ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年9月8日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年9月のゲストは(株)キャメルファームワイナリーの木下正行さんです。
親会社は全国に「カルディコーヒーファーム」を展開している「キャメル珈琲」。産地は今注目の北海道「余市」。
恵まれた環境の中でも重ねる奮闘があったようです。まずはケルナーのスパークリングで乾杯!(全4回 1回目)

辰巳:9月1日まで8月のお客様(山梨県 くらむぼんワインの野沢たかひこ社長)をお迎えしていましたが、今日から9月の放送が始まります。
今月のお客様は北海道からお越しくださいました「キャメルファームワイナリー」の木下正行さんです。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:えーっと、なんか、色が黒いですね笑。夏も畑仕事とかされてるんですか?

木下:畑作業の黒さもあるんですが、実はサーフィンを・・・笑。余市もサーフィンできますんで。
(海から)畑まで約4kmなんですね。ですから海のミネラルを風が運んでくれるので、それを感じたり、
山からのふきおろしで病気を飛ばしてくれたり、そういうワインができます。

辰巳:余市は今ものすごい発展しましたよね、一大ワイン産地になって。勝沼、塩尻に次ぐ3番手ぐらいになってるんじゃ?

木下:はい。その余市の登(のぼり)というところは登銀座と呼ばれてて、土地も含め、いろんな意味で高騰してるんです。

辰巳:土地も上がってますか?各ワイナリーが余市の畑欲しがってますんで。

木下:ボルドー、ブルゴーニュ、バローロ、、、ぐらいの価値がついてきてますね。

辰巳:今日はね、その辺の余市話を色々と伺いたいと思います。
まずは乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶

「ケルナー スパークリング 2021」
https://camelfarmwinery.jp/products/kernersparkling_2021

辰巳:スパークリングワインです。
ケルナーですか、このちょっと甘い香りのするアロマ系。でもキリッと辛口に仕上がってるという。

木下:うちのケルナーはこういう狙いで造ってます。このアロマティックな白桃とか、ちょっと苦味も含めて和みかんのような。

辰巳:井村シェフ、このワインいかがですか?

井村:アロマティック!ほんとに香りがフワッと広がる感じ。

辰巳:なのに辛口なので料理にも合わせやすい感じします。2年前コロナが始まった頃にこの番組が始まって、
「十勝ワイン代表」という形で*田辺由美さんをお迎えしましたが、北海道からはそれ以来ですね。
(*この模様はこちら:https://jpwine.jp/topics/page/6
田辺由美さんのプロフィールはこちら:http://www.wincle.com/profile.html

木下:田辺さんの次。なんて光栄な!笑。

辰巳:北海道ワインの嶌村(公宏)社長よりも先にいらっしゃった。あの人も忙しくてね。

木下:その通りで彼は北海道全体のために動いてらっしゃる。

辰巳:昨日は北海道、今日は勝沼、、、ってな感じで。
いずれはこの番組にもいらしていただく約束はしてるんですけどなかなか。。。
で、先に来てくださったのがキャメルファームの木下さん。

木下:光栄でございますありがとうございます笑。

辰巳:ワインは食中酒ですからお料理を食べながら行きましょうかね。今日のお料理はなんでしょうか?

井村:はい、地元八王子のナスとトマトを使ったブルーテです。

「中西ファームの茄子とトマトのヴルーテ」

辰巳:生クリームを使っていない、お野菜とブイヨンだけのブルーテ。ワインとは見るからに合いそうですが、
木下さんもお召し上がりください。

辰巳・木下:いただきまーす!

辰巳:ラジオで飲んだり食べたりするのをお伝えするのはなかなか難しいんですけど、後でホームページにもアップしますので
ぜひごらんください。(←このHPのことです)

辰巳:このケルナーって品種、北海道や長野とかの冷涼なところでしか作られてませんが、
他でももっともっと作られてもいいような。

木下:*リージョン1っていう冷涼な地域でしかケルナーはなかなかアロマティックにならないんです。
ケルナーも北海道ではドイツ系に仕上げていく造り手さんが多いんですよね。
うちのはフランスとかイタリアとかどっちかというと伝統的な仕上げ方に仕上がるんです。
(*度日(積算)システム参考サイト:http://毎日ワイン365.com/2016/10/17/度日積算システム/ )

辰巳:ドイツ系とフランス・イタリア系の違いを一口で言うと?

木下:甘みと酸味のバランス。”ドイツ系ってのはどうしてもドイツ的”、な感じがあるんですけど、日本のケルナー飲むとその系譜が見えるんですよね。
あとはかつてドイツに勉強しに行かれた方が今北海道で、という流れが多いです。
うちはイタリアの*リッカルド・コッタレッラさんという有名なコンサルタントさんがいまして・・・。
(*世界中のワイナリーを指導するトップエノログの一人)

辰巳:フライングワインメーカーですよね。

木下:そうです。今はだいぶ縮小して20ぐらいのワイナリーなんですけど
一時は80社ぐらい担当してたという。

辰巳:1年365日で80社って・・・。

木下:まぁ”ドクター”って思っていただくといいんですよね。普通にやってる分にはドクターは要らない。
要は病気になった、困った、問題があった時にお願いする。さすがに80社は無理でしょうけど、
今75歳ぐらいなので20社ぐらいならなんとかいけてるんじゃないでしょうか。

辰巳:彼はイタリアのどこの人でしたっけ?

木下:ウンブリア(州)で名を馳せたんですが、生まれ故郷のラツィオ州とウンブリア州にまたがるところに彼のワイナリーがあるんです。
アンティノリで醸造責任者をされてる弟さんと2人でされてるファレスコ。

辰巳:で、日本に(キャメルファームに)いらしたのは何年?

木下:2004年。もともと40年前から藤本剛さんという・・・

辰巳:ブドウ造りの『匠』!北島(秀樹)さんとかね、いろんな名人がいるんですよ、余市には。

木下:まさに、藤本さんもその仲間です。

辰巳:その藤本さんが?

木下:40年の畑と技術を譲っていただきました。うちのスタッフが3年間彼にべったりくっついて修行させていただき、
今受け継がせていただいてます。

辰巳:藤本さんの全部、丸ごと受け継いだ。キャメルファームさんってすごいな!

木下:それもこれもご縁のおかげです。うちの自慢はとにかく畑!藤本さんから受け継いだ40歳になる畑!

辰巳:ピノ(・ノワール)もケルナーもツヴァイもありますよね?日本で最も古い畑の一つ。

木下:はい、しかも垣根仕立てなんですよね。日本は棚仕立てが多いんですけどずっと垣根の40歳。
バッカスの木なんかは老木で、太くて、見るだけでオーラを放ってます。

辰巳:ここの井村シェフもこの(放送始まって)2年間で日本ワインにはかなり詳しくはなったんですけど、今多分チンプンカンプン笑。

井村:笑。

辰巳:どの辺から話聞きたい?ほっとくと話がどんどん飛んじゃいますから笑。

井村:藤本さんの大事にしてきたものをこれからの人に継承していく、みたいなのは素晴らしいと思います。料理もそうですけど。

辰巳:藤本さんって今おいくつ?

木下:74、か5ですかね。

辰巳:ですよね。だから彼が還暦の頃にはもう畑を譲るという?

木下:そうなんですよね。だから「どこに譲ろうか?」、をちょうど考えられてた時期のようで。
その頃私も全国の畑を歩いて数カ所に土地を絞って調査をして(前述の)リッカルド・コタレッラさんに送ったら、、、。
結果的に藤本さんの出会いと畑の質(風の通り方やそこに生えてる植物)を鑑みて
「ここなら俺がすべての責任を持つよ」「でも他の土地にするなら”木”の責任はアナタが持ってね」と言われました。

辰巳:そういう争奪戦があったんですね。で、いちばんカネを積んだキャメルファームさんが爆。あれ、違うんですか?

木下:カネでもの言わしたーみたいのやめてくださいよ笑笑。タイミングが本当に良かったなぁと思いますし、
藤本さんのことをスタッフ共々心から尊敬してますんで。あの厳しい環境でよくブドウを育ててきたなと。

辰巳:本当に開拓者の一人だと思います。

辰巳:木下さんの会社は?

木下:親会社は「*キャメル珈琲」。子会社に「カルディ」という名前で全国480ぐらい店舗展開している結構有名な会社です。
その中にワイナリーもあればチョコレート工房もある。
(*株式会社キャメル珈琲:https://camelcoffee.jp/overview/

辰巳:で、木下さんはキャメル珈琲に入社された?

木下:そうです。いちばん最初はそこの(ワイン)輸入部門、オーバーシーズというところでカルディで扱うワインを探し歩いていて、
どっちかというと海外に行くことが多かったんですけど。

辰巳:入社はいつだったんですか?

木下:今から11~12年前ですかね。

辰巳:あれ、そんなもん?今おいくつですか?

木下:ゴソジに・・・笑。

辰巳:じゃぁキャメルファームの前はサーファー?笑。

木下:そうです(うそ)!違います笑笑。一応三国ワインという会社で営業部長やらしてもらってました。
そこで最初に辰巳さんとお会いしたんですよ。

辰巳:京都の日本料理屋さんかどっかでお会いしましたよね?

木下:あの時はもうキャメルコーヒーにいました。

辰巳:コタレッラさんと一緒にいませんでしたっけ?

木下:そうです、ちょうど一緒に畑とか見回ってた時。ぁ、そうだ、京都の西川さんだ。

辰巳:そこで隣り合わせになって話をした時に「(キャメルさん)すごいことやってんな」と思ったんだ。
あの時はキャメルに入って間もない頃?

木下:3~4年目ぐらいだったと思います。

辰巳:「ワインをやらしてくれ」って言って入ったんでしょ?

木下:元々カルディで世界や日本のワインのメーカーも見つつ、「日本でもっといいワインができるんじゃないか?」と。
世界のワイン見てるとロシアや砂漠や火山の上とか、過酷なエリアでワイン造ってたりするんで、
今の技術があれば日本でもっと素晴らしいワインが造れるんじゃないかとずっと思ってまして。
それを表現したかったってのもあります。

辰巳:なるほど。ちょっとこの辺でリクエスト曲を聴きたいと思いますが、今日は何を?

木下:「It’s All Right」という大好きなJon Batisteの曲。「どんなことがあっても大丈夫だよ」っていう気持ちもそうなんですけど
ピアノが弾(はじ)けてて、この泡にピッタリ。それに相対感のある歌。彼はすごく明るくって聞いてると優しさ、恋、全部あるんですよね。
それがこのケルナーと・・・。

辰巳:曲調にケルナーも表れている?(木下:頷)では聴いてみましょう。

Jon Batiste「It’s All Right」(2013年)
https://www.youtube.com/watch?v=txdUE10OopA

辰巳:はい、こちらは2013年の曲でした。2013年といえばまさにキャメルファームが始まった年?

木下:その通りです。畑は2014年に購入しましたが、2013年ぐらいからずっと畑を探して全国動いてた時期ですね。

辰巳:このケルナーもなかなかいいですしね。これはシャルマー(方式)?

木下:そうです、タンク内二次発酵。

辰巳:それでもってキャメルファームさんのラベルがみんな可愛いですよねー。

木下:ありがとうございます。

辰巳:このケルナーの泡はフクロウ?ミミズク?

木下:うちの畑にいる動物たちがラベルになってまして。井上リエさんというカルディのショッピングバッグのデザインなんかも全部やってる方です。

辰巳:ジャケ買いしてしまいそう。いろんな店舗のワイン売り場見てますけど、やっぱりキャメルファームのラベルに目がいっちゃうんですよ。
アイテム数も多いんでしょ?

木下:このケルナーのスパークリングに関しては(発売)2年目ぐらいなんですけど、
2017年にワイナリーが出来てからどの品種にどういうアプローチがいいのかずっと探ってきまして。
最近”この品種にはこのアプローチ”っていうのがようやく分かってきてますので、
このケルナーに関してはちょっと青リンゴとか和みかんとか白桃みたいなニュアンスを辛口に。
ドサージュは12gぐらいでBrutなのにちょっと多めなんですけど、余市産ブドウの酸の強さと甘みのバランスはすごく合ってるんですよね。

辰巳;これはおいくら?

木下:3000円です。

辰巳:お値段的には高級なシャルマーって感じですね。年間どれぐらい造られてるんですか?

木下:全体で10万本ぐらいなんですけど、このケルナーは5000本ぐらいですし、アイテムはそんなに多くないです。
多くても1アイテム8000本ですね。

辰巳:なかなか人気あるんです。販売力もあるから?

木下:笑。収穫スタイルと6時産業化のいい形が出ていて。収穫にカルディのスタッフが来てくれるんですよ。
9月10月はカルディスタッフ研修のための施設が余市にありまして、常に10人いるんです。

辰巳:それはやっぱり愛着も生まれますしね。

木下:はい、「(その収穫したブドウで造った)ワインを売る」っていうところで。

辰巳:すごくいい循環になってますよね。
シェフ、これから1ヶ月間ご紹介するワインとお料理がこのお店で体験できるんですよね?

井村:はい。

木下:もうこのスープ(ヴルーテ)飲んだだけで美味しいがわかりますよ。ケルナーと本当にいいマッチングです。

辰巳:シェフ今度余市で料理とワインフェスやりませんか?このシェフそろそろ外に引っ張り出したいと思ってるんです。

木下:ぜひお待ちしております!

辰巳:というわけで、今月は北海道余市のキャメルファームワイナリーの木下正行さんをお迎えしています。
また来週よろしくお願いします。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

https://camelfarm.co.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年9月8日放送回

ワイナリー

キャメルファームワイナリー
https://camelfarm.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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