2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年5月のゲストは長野県塩尻市の「(株)アルプス」代表取締役社長兼営業本部長、矢ヶ崎学(やがさきまなぶ)さんです。
国内でもトップクラスの『日本ワイン』生産量を誇る「アルプス」の5代目はハードロック・ヘビメタをこよなく愛するロッカー。
今週はブラッククイーンで乾杯!伐採間際のブラッククーンを救い上げて20余年、今ではアルプスの主力商品になりました。(全5回 4回目)
辰巳:5月4回目、今月は木曜(OA日)が5回ありますのであと2回です。お客様は長野県塩尻、「アルプス」の矢ヶ崎学社長です。そしてこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:今日はしっかりとした色の赤ワインでございます。では乾杯しましょう!
全員:カンパ〜イ🎶
【ミュゼドゥヴァン 松本平ブラッククイーン 2022】
https://www.alpswine.com/products/wine/wine1/554247.html/
辰巳:こちらはどんなワインでしょうか?
矢ヶ崎:松本平のブラッククイーンです。この品種は元々1927年に(川上)善兵衛さんが作られたブドウなんですが、正直言いまして、我々のワイナリーはブラッククイーンの存在自体知らなかった。
辰巳:へぇぇ、そうなんですか。
矢ヶ崎:2000年過ぎたあたりで松本平の契約農家の方が聞いてきたんです。「実はブラッククイーンというブドウがあるけれど、生食用にもならないしどうにもならない。だから伐採して他のブドウを作りたいんだけど、アルプスさん、他に必要な品種ある?」と。
こちらは「ブラック・クイーン?そんなブドウあるんですか?」。私の不勉強もあったんですけど、せっかくあるならとりあえずそのブドウ(ブラッククイーン)持ってきてください。ということで2004年ぐらいだったと思うんですけど、ブドウ入荷してワインにしたら「あらビックリ!」。美味しいワインができた♪
辰巳:あれ、1927年っていったらアルプスの創業年と同い年。偶然にしても出来すぎてる。今や(ブラッククイーンは)アルプスを代表する品種。
矢ヶ崎:えぇ、200t以上ですから。メルローやカベルネ・ソーヴィニョンなどの欧州系とは違って、収穫量が多くて1haで20tぐらい獲れますからね。もともと日本で生まれたブドウなので日本の気候に合ってますから、農薬の散布なども欧州系に比べて少ないですし栽培しやすいので、
辰巳:色も濃いし酸もしっかりあるのでいいブドウだと思ってましたけどね。アルプスさんがどんどん!お父様から「ブラッククイーン、これからどんどん増やしますよー」って畑見せてもらったのを覚えてます。
矢ヶ崎:ブラッククイーンも契約農家の方と、アルプスファームっていう自社農園と両立てで作ってますけど、これからまだ増やしても、日本ワインの赤ワインで『2000円以内』としてはいい品種だと思います。
辰巳:マスカット・ベーリーAも作ってますよね?
矢ヶ崎:少量ですけどね。
辰巳:でも(親の)片割れはどっちもベイリーじゃないですか?そこはどういう風に?
矢ヶ崎:マスカット・ベーリーAのほうが、フローラル?けっこう華やかな香りがしますよね。ブラック・クイーンのほうはどっちかというと欧州系に寄ってるワインになります。ベーリーAはたまに邪魔する感じがあるんですけど、ブラック・クイーンは、、、。アメリカの友人にも送ったんですけど、”濃さ”が少しワシントンのワインに類似してるところがあるので、彼らはこのワインをすごく気に入ってくれました。
辰巳:ワシントンって?
矢ヶ崎:ぁ、シアトルのほう(西海岸)。向こうのワインって凝縮感あるじゃないですか。
辰巳:栽培のしやすさとか病気になりにくさとかは?ベーリーAと比べて?
矢ヶ崎:ベーリーAはあんまり作ってないんで細かいデータはないんですけど、(ブラッククイーンは)もしかしたらベーリーAより作りやすい、かもしれない。
辰巳:まだブラッククイーンちゃんとやってるところは少ないんですよ。シャトー勝沼さんとかありますが、ここまで力を入れてるのはあまりないかも。私、長野県の原産地呼称の審査員をずっとやってるんですけど、とある年の、あらゆる長野のワインのなかでいちばん点数が高かったのがアルプスさんのブラック・クイーンの2006年だったんですよ。
矢ヶ崎:その2006年のヴィンテージのボトルに辰巳さんにゴールドのマジックでサインしていただいたのが、今だに当社の応接室に飾ってあります。
辰巳:そうでしたかー。まだそのヴィンテージのワイン何本か持ってますよ。
矢ヶ崎:うちはもうそれしか😅。
辰巳:本当に美味しかった♡
矢ヶ崎:作り方としては非常にベーシック。酸があるので若干残糖度があった方がバランスが取れるワインです。
辰巳:そのブラック・クイーンに合わせたお料理は?
【牛ロース肉とカブのロティ マデラ酒風味のソース】
井村:牛のロースと一緒にカブを同じ鍋でローストしてます。いわゆるローストビーフ、をするときに野菜やキノコを一緒に入れて味を一体化させる。
辰巳:あれ、このワインの感想シェフに聞きましたよね?
井村:聞かれてない爆。
辰巳:あれ、シェフさっきなんて言ったかな?を思い出せなかったからと思ったら汗。(改めまして)どうですか、このワイン?
井村:とてもバランスの取れたワインだと思いました。酸ももちろんあるんですけどタンニンもしつこくないので。
矢ヶ崎:ブラッククイーンはタンニンは少ないので。
辰巳:色は濃いぃんですけど渋みは丸いんで飲みやすい。
井村:なんで料理もあえてスタンダード。
辰巳・矢ヶ崎:いただきます!!
井村:ソースはマディラ酒、そのソースをカブが吸収してるので。どっちかというと”カブとワイン”を合わせたかった。
矢ヶ崎:あーカブのほう?
辰巳:わかりますその気持ち。
井村:カブをじっくり焼くと独特の香り、酸味が出てくるんで。
矢ヶ崎:ブラッククイーンって当社の「ミュゼドゥヴァン」の中でもダントツのベスト1なんですね。お客様に「どんなお料理が合いますか?」って質問されることが多いんですが、そのときは「なるべく家庭料理に合わせたいんで、ハンバーグ、うなぎ、中華・・・」ってオススメはするんですけど、シェフの今日のお料理はそれに近い。
井村:うなぎもそうですけど今日のお肉も脂の多いところを。このワインには脂が合うかなと。
辰巳:お寿司もよさそう。脂の乗ったトロとかカツオとか。
辰巳:さ、これをいただきながらリクエスト曲を。今月はずっとヘビメタできてますが今日もそうなんすかね?
矢ヶ崎:今日は、ヘビメタとは言いませんが、Queen。彼らの2枚目の「Queen II」(1974年)というアルバムがあるんですけど、そこに「The March of Black Queen」って曲が驚。
辰巳:寄せてきてますねぇ笑。
矢ヶ崎:で、それでもよかったんですけど(←ぇw)
辰巳:ちゃうのかいっ!?爆
矢ヶ崎:僕はクイーンが大好きで、その中でも4枚目のアルバム「オペラ座の夜」に入ってる「Love of My Life」って曲が好きで、自分の結婚式の披露宴の入場で使ったんですよ〜🎵
辰巳:そっちですか?ブラッククイーンじゃなしに?
矢ヶ崎:「♪ブラッククイーン」は曲も長いですし、ここはいちばん好きな「Love of My Life」でっ。
辰巳:この曲かけるとそのあとはそっちの話(←♡話ですね)になっちゃいますよ。(←辰巳レポーター巧みに誘導します)
矢ヶ崎:いや、それは避けたい爆。先週までにしていただいて、この曲で話は終わりということで笑笑。
Queen「Love Of My Life」(1975年)
https://www.youtube.com/watch?v=sUJkCXE4sAA/
辰巳:とってもいい曲♡
矢ヶ崎:クイーンではこれがいちばん好き♡
辰巳:ぇ、これキャンドルサービスとかじゃなくて入場?着物で登場とかじゃなかった?
矢ヶ崎:忘れました。あとはKISS、エアロスミス、チープトリックとか。
辰巳:奥さんもそんな曲がお好きなんですか?
矢ヶ崎:まったく。ただ彼女の兄が、ヘビメタのドラマーをやっていて、昔「いかすバンド天国(イカ天ですね)」ってのをやっていたときに出て、2曲ぐらいCD出して。結局売れなくて今会社員。
辰巳:じゃぁ、その奥さんのお兄さんとバンド組めばいいのに?
矢ヶ崎:向こうはプロですからね。失礼に当たるんで。
辰巳:それに触発されて「もっと頑張ろう!」とか?
矢ヶ崎:うちの妻はまっったく興味もないし、毎日私がギター弾いてても「上手くなったね」もない。年は一つ下で世良公則好きだったみたいっす。先日競馬で「あんたのバラード」っていう馬がいたんで、「お前のために」っと賭けたけどまったくハズれた爆。
辰巳:話戻しますが。北大を出て、生物化学コースと聞きましたが?
矢ヶ崎:グラム陽性菌の細胞壁の構造を研究してたらしいです笑。
辰巳:らしい、んですね笑。実際学校では何やってたんすか?
矢ヶ崎:勉強です笑笑。
辰巳:ギター買ったけど弾いてない、女の子にも興味ない、
矢ヶ崎:いや、女の子には興味ありましたけど、どっちかというと「”音楽を聴く”ということに傾倒していた」。一応サッカーの同好会には入っていたんですけど、あまりにもレベルが低くてイヤになりました。(←だからといってガチサッカー部にも行きたくない)。
辰巳:アルバイトは?
矢ヶ崎;してないす。「人生そういう時間も必要」笑。誰も信じてくれないんすけど、結構悩んでた。そしたら『悪霊が来た』。やっぱりあーいうのって悩んでる人間のところにくるんで、2週間ぐらいアコーディオンカーテンが自然に開いてやってきて。
辰巳:それは誰の悪霊かわかんない?
矢ヶ崎:わかんないっすけど5分刈りでベッドに入ってくる。多分男。僕の悪友は「尼さんと付き合ってるのか?」っていうけどそれはないし。いろいろ調べたけど「気力で追い払うしかない」。で、気力で追い払ったら、今度は座敷童が8人来ました。
辰巳:8人すごい!そういう霊に好かれるタイプなんでしょうね。
矢ヶ崎:部屋中に子供の声が響き渡ってて、天井見たら8人が輪になって回ってました。
外野:ひえぇ。
矢ヶ崎:それから運が良くなった。ぁ、その話をしますと霊感はちょっとあって、北大の入学試験の時に教室に入ったら夢に見たおんなじ場所に座ってて。左斜め前に柱があってテレビ局が取材に来てて、「ぁ、これ夢で見たな」と思って2日間の試験の最後が生物。
その4問のうち1問(←遺伝の問題だったそうです)はまったく同じ問題がその夢に出てきてた。でも夢に答えは出てこなかった爆。だから自分で解いたんすよ。
辰巳:とはいえ、既視感とかあると、
矢ヶ崎:なんか安心感。
辰巳:それで普段の力が出るんですよ。それはよかったんじゃ?
矢ヶ崎:高校時代サッカー(部)がうまくいかなくて悶々としてて、
辰巳:でも将来は”ワイナリーを継ぐ”ことになってたんでしょ?
矢ヶ崎:そこまで考えてなかったっすよ。大学4年過ぎて、同級生はその上のマスター行ったりしたけど、「自分はそんなに勉強好きじゃないし、社会人にもなりたくない」。父親がそれから4年後ぐらい、「1990年からブドウの果汁の自由化が始まる」と。それまでは海外からは規制があってなかなか入れられなかったんですけど、アメリカってオーガニックの環境もいいし、そういうところにコネつけとくのもあり、そのころはウェルチのOEMも会社でやってたのもありでオレゴン州に3年いました。最初に語学学校に行ってそのあと西オレゴン州大学に。
でも僕も北大4年いて卒業してるので、アメリカの学校卒業しようっていう目的はなかった。ま、アメリカで学生生活を楽しみながら、現地の取引先と。。。(←そこは家業にきっちり加担していたと思われます)。
辰巳:もうちょっと話膨らまないですか?笑。
矢ヶ崎:膨らむもなにも「ないものは膨らまない」笑笑。
辰巳:ぁ、そうか。そのときはもう今の奥さんと文通してたんですもんね。
矢ヶ崎:そっちは・・・ビミョ〜。その話はもういいですっ。で、アメリカではケミストリーだけじゃなくて、哲学や音楽の授業取ったりしてました。当時成績はABCDEFってありまして、Aが4点Bが3点Cが2点・・・Fはフォルト”落第”。平均2.5以上にならなくて、それが2学期以上続くと強制送還されることになってまして、だから北大時代より必死に哲学や音楽を。「クラシックのイントロ当てテスト」とか面白かったっすよ。
ヴィヴァルディの四季の中で春夏秋冬とれか?だとかバッハがどうのこうのとか。だからクラシックのミュージックテープはよく買いました。
辰巳:彼女への「ラブソング」のテープにも?
矢ヶ崎:クラシックは入れなかった。でもヘビメタはヘビメタで聴いてたので、KISSのコンサートに行ったりとかはしてました。
辰巳:なんか時間が来ちゃったみたいです。このままだと学生時代で終わっちゃうかも💦
矢ヶ崎:僕学生時代からぜんぜん成長してないんで爆。
辰巳:あと1回ありますんで、今日はこの辺にしときましょう。
全員:ありがとうございました!!!
【お知らせ】
2020年7月から4年間、会場を提供していただいた「Villas des Marriages 多摩南大沢」が6月末、惜しまれつつ閉店されました。なお、番組は「プリオホールディングス(https://prior.co.jp/)」系列の店舗に会場を移して継続されています。
引き続きお楽しみください。
株式会社アルプス
http://www.alpswine.com/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年5月23日放送回
- ワイナリー
株式会社アルプス
http://www.alpswine.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/