2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』今年初めのゲストは京都府の丹波ワイン株式会社 製造部醸造課課長 内貴麻里さんです。試飲した新商品「てぐみ35」の35品種は何?。獣医志望だった女子学生、実はミュージシャンにも憧れてた?今週も関西弁トーク爆裂です。(全4回 2回目)
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https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:はい、今月のゲストは京都府 丹波ワインの醸造責任者、内貴麻里さんです!
辰巳・内貴:よろしくお願いします!
辰巳:新年2回目、なんとなく新年は京都のワイン飲みたいな、京都風の白味噌のお雑煮で1年始めたいなぁと、そんな気分でお声がけして、わざわざ京都から来ていただきました、ありがとうございます!
辰巳・内貴:笑笑。
辰巳:まずは乾杯しましょうか、では、カンパ~イ♪
全員:カンパ~イ🎶
丹波ワイン 「てぐみ35」 2020
辰巳:これはすこーし濁ってるワイン。ちょっと色も白ワインっていうよりオレンジがかったワインなんですけど、このワインはなんでしょうか?
内貴:これはですね、「てぐみ35」という新商品なんです。
辰巳:「てぐみ35」。はい、”てぐみ”というシリーズは丹波ワインのヒット商品で、もう10年以上やってますよね?
内貴:そうですねぇ、ちょうど10年ぐらいです。
辰巳:発酵で生じた二酸化炭素がワインの中に残ってる状態で瓶詰めするという*アンセストラル?
(*メトード アンセストラル(=メトード リュラル、田舎方式):発酵途上のワインを瓶に詰め密閉して残りの発酵を瓶内で行う)
内貴:そうです。残糖分を残した状態でボトリングしてるので、瓶内でも発酵続いてるんです。
辰巳:昔風のスパークリングだ、弱発泡の。ラベルも可愛らしくてね。
内貴:ラベルはよく褒めていただくんです笑。
辰巳:どなたがデザイン?
内貴:当時いた女性社員がちょっとデザインもやってまして。
辰巳:今もう辞めはったんですか?
内貴:そうなんです、結婚して。
辰巳:寿退社。でもこのデザインずーっと使ってるってことは彼女にある程度(お金)入ってるんですかね?
内貴:まっっったく入ってないですね爆。いい置き土産をしていただいたなぁと笑笑。
辰巳:ま、そんなもんですよね、世の中笑笑。
で、このてぐみシリーズ、元々はデラウェア?
内貴:(頷)、そのあとマスカット・ベーリーAのロゼを造り、次に神戸産のシャルドネヴァージョンを造り、そして今年自社のブドウでコレ。「35の品種をブレンドしてますよ」って意味。
辰巳:あ、内貴さんが35歳ってことじゃないんですね笑。
内貴:もう永遠の35歳です笑笑。
辰巳:この”返し”が楽しいですよね、関西人笑。
そして今日も大阪出身お井村貢シェフに来ていただいてます。
井村:はい、よろしくお願いします!
辰巳:今月はずーーーっとこんな感じ(ベタベタな関西弁トーク)でいきそうな気がします笑笑。
でもここは八王子、ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢。本当に環境のいい住宅地で、今日本ワインをたくさん売っていただいて大事にしていただいているレストランです。この日本ワインに合わせたお料理をいただけますので皆さんぜひお越しくださいね。
辰巳:で、このワイン、35種類のブドウが・・・?はい、全部言えますかっ?
内貴:あー言えないです笑笑。
辰巳:ちょっとトライするぐらいしてみたらいいのに笑。
内貴:ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、シャルドネ、アリゴテ、、、全部ヨーロッパ系、ヴィニフェラです。
辰巳:サンジョベーゼは?
内貴:、は入ってないです。
辰巳:アルバリーニョは?
内貴:入ってます。
辰巳:あと何があるんやろね笑。ソービニョン・ブラン、シュナン・ブラン、セミヨン。
内貴:ソーヴィニョン・ブラン入ってないです。シュナン・ブラン入ってます、セミヨン入ってないです。
辰巳:けっこうハズすね、35も入ってるのに笑。ゲヴュルツ(・トラミネール)、リースリング、ヴィオニエ。
内貴:入ってます。
辰巳:・・・しかしすごいワイン造りましたね笑。
内貴:そうですね、人気のてぐみシリーズで自社畑でも造ってみようかということで。
辰巳:自社でいろいろな品種栽培されてますよね、今は何ヘクタールぐらい?
内貴:今は6haで50種類ぐらいのアイテムを栽培してます。
辰巳:それで試験栽培とかいろいろして、単独で仕込めない品種をかき集めて、、、。
内貴:いえ違います、あえての35種類ですっ!笑笑・・・おっしゃる通り、単品でできるものって数えるほどしかなくって、それ以外でも活かせる道があるんではないかということで、若干早採りをして。
*元々は瓶内2次発酵で仕込んでたんですけど今年初めて同じタイプでてぐみも造ってみようと。
(*丹波鳥居野 トラディショナル https://www.tambawine.com/c/search/sparkling/item_tra12)
辰巳:スティルはあるんですか?
内貴:スティルはないです。
辰巳:(てぐみ35は)瓶内2次のとは違いますか?
内貴:はい、やっぱり変わりますね、だいぶ。(瓶内2次のほうは)オリと接する期間を3年は取ってますのでそこでシュール・リーの効果が出てくる。
辰巳:え、これ3年も?
内貴:いえ、このてぐみは出来立てホヤホヤです。
辰巳:2019年?
内貴:2020、今年です。
辰巳:あ、これ新酒ですかー?それはそれで嬉しいですよね。ほんで、瓶内2次は3年寝かす?(内貴;頷)お値段どれぐらい違うんですか?
内貴:お値段大して変わらないんですよ笑。これ(てぐみ35)が3000円ぐらいで、瓶内2次は3800円ぐらい。だから3年間が800円ってことですね爆。
辰巳:1年だいたい300円弱ってことですね笑。
内貴:そうですね、置いておき賃というか家賃みたいなもんです笑笑。
辰巳:でもデゴルジュマンとか手間あるでしょ?(内貴:頷)
んー、このてぐみ面白いな、どうですシェフ?
井村:やっぱ35種類入ってるだけあって、いろんな香りを感じるので「コレっ!」って言えないんですけど、、、。
辰巳:なんか1つか2つ当ててくださいよ笑笑。
井村:桃とかアプリコットの香りがするなぁとは思います。
辰巳:マスカット入ってるでしょ?
内貴:あ、ミュスカは入ってます。ミュスカデとミュスカ、両方。
井村:うゎすごっ。でもフレッシュ感がある。
辰巳:グリューナー・フェルトリーナーは?
内貴:、はないですね。
辰巳:作って欲しいんですけど。丹波内陸だし、オーストリアのこの品種は素晴らしいと思う。
内貴:じゃ、苗木を入れていただいて・・・笑。
辰巳:岩手のエーデルワインさんが始めてる。まだ香りや味わいは出てないですけどね。
さ、このワインに合わせた料理はなんでしょうか?
ラングスティーヌのカプチーノとショーソン
井村:はい、桃とかアプリコットの香りもするんですけど、試飲した時になんか日本酒みたいなクッと香りが立つ感じがしましたんで、そういう香りってエビが合うと思ったんです、”エビのしょっぱ味”が。
これは真ん中がエビ、周りが香草を混ぜた魚のムースになってます。
(←写真右側のパイ生地の中身)
辰巳:魚のムース?で真ん中にエビが入ってる?
井村:それをパイで包んで焼いたものと、エビのカプチーノ仕立てをご用意しました。ワインが微炭酸なのでカプチーノで表現してみました。ぜひ、交互に食べてみてください。
辰巳:このパイ生地と(ワインが)すごく合いますね、不思議なマッチング。どうですか、内貴さん?
内貴:このパイ生地をいただくことで、イースト香を口の中で感じられるので面白いです。
井村:はい、そこでマリアージュを感じてもらえれば。
辰巳:ん、いいですね。ちなみにこういう時エビは何を使うんですか?
井村:これは手長エビを使いました。オマールとかよりも香りがよりエビらしい感じがしますんで。
辰巳:ラングスティーヌ。どこ産ですか?
井村:今日のはニュージーランドです。
辰巳:最近は輸入のエビも冷凍技術がいいからね。
井村:はい、獲ってすぐ冷凍しますんで品質がすごくいいです。
辰巳:そしてこちらはカプチーノ?
井村:はい、下にハマグリのフランが入ってます。プリンみたいな、茶碗蒸しみたいな食感の。
辰巳:すごく柔らか~い。ワインがコクのある出汁っぽい雰囲気とも合いますよね。
ワインを造るきっかけっていろいろあると思うんです。これはちょこちょこいっぱい余ったブドウを集めて造ったんでしょうけど笑笑、(具体的には)どういう商品?どういう料理に合わせて造ったとか?
内貴:意外と幅広くなんでもいけるんじゃないかなと。35種類なんせ入ってますのでいろんな面があるので、乾杯から最後は若干泡が切れても美味しく飲んでいただけるのではないかと思います。
辰巳:これのスティルも飲んでみたい感じしますよね、ホンマに。
内貴:じゃぁ来年はスティルヴァージョンも笑。
辰巳:泡は泡でいいんですけどこの澱とか抜いて「この液体はどんな感じか?」、そういう興味が出てくる。
内貴:しっかりしたボディ感もあるんで、スティルでもかなりいいとは思います。
辰巳:キスヴィンが造ってる「*キスヴィン・ブラン」ってあるでしょ?斎藤まゆさんが5~6年前にヴィニフェラばっかりで28種類とか30種類とかで造り始めた・・・あれはスティルですよね。飲んだことあります?
(*参考サイト https://www.enoteca.co.jp/item/detail/XA1790030)
内貴:あると思います。
辰巳:どっちも女性醸造家。
内貴:そうですね、感性ですかね笑。
辰巳:冷蔵庫の余り物をきちんと整理して・・・なんていうと失礼だけど、いい意味で面白いなぁと思うんですよねー。
内貴:「*フィールドブレンド」っていうのが最近取りざたされているので、まぁこれからは「フィールドブレンド」と言っていこうかなと。「たまたまあったのを使ったんじゃないよ」っていう笑笑。
(*フィールドブレンド https://www.weblio.jp/wkpja/content/ブドウ栽培_フィールドブレンド)
辰巳:*ゲミシュターサッツですね、オーストリアの。「フィールドブレンド、気づいたら35種類あった」と。
(*ヴィーナー・ゲミシュターサッツ https://www.austrianwine.jp/our-wine/strategie-des-herkunftmarketings/dac-districtus-austriae-controllatus/dac/wiener-gemischter-satz-dac-jpn)
内貴:そうです。年によって種類も違うんで、このブレンドもこのヴィンテージ限り。
辰巳:一期一会。「てぐみ 一期一会」とかいいですよね。
内貴:あ、いいですねぇ。
辰巳:いいですよ別に使っても笑。
内貴:いくら払えば?笑。
辰巳:まぁ一銭五厘ぐらいかな笑。
辰巳:ではここで曲いきたいと思いますが、今日はなんにしましょ?
内貴:戸川純の「蛹化の女(むしのおんな)」。
辰巳:ムシノオンナ?戸川純は我々の世代はよく知ってますが、この曲は聴いたことないと思います、多分。シェフはゼッタイ知らないな。
井村:ないです笑。
辰巳:では聴いてみたいと思いまーす。
戸川純「蛹化の女(むしのおんな)」(1984年)
https://www.youtube.com/watch?v=HiGWYPyD2b4
辰巳:こんなパンクみたいなの、学生時代にやってたの?
内貴:そうなんです、バンド活動やってましてー。ミュージシャンになりたいと思ってた時期もありましたね。
辰巳:ミュージシャンって、何をやってたんですか?ボーカル?
内貴:ボーカルです。
辰巳:いつから?
内貴:大学時代入ってから、高校時代はまったくやってなくって。
辰巳:へぇぇ、高校時代は?
内貴:茶道、とかしてましたね笑。
辰巳:京都市の朱雀高校で茶道かぁ。でパンクかぁ笑。
内貴:まぁね、いろんなことをやりたい年頃ですよね。ま、バンドブームだったんでね、この時代。
辰巳:誰が好きでした?
内貴:(先週リクエストした)THE ALFEEとかも好きでしたし、あとTMネットワークとかボウイとかプリンセスプリンセスとか、、、そういう時代でしたねー。
辰巳:またシェフがね、ふぅんとか言いながら「誰それ?」みたいな顔しとりますが笑笑。シェフ、音楽はあんまり興味なかったんですか?
井村:そーぅですねぇ。やっぱ小さい頃から料理が好きやったんで、料理ばっかりやってましたねぇ。
辰巳:ブレへんってのはすごいですよねー。
内貴:私ブレブレですから笑。
辰巳:で、次何やりはるんですか?笑。
内貴:次・・・海外へ行こうかと・・・。もともと動物が好きなんでー、”野生動物とふれあい”に行こうかな、余生は。
辰巳:本当は獣医さんになりたかったんですもんねぇ笑。『転び獣医』という言葉も出ましたしね笑笑。動物は何が好きなんですか?
内貴:もう”動くもの”であればなんでも笑。「人間以外の動物なら全部好き」って公言してますから。
辰巳:人間嫌い?
内貴:人間あんまり得意じゃないですね笑。
辰巳:そうですかー?わりと得意そうですけどね?
内貴:それ”仮面”ですね。
辰巳:”カンペキな仮面”ですね。
内貴:そうですね、大人になってだいぶ丸くなりましたけど。
辰巳:その辺がワイン造りにどう出てくるか?あと2回あるんで掘り下げたいと思うんですけど、なんか無駄話、じゃない、面白い話に転ぶので、、、。台本もプロットもなんっにもない行き当たりばったりの番組なんですけど、こう、「どこに転ぶかわからない」ってのがやってる方も楽しいんですよ。”地道にコツコツと”積み上げる人生もそれはそれで美しいんですけど、「この人何をするつもりなんやろ?どうなっていくんやろ?」っていう。ワインにしても完全にカチッとしてるものより、「味もバラバラだしあと何年したら美味しくなる?」みたいな方が面白いし。今日も35歳で造ったという「てぐみ35」も・・・。
内貴:そうです!笑笑。
辰巳:そこは否定しとかんと笑。来年「てぐみ34」になったらどないすんねんっ笑笑。
内貴:増やしていきます笑。
辰巳:1月のゲストは京都 丹波ワインの内貴麻里さん、また来週よろしくお願いしまーす!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年1月14日放送分
- ワイナリー
- 収録会場
★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/