2025年9月のゲストは長野県坂城町の坂城(さかき)葡萄酒醸造株式会社、成澤篤人さんです。
猫好きが高じて、造るワインのすべてが猫にまつわるネーミング。今回はシャルドネ「猫目石(キャッツアイ)」で乾杯!
(全4回 2回目)
辰巳:9月のお客さまは長野県「坂城葡萄酒醸造所」の代表、名刺にはCEOと書いてありますね。成澤篤人さんです。
そして井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:今月は「アネーリ大宮」からお送りしてますが、最近はこちらにいることが多いんですか?
井村:そうですね。
辰巳:今は独立されて、新しいレストランを準備中なんですって?
井村:そうなんです、日本ワインのレストラン。
辰巳:場所はどこなんですか?
井村:いや、東京都内で考えてます。
辰巳:まだこれからの段階?資金は?
井村:自己資金で。なかなか大変です。
辰巳:どなたか応援してくださる方いればいいんですけどね。
井村:それはそれで大歓迎です。
辰巳:我々「日本のワインを愛する会」としても全面的にバックアップしたいと思っているので。
ナルちゃんもよろしくね!笑。ってなんか営業モード😅
井村:よろしくお願いします!
辰巳:さ、今日はこちらの白ワインで乾杯したいと思います。
全員:カンパ〜イ🎶

【猫目石(キャッツアイ)2024】
https://sakakiwine.myshopify.com/products/猫目石キャッツアイ2021のコピー
辰巳:これはどういうワインでしょうか?
成澤:ブドウ品種はシャルドネ。名前は「キャッツアイ」です。
辰巳:この曲はよくカラオケで歌ったりするんですか?(←まちはきらめくPassion fruit〜♪)
成澤:歌わないですね〜照笑。
辰巳:猫目石。このワイン前からこの名前でしたっけ?
成澤:はい、シャルドネは「キャッツアイ」ですね。
辰巳:確か坂城の町中に自社畑がありましたよね?
成澤:今だいたい2.5ヘクタールぐらいやってます。
辰巳:町が開発した土地でしたっけ?
成澤:そこも一部あります。元々(坂城)町がワイナリー形成事業で作ったところで、それは僕らが引き継ぎました。
辰巳:他に買いブドウ?
成澤:そうですね、買いブドウは坂城町の契約農家さんから少し。
辰巳:原料はすべて坂城町ってことですね。
坂城町は位置的には上田のちょっと先ですよね?
成澤:はい、上田の一つ北にある町です。上田からしなの鉄道で10分か15分ぐらいですね。
辰巳:上田文化圏の中にある町で、もちろん町内唯一のワイナリーですよね?
東御地区のワイン特区の広域ワイン特区に入ってるんですよね。元々その特区で始めたんですか?
成澤:はい、坂城町は単独で2015年に取ったんですけどそれから広域に移って。。。
辰巳:でも今は特区じゃなくて普通の免許でしょ?
成澤:初年度は特区免許で取ったんですけど、その時にはもう(年間生産量)6000L超えてたんで、今は通常免許です。
辰巳:今の生産量は?
成澤:ワインだと本数換算では10000本ぐらい。
辰巳:レストランも併設されてるし、そこでの利益を上げないとって感じですか?そうでもない?
成澤:生産本数が少ないんで、レストランの売り上げは上げないと。
辰巳:ワイン自体はそんなに利益率高くないもんでしょ?
成澤:ん、、、まぁ笑。どうなんでしょうねぇ笑。レストランもそんなに利益率高くないですからー。
井村:レストランはそんなに高くはないです。
辰巳:・・・そ〜ぅですかー、なかなか大変な業態ですね。それでもどんどん新しい店できてますけどね。どんどん潰れてますけど。
井村:そうなんですよねぇ。
辰巳:さ、今日のお料理の前に、シェフ、このワインどうですか?
井村:シャルドネらしいしっかりした香りはあるんですけど、味わいはすごくスッキリで飲みやすいです。
辰巳:樽は?
成澤:ちょっと使ってます。
井村:少し感じますけど変なクセがない。
辰巳:2024年のヴィンテージなので樽も半年ぐらい?
成澤:それぐらいですね。
辰巳:ミネラル感もあって味わいがありますね。
成澤:おかげさまでこのワイン、今年の日本ワインコンクールで銀賞をもらいました👏
辰巳:「欧州品種 白」の部門ですね。おめでとうございます!毎年出品されてましたっけ?
成澤:去年は20回の記念大会だったので(1アイテムの在庫が)300本以上だったんですけど、今年は600本以上。
でもその前までは1000本以上ないと出せなかったので、出品は去年からです。
辰巳:うれしいもんですか?
成澤:うれしいですね、客観的な評価ですから。自分ではいつも全力で美味しいワインを造ってるつもりですけど、みなさんから評価してもらえたことは。
辰巳:でもね、銀賞は銀賞でおめでたいですけど「なんで銀賞なんだ、金賞だろっ!?」笑。
成澤:(受賞)リストを見たら銀賞の上から3番目だったんです。関係者に聞いたところ、点数の高い順に並んでることがわかって。
”金賞に近い銀賞”じゃないですか笑笑。
辰巳:物事はいい方に考えた方がゼッタイいいですからね笑。
成澤:ですね。
辰巳:はい、ようやくお料理です!今日のお料理はなんでしょう?
井村:さいたま市にヨーロッパ野菜研究会ってのがあって、そこで育てている「フィレンツェ」という名前の丸ナスです。
今が最盛期で非常に甘みがあります。それにマッシュルームのソース。
全員:いただきます🍴🍴🍴

【岩槻産フィレンツェ茄子の温製サラダ仕立て】
辰巳:マッシュルームのソースが一瞬ゴマだれに見えました笑。かなり柔らかいナスですね。
井村:そうなんですよ。中身がトロ〜っとしてる。
辰巳:これは日本の野菜?
井村:種は元々向こう(イタリア)だと思います。
成澤:まったりとした感じのナスですので、このクリーミーさとシャルドネは合うんじゃないかなぁ。
辰巳:このシャルドネは酸味がカッと来るというよりも、ジワッと横に広がるというか。MLF(マロラクティック発酵)もしてるでしょうし、柔らかさを持ってるのでなかなかいいですね、この合わせ方♡

辰巳:上の方の、金に近い銀賞を獲った爆、「キャッツアイ2024」ですが。あれですか、賞獲ったらバァーッと売れちゃうんですか?
成澤:ぜんぜんそれはないですね笑。
辰巳:でもね、売れないと(それはそれで)つまんないですよね?影響ないですか?だとしたら賞出しすぎてるんじゃ?
成澤:どうなんですかねぇ🧐
辰巳:これはおいくらですか?
成澤:3300円、税込3630円です。
井村:レストランで使うのにはいいと思います、手頃だし。あとは仕入れ値次第笑。
辰巳:ですよね。そこがいちばん難しい笑。ではお料理をいただきながらリクエスト曲を聴きましょう。
今日はなんにしますか?
成澤:ジュンスカイウォーカーズの「歩いてゆこう」という曲です。
井村:知ってますっ!
辰巳:あれ、年齢近いんでしたっけ?
井村:僕(昭和)47年生まれなんで4つぐらい上ですけど。(←成澤さんは今年49歳)
辰巳:ジュンスカイウォーカー?日本人?
井村:「ジュンスカ」と言われている、日本人です。
辰巳:ではどうぞ。

JUN SKY WALKER(S)「歩いていこう」(1989年)
https://www.youtube.com/watch?v=4oVVu72Hhho&list=RD4oVVu72Hhho&start_radio=1
辰巳:なんか先週話がぜんぜん進まなかったんですけど笑。高校出て1年(地元の)製造業に就職して東京へ、ってとこまででしたけど、その前はどんな子供だったんですか?(←話が進まないわりにはさらに遡るんですね)
成澤:サッカーをずっとやってました。
辰巳:ぁ、サッカー少年でしたか。阪神ファンだからゼッタイ草野球だと思ってたのに。
成澤:小学校の頃から。
辰巳:将来は選手になりたかったとか?
成澤:そうですねー(遠い目)・・・ありましたけど。まぁまぁ上手だったんですよ。高校時代県代表には。
会場内一同:すごっ!
辰巳:ってことは国体とか行くの?
成澤:そうです、国体の候補。
辰巳:長野県でサッカー強い高校ってどこなんですか?
成澤:ない爆。
辰巳:だから県内で強くても大したことないんだ笑笑。
成澤:そうなんすよ。
辰巳:それでも県代表ってすごい!そっちの夢は追い求めなかった?
成澤:まぁプロになるには難しいかなぁぐらいの。
辰巳:長野にはプロのサッカーチームあるんでしたっけ?
成澤:松本山雅っていうのがいっかいJ1に上がってました。あとは長野パルセイロってのがあって今はJ3だったかな。
辰巳:ちなみに、お酒はいつぐらいから飲んでました?(←昔のことなので時効だそうです)
成澤:ちゅ・・・笑笑。中学ぐらいですかね💦
辰巳:何飲んでました?
成澤:ビールでした。あのころちょうどスーパードライがバッと出てきた時代で2Lか3Lぐらいの缶があったじゃないですか。
井村:あ〜ありましたねぇ。
成澤:それをみんなで買って、家で飲みました。
辰巳:友達同士でじゃなくて家で?
成澤:友達同士ですけど僕の家、(自分の部屋が)離れだったんで、メチャメチャ溜まり場だったんです笑。
辰巳:そのころからみんな集めてワイワイやってたんですね。今の仕事の原点はどこにあるのかなーとちょっと探ってみました笑笑。
成澤:ぇ、いいんですか、こんなこと言って💦
辰巳:いいんです!ぜ〜んぜん(←どうでしょう)お酒をみんなでワイワイやるのが楽しくて?
成澤:(もしかしたら原点は)それかもしれないですね。
辰巳:東京に出てアルバイトいろいろしたけど、まかないがあるから飲食業に入ったと?
成澤:洋風居酒屋みたいな渋谷の飲食店でキッチンの皿洗い、みたいなことやってことがあるんですけど、そこで働いてた先輩が、終わった後「飲みに行こう」と誘ってくれて。
1軒目は普通の居酒屋でご飯食べて、2軒目は「俺の友達が近くでバーやってるからそこに行こうぜ」ってなって、生まれて初めてバーに連れてってもらったんです。
入ったら。カウンターのところでベスト来てシェーカー振ってる方がメッッチャクッっチャ格好よくって、カウンター越しに「ここで働かしてください!」笑。そしたら隣の先輩が「おいおい、どうしたんだ!?」笑。
とにかくメチャクチャかっこよくて「オレのやりたかったのはこれなんだ!」
辰巳:ノリがいいんですねー。
成澤:酔っ払ってたってこともあるんですが。で、そのお店では「うちは募集してないんだけど、原宿で友達がバーやってて、そこ紹介してあげるから行ってみれば」って。
辰巳:そっからすぐに?
成澤:次の日に💨おかげさまでそこに就職できました。
辰巳:最初に行ったバーがすごいカッコよかったんでしょ?原宿の店はどうだったんですか、ダサいとかそういう印象はなかった?
成澤:こちらもオーセンティックなバーでカッコよかったですよ。そこで働いたのがお酒の入り口。
辰巳:なんて店?
成澤:「ドビーズ」という店でした。もうないですね。この前たまたま近くに行く用事があって通ってみたら靴屋さんになってました。
辰巳:どれぐらいの期間いたんですか?
成澤:東京に4年いたうち、そのお店とあともう1軒のバーで働いてバーテンダーとしては3年いました。
辰巳:へぇぇぇ。。。そんな話聞いたことなかった。で、辞めたのは?
成澤:うちの母親が具合悪かったりだとか、理由は他にもあるんですけどね。一応長男だしとりあえず実家に帰ってきたんですけど、そういうことだから夜の仕事もできないし、坂城町にバーなんてないですけどね笑。どうしようかなと。
普通の仕事やろうかなと思っても特にやりたいこともなかったし、求人誌見たりハローワーク通ったりしてたら、たまたまトラックの運転手の仕事が見つかって。そこはペットフードの問屋で、それを積んでホームセンターとかに配送する仕事を2年ぐらいやってましたね。
辰巳:フラフラじゃなしに「きちんと仕事しなくちゃ」という意思がちゃんとある。
成澤:笑、ちゃんとかどうかはわかりませんが、仕事しないと食べれませんから。
辰巳:そうじゃない人も結構いるじゃないですか。いくつになっても親がかりみたいな。
そういう意味では独立心があったんですね。
成澤:それはあったかもしれませんね。
辰巳:家は継がなくても?
成澤:うちはサラリーマンの家庭なんで。
辰巳:「自分の人生は自分で決めなさい」と?それでトラックを2年運転した後は?
成澤:その、東京でバーテンやっている時に「いつか自分で店を持ちたい」と思ってたんで、やっぱり未練がある。
「う〜ん」って考えてたら、これもたまたま求人誌見てたらワインの営業の仕事があったんです。ピーロートジャパンの長野支店。
それに応募して。そこでもまた2年ぐらいやりました。
辰巳:そして資金を貯めていよいよ・・・?
成澤:そのあとまだあるんですよ〜笑。
辰巳:計算したら(ワイナリー開業まで)あと2年ぐらい、ぁ、もうちょっとありますね。
ぇw、また時間がなくなったらしいので、この続きはまた次週ということにしましょう。
全員:ありがとうございました!!!


News Data
- 日本のワインを愛する会提供 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年9月11日放送回
- ワイナリー
坂城葡萄酒醸造
https://sakaki.wine- 収録会場
収録会場【アネーリ大宮】
https://anelli-omiya.smtk.jp