
2025年3月のゲストは長野県東御市の「ヴィラデストファームアンドワイナリー」代表取締役社長(栽培醸造責任者)の小西超(こにしとおる)さんです。長野県のワイナリーですが出身は滋賀県、大学はなんと辰巳さんの後輩の京都大学。
バリバリの関西人でした。(全4回 1回目)
辰巳:はい、3月です。すっかり春になりました。今月のお客様は長野県からお越しくださいました「ヴィラデストワイナリー」の現在は代表取締役社長・栽培醸造責任者の小西超(こにし とおる)さんです。
そして、プリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:小西さん、出身は関西だとか?
小西:はいそうなんです。滋賀県出身。
辰巳:シェフも僕も大阪出身。そしてなんとなんと、京大の僕の後輩でもあるという。一回り下なんですけどね😅今はなぜか長野でワインを造ってる。この辺も深掘りしたいと思います。ではまずは乾杯しましょう、今日は白ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【ソーヴィニョンブラン 2022】
https://villadest.shop-pro.jp/?pid=140606734
井村:酸がクッキリしてて、喉をスーッと通っていく感じ。
辰巳:これはどういうワインなのか、まずはワインの素性から。
小西:はい。「ヴィラデストワイナリー」のソーヴィニョン・ブラン2022年です。ワイナリーは長野県の東御市というところにありまして、畑も標高が850mと高いんですね。そういったこともあって「全体的には冷涼で寒暖差も大きい、雨も少ない」。
凝縮感もあるし、酸もしっかり残るんです。
辰巳:でもいわゆるソーヴィニョンっぽい香り、柑橘系もそんなに強くなくないですか?
小西:結構あるとは思います、けど、今日は閉じてるかも笑。
辰巳:そろそろ花粉症なんで、僕なんかもちょっとワイン飲むには良くないタイミングに入りつつあるんですけどね笑。
小西:僕は今の所は大丈夫です。ずっと(花粉症では)なかったんですけど、50(歳)ぐらいから急にきました。
辰巳:今54歳でしたね?シェフよりちょっと年下?
井村:ぼくがちょっと年下😅(←52歳)
辰巳:上に見える笑笑。ではそのシェフのお料理を食べましょう。今日はなんでしょうか?
井村:カリフローレっていう茎の長いカリフラワーを使いました。
小西:知らないです。長野でもあまり聞いたことない。
井村:今は栽培が全国的に広がってきてます。
辰巳:使い勝手的にはどうなんですか、カリフラワーとカリフローレ?
井村:カリフラワーってスーパーで普通に売ってるんで、(レストランとしては)ちょっと珍しいものをお出ししたいというのもあります。
食感も若干変わりますし甘みも。旬の時期っていうのはどんな野菜でも香りも甘みも出てきますから。今日はその上にヘーゼルナッツを加えてコクを持たせてあります。
【カリフローレのヴルーテ】
辰巳:月初のお決まり”ブルーテ”ですね。
全員:いただきます!!!
辰巳:ん!?これ冷たいと思ったらほんのりあったかい。
井村:ほんまは熱々なんですけどね。本番に合わせるとどうしても💦
辰巳:今はちょいぬる燗みたいな笑。
小西:すごい優しい味で美味しいです♡
辰巳:これもまったく甘味加えてない。この香ばしいヘーゼルナッツはなんで加えようと?
井村:このワインに合わせるために。今日初めて(ワインを)テイスティングしたんですけど、ナッツの香りあったほうがワインの酸味や香りをホールドしてくれる感じがしたんで。
辰巳:シェフはもうこの4年半、毎週毎週ワインに合わせた全部違うお料理を造ってくださるんですが、ワインをキチンと理解しているのでとても助かってるんです。このヘーゼルナッツ噛むと、ワインの質感がクッキリと出てきますね。いや、面白いわぁ〜♪
辰巳:ヴィラデストのほうも元々レストランがあって、それをワインに合わせてお料理を提供してくださってるんですけど今はどの方が料理作っていらっしゃるんですか?
小西:もう10年以上村山(貴臣)っていうシェフがやってくれてますが、ま、フレンチです。
辰巳:小西さんはそのレストランのお料理とワインのペアリングのコーディネートなんかもされてるんですか?
小西:いや。このワイナリーのオーナーはエッセイストで画家の玉村豊男なんですが、料理も非常に好きで、自身でも自宅では毎日料理しているぐらい。なので「料理にはうるさい」。ここは玉村とシェフとで相談しながら・・・。
辰巳:ってことはお料理に関しては小西さんはあんまり口出ししてない?
小西:はい、してないです笑。
辰巳:社長になられたんですね。いつから?
小西:2017年です。
辰巳:玉村豊男さんが始めたワイナリーで、でも「あとは任せた」でリタイヤされて、ってそんな感じですか?
小西:ま、そうですね。まだ元気でやっておりますが笑。
辰巳:玉村さんはおいくつ?
小西:今年で80歳になります。
辰巳:そうか、僕より一回りちょい上だ。それでヴィラデスト最初に始めたのは何年でしたっけ?
小西:まず玉村が(東御に)移住したのが1991年。
辰巳:僕はその頃から実は存じ上げてて「今度(ワイナリー)やるんだ」って話を聞いてて。確か淡路島のアルファヴィアという美術館のレストランででした。当時はまだ平成の大合併の前で、東御市は軽井沢のちょっと西側の東部町でしたね。
小西:はい。軽井沢、御代田、小諸、東御、上田(のエリア)で、今の東御は東部町と北御牧村が2004年に合併しました。
辰巳:それで今は東御市にワイナリーが15あるとういう!もう1個出来かけがあるらしいですけど笑。とにかくすごい数のワイナリーができて、その先鞭をつけたのが玉村豊男さん。あの地区には小諸ワイナリーというマンズワインのワイナリーが70年代にできて、20数年ぶりにヴィラデスト、そっからはどんどんどんどん毎年のようにワイナリーができてるという。
小西:そうです、最近は特に。
辰巳:小西さんがそこに移られたのは何年?
小西:ヴィラデストができたのは2004年なんですけど僕が実際に移り住んだのは2002年です。その時には玉村さんが植えた畑しかなかった。そっからワイナリー開設の準備一緒にやって2004年にオープンしたと。
辰巳:そこから人生がガラッと変わったという小西さんですが、ここでリクエスト曲を聴きましょう。
小西:ビートルズの(ジョージの)マイ・・・ジェントリーウインプス
辰巳:えーーー、これジョージの曲。(←曲名聞いただけでジョージとわかる辰巳さんの奇跡!)しかも小西さんビートルズ世代じゃないでしょ?
小西:そうです。僕はビートルズが解散した年に生まれました。中学の時に父親がレコードを買ってきてそれをずっと聴いてたんですよ。
父がビートルズと同世代ぐらいだったので。
辰巳:それでまたなんでジョンレノンでもなくポールマッカートニーでもなくジョージハリスン?
小西:どっちも好きなんですけど、ジョージの落ち着いたっていうか・・・
辰巳:確かに小西さんも落ち着いてますけどね、若い頃から笑。
小西:当時は誰が歌ってるかなんてぜんぜんわかんなくてただ聴いてただけですけど、でも好きだった。
The Beatles「While My GUITAR GENTRY WEEPS」(1968年)
https://www.youtube.com/watch?v=VJDJs9dumZI
辰巳:この頃の曲はよく聴いてたなぁ。この曲のギターはエリック・クラプトンなんですよね。
小西:それがまたいいんです。
辰巳:ぼくはビートルズが解散した後によく聞くようになった世代なんですけどね。
小西さんのお父さんのことをちょっと聞きたいと思います。
小西:滋賀県の湖南市に住んでたんですけど。元々は石部町。栗東とか草津に近いところです。父親はそっから大阪に通ってて、住宅メーカーで働いてました。(←積水ハイムだそうです)
辰巳:鉄骨住宅のパイオニアですね。お父さんも滋賀県出身?
小西:そうです。
辰巳:滋賀は元々大阪京都のベッドタウンなんですが、けっこう遠い。
小西:大阪や京都の人には”田舎もん”とよく言われました、いじめられた笑。
井村:(大阪出身)爆。
辰巳:「面積の90%は琵琶湖や〜」とかね。
小西:京都の人にそんなこと言われると「琵琶湖の水止めるぞ」爆。
辰巳:琵琶湖あるのはほんとに大事なことなのに^^;
でもね、さっき聞いたら膳所高校(ぜぜこうこう)ですから1番の進学校ですよね。やっぱり京大に行くのが普通の感じだったんですか?
小西:・・・普通ってこともないんですけど、けっこう多かったですね。
辰巳:その若い頃は何になろうと思ってたんですか?
小西:なんとなく生物が好きだったんで。
辰巳:完全に理系の人だったんですね?
小西:そうですね。ただ、得意科目は文系だった。
辰巳:京大の場合は5教科7科目。僕は文系で、数学を1年間しか勉強しないですんだんですけど、理系の人は文系の勉強が大事だと言われてましたよね。
小西:逆に数学がいちばん苦手で笑。
辰巳:苦手って言っても普通の苦手ちゃいますよ〜。(←ですよね)で、京大の?
小西:農学部の、農芸化学科っていうところです。
辰巳:何を勉強してたんですか?
小西:私は修士まで微生物を。酵母の遺伝子とか酵素とか。
辰巳:普通高校生が「酵母の勉強しよう」とか思う?
小西:いや、高校生の時は思ってなかったですよ。なんかその頃に”バイオテクノロジー”ってのが流行って「これからはバイオの時代だっ」みたいな。
辰巳:「バイテク」の時代ですね。流行に乗せられて?
小西:そうです。
辰巳:あれ、京大の理系の場合は最初から学部決めるんでしたっけ?
小西:はい、最初の入所の時に決まります。
辰巳:文系は2年間の教養終えてから決めるんですけど。じゃぁ最初から農芸化学に行って微生物を?
小西:農芸化学ってけっこう広くて、動物はあんまりないですけど植物もあるし微生物もあるし。その中での微生物。
植物にも興味あったんですけど、人気が研究室によって偏りがあったりするので、最終的にはジャンケン爆。
辰巳:自分の人生決めるのにジャンケン!?爆。ま、京大っぽいっちゃぽいですけど笑笑。
小西:はい、結局は微生物に。制御発酵部。
辰巳:でもね、植物も微生物も両方やってるんですね。
小西:あとは土壌学もあります。それもやってました。
辰巳:なんか時間がなくなってきたので続きは来週。ここから始めたいと思います。
今月のお客様は長野県東御市「ヴィラデストワイナリー」の小西超さんでした。
全員:ありがとうございました!!!
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年3月6日放送回
- ワイナリー
VILLA D’EST GARDENFARM AND WINERY
https://www.villadest.com- 収録会場
エネコ東京
https://eneko.tokyo/