ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年8月10日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年8月のゲストは山梨県「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」勝沼ワイナリー取締役工場長の戸澤一幸さんです。
今回はワイナリーの中でも注力しているソーヴィニョン・ブランで乾杯!
就職して新規ワイナリー立ち上げから参画した戸澤さんですが、人知れず(?)悩んだ時期もあったようです。
(全5回 2回目)

辰巳:暦の上では秋になったという8月10日。今月のお客様は山梨県からやってきてくださいました、「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」勝沼の工場長、戸澤一幸さんです。
そして、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:すいません、夏風邪ではないんですがちょっと枯れ声なんで、声低めでお送りします。まずはワイン、飲みながら番組を進めていきたいと思います。では乾杯!

全員:カンパ〜イ🎶

【ドメーヌシャトレーゼ 勝沼ソーヴィニヨン・ブラン2022】

辰巳:先週はスパークリングでしたけど、今日は白ワインです。これはどんなワインですか?

戸澤:今日は「勝沼ソーヴィニョン・ブラン2022」です。

辰巳:ソーヴィニョンは割と早くから力入れてましたよね?

戸澤:そうですね、2000年にワイナリー立ち上げた時から畑は先行してあったんですけど、もうそのときにはソーヴィニョンはありました。

辰巳:自社畑で?

戸澤:そうです。その中でこのワインに関していえば、550本ぐらいのほんとに少量だけ造ってます。これではないソーヴィニョン・ブラン&セミヨンのワインがあるんですが、それはもうちょっと本数があります。

辰巳:シェフ、このワインいかがですか?

井村:しっかりとコクがあるんですけど、すごいフルーツの香りがあります。プラムだとか洋梨だとか。

辰巳:青い香りがあまりしないから収穫は(遅い時期まで)引っ張るんですか?

戸澤:毎年それぞれトライしてるんですけど、この2022年は結構早く収穫しました。グリーンな香りはあるにはあるんですけど強くない。勝沼の土地柄ですかね。

辰巳:温暖化もあるんでしょうね。樹齢は?

戸澤:25年ぐらい、、、ですかね。

辰巳:ブドウとしてもいい感じになってきましたね。これは棚?

戸澤:いや、垣根です。

辰巳:あの鳥居平のふもとの斜面ですか?

戸澤:二ヶ所の畑のブドウが入っていて、その一ヶ所が前に来ていただいた時に一緒にトロッコに乗って行ったあの斜面笑。

辰巳:「トロッコに2人乗りしてねー、だいじょぶかな〜」と思いながら乗って笑。あのトロッコまだ生きてますか?

戸澤:いや、さすがに新しくしました。

辰巳:新しくした?ってまだトロッコはあるんですね笑。

戸澤:あります!

辰巳:このワイナリーに行ったらトロッコに乗る!まだ行ってない方はぜひ。っていっても普段は人は乗ってなくて荷物用。「自分が荷物」と思ってもいい方は乗ってください笑笑。

辰巳:このワインすごく膨よかな感じ。若干の残糖はあるんですか?

戸澤:そうですね。キリッキリの辛口にはしてないですけど、その甘さが引っかからない感じで’また飲みたくなる’。早く収穫した分酸もあるんでそんなに甘さを感じない。

辰巳:でも550本しか造ってないってことでなかなか買えないワインですが、おいくらでしょうか?

戸澤:3500円+消費税。

辰巳:あれ、ちょっと値上げしました?

戸澤:ちょ、ちょ・・・苦笑。

辰巳:最近いろんなものが値上げされてしかたないことなんでしょうが。さ、こちらのワインに合わせたお料理は何でしょうか?

井村:今日は埼玉県で栽培してる’プチプヨ’っていうトマトです。これからさいたま市が大々的に?プロモーションしていくと思うトマトなんですけど。そのプチプヨと桃を合わせたカプレーゼにしました。

【プチぷよと桃のカプレーゼ】

辰巳:カプレーゼに桃が入ってるんですね?エスプーマ(泡)は?

井村:そのプチプヨを泡にしてます。

辰巳:このプチプヨは他のトマトとは違います?

井村:柔らかくて口に残らないので、こういう生食には向いてるのかなと。

戸澤:この桃の感じとトマトの感じがどうなんだろうと思ったんですけど、すごいフルーツ感。ワインのソーヴィニョンとトマトの青さみたいなところが合ってます。

辰巳:普通のカプレーゼはトマトと(モッツァレッラ)チーズだけじゃないですか?ここに桃を合わせたのはこのワインを意識した?

井村:そうすね、ワインにこういう香りありますんで。

辰巳:甘い香りありますもんね。こういう細かいことするシェフなんです。だってこのワインテイスティングしてから作ったんでしょ?普段はどうしても”料理に合わせてワインを選ぶ”。
でもこの番組は逆なんです。さ、この料理を食べてから話を進めたいと思います。

辰巳:先週は山梨大学で微生物を学んで大学院まで行って。お菓子メーカーの「シャトレーゼ」が新しくワイン事業を始める、っということで就職が決まって、修行してワイン造りを始める。ってとこで話が終わりましたけど。「シャトレーゼ」という会社は”お菓子”で有名ですけど?

戸澤:そうですね、元々はお菓子ですけどそれだけじゃなくて。今はホテル事業ですとかゴルフ場、、、いろいろやってます。(シャトレーゼグループ:https://www.chateraisegroup.jp/

辰巳:ホテルはどこに?

戸澤:(山梨)県内には4つ。最近うちのグループになったのは甲府の老舗の旅館の談露館ってところです。伊藤博文も泊まったことがあるという。

辰巳:歴史のあるいい旅館だったんですが、だんだん老朽化も激しくなってきて泊まろうかどうしようか迷ったことが苦笑。

戸澤:6月からうちのものになったばっかりなんで、これから改装に入るところ。これから変わっていくと思います。

辰巳:ほかは?

戸澤:あとは石和。県内だけではなく北海道にも。石狩のガトーキングダム札幌とか。

辰巳:あ、それ聞いたことあります。かなり大きなホテルでしょ?

戸澤:そうですね。プールもついてます🏊。

辰巳:リゾートホテルですね。(シャトレーゼの)社員はいつもそんなとこに行けるんすか?

戸澤:行ければいいんですけど、一応忙しいってのもあって。みなさんにお菓子やワインを楽しんでもらいたい、っということで現場頑張ってます笑。

辰巳:ワイン造り歴25〜6年?

戸澤:そのぐらいです。

辰巳:若い頃はそんなにワインは飲んでなかった?

戸澤:ですね、そんなには。

辰巳:でも今自分がワインやってるってのはどうですか、面白いもんですか?

戸澤:山梨で生まれ育って地場産業に就けているってのは誇らしいというか。地元の人たちももう25年やってますんで、いろいろ教えてくれたり。勝沼はワイナリーがいっぱいあって同世代の造り手もいっぱいいますから、ほんとに切磋琢磨というかライバル。

辰巳:最初にお会いした頃はまだ30代後半のバリバリ世代だったんですけど、今は中堅どころか重鎮の一人。

戸澤:いえいえ、歳だけです。

辰巳:月日の経つのは早い・・・。最近とみに思います。「子供の頃に一升瓶ワインが家にあって湯飲み茶碗で飲んでた」って話を(特に山梨では)よく聞きますけど、そんな家でした?

戸澤:父はコップ1杯で真っ赤になっちゃう人だったんで、うちの中にはそういうお酒はなかったです。

辰巳:あっっっ、そう。お母さんも?

戸澤:母の方が飲める家系だったんですけど、

辰巳:台所で隠れて飲んでるとか?笑笑。

戸澤:それはさすがに笑。

辰巳:ご自身は子供の頃から飲んでた、とか、舐めてた、とか?

戸澤:なかった。身の回りにそういったお酒がなかったですから。

辰巳:じゃ、初めて飲んだお酒って?

戸澤:子供ん時の梅酒、ですかね。そしたら蕁麻疹が出ちゃって笑。高校生の時だったんでちょっと疲れも出てたのかも。その後はもう大丈夫でした。

辰巳:で、大学生人になってからは飲んでた?山梨大学だから合コンとかはやっぱりワインなんすか?

戸澤:ビールです爆。

辰巳:ぁ、そうなの。じゃ、ワインを飲み始めたのはこの業界入ってから?

戸澤:大学4年生の時に”ワインテイスティングクラブ”みたいのが出来たんです。

辰巳:BEAU PAYSAGEの岡本くんたちの?

戸澤:そうですそうです。それに参加させてもらって、そこで「ルパン」とか飲んだり・・・

辰巳:笑、軽くルパンとかいってますけど、

戸澤:だって当時はそんなルパンなんて知らなくて、今ほど高くもなかったし。なので集まってみんなで飲む。当時はワインなんて知らなかったから「そうなんだ、へぇ」なんて軽くペロ。(←ルパンを軽くペロはないゎ)

辰巳:それはみんなで割り勘?

戸澤:そうです。会費出して、ワインわかる人が’勉強のため’といって買ってきて、

辰巳:中心になってたのが岡本さんとか、いわゆるウスケボーイズのメンバー?

戸澤:はい。

辰巳:何人ぐらい?

戸澤:そうですねー、集まる時は10人、、、もっといたと思います。

辰巳:もう少しその話聞きたいんですが、ここでリクエスト曲を。今日は何にしましょう?

戸澤:サイモン&ガーファンクルの「明日への架け橋」をお願いしたいと。

辰巳:これ我々の頃はさ「明日に架ける橋」だったんだけど、最近はいろいろな言い方あるんすか?
(スタッフとゴチョゴチョして正解は「明日に架ける橋」でした)

戸澤:じゃ、そちらで笑。醸造研究所時代にお世話になった先輩がいまして、橋爪(克巳)先生いう人がいたんですけど、その先生が唯一カラオケで歌ってくれた。「なんでこの歌だけ歌ってくれたんだろ?」、がずぅぅぅっと引っかかってて。
私が就職後、この道(ワイン)に進むかどうか迷ってた時にいろいろ乗ってくださって。今私があるのは橋爪先生のおかげ。

辰巳:では聴いてみましょうか。

サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」(1970年)
https://www.youtube.com/watch?v=tkboZcxT09E

辰巳:「この曲を歌ってくださった先生のおかげで今がある」と。そのときは涙出ました?
(前回のリクエスト曲「フジコ・ヘミングのラ・カンパネラ」の時は涙💧)

戸澤:笑。その時は本当に悩んでた時だったんで。この先どうしよっかな・・・。

辰巳:それはワインの業界に入ろうか、のとき?

戸澤:いや、もうこの業界に入ってから。その後も先生が山梨に来ることもあったんで、その時に”今の仕事について”。やっぱり「”お菓子屋さん”のワイナリー」は他のワイナリーとは違うので、そこはどうなんだろうな???

辰巳:でもその悩みは、このままずーっとここにいるべきなのか?それとも自分で独立すべきなのか?、とか?

戸澤:ま、ま、若かったんで、いろんな可能性というか、、、。

辰巳:そのときは結婚されてました?

戸澤:してました、このワイナリーを立ち上げた時に結婚しました。

辰巳:じゃ、悩んでたのは結婚した後?

戸澤:ワイン醸造しはじめて。あの、、、「お菓子のシャトレーゼ」なのでお菓子の売り上げはすごい。でもワイナリーの知名度はさほどないし、ってのもあったりいろいろあって。
辰巳さんもよくご存知だと思うんですけどまだその頃『日本ワイン』というブームがなく、まもなく「日本ワインを愛する会」ってのを2003年に発足していただいて、その甲斐あって今やっとこう、、、。っていう前の段階の3〜4年はすごく悩んでたんです。

辰巳:みなさんそのころはいろいろ苦労して悩まれてたんだと思います。「日本でワイン造ってどうすんだ?」みたいなね。シェフはその頃思いませんでした?

井村:僕が料理人になり初めの頃は「日本ワイン」使ってたんすよ、「岩の原ワイン」を。バブルが終わった後ぐらいですね。

辰巳:あれ、戸澤さん何年生まれでしたっけ?

戸澤:71年。

辰巳:シェフ(72生まれ)と同世代じゃないですか。90年代だと日本ワイン使うのは早い方じゃないですか?

井村:ですね。

辰巳:今もワイナリー増え続けてますけど、生産量も消費量もそんなに増えてるわけではないんでね、ほんとはね渋笑。でも、市民権は獲得した。

戸澤:それは大いにある。

辰巳:あれ、なんかもう時間が来たみたいなんで、この続きはまた来週。(あと3回ありますよ)

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)


シャトレーゼ ベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー
http://www.belle-foret.co.jp/katsunuma/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年8月10日放送回

ワイナリー

シャトレーゼ ベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー
http://www.belle-foret.co.jp/katsunuma/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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