ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年12月28日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年12月のゲストは山梨県の株式会社Cantina Hiro 代表取締役、広瀬武彦さんです。
最終回は辰巳さんが過去に飲んでぶっ飛んだという「ヤマ・ソーヴィニョン」で乾杯!
東京から山梨にUターンしてしばらくはITと畑の2足のワラジを履いていましたが・・・(全4回 4回目)

辰巳:今年最後の放送になります。昔は年が明ける、っというのは明るいイメージがあったんですけど、だんだんなんか寂しいなぁ、また一つ歳をとるなぁ、人生も終わりに近づくなぁと思っちゃう。
今月のゲストは山梨県の牧丘「カンティーナ・ヒロ」の広瀬武彦さんです!そして「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです!

全員:よろしくお願いします!

辰巳:広瀬さんは”僕はワインも含めてお酒をあまり飲まない”と。でもワインは好きなんでしょ?

広瀬:・・・。

辰巳:またそうやって黙る笑笑。

広瀬:ふ、ふつうです笑。

辰巳:趣味とか好きなこととか最近凝ってることとかなんかあるんすか?

広瀬:今は「いかに良いブドウを作るか」、しかないですね。「良いブドウだけでもダメで、それを醸造家に渡した時にいかに引き立てて良いワインにするか」じゃないですか。まずはその、「いかに良いブドウを作るか」、が永遠のテーマですね。

辰巳:最初は醸造もしてたんでしょ?

広瀬:はい、今は息子が。息子は県内のワイナリーとニュージーランドランドで修行してました。

辰巳:県内はどこで?

広瀬:営業畑ではモンデ酒造さん、醸造でシャトー酒折さんの飯島さんのとこ。ニュージーランドは2回(そのうち1回はワーキングホリデー)、現地(NZ人)の造り手のところで。

辰巳:今は(醸造は)息子さんに任せっきりで?

広瀬:そうですね、両方はやっぱり無理、ですねー。

辰巳:畑に専念してるんですね。

広瀬:そうです、どうしても片手間になっっちゃうんで。

辰巳:そんな中の、今日は初めてカンティーナにお邪魔した時「こんな旨いワインあるんだ!?」とブッ飛んだヤマ・ソーヴィニョンの2021年をお持ちいただきました。「Partenza」’旅立ち’’出発’の意味ですね。ではこちらで乾杯したいと思います。

全員:カンパ〜イ🎶

【Partenza Yama Sauvignon 2021】

辰巳:けっこうサラッとしながらもキリッと収斂みもある、ヤマソーらしいワイン。僕が最初に飲んだのは2017年でしたけど、あれはとんでもないワインでした。ほんとにアマローネでした。

広瀬:あれは糖度が28.6度(!)。その再現をやってるんですけど、今年(2023年)は26度。2017年の糖度にいかに近づけるか、を今試行錯誤してます。

辰巳:あれはほんとにすごかったです。そのヤマ・ソーヴィニョンの畑は初回の放送で(高校の)先輩から押し付けられて、一度は断って、でもやっぱり譲り受けて、というお話でしたが?

広瀬:そうです、怖い先輩から。牧丘の、うちのすぐ横の畑で広さは13r。

辰巳:このワインはそこのヤマソー?そこそこ採れる?

広瀬:今年は多分1000Lぐらいはできると思います。これは*某ヤマブドウコンクールで箸にも棒にも引っ掛からなかった笑笑。

辰巳:あれは審査にも問題があって・・・今度またゆっくり話しますけどね。
(*日本山ぶどうワインコンクール:https://vitis-coignetiae-wine.com/

広瀬:うちは2種類出品させていただいて、1つは銅賞をいただいたんですけどね。

辰巳:そうでしたか。その2種類はどういうカテゴリー?

広瀬:今飲んでるワインのヴィンテージ違い。そしてもう一つが陰干して糖度上げたやつ。

辰巳:それこそアマローネ。糖度は?

広瀬:30度近く。そして’あえて’酸化さして。

井村:色もキレイだし、なんといっても酸がすごくいいですね。

辰巳:ヤマソーってやっぱりいいブドウだなと改めて思います。

広瀬:これは食べても旨いです。

辰巳:このワインに合わせたお料理は?

【牛ほほ肉のポットパイ】

井村:今日はパイの中に牛頬肉とバラ肉を煮込んだものが入っております。パイ包スープですね。

辰巳:ではいただきます!

井村:こういう酸が効いたワインが飲みたくなるような料理にしてみました。

広瀬:美味しいです♡

辰巳:三男の息子さんはイタリアンの料理人でしたよね?これは父の命?「俺が『カンティーナ』なんだからイタリア料理やれ!」みたいな?笑。

広瀬:いやいや逆で、先に息子がイタリアのアスティ(ピエモンテ州)に修行に行っていたので、私のワイナリーに「カンティーナ」を付けた。

辰巳:長男がワイン造って三男がイタリアンやって。

広瀬:これで次男が会計やってくれれば最高なんですけど笑。(←次男は簿記の試験に受かってその道に進むと思いきや”数字恐怖症”なり、現在は全く別の職業についているとのことでした)

辰巳:そのうち戻ってきますよ。

広瀬:はい、、、はい、、、。

辰巳:そんな小声で悲しそうな顔して・・・笑。奥様はお元気なんですか?番組初回からお付き合いしてる女性の話が”複数”出てましたが、「奥様ですか?」と聞けば毎回No!笑。
いったい奥様とはいつどこで出逢われたんですか?

広瀬:えっとですねぇ、どこだっけな?笑。ぁ、山梨に帰ってくる時に、結局はNEC系列のIT系に入ったんですが、その前に1社、面接に行ったとこがあって。「ナンタラ計算機」という。そこの受付嬢だったんです。「けっこういいオンナじゃんねぇ」っと思って、もしこの会社に入ったらまず最初にやることは、(彼女に)声をかけることかなと爆。だけどー。その会社にはあまり縁がなかった。

でもその会社に1回目は筆記試験、2回目は面接と足を運んで、その2回目に話をすることができた、のかな。で、そのナンタラ計算機に元々いた知り合いに「ちょっとなんとかしてよ」って言ってなんとかしてもらった笑笑。

辰巳:結婚したのは?

広瀬:30ちょっとのときですね。付き合ったのは1年ぐらいだと思いますけどあんまり覚えてない。

辰巳:なんで?昔の彼女のことはすごい覚えてるのに笑笑。

広瀬:ん、昔の彼女の方がいいオンナだった、から?この放送、山梨入んないすよね?汗。

辰巳:山梨はー。聴こうと思えば聴けます笑。

広瀬:聴こうとしないから大丈夫です笑笑。

辰巳:そのときはたまたま広瀬さんに彼女いなかったんすか?

広瀬:そんときはいなかったですね、いや、いたかな、いた、いたな!爆。いたけどー、東京の子だったんでこっち(山梨)帰ったら多分ダメになるだろうな。先手を打った方がいいかなっていう。

辰巳:っということは、奥様は山梨に帰ってから初めての彼女だったんですね?

広瀬:定かでは・・・いや、初めてです。さ、ワインの話に戻りましょう💦。

辰巳:今の話は、まだワインの仕事に就くなんて思ってなかった頃でしょ?

広瀬:ぜんぜん!帰省して就職した会社(IT系)の履歴書の「将来の夢・希望」の欄は「日本一のSEになること」。それで受かっちゃったんですけど。

辰巳:で、その会社は?

広瀬:長かったですよ〜、31歳ぐらいから55歳だから25年近く。

辰巳:甲府でしょ。毎日牧丘から甲府に車で通勤して、合間に実家の畑仕事?

広瀬:そうです。

辰巳:この畑を引き継いで、「いずれはこれでワイン造りを」、とか?

広瀬:1mmも考えてなかった。ワインが美味しいなんて思ってもなかった。「こんなに高くて不味いもんなんでみんな飲むんだろ?」「こんな渋くて苦い赤」。。。って思ってましたね。

辰巳:正直な方ですねぇ笑。周りを気にせず、自分の感覚をきちんと貫いてるってすごいっすよね。

広瀬:すごいかどうかはわかりませんが、

辰巳:でもいずれは今のワイン造りにも繋がってくるんだと思うんですけど?

広瀬:でも、父親は母親を介護する側に回っちゃったんで、もう教えてくれる人がいなかったんですよね。いきなり自分一人でやり始めたけど、何やっていいかぜんぜんわかんなくて座り込んでたら、ある日、もう亡くなっちゃったんですけど下のおばさんが「武ちゃん、こんなとこに座り込んで何やってんでー?」
「おばさんおばさん、俺ねぇ、何やっていいかまったくわからんだよ。どうしたらいい?」「あのねぇ、それはブドウの木がちゃんと教えてくれる。毎日畑出てるとブドウと話ができるようになるからがんばりな」、それからですね。

辰巳:いい話ですねぇ。そのおばちゃんにも会いたかったな。

広瀬:その時は「何言ってんだ、このおばさん?ブドウと話をするってどゆこと?」って思ってたんですが。

辰巳:今はできるようになりました?

広瀬:ネッビオーロはまだよくわからないですねー。ヤマソーはできます。

辰巳:ヤマソーと話ができる!?いいなー笑。ちょっとここでリクエスト曲を聞きたいと思います。今日はなんにしましょ?

広瀬:木綿のハンカチーフ。これは、高校卒業する時に彼女が、

辰巳:その時って最初に話してた美容院の娘さん?

広瀬:違います。次に好きになった彼女にふられたタイミングで言い寄ってきた彼女爆。その彼女が東京に行く私を駅まで見送りに来てくれて、そのころバンバンに流行ってた曲。「この曲はまさに俺の曲!」と思ってました笑。

辰巳:で、都会に染まっちゃった?

広瀬:染まっちゃった、もろ染まっちゃった爆。で、だんだん(田舎に)帰らなくなって、、、。ハンカチは送らなかったっすけど笑。

辰巳:ではお聴きいただきましょう。太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」でーす。


太田裕美「木綿のハンカチーフ」(1975年)
https://www.youtube.com/watch?v=_qzIG2SK3eI/

辰巳:何度聴いてもいい曲ですねぇ。
(実は広瀬さん、最初はイーグルスの「ホテルカリフォルニア」をリクエストしたんですが、この番組で過去2人のゲストが同曲をリクエストしたと知ると、すかさず曲変更しました。さすが「人と同じことはしない(主義?)」!ブレてません笑)

辰巳:そんなこんなで、まったく思ってもいなかったワイン造りを始めた。それからコロナが来て。今は気分的にはどうですか?コロナ禍が明けて「これからガンガンやってくぞー」みたいなエネルギーはみなぎってるんでしょうか?

広瀬:ガンガンみなぎってはいますが後遺症が大きくて、それをいかに修復していこうか・・・。

辰巳:経済的な意味?

広瀬:そうです。

辰巳:我々もそう、「あの3年間はなんだったのか?」。

広瀬:そこを修復しながら新たにチャレンジしていく。うちの目標としては”世界標準レベルのワインを造る”。それを熟成して20年先でも飲めるワインにして、に、いかに近づけるか。

辰巳:基本的に無補糖・無補酸ですよね。防除とかは?

広瀬:できればナチュラルでやりたいんですけど、ブドウって土がとても重要で、土ができてなかったら手間暇がかかるだけでいいブドウにならない。だからその’土づくり’を今やってる最中。それができてきたら徐々に防除を減らしていって、”健全なブドウで健全なワイン”。

辰巳:自然酵母は?

広瀬:やってます。今自然酵母でやってるのはヤマ・ソーヴィニョンと甲州のオレンジ。

辰巳:いちばんたくさん造ってるワインは巨峰ですか?

広瀬:契約農家さんからマスカット・ベーリーAと甲州を仕入れてるので、まだこれらが多いですね。比率的には半々にはなってきてるんですけど、甲州、ベーリーAが各千何百本で、トレッビアーノだとかの自社畑に関しては各500本。そのレベルです。

辰巳:巨峰のワイン美味しいなと思ったんですけど?

広瀬:もちろんやってます!巨峰は近隣の観光農家さんで(生食用ブドウが)どうしても売れ残るんで、それを買ってワインにしてます。

辰巳:ヒロさんってヤマソーとイタリア品種と巨峰のイメージがあります。

広瀬:巨峰がすべて種無しになってきて。牧丘のブドウで種ありだったら最高レベルになるので、ほんとはそれでワイン造りたい。

辰巳:最近はシャインマスカットも有核(種あり)で作ってもらってそれをワインにする、みたいな話も聞いたことあります。日本ワインもまだまだ日進月歩ですからね。これからどうなるか?同世代としてもこれから楽しみにしておりますので、また遊びに行きたいと思います。
井村シェフも今年1年ありがとうございました!良いお年をお迎えください!

全員:ありがとうございました!!!

(次回からは2024年1月放送分、新潟県「フェルミエ」の本多孝さんです)

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

Cantina Hiro
https://cantina-hiro.jp/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年12月28日放送回

ワイナリー

Cantina Hiro
https://cantina-hiro.jp/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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