
2025年7月のゲストは青森県むつ市の(有)サンマモルワイナリー代表取締役社長、北村良久さんです。
大学卒業後は父から実家の家業に入る前の武者修行(?)を課せられます。その後、ヨーロッパにサーフィン三昧付きの留学をしますが。。。(全5回 3回目)
辰巳:7月3回目の放送です。今日は祇園祭なんですねぇ。(←収録は6月10日でした)先日梅雨入りしましたが、この夏はどうなるんでしょうね。
今月のお客様は青森県の下北半島にあります「サンマモルワイナリー」、北村良久社長です。改めましてよろしくお願いします。そしてプリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:まずは乾杯しましょう。
全員:カンパ〜イ🎶
【ライヘンシュタイナー・シャルドネ 2024】
https://shopping.kimijimaya.co.jp/view/item/000000009316?category_page_id=ct1531(←参考サイト)
辰巳:今日も白ワイン、3回連続です。
井村:シャルドネ、ですよね。
辰巳:ライヘンシュタイナー・シャルドネって書いてありますけど?
北村:実はシャルドネは18%、他はライヘンシュタイナー。
辰巳:ライヘンシュタイナーという大変寒いところに強いという。
北村:そうですね。ドイツ系のハイブリッド品種。シャルドネもそうですけど、加工がしやすい。っという意味で、イギリスやカナダで作られてます。これをシャルドネと合わせると、シャルドネに引っ張られてよくなるっということが最近わかりました。
辰巳:それは誰かに聞いたんですか?
北村:いや、うちでシャルドネ獲れる量が少ないので。シャルドネ100%のワインもありますけど、他にも使ってみようということでライヘンシュタイナーと合わせてみました。
井村:なんか、シャルドネだけじゃない何かがある感じがしました。
辰巳:シャルドネが7、他に3割ぐらい何かが入ってる感じがしましたけど、逆だったんですねぇ。
北村:それがライヘン(シュタイナー)の特徴かなぁと。
辰巳:アロマティクな品種。確か単品もありましたよね?
北村:はい。ドイツ(原産)のブドウですので、収穫も遅摘みとかしていたらずいぶんと変わってきました。
辰巳:年を経て変わってきた感じ?
北村:そうですね。最初は遅積みしてドイツワインのようにしたかったんですが、それをすると日本の場合は病気の発生率が高くて「念の為に育ててるの?」がよくわからなくなるので笑、だから少し早積みにしてスタイルを変えてきました。
辰巳:甘口はもう造ってない?
北村:いや、造ってますけど全量甘口はやめました。っというのは、香りが出だすと熊が来るんです。
辰巳:ほぉぉ、熊が!?その辺りはツキノワグマですね。
北村:凄まじい量食べます汗笑。
辰巳:熊って甘いもん好きなんですねぇ。地元では(逆に)熊は食べないんですか?
北村:食べます。
辰巳:行ってこい?笑。
北村:ワイン用のブドウに関しては3000万円ぐらいやられたこともあります(!)。ほんとに凄まじい量。
”パク”どころじゃないです、むしろ”ムシャムシャ”笑。逃げないんですよ。
今から2年ぐらい前に、うちの撮影した動画が全国放送で流れました驚。「これは熊だろう」ということで固定カメラ4台。
そしたらもうバッチリ(写ってました)。ものすごく上手に柵登って降りて・・・。
辰巳:今度その動画ぜひ見せてください。まぁ聴いてる方は楽しそうなんですが、
北村:死活問題ですよ。ですから(ブドウの)香りが出る前に収穫した方が虫の被害が少ないのと同時に、アロマ的にはそっちの方がいいのかなという気もします。遅積みするとワイン自体は厚くなるんですけど、どちらがいいかなと思ったらこっち(←そこまで遅積みではない)のほうがいいのかなぁと。
辰巳:美味しいワインです。このワインはここ最近のリリースですか?
北村:これは今回初リリースです。
辰巳:シェフ、このワインに合わせた今日のお料理は?
【グリーンリゾット タコをトマトで煮込んだラグーソース】
井村:今日はケールとチーズを使ったリゾットに、タコとオリーブをトマトで煮込んだラグーソースを上に乗せてます。
お米は埼玉県で作ってるリゾット米というお米です。
辰巳:キロいくらぐらい?笑笑。
井村:ちょっと上がってます。こっちの需要が高まってしまったんで、今年使う量(この会場、エネコ東京で使う分)をギリギリキープしていただいてる状況です。
辰巳:それにしても美味しいです♡
北村:すばらしくむちゃくちゃ美味しいです♡♡
辰巳:これはワインとどう考えたんですか?
井村:優しいタッチのシャルドネという印象を最初に受けたんで、野菜を使って甘み。あとはタコです。タコはシャルドネに合うと思ってますんで。エビとかタコはシャルドネに合わせやすい。
辰巳:アクセントでピンクペッパーですね。ではこれをいただきながらリクエスト曲を聴きましょうか。またボブ・マーリーですか?
北村:はい、またボブ・マーリーです笑。
辰巳:ま、夏だからレゲエもいいかなと。
北村:はい、お願いします。「ジャミン」。
Bob Marley&The Wailers「Jammin’」
https://www.youtube.com/watch?v=5WlCdiU9IzA&list=RD5WlCdiU9IzA&start_radio=1
辰巳:ちょっと気分がウキウキする曲でした。中学時代にサーフィンを始めて高校時代に野球、大学時代はゴルフ部と、華麗な青春遍歴ですけど、お酒はいつから飲んでました?
北村:表向きはー笑笑・・・。高校の野球部辞めてからです。野球部の頃はタバコも吸わない、お酒も飲まない。甲子園を目指してるチームでしたので迷惑はかけられないんですよね。
辰巳:高校は?
北村:大阪工大高校(現常翔学園高校)。
辰巳:ラグビー強いでしょ?
北村:、も強いです。でも僕らの時代は(野球も)けっこう強くて、3年生の先輩が大阪大会のベスト4まで行ってます、その上はベスト8、僕らはベスト16ですから。当時はまぁまぁ強豪です。
辰巳:中学の頃はまだ飲んでなかったんですか?うちは子供の頃から親に飲め飲めと笑。
北村:中学2年か3年の頃、こそっと隠れて500mlの紙パックの「大関」を水のように飲んだら大変なことになった笑笑。
辰巳:水のようには飲まん方がえぇと思います笑。
ワインはいつから?
北村:うちの父親がワイン好きだったんで、けっこう飲んでました。
辰巳:どんなワイン飲んでたか覚えてます?
北村:非常に高級なワインばっかり飲ませてもらいました。いちばん感動したのは20代前半ぐらいの時、家族でフランス旅行中のレストランで、「(シャトー)グリュオー・ラローズ」の1928か9を飲んでもうビックリ!「ワインってこんなに美味しいんだ!?」。ワインを好きになったのはそこからです。
辰巳:そういう原体験があるんですねぇ、お坊ちゃんはやっぱり笑。
辰巳:大学時代はゴルフ部だったんですよね?
北村:ゴルフ部は1年生でクビになったんで、それからはサーフィンに没頭笑。
辰巳:就職はお父さんの会社?なんていう会社でしたっけ?
北村:当時は、ま、今もありますが「大阪日日新聞社」、と当時の「日本ゴルフ興業」。
辰巳:そこに大学卒業して就職?
北村:卒業してしばらくは顧問弁護士のところに法律の勉強しに就職しました。そこは”会社を整理をする専門の事務所”でしたんで、破産とか和議の仕方を勉強してまして。
辰巳:いずれ後継者になるためにお父さんに言われて?
北村:そうですね。「会社なんていつ潰れるかわからへんから、先勉強しとき」って言われて。会社を大きくするためじゃなくて潰れた時にどうするかと。
辰巳:すごいですね。そういう経営者だから続くんでしょうね。
北村:そこは1年ちょっとぐらい。その後日本電気(NEC)のソフトウェア、SEを。
辰巳:SEってなんでしたっけ?ぁ、システムエンジニアか。我々の業界はサウンドエフェクトといって音響効果さんのことなんですけど。
料理業界ではどういう意味ですか?
井村:ない笑。
北村:そのSEの時にはCOBOLという言語でプログラムを作ってました。そこでも1年ぐらい。次はマツダ自動車のディーラーに行きまして(大阪の西マツダ)、そこで親父がノンプロで野球やってた縁でセールスの勉強でした。そのころは大学卒業して3年経ってますから、新入社員は僕よりも3つ下。その人たちと一緒に(車の)セールス勉強しました。
辰巳:売れました?
北村:売れましたねー。3年の間にトップセールスになれへんかったら帰って来なんでえぇと。ずっとサラリーマンしときと父親には言われてたんですけど、1年で車の販売と保険部門のトップセールスになったんですよ。
辰巳:なんでそんなことできるんですか?
北村:真面目なんですよ笑。
辰巳:外野は笑ってますけどほんとに真面目な人ですよ。最初にお会いした時からこの風貌に居合わず。
北村:朝会社に出勤したらいちばんに会社を出て、飛び込み(営業)するんですけど、一向に売れないんです。
その時のトップセールスの人の行動見てたら、大体がリース会社を攻略してるんですよ。レンタカーとかです。つまりその会社ごと。
当時は「日本リース」っていう会社がありまして、業界2位だったんですけど、支社が大阪にあって、当時のマツダ自動車の担当者がちゃんとフォローしてなかったみたいで。僕が足繁く通ったらそっからどんどん仕事が入ってくるようになって。こっちからもリースの紹介をしますからね。
そうしないとトップセールスにはなれないなーと。それで1年目で表彰状もらいまして、親父に報告したら「ほなもうえぇゎ」と。そこも1年間で終わって笑、あと(猶予)2年あるから好きなことしていいと。いうことで、イギリスの語学学校のカレッジに行って、向こうでサーフィンしながら。次はスペイン、次はフランスとサーフィンの旅をしながら。
辰巳:大西洋沿いをサーフィンボード抱えて一人旅?
北村:そうです。20代後半ですね。
辰巳:楽しかったでしょうね。
北村:ムチャクチャ楽しかったです。2年の予定が実質1年半で帰らされましたけど(←日本、バブル弾けて呼び戻されました)
辰巳:仕送りしてもらって?
北村:(父親の)会社に就職したことになってたし向こうで仕事も軽くやってましたんで。お給料もらいながら、実態はサーフィンしてました、スイマセン笑笑。
辰巳:けっこうモテたでしょ?
北村:人になんか会わないですね。
辰巳:だってその頃って若くて・・・
北村:60になった今でもそうですよ、日の出とともに海に出てますからね。
辰巳:フランス、スペイン・・・美味しいワインには出会ったんじゃないですか?
北村:残念なことに、その頃はサーフィンに没頭してて、最後はボルドーの下のビアリッツってとこにいたのに、(今思うと)なんでその上まで行かなかったのか、ワインと料理楽しまなかったのか、ものすごい後悔してます。やってしまいました笑笑。
辰巳:最近は若い頃の足跡を辿ってないんですか?
北村:ヨーロッパは行ってないですね。最近はまだ行ってないところ、スリランカやインドネシアの島など潰してます。
辰巳:また時間がなくなってしまいましたが、どうやったらワイン造りの話までたどり着くんでしょ笑。残り2週でその辺りの話を伺おうと思います。
全員:ありがとうございました!!!
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年7月17日放送回
- ワイナリー
有限会社サンマモルワイナリー
https://www.sunmamoru.com- 収録会場
エネコ東京
https://eneko.tokyo/