ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年2月4日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』2月のゲストは山梨県笛吹市、株式会社ルミエール 代表取締役社長 木田茂樹さんです。まずはロゼのスパークリングワインをゆるりと飲みながら、木田社長を少しづつ暴いていきます笑。
(全4回 1回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:2月のお客様はルミエールの木田茂樹社長です。

辰巳・木田:よろしくお願いします!

辰巳:今日は電車で?

木田:はい、”かいじ”で山梨から参りました。塩山から乗りましたけどガラガラで一車両に2組ぐらい。私自身電車も久しぶりに乗りました。

辰巳:わざわざご足労いただきありがとうございます。この放送は、八王子市の南大沢近くにあるレストラン、「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」からお送りしております。そしてこちらの井村貢シェフにもお付き合いいただきます。

井村:はい、よろしくお願いいたします。

辰巳:こういう状態で飲食業界もなかなか大変な中、このレストランは日本ワインも売れてると聞いてますが、、、。

井村:日本ワインファンの方もいらっしゃいますんで。

辰巳:このレストラン、置いてあるワインが今ほとんど日本ワインで。

木田:ありがたい限りです笑。

辰巳:本日はこのお店でお話を伺いたいと思います。
木田社長、ワインの業界に最初からいたわけでは、、、

木田:えぇ、違いますね。

辰巳;でしたよね。(この業界に入って)何年ぐらいになりますか?

木田:でももう25~26年はやってますね。

辰巳:そうですか!?1月に59歳になられた?

木田:そうなんですよ。

辰巳:私よりちょっっとだけ年下なんですが、何代目になるんですか?

木田:会社としては5代目に・・・。

辰巳:古いワイナリーなんですよねールミエールさんは。

木田:昔は「甲州園」、その前は明治18年に「降矢醸造所」という形で降矢家が始めたワイナリーで、今年で136年になるんです。

辰巳:日本で最も歴史のあるワイナリーの一つ。

木田:はい、そのうちの一つですね。

辰巳;そういう伝統のあるワイナリーを継がれて、新しくどんどん改革をされて、ルミエールのイメージが変わってきたというか、勢いがあるなという感じが。

木田:笑、そうでしょうか?中にいるとわからないものでー笑。

辰巳:では、ワインを飲みながらいろいろお伺いたいと思います。
まずは乾杯っ、パーテーション越しではありますが笑。

全員:カンパ~イ🎶


ルミエール スパークリングロゼ 2017

辰巳:んーおいし♡ロゼのスパークリング。すごくソフトで色もそんなに強くなく、うっすらと少しオレンジがかったワインなんですが、これはブドウは何を使ってるんですか?

木田:主たるブドウはカベルネ・フラン、とタナ、ですね。あとはカベルネ・ソーヴィニョン、メルローが少し入ってます。

辰巳:どうしてこのワインを造ったかとか、なんか秘密、ストーリーありますか?

木田:うちでスパークリングいろいろ造ってる中でロゼは、昔はブラック・クイーンやマスカット・ベーリーAを使ったロゼ、まぁいろいろ造ってきたんですが、欧州系の品種で造るとどんなものになるか?っということでチャレンジしまして。でも日本でロゼ、なかなか流行らないんですよね苦笑。

辰巳:僕もね、20年30年ず~っっとロゼ応援してきてるんですけどね、なかなかね、、、どうしてなんすかね?

木田:ヴァレンタインの時とか花見の時だけロゼが並ぶという・・・。色でただ楽しんでるような・・・。

辰巳:食事には非常に合わせやすい、

木田:そうなんですよ!

辰巳:いいアイテムなんですけどまだまだ一般的じゃないんで。「ワインといえば赤か白」みたいに思ってる人も多くて。’スパークリング’っていうジャンルはようやくできましたけど。

木田:このロゼを造ったのはですね、複雑感のある味わいかつ、お魚料理からお肉料理まで通して楽しめると思ったので。レストランで「何か1本』で迷った時にはこのロゼのスパークリングをオススメしています。そうしたらいろんな方々から「とても良かった」とか「ペアリングも合った」とか声をいただきまして。

辰巳:これ何年前から造られてます?

木田:このスタイルは最近です、2017年から(ファーストヴィンテージ)。これは2017年のヴィンテージになります。

辰巳:ぇw、ぁ、そうなんすか、これファーストヴィンテージ?

木田:そうです。以前にも少しチャレンジして造ったことはあるんですが、本格的に造ったのはこの年です。

辰巳:瓶内二次発酵ですよね?

木田:えぇ、うちは甲州から始めましたけども、次第にシャンパーニュの伝統的な勉強も始めまして”瓶内二次発酵”でいこうと。

辰巳:*手回しですか?
(*手回しの画像:https://www.lumiere.jp/sparklingwine

木田:最初は全部手回しだったんですが、最近製造本数が増えてきてですね、*ジャイロパレットを入れたらヒジョーにいいですね笑。
(*ジャイロパレット 参考サイト:https://wine-link.net/pc/dictionary/detail/1901

辰巳・木田:笑笑。

辰巳:ジャイロ・パレットってなかなか一般の方にはわかりませんが、1本1本手で回転させてたのを機械がいっぺんにやってくれるっていう。

木田:シャンパーニュでは当たり前、

辰巳:CAVAも。なるほど、そうですか。それでこのお値段、お買い得なんですよねこのワイン!

木田:笑。一生懸命頑張っております笑、上代2500円。

辰巳:いいでしょ、シェフ、このワイン?

井村:いいです、売れると思います。深みがあって、なんかこう柑橘の香りもするし、いちごのような赤い果実の香りもして楽しいワイン♡

辰巳:その楽しいワインに合わせて今日はどんな料理を?


紅芯大根のヴルーテ 3種のベリーとゆずの香り

井村:今日は「紅芯大根のブルーテ」。このワインに合わせたこうしん大根を使ったブルーテにアクセントで3種類のベリー(木苺といちごとブルーベリー)を浮かべて柚子オリーブオイルを添えてみました。

辰巳:紫色のとろとろのスープ、いただきまーす!

木田:いただきます!

井村:大根の甘みが・・・

辰巳:これ大根なんですよね、なんかあったかい紫色の大根おろしというか。

井村:笑。

木田:見た目は洋風なんですけど、味わいは和風なテイストですよね。日本ワインとすごくよく合う。

辰巳:出汁は?

井村:これは野菜のブイヨンだけです。

辰巳:スパークリングワインって一般的には’ドサージュ’と言いまして甘みをつけるんですけど、これは?

木田:これはドライなスタイル。

辰巳:ノンドサージュ?(木田:頷)キリッとしたワインです。これは何本ぐらい造られてるんですか?

木田:2017年は約5000本ぐらい造ってます。

辰巳:う~ん、ロゼもっとねぇ・・・

木田:もっと造りたいんですがブドウの生産量が少ない・・・

辰巳:これ全部自社ブドウ?

木田:うちの畑と契約栽培の両方。

辰巳:例えば早摘’するとかロゼ造る(技)って難しいじゃないですか?これはカベルネ・フランとタナでしょ?、造るの難しい。ほっときゃできるブドウじゃない。

木田:今温暖化のこともあって、色が着きづらいとかあるんですよね。なので逆にいうとロゼの方が造りやすい。

辰巳:そっか、赤ワインのしっかりとした色が出なくなった分、ロゼの方がいいんじゃないか?

木田:はい、ロゼで仕込んだ方が美味しいんじゃないかと。

辰巳:、っという柔軟な発想で造られたという・・・。

木田:よくセニエでロゼを造られるワイナリーもありますね。

辰巳;’セニエ’赤ワインを造るときに濃縮するために水分を抜いてしまう’血抜き’・・・。

木田:そういうワイナリーもありますが、うちはそんなに濃いぃ赤ワインをガンガン造ろうというコンセプトはあまりないので、’自然のままに’造っていくというスタイルでやっていったところ、ちょっとまぁ色も濃くないブドウも当然できますんで、そういったものも使いながらうまく造っていければと思ってます。

辰巳:ワインといえば「ガツーンとした」「タンニンの強い」濃いものがイメージですが、柔らかい赤ワインもあればロゼもあってもいいし、食事に合わせること考えればそんなにフルボディの赤ワインって
日本人に要らないんじゃないかって、、、。

木田:お好きな方は別ですけど日本人の体に一般的には、あんまりガツンとした渋い赤ワインよりは優しいワインの方が、日本の料理、日本人の好む食事には合うと思います。

辰巳:そうですよねぇ。この番組も半年ぐらいやったますけど、毎週新しいワインと新しいお料理を合わせるという、なんか修行期間みたいになってます笑笑。

井村:勉強させてもらってます笑。

辰巳:色んなことやってもらってますけど、でも実際そうでしょ?

井村:そう思います。食事と飲み物(ワイン)は同じ食卓にあがりますんで、日本の食卓には日本のワインが合うと思います。

辰巳:日本ワインっていいなと思い始めたでしょ?

井村:はい、すっかりファンになりました♡

木田:このワインけっこうリピーターもいらっしゃって、おせち料理と合わせた方からは「良かったー」という声もいただいてますね。

辰巳:去年国税庁さんと一緒にやったリモート大イヴェント、*「日本ワインを身近に楽しむ会」でもこのワイン、とても評判が良くてありがたかったですよ。
(*「日本ワインを身近に楽しむ会」https://jpwine.jp/event_form202011/


辰巳:ではこのロゼスパークリングワインを飲みながら曲を聴きたいと思います。木田社長、今月最初のリクエスト曲はなんでしょうか?

木田:はい、冬の季節ですので定番の曲、ユーミンの「ブリザード」。

辰巳:定番なんですか?笑。

木田:私スキーもやるんですけど、昔は「スキーに行く時にはこの曲を聴きながら行く」と笑。

辰巳:「私をスキーに連れてって」の世代?

木田:そうですそうです笑。

辰巳:ではユーミンの「ブリザード」!

https://www.youtube.com/watch?v=OV44FVdMPDY

松任谷由実「ブリザード」(1984年)

辰巳:僕も学生時代けっこうスキーやってましたけどねー、この世界入ってからやめてしまった。今でもされるんですか?

木田:今でも行きますよ、子供達連れて。

辰巳:あーそうなんですね。子供さんって今おいくつぐらいなんですか?

木田:上は大学2年生で下は高3。(←お二人とも女の子だそうです♡)

辰巳:まだ若いんですね年代的に。奥様も若いんですよね?

木田:あー、えー、笑笑。

辰巳:綺麗な奥様ですよね。お店は以前屋敷の中にカフェのようなのがありましたよね?今「*ゼルコバ」という本格的なフレンチレストラン作られましたけど。
(*ワイナリーレストラン ゼルコバ:https://www.lumiere.jp/zelkova/)

木田:ゲストハウスの方で妻が仕切っていた空間にお客さんがたくさん来るようになって、じゃぁ新しくレストランでも、ということになって。

辰巳:奥様は?

木田:はい、レストラン(ゼルコバ)はホテル西洋に委託しましたので、今は広田シェフが。

辰巳:ワインは昔からお好きだったんですか?

木田:ワインだけじゃなくって、アルコール全般的に好きです。ワインは*塚本会長からいくらでもいただけたので、それで自然に習ってったと。
(*塚本俊彦氏、および木田社長のプロフィールはこちらから
https://www.lumiere.jp/company

辰巳:義理のお父様ですね。塚本さんといえば日本ワインの文化をずっと牽引してこられた立役者の一人ですよねー。2年前に亡くなられて。現役の頃のバリバリはよく存じ上げなくて、ゼルコバかショップでお会いしたのが僕がお会いした最後だったと思います。ルミエールというワイナリーをこれだけ大きくされたのも塚本さん、でしたよねぇ。どういう方だったんですか?

木田:ボルドーの赤ワインが大好きな方でしたんで、できるだけボルドースタイルのワインを造ろうとカベルネ・ソーヴィニョンやメルローといった品種を栽培して、「ルミエールの赤ワイン」を確立したんだと思います。

辰巳:世界的な視野に立って、「日本ワインどうするんだ?」って考えてらっしゃった方だと思うんですけど、この後「後を継いでいく」という思いと「いや、そうじゃない!」と反発する思い両方あるかと思いますが、そこら辺はどうなんですか?

木田:まぁ反発することはないですが、私は元々機械工学科出てますし、卒業後は工業デザインの会社で働いていたりだとかいろんな経歴がある中で、ワインは「栽培」「醸造」「販売」があるわけですが、そこにもう一つ「観光」というコンテンツを入れて『ブティックワイナリー』を作りたい。山梨って東京の横にありますんで、多くの観光客が日帰りでも来ていただける立地条件は他にないんじゃないか?東京から山梨に遊びに来ていただけるそんなワイナリーにしたいという思いでレストラン(ゼルコバ)も作ったり今後はホテルも開業していきたいなと・・・。

辰巳:ホテルも!?けっこう広い土地ありますもんね。

木田:笑、ま、そんなにはないですけどね。10部屋ぐらいのホテルを作りたいと思ってます。

辰巳:レストランに隣接してる、みたいな?

木田:はい。

辰巳;それは楽しみ、もう近い将来?

木田:そうですね、設計図はもうできてるんですけども、コロナのアレがありましたのでー、ちょっと延期になってます。

辰巳:こちらのワイナリー、勝沼と一宮にまたがってるんでしたっけ?

木田:畑はまたがってます。

辰巳:だからなかなか”勝沼の”ワイナリーと言いづらいとこもあるんですよね。醸造所は笛吹市。

木田:もう道隔てて勝沼です。

辰巳:日本の”縦割り”と言いますか、

木田:行政的には。

辰巳;でもそういうこと気にせずに「”勝沼の”老舗」というイメージはあるんですよね。

木田:そうですよね、気候風土はまったく一緒ですから。

辰巳:海外では同じワイナリーの中に”国境”があったりするとこもありますからね。人間が勝手に線を引いたものであって「土地は別」、ボーダレスなんじゃないかなーって思います。

木田;だから歩いていちばん近いワイナリーは勝沼醸造さん笑。

辰巳:なんか面白い説明しづらいとこですね笑。
そう、あのあたりホテルあんまりないんですよ。

木田:そうですね、だから民宿クラスのホテルにしたいなと。

辰巳:1泊5万とか10万とか?(←そ、それ民宿ですか?)

木田:いや、そこまで笑。ここを拠点にいろんなワイナリーを周れるような「ワインツーリズム」の拠点にしていただければなーと思います。

辰巳:そうですよねー、あれだけワイナリーが密集してる地域はあまりないですからね。
自動運転、の車ができたらワイン飲みながら車で観光できる!これがもうじきだとだと思ってるんですね笑。

木田:笑笑。もう夢のような・・・。

辰巳:そんな先じゃないすよ。そうなったら嬉しいし観光ももっともっと盛り上がるんじゃないかなーと思ってるんですけどね。
この続きは来週ということで、2月のお客様は山梨県の株式会社ルミエール 木田茂樹社長でした!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年2月4日放送分

ワイナリー

ルミエールワイナリー
https://www.lumiere.jp

収録会場

★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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