2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年3月のゲストは長野県の「たかやしろファーム」代表、武田晃(たけだ こう)さんです。
まずは白ワイン、ドイツ系品種の「シェンブルガー」で乾杯!
大学進学で新潟から東京へ、そして長野へと。「生きていければどこでもいい」という武田さん。
今週のリクエスト曲はボブ・ディランの「風に吹かれて」。(全4回 2回目)
辰巳:3月のお客様は長野県の北部、たかやしろファーム&ワイナリーの武田晃社長です。そしてこの会場「Villas des Marriages多摩南大沢」の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:まずはワイン飲みましょうかね。今日は白ワインでございます。
全員:カンパ〜イ🎶
【Takayashiro Farm&Winery シェンブルガー 2020】
https://www.takayashirofarm.jp/p/item-detail/detail/i11.html/(←こちらのヴィンテージは2021)
辰巳:どんなワインでしょうか?
武田:ドイツ系の品種。シェンブルガーという品種で、なかなか栽培されてる方がいないという。
辰巳:すごい甘い香りがしまして、前回のシャインマスカットも美味しかったですけど、いいですね、これも。’アロマティックな甘いワイン’ってほっとしますね。
井村:すごくあま〜い香りと、でもソフトなタッチなんでグイグイ飲めちゃいます。飽きずにいつまでも飲めちゃうような。
辰巳:シェフは何でもグイグイ飲めちゃう方じゃないんですか?笑笑。
井村:そんなには飲まない、飲めないす。(シェンブルガーは)そんな僕でも飲めそうな笑。
辰巳:料理人としてお酒が「そんなにお酒強くない」ってのはあんまりよくない?
井村:お酒弱い料理人けっこう多いですよ。
辰巳:繊細な人が多いということで。話脱線しましたが、前回、「新潟の柏崎出身、農業経済を東京農大で勉強して就職した」ってところまで伺いました。原発も近いところですよね?
武田:うちのほうは20キロぐらい離れてました、どちらかというと十日町に近い方。
辰巳:なるほど。で、別に勉強したくもなくただ東京に出たくて?
武田:そうです、ただそれだけ、逃げるように出たかった笑笑。
辰巳:実家は?
武田:農家とちっちゃい小売酒屋やってました。
辰巳:じゃ、小学生の頃からお酒を浴びるように飲んでた?笑。
武田:浴びないです、晩酌にちょっと笑笑。1杯2杯はいただいたって感じです。学生時代は飲んで麻雀やって。それしかなかったです笑。
辰巳:僕は酒と麻雀と芝居。
辰巳:他に趣味とか?学生時代は授業行ってました?僕の頃は行かなくてもぜんぜん大丈夫だったんですけど。
武田:いや、ほとんど出たことないですね笑。今日は用事があって(母校の東京農大に)寄ってきたんですけど、久しぶりに見ましたね。(←校舎を、ですかね?)
辰巳:女性は?
武田:ガールフレンドどころじゃないですよね、酒と麻雀が忙しくて笑笑。
辰巳:クラブ活動は?
武田:何にもしてないす。
辰巳:そりゃそれでいいとは思いますけ、ど、、、。就職活動は?
武田:ほとんどやらないで、、何社か受けましたけど、ほぼほぼ落とされまして。ある飲料メーカー1社に救っていただきました。
辰巳:どちら?
武田:サントリーフーズさんです。
辰巳:へぇぇぇぇ。でも子供の頃から「大きくなったら〇〇になりたい」とかいう夢はあったでしょ?
武田:それがですね、なんーにもないんす。「(親も)卒業してなんとか勤めてくれれば」、ぐらいですね。
辰巳:ご兄弟は?
武田:2人。(←上にお兄様)
辰巳:じゃ、次男坊だから何してもいいや、みたいな感じ?
武田:んま、そうですね。
辰巳:で、サントリーフーズ?ムチャクチャ人気あったでしょ?
武田:”サントリー”は人気ありましたよ。今は7千億から8千億ぐらいありますけど、サントリーフーズの前身はクランコーラ。それを引き継いで数年ですから売り上げも350億ぐらいしかなかった。
辰巳:そこで営業?
武田:はい、ルート営業で目黒とか大田区を回ってましたね。
辰巳:好きなお酒じゃなかったんですね。
武田:サントリーには入れませんでしたから笑。
辰巳:そこで今の奥さんと知り合った?
武田:い、今の奥さんって汗笑。2人目みたいな感じですけど(違いますよん)爆。大学の農業経済学部の場合は農家実地研修ってのがあるんです。「農家に泊まって1週間農作業しないと単位が取れない」。たまたまゼミが(長野県)中野市に入ることになって、たまたま女房の実家に研修に入ったんです。
本来2年生の時に取らなきゃいけない単位だったんですけど、ずっとほったらかしていて、4年の時に行きました、だいぶ遅れて。20人ぐらいで10軒ぐらい回ってそこに泊めていただいて。。。
辰巳:そこに綺麗な女性がいたとか?
武田:そのときは実際には会ってないんですよ。彼女はもう勤めてましたんで(銀行員だったそうです)。女房の親父(義理のお父様)の弟の奥さんが柏崎の人なんですよ。その家とうちが付き合いがありまして、「じゃ、(今の奥さんと)会ってみないか」ってことに。東京で一度会いましたけど、その後ワタシすぐ競馬場に行っちゃったもんで、そのときはほぼほぼ30分ぐらい爆。
辰巳:その時はなんとも思わなかったんですか?
武田:だって時間がなかった、府中に行かなきゃなんなかったから爆。
辰巳:そんなことされたら女性は「とんでもない奴だ💢」になりますよ。ほら、シェフも大賛同してる笑。よくもまぁ・・・
武田:・・・どうなんでしょうねぇ💦
辰巳:そういえば料理食べるの忘れてました。シェフ、今日のお料理はなんでしょう?
井村:はい、今日は人参のムースとコンソメゼリーです。
辰巳:美味しそ♡
全員:いただきます!
【人参のムースとコンソメジュレ】
井村:野菜の甘みだけです。先に言っときます笑。(←ほぼ毎回辰巳さんが「この甘みは?」と聞いているんですが、これまですべて「野菜からのみ」でした。)
辰巳:この、コンソメゼリーも甘いんですけど?
井村:このワインに合わせるのに、(ちょうど別のお料理で剥いてた)カブの皮があったんで、その甘みを少しつけてあります。
武田:すごい甘みですね。自然の甘みでしょ?
井村:はい、煮詰めて煮詰めて。人参と塩と生クリームだけです。
辰巳:ちょうどいいバランス。このワインもまた、食べながらだと深みが増してくる。どうしてこのシェンブルガーを作ろうと?
武田:マンズワインにいた志村(富男)さんと知り合いでして。その彼が「ちょっと作ってみない?」と苗木を分けていただきまして。
辰巳:今シェンブルガー作ってるのはスズランさんと下北さん(サンマモルワイナリー)と・・・
武田:あとは久住ワイナリーがやってますね。
辰巳:そうでしたか。いいブドウですよねぇ。
武田:生食はもっと美味しいですよ。本来は生食用のブドウですからね。志村さんによると、(原産のドイツでは)ブドウ畑の隅に置いておいて、「成ったものは誰が食べてもいい」。散歩をしてる人に勝手に食べていただくようなブドウなんですよ、とは言ってましたね。
辰巳:なんか面白い。
武田:だからドイツでは(シェンブルガーは)ワインにはしてないと思いますよ。
辰巳:イギリスかどっかではあったような気もしますが・・・。これはおいくら?
武田;1500円。
辰巳:・・・たかやしろさんのワインって安いんですよ。先週のシャインマスカット(スパークリング)も2500円だったでしょ。ビックリです。なんででしょ?
武田:今ちょっと増産してるんですけど。これまでナイヤガラをリリースしてたんですけど、手に入らなくなってきてるしちょっと匂いがきつすぎるだろうってことで前々から(シェンブルガーに)切り替えたいなと。でもこれまでナイヤガラを飲んできた人たちにとっての金額差はできるだけ小さくしたいということで、価格は抑えてナイヤガラ飲んでた人に代わりに勧めてる。ナイヤガラ飲んでたお客さんって2000円も3000円も出さないですから価格は抑えめに。
辰巳:ここでちょっとリクエスト曲を聴きましょう。今日は何を?
武田:大学に入って東京に出てきて、初めてコンサートに行ったボブ・ディラン。
辰巳:キャンディーズじゃなかったんですね爆(先週のリクエストがキャンディーズの「春一番」でした)
武田:キャンディーズは別の場所で。ボブ・ディランの方が先でした。東京公演の2日目、前列から5番目ぐらいのチケットいただいて。前列に美空ひばりさんがいたとか、っていう話ですけど。初来日は1975年か1976年ぐらいですかね。今日は「風に吹かれて」を。
Bob Dylan 「Blowin’ in the Wind(風に吹かれて)」(1963年)
https://www.youtube.com/watch?v=Vlt262HvSTU/
辰巳:そうか、ボブディランを生でご覧になってるんですね。いいなぁ、沁みますねぇ。ワインも音楽も’沁みる’ってのがいい。このワインもスーッと入ってきます。
武田:実をいうとこのワイン、(長野県の)GIを獲ってるんですけどBRIX(糖度)がちょっと足らないもんで、14.3ぐらいでしたかね。本来はプレミアムになる予定だったんですけど。
ただ、プレミアム仕様で糖度の方を取っちゃうと香りが出にくくなっちゃうんです。品種特性を生かすとなると16〜17で収穫するのが必要。
辰巳:だったらその”ルール”を変えればいいんですよ。
武田:品種特性に則ったルール変更ってのは必要だと思います。
辰巳:逆に補糖もせずにアルコール度数ももう少し下げてもいいんじゃないんですか?ちょっと専門的な話になってしまいましたが、いいワインだと思います。大学の時に酒と麻雀以外にボブ・ディランを聞いて?
武田:そうすね、たまに。森田童子なんかも聴きましたよ。
辰巳:!!! 時代ですねぇ。
武田;渋谷で生で見ましたね。
辰巳:あがた森魚さんは?
武田:早稲田から池袋に行くチンチン電車ありますよね(←都電荒川線ですね)、あの中で見たことあります爆。赤色エレジーのころ。
辰巳:そうかぁ、それこそ井村シェフの生まれた頃の話ですねぇ(←井村シェフは1972年生まれ)。
武田:ぼくが高校卒業した年です。
辰巳:サントリーフーズで2年間勤めてお見合い?そのお見合い自体は初めてなんすか?それとも他に付き合ってる女性がいたとか?笑。
武田:ないない、辰巳さんと違いますから笑笑。
辰巳:そんなふうに思われちゃうんですけどね、僕は二股なんて絶対ないですからねー(←はて?)好きなことしてるとそんな暇ないですからね。芝居ばっかりしてましたから。で、お見合いしてすぐ決めたんですか?地元に戻る気はあまりなかった?
武田:そうですね。
辰巳:でもまぁ近いところではある(出身地新潟、嫁ぎ先長野)。ちょっと歩いたら新潟だし笑。
武田:車で1時間ぐらい。
辰巳:抵抗はなかったんすか?
武田:そうですね、生きていければどこでもいいと思ってました笑笑。
辰巳:あら、わりとなんか風に吹かれて〜💨みたいな感じ?爆
武田:なるようになる、あまり自身で意志を持たないようにして爆。
辰巳:それが美徳。それで婿に行った先は農家?
武田:そうです、果樹専門の。当時はりんごがいちばん多かったですけどね。
辰巳:それはそれでどうだったんですか?
武田:初めて果物の樹を見ますんでね、当時は新潟には水田しかなかったので。実家は農家と水田と、あとは葉タバコだった。でも(結婚しても)農業はやる気なかったんですぐに(企業に)勤めたんですよ。それがキリンビールの卸の会社。
辰巳:おっとぉぉぉ〜。サントリーからキリン!?(ビールは)キリンが一人勝ちでしたからね。
武田:当時はシェアが62%ぐらい、独禁法に引っかかりそうな勢いでしたから。特約店に勤めまして卸を。
辰巳:そこからワインまではどれぐらい?
武田:14〜15年ですか。親父の体調不良で(リンゴ農家ですが、そのリンゴの18キロのカゴをかつげなくなってしまったそう)42歳の時に辞めまして、「だったらしょうがない」ってことで私が入りました。
辰巳:そうか、そういう流れだったんですね。でも今日は時間がなくなってしまいました。そのあたりはまた来週伺おうと思います!
全員:ありがとうございました!!!
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
Takayashiro Farm&WINERY
https://www.takayashirofarm.com/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年3月14日放送回
- ワイナリー
Takayashiro Farm&WINERY
https://www.takayashirofarm.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/