プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年9月12日OA

2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/
2024年9月のゲストは山形県の「ウッディファーム&ワイナリー」代表取締役の木村義廣さんです。
今日本ワイン界に着実に浸透してきている白ブドウ品種、「アルバリーニョ」で乾杯!
青ヘルの後はヒッピーに?若かりし木村さんの奮闘は続きます。(全4回 2回目)

辰巳:お忙しい収穫の時期に来ていただいて、本当に恐縮しております。ゲストは「ウッディファーム&ワイナリー」の木村義廣社長です。そしてプリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!

辰巳:ウッディファームって「木村」さんから来てる(由来)してるんでしたっけ?

木村:そうです。

辰巳:「木」がWood、「村」がFarm。

木村:元々若い頃、木工が趣味でテーブル作ったりしてましたんで。

辰巳:じゃ、つけたのはお父さんじゃなくて木村さん?継いだのはいつでしたっけ?

木村:私が25歳のとき。

辰巳:けっこう早かったんですね。お父さんが早くに引退しちゃった?

木村:就農をしたのが25、事業を受け継いだのは35歳ぐらいの時でした。どちらかというと父親はコウショクが好きなもんで、

辰巳:ぇ、好色?爆。

木村:笑。いやいやいや、地域の要職がいろいろあるでしょ、公の職ですよ。そういうのが好きでした。

辰巳:失礼しましたー笑笑。まずは飲みましょう。

全員:カンパ〜イ🎶

【アルバリーニョ2023】
https://www.woodyfarmonline.jp/product-page/アルバリーニョ2022/

辰巳:今日は白ワインです。あ〜いい香りですねぇ、アルバリーニョ2023。

井村:口に含んだ時の香りの広がる瞬間っていうのがすごくあるワインですねー。ほんとに美味しいす。

辰巳:シェフこれは何度か飲んでるでしょ?このアルバリーニョという品種(原産はスペインのリアスバイシャス)、最近日本ワインラヴァーの間で人気なんですよ。各ワイナリーがこの品種を造り始めてます。日本では最初は新潟から始まって、富山、大分もいい。東北でもすごく増えてます。

井村:本当に香りが高い。

辰巳:これはおいくらでしょう?

木村:3300円です。

辰巳:今まではこの品種のワインってわりと高かったんですよ。5000円10000円なんてのもありました。でもこれからは日本のワインの主力になるのかなと、以前から思ってたんですが。

木村:温暖化の今、ブドウの”酸落ち”っていうのが懸念されているので、それを見据えて、もっと暖かくて雨の多い地域原産で病気にも強い。これをイメージしてるんだと思います。アルバリーニョは成熟した時の酸のバランスが非常によくて安定してます。

辰巳:防除もあまりしなくていいと?

木村:ま、ベト病にはどんな品種も弱いってところはありますが、そこさえ気をつければ非常に安定した商品です。

辰巳:棚栽培ですか?

木村:はい、一文字単梢仕立てです。

辰巳:反収は?

木村:800kg〜1tの間ぐらい。

辰巳:もうちょっと採れそうな気もしますけど?

木村:いえいえ、一文字単梢は芽数が制限されますので、だいたいこのぐらいですね。

辰巳:Xにしたらもうちょっと採れると思いますけど?

木村:いやぁ、手間がかかります、大変です。

辰巳:さ、こちらのワインに合わせたお料理。今日はなんでしょう?

【小比企町の茄子とオクラのプレッセ スイカのマリネと生ハム添え】

井村:八王子中西ファームのナスとオクラとパプリカを使って焼き茄子のテリーヌにしました。付け合わせはスイカのサラダ。

辰巳:美味しそ〜う♡スイカに生ハムが乗った横の生姜みたいのはなんですか?

井村:スイカの皮です。新鮮なスイカは皮の青いところもおいしく食べられますんで。

辰巳:昔はよく”キリギリスの気分”なんて言ってましたけど笑。

全員:いただきます!

辰巳:これはナスの甘みですか?

井村:そうです。ナスは今がいちばん美味しいですね。

木村:ナスの品種は?(←さすがの質問です笑)

井村:これは長茄子です。

辰巳:スイカのサラダは少し香辛料を感じますね。

井村:黒胡椒とオリーブオイルをスイカの上に。よく塩で甘さを出すことがあるんですけど、香辛料でもそれができるんで。生ハムの塩分だけです。

木村:生ハムが塩の役。美味しいです♡

辰巳:この番組は我々は美味しいもの食べてるんですが、聴いてる方はなにがなんだかわからないという、、、本当に申し訳ない。でも食べ物の説明って難しいんですよ。

辰巳:ではここでリクエスト曲を聴いてから、先週の話の続きをゆっくり聞きましょう。今日は何にしましょう?

木村:ボブ・ディランの「風に吹かれて」。

辰巳:先週はビートルズの「レットイットビー」だったし、なんか吹かれっぱなし笑。


Bob Dylan「風に吹かれて」
https://www.youtube.com/watch?v=P-NO445CR2k/

辰巳:1963年の曲ですね、懐かしいですか?

木村:今だに聴いてます。

辰巳:当時僕はまだ子供で、井村シェフは影も形もない笑。

井村:生まれる10年ぐらい前です。

辰巳:時代を感じますね。昭和21年生まれの木村さんですが、高校を出てしばらく農業をやって、それから経済を勉強しに大学に入って、風に吹かれてそっからヒッピーになっちゃった?学生運動やって無力感を味わったんですかねぇ?

木村:そぅだねー、三里塚闘争も行きましたしね。

辰巳:ぁ行った!?三里塚闘争なんて若い人知りませんよ。僕は行ってませんけど、友達はみんな行ってたしね。

井村:知らないす。

辰巳:若者が全国から集まって地元の農民たちと”成田空港建設反対”運動を。いろいろ’正義’はあったんでしょうけどね、ま、一大紛争。あれに行ったんすね、青ヘルで?

木村:いえ、あのときはもう支援で行ってました。

辰巳:どんな気持ちで行かれたんですか?

木村:やっぱり(実家が)農家だから、若い農業青年と交流してみて”自分事”に思いました。

辰巳:”農地を奪われるのは許さない!”みたいな?

木村:そうです。

辰巳:いろんな経緯はあったと思いますけど、「空港も必要だ」とは思わなかった?

木村:お上が一方的に飛行場にするというのが・・・。

辰巳:その”一方的”な強制撤去ですよね、機動隊も動員して。あのころはそういう政治の時代でしたからねぇ。僕の時代は70年代の終わりですけど、60年代の終わりにもすでに?

木村:そうです、その頃から(←1966〜)。

辰巳:東京には何年ぐらいいたんですか?

木村:3年ぐらいいて、大学中退して、ブラブラして・・・。

辰巳:東京で?

木村:いや、東京じゃない。けっこう北海道から沖縄までいろんなところ。

辰巳:ベルボトム履いて長髪で?笑笑。

木村:笑、そうそうそう。短足ヒッピー爆。

辰巳:親からは何も言われなかった?

木村:帰ってこいとは言われてました。

辰巳:生活費は?

木村:だから(現地で)アルバイトしながら。やっぱり農作業が多かった、北海道の野菜農家とか沖縄のサトウキビ畑とか。でも三里塚のことがずっと頭にあったので、海外にはなかなか行けなかったね。

辰巳:それでその放浪は何年ぐらいだったんですか?

木村:3年ぐらい、そんなには長くないですよ。

辰巳:でも学生時代入れたら、

木村:学生3年間っていってもほとんど学校には行ってない。

辰巳:僕も一応は卒業しましてけど、授業受けたのは年に10回とかそんなもんですよ笑笑。あとは芝居か麻雀。

木村:でもすごいですよね〜、天下の、、、

辰巳:いや、あそこはそういう大学(京都大学)。好きなことやってたら応援してもらえる。なにか青春を賭けるものを見つけたらそれでいい、っと僕はいい方に解釈してますけどね。ところで、ヒッピーってそのころけっこう多かったんですか?

木村:多かった。学生運動で就職もできないし、

辰巳:挫折したり、絶望したり、、、そんな感じだったんでしょうかね。シェフが生まれたのは多分その頃ですよ。

井村:そうです、72年ですから。

辰巳:日本ワインはその頃ようやく少しづつ。マンズワインさん、メルシャンさん、サントリーさんなんかの大手が始めた頃じゃないですか?ヒッピーで放浪時代、お酒は何を飲んでたんですか?

木村:そうねぇ、焼酎とか。熊本の六調子なんかよく飲んでましたね。あれ美味しかったなぁ、今でも覚えてる。ワインはまず飲む機会はなかったですね。飲み出したのは(当時のタケダワイナリーの社長)武田(重信)さんと知り合ってからですよ。

辰巳:山形戻ってからですね。ひょっとして元々武田さんと、木村さんのお父さんが知り合いだったから?

木村:そうそう。

辰巳:「どうしょもない息子をどうにかしてくれ」ってお父さんが頼んだんじゃないですか?笑笑。

木村:頼んだかどうかは知らないけど、その可能性はありますね笑。

辰巳:地元帰って変わりました?全国放浪して楽しかったこともあったと思いますけど?

木村:でもまた農業をやりたいと思いましたね。ヒッピーやって農業に興味を持ちました。アリシア・ベイ=ローレルっていうアメリカの女性活動家が日本に来たことがあって、東京で彼女の話を聞いたり交流してきて、「農業ってやっぱり面白いな」と。

辰巳:「ウーマンリブ」っていう言葉が出る頃ですかね?

木村:うーん、正確にはわかんないですけど、もうちょい前だった気が。彼女は本も出してたりしたしね。(←「地球の上に生きる」日本では1972年に訳書が刊行されています)

辰巳:なんかきっかけあったでしょう?風に吹かれて放浪したり、あるいは三里塚に対する思いがあって、でも結局地元に戻ったのは何がいちばん大きかったんですか?

木村:「人の暮らしとして農業は魅力的だ」と思えるようになりました。

辰巳:人が生きていく基本は農業だと?

木村:基本というか、いろんな可能性があるなと。

辰巳:その前に危なかったこととかないんですか?麻薬を密売して殺されそうになったとか爆。

木村:そういうのはないです。

辰巳:女性問題とか笑

木村:ないです。

辰巳:そうですかー、なんかいろいろありそうなのに。(←なんかつまんなそう)

木村:ないです。

辰巳:そういえば今日あまり飲んでませんよね。お酒は強いんですか?

木村:弱いです。

辰巳:まだいろいろ話(ヒッピーの?)聞きたいんだけどな笑。25歳で落ち着いた?

木村:うん、落ち着いたっていうか一回戻った。

辰巳:一回?ってことはまたどっかに出て行った?

木村:いや、出ては行かないけど、しばらくはまだフラフラしてましたね。三里塚時代に知り合ったドキュメンタリー映画なんかを作る小川プロダクションっていう会社があって、三里塚に実際に入って映画撮ってた人たちが私の家のすぐ裏に引っ越してきたんです。「上山気に入ったー」っつって。15人ぐらいの集団で古い農家を借りて共同生活しながらドキュメンタリー映画をずっと撮ってた。
そこに錚々たる人が東京から来てて。学者の色川大吉さんなんかも時々来てました。実際大学は中退したけど、僕にとってはそれが大学みたいなものですよ。

辰巳:そこでまた学んだんだ?人生のこと、社会のこと・・・。

木村:そうですね。その中でヒッピー的なものの考え方に変わってきました。いろんな活動の支援もやってたんだけど、やっぱりもっと大地に根ざして生きる方が・・・。”生活革命”っていうのかな。

辰巳:そういう運動してた人が「右」も「左」も農業に行くって話けっこう聞きますね。木村さんの場合は元々実家がに畑があるわけで。

木村:そのことが大きいです。

辰巳:ワインの話ぜんぜんしてないんですけど爆。これはこれでね、ものづくりには出てくるもんですよね、自分の人生が。絶対ワインにも反映されてるはずですし。ねぇシェフ?

井村:ワインが余計美味しくなります。

辰巳:あと2週ありますんで、この続きをよろしくお願いします。ゲストは山形県上山市の「ウッディファーム&ワイナリー」の木村義廣社長でした。

全員:ありがとうございました!!!


「ウッディファーム&ワイナリー(有限会社蔵王ウッディファーム)」
https://www.woodyfarm.com/

収録会場:エネコ東京

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年9月12日放送回

ワイナリー

「ウッディファーム&ワイナリー(有限会社蔵王ウッディファーム)」
https://www.woodyfarm.com/

収録会場

ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム