2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2023年3月のゲストは山形県上山市「タケダワイナリー」代表取締役社長、岸平典子さんです。
辰巳さんがずっとラブコールを送っていた岸平さんが、コロナの先が見えたところでようやく登場します!
まずは今やタケダワイナリーの看板とも言える「サンスフル」で乾杯!
(全5回 1回目)
辰巳:明日はひな祭りという3月2日。今月のお客様は、山形からお越しくださいました「タケダワイナリー」の、岸平典子さんです!
(いつも通りこの収録会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:嬉しいです。ずっとラブコール♡してたのにコロナ中は「山形から出ませんっ!」笑。
岸平:すいません、ずっと引きこもってました汗笑。
辰巳:先日ワイナリーにお邪魔して久しぶりにお話しさせていただいたんですけど。最近は東京にも出てくるようになりましたよね。
岸平:そうですね、今年になってからなんとなーく大丈夫かな?って感じで。山形ほんとに怖がりな人が多いので。
辰巳:別に周りに合わせなくてもいいんですよ。典子さんがそんなに怖がりだとは僕思ってなかった。
岸平:でもワインを造る上で”香り”とか”味”とかってすごく大事なんで、体調管理の延長線上で気をつけなきゃな~ってのはありました。
辰巳:それはプロの言葉として大事にしなくちゃいけないなと思います。
そしてこちらは井村貢シェフ。この番組が始まって全部違うワインに全部違うお料理を合わせて2年半、非常にありがたいパートナーでございます。
辰巳:ではまず乾杯しましょう!薄く濁りのあるスパークリングです。
全員:カンパ~イ🎶
【タケダワイナリー サンスフル 白 2022】
https://www.takeda-wine.jp/SHOP/015110.html
辰巳:お酒弱いんでしたっけ?
岸平:いえ、強いです笑。強いですけど入ると陽気になってイラんこと喋るので笑。
辰巳:それ、誰かに聞いてきた?やっぱり飲んで、陽気になって、普段喋らないことを喋ってもらおうと。そういう番組なんですよ笑。
岸平:はい、わかりましたっ笑。
辰巳:だってもったいないじゃないですか。
岸平:確かに確かに。*キザンワインの土屋(幸三)さんとすごい仲良しで。今年の1月に会った時に「(この番組)大変だからね、酔っ払うからね」って笑。だからちょっと気をつけてます笑。
(←キザンワインの土屋幸三さんには2022年3月のこの番組のゲストとして出演していただきました。https://jpwine.jp/topics/page/3)
辰巳:あれ、土屋さんとは同い年?
岸平:(土屋さんが)いっこ上です。
辰巳:いつからのお付き合い?
岸平:お互いワイナリーを継いだ時からです。私は5代目なんですけど、
辰巳:畑継いだ時から?
岸平:そそそそ。幸三さんも4代目なので、年も近いしまぁそういう意味で。あの頃ってまだ日本ワインの2世3世、
(それ以降の)新しい人が少なかったので、「唯一相談のできる人」みたいな。
辰巳:他の人にはあまり相談できないってことです?笑笑。
岸平:いやいやいや、そうわけじゃないんですけど汗。なんていうんですかね、「相談して的確な答えもらえる」。
辰巳:ウマが合うんですね。
岸平:そうですね、すごく合いますね~。
辰巳:そうですかー。
あと、シェフは知らないと思いますけど、お芝居がありまして。
山梨と山形を舞台にしたワイナリーの家族の物語。名前なんでしたっけ?
岸平:「*バッキャローシリーズ」。土屋さんのところはなんだったかな?(←「”丘”のバッキャロー」のようです)
山形の方は「”土”のバッキャロー」なんです。
(*バッキャローシリーズ 参考サイト:https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&fr=wsr_gs&p=バッキャローシリーズ)
辰巳:小劇場のお芝居なんですけど、僕はその”山形編”を観に行きました。シリーズもんですけど?
岸平:3回で完結しました。
辰巳:山形・山梨両方が絡まってくるんですよね。当主が死んじゃったり跡継ぎ問題とかいろいろあって。きちんと取材されてる。
岸平:座長や脚本の方が何回も山形までいらっしゃった。
辰巳:なんて方でしたっけ?すぐ忘れちゃう。
岸平:えっとね・・・。ぁ、菅野臣太朗さん、菅野臣太朗さん、菅野臣太朗さん。(大事なことなんで?)3回言いました笑。
辰巳:もっと沢山の人に観て欲しいな。
岸平:DVD出ましたよ。
辰巳:僕DVDダメなんすよ。やっぱりナマ。臨場感もありますし、やっぱり”肌感覚”。それがないとテレビとあまり変わんなくなっちゃってね。
でも見逃したヤツはDVDかなとは思いつつ、(演者側としては)ナマで演って失敗したのも残っちゃうのやだな。
岸平:笑。そういうご経験もあるんですね?
辰巳:ドラマにしても(自分の出てる)昔のやつ観るのって恥ずかしくてイヤだ笑。どうすか、昔造ったご自分のワイン飲むのは?
岸平:恥ずかしいですねぇ笑笑。ワインはどんどん熟成して変わってきてるんだけど、でも、「あの時あぁいう造りをしたから今こーなった」とか、
『10年前の自分からダメ出しされてる』感じがしてちょっと緊張します。
辰巳:10年前の自分にダメ出しするんでなしに、ワインからダメ出しされる?
岸平:そういう感じがするんです。「あの時オマエがもっとちゃんとしてれば、もっとこうだった」という笑笑。
辰巳:深いな、面白いな笑。芝居とワインは違うけど、”ものづくり”という意味では同じなのかもしれません。こだわってこだわって時間かけて。
僕も今「鋼の錬金術師」という舞台の稽古中なんですけど、、、。
岸平:うちの夫が大好きな漫画ですよ。
辰巳:あ、そぅですか、ぜひ観にきてください!
ま、そんなこともありまして、舞台の話に時間割いてしまいましたが。
今飲んでるワインのことですよ笑。”タケダワイナリーといえばコレっ!”今はもうアイコン的なアイテムになりました「サンスフル2020」。
ラベルもロゴマークも変わって。
岸平:ロゴマークを変えたのは2018年からです。「蔵王スター」というマークがなくなった。
辰巳:GIに合わせて。なんとなくもったいないですけど、これも時代の進化に合わせて。
シェフ、このワインどうですか?
井村:すごい優しい香りがするワインだなと思いました。
辰巳:デラウェア、若干残糖はあるんですけど、そんな感じはしない。これは瓶内2次発酵?
岸平:いえ、これは瓶内1次発酵です。発酵中に瓶詰めして、そのまま継続。今一応発酵は終わってます。
辰巳:温度を上げたりだとかは?
岸平:うぅん、普通に置いとけば1ヶ月ぐらいで発酵は進みますので。
辰巳:食い切ってる?(←酵母が糖を完全に消化して発酵が終わっている状態≒通常は辛口に仕上がります)
岸平:そうなんですよ。デラウェアってグリセロールがリッチでマウスフィールがボリューミーなので、甘い感じはするかと思うんですが、
一応食い切ってます。アルコール度数は10.8%ぐらいかな。去年は雨年だったけど無補糖。
辰巳:でもデラ(ウェア)の糖度は普通に19~20度ぐらいはいくでしょ?
岸平:去年は上がらなくて19度ぐらいだったんですけど。でも普通に20~22度ぐらいにはなりますので。
辰巳:このサンスフルっていうのは造ってどれぐらいになります?
岸平:これは私が造ったブランドなので、もう18年ぐらい前になるかしら。
辰巳:社長になった2005年から?
岸平:そのちょっと前からです。まだ父が社長だった時に隠れてやってたんですよ笑。
こういう”オリ”を残したワインは父が嫌いだったんで。
辰巳:重信お父さん。亡くなって何年?
岸平:2012年に亡くなったので、、、。あっという間でしたね。
辰巳:まだ若かったでしょ?
岸平:80になったところでした。
辰巳:お母さまの良子(よしこ)さんは元気ですか?
岸平:はい、おかげさまで。
辰巳:お会いしたいなぁ。
このデラウェア、今はおいくらになってるんですか?
岸平:2400円+消費税です。
辰巳:最初は1800円とかそんなだったと思いますけど、今資材も何もかもが上がってますしね。ある程度付加価値はつけなくちゃいけませんし。
これは買いブドウ?
岸平:はい、基本的には契約農家さんから買い取ってます。種無しも少しは入ってますけど、主には種ありを使ってます。
辰巳:”種あり”っていうぐらい今デラウェアは”種無し”で有名になっちゃいましたけど基本的にブドウはみんな種がある。
岸平:そうなんですよね。生食だと種がない方が食べやすいので。でもワインにしようとすると、種の周りにある味だとか、皮が厚くなるので、
その味が出ますね。
辰巳:*ジベレリン処理をしないと皮が厚くなるんですね、そうか。
(*ジベレリン処理:化学的処理をして種無しブドウにすること)
辰巳:さ、お料理です。今日はなんでしょうか?
井村:八王子の”のらぼう菜”という野菜を使ってゆず風味のコンソメを注いでます。
のらぼう菜をピューレにして卵を茶碗蒸しみたいに固めてます。
【中西ファーム のらぼう菜のロワイヤル ゆず風味のコンソメ】
辰巳:フランス料理で言うところの「フラン」ですね。
井村:はい、ワインの柔らかい味わいとのタッチで作ってみました。
辰巳:いただきま~す!
岸平:柚子がすごく効いてます。
井村:柚子とデラウェアの香りが共通する、と、僕は思ったんです。
辰巳:ワインの広がり方が一段階上がった感じしますね。さすが!
スープはコンソメ?少し濁ってる。
井村:実は最後の隠し味で椎茸を入れてるんです。(←隠し味と言いながらけっこうな量が入ってるらしいです)
辰巳:ワイン自体も少し薄濁りなんでコンソメも少し濁らせた?そこまで考えてくれたと笑笑。
井村:ま、そういうことで笑。
岸平:よりワインの柑橘感が強くなって美味しいです❤︎
辰巳:ワインってやっぱり食べながら飲まないとダメなんですよね。ダメっていうか”面白みが足りない”。
「食いしん坊万才!」もそうでしたけど、僕は”食べるものありき”からワインに入ってった。
いわゆるワインファンが「ch.ペトリュスを飲んで圧倒されました」とかはないんです笑。
辰巳:えーっと。音楽はお好きなんですか?今日は色々CDを持ってきてくださって。
何をリクエストしてくださるか楽しみなんですけど、今日はなんにしましょう?
岸平:(3月放送5回のうち)4回分は(ジュゼッペ)ヴェルディ祭りで申し訳ないんですが。
辰巳:驚驚驚!ヴェルディですかー!?オペラですかー!?オペラずき?
岸平:はい、実は。
辰巳:山形はけっこうクラシック盛んですよね。
岸平:山響(山形交響楽団)というけっこうレベルの高い楽団もありますし。
辰巳:指揮者誰だっけ?飯森(範親)くん?
岸平:飯森さんから今は阪(哲朗)さんになりました。で、今日はヴェルディの「椿姫」から『ジェロモンのアリア プロヴァンスの海と陸」。
(バリトンは)レオ・ヌッチがよかったんですけどなかったんで笑、パオロ・コーニさん。振ってる(指揮者)のは(リッカルド)ムーティ。
辰巳:ではお聴きいただきましょう。
La Traviata 第2幕より【Di Provenza il mar, il suol】
https://www.youtube.com/watch?v=jUoWOqtCN2c
辰巳:そんなにオペラずきとは知らなかった。
岸平:ひっそりと聴いてたんで笑。
辰巳:観には行ったり?
岸平:行きます行きます。東京にも行きますし、「ワインー、とか言いながらウィーンに行って聴いてくる」、とか爆。
オーストリアワインの研修ですとか言いながらオペラ座に行く笑笑。(←ひっそりではない、ような)
辰巳:そうだったんですか。昔から?
岸平:クラシックは昔から好きだったんですけど、「オペラは敷居が高い」ってイメージがあって。
結婚してからかな、フェニーチェ歌劇団っていうイタリア(ヴェネツィア)の劇団が来たときに観に行ったんですよ。
そしたらすんごい面白くて。それからです。
辰巳:次回以降もその話はしたいと思いますが、今日実はご主人もいらしてて、隣でいろいろゴチョゴチョっと情報補足してくださってます。
岸平和寛さん(タケダワイナリー 専務取締役)。結婚して何年になります?
岸平:(和寛さん、隣でゴチョゴチョ)ぁ、26年になります。
辰巳:元かみのやま市役所(勤務)、でしたっけ?
岸平:山形市役所です。
[左がご主人の和寛さん(ご存知の方も多いことと思います)。お隣でゴチョゴチョ(要所要所)典子さんに情報提供されてます。]
辰巳:その頃から実は存じ上げてるんですけど、もう26年。時の経つのは早いですねぇぇぇ。
ってことは典子さんがワイナリーを継いでからもそれぐらいになります?
岸平:2005年から社長です。
辰巳:5代目とおっしゃいましたけど、お兄さんはそれに含まれてない?
岸平:兄は社長にはならなかったので。
辰巳:その亡きお兄様の話はまた次回以降ということにしましょう。
ぁ、また時間なくなっちゃった。なに話してこんなに時間経っちゃうんだろ?笑。
今日は(久しぶりに会えて)すごい嬉しかったです。あと4回よろしくお願いします!
全員:ありがとうございました!!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
有限会社 タケダワイナリー
http://www.takeda-wine.co.jp
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年3月2日放送回
- ワイナリー
有限会社タケダワイナリー
http://www.takeda-wine.co.jp- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/