましてー。2人とも後輩で結婚しはって。今遊びに来てくれたんでちょっと紹介します。
*番組中辰巳さんが京都大学時代に活動していた「*劇団そとばこまち」の後輩、作田俊之・みゆきご夫妻が突撃表敬訪問(?)されました。長年日立で半導体のエンジニアをされて最近悠々自適なリタイア生活を始めたご主人と、地方のテレビ局で報道の仕事も経験された奥様。辰巳さんとしばし「昔懐かし話」に花が咲きました。
(*劇団そとばこまち https://ja.wikipedia.org/wiki/劇団そとばこまち)
辰巳:さ、時間もそろそろなので内貴さん、これからどうしていきたい?どんなワインを造っていきたい?あるいは北海道に移住するか動物園で働くか?笑笑。
内貴:とりあえずはできるところまで、1年1年大事にワインを造っていきたいなと、仕込める数は限られてますので。
辰巳:ワインは1年に1回しかできませんからね、それが切ないですよね。
内貴:そうなんです、「一期一会」。それこそ大事にしないと。ブドウと向き合ってより良いものを造っていきたいなと思っています。
辰巳:日本ワイン全体としてはこれからどうしようとか、何を担っていこうかとか?
内貴:まだまだ認知度が低いと思うので、日本ワインというのはすごくクオリティも上がってて、各地で品質の高いワインが産出されているっていう状況をもっとみんなに知っていただきたい。日本でワインを造ってるっていう状況も知っていただきたい。その中で自分たちが、どこまでそれを示していけるか?っていうところがこれからの勝負だと思います。「日本ワインは美味しいんだ!」っていうことを広めていきたいですね。だからヘタなものは造れないです、出せないです、日本ワイン全体のためにも。
辰巳:でもある種のチャレンジも欲しい気もするし。丹波ワイン自体の存在自体ももどんどん大きくなってきているので、これから(日本ワインを)引っ張っていく立場になっていければいいし、キャリア的にも後輩を育てていかなければいけないと思うし。今丹波ワインにはスタッフ何人ぐらいいはるんですか?
内貴:醸造スタッフの専任は(私含め)2名ですね。後輩の女性です。
辰巳:そうか、丹波ワインは女性が伝統を築いてるって感じですね。
”京都”っていうブランドはあるんですけど、丹波って今まですごい行くのめんどくさかったんですよ笑。最近高速が通ってね、9号線のインターだけは混むけど、すごく便利になりましたよね。
内貴:そうですね。食の宝庫で美味しいものがたくさんあるので、その中の一つとしてワインも位置付けていければいいなぁと思っております。
辰巳:観光のスポットしてもすごく大事なところだと思います。
1月のお客様は京都 丹波ワインの醸造責任者、内貴麻里さんでした!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年1月28日放送分
- ワイナリー
- 収録会場
★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/