ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2020年12月31日OA

7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』12月のゲストは山梨県の勝沼醸造株式会社 代表取締役 有賀雄二さんです。最終回の今回は
そのルーツ、次世代を背負う3兄弟なと、「有賀家」のいろいろに迫ります。(全5回 5回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:山梨県勝沼醸造の有賀雄二社長の最後の放送になりました。今年最後の放送、まさか大晦日まで放送してくださるとは思ってなくてちょっとアセりましたけど笑笑。

辰巳・有賀:よろしくお願いしまーす!

辰巳:2020年の今を生きてるみなさんにとっては一生忘れられない年の一つに必ずなると思います。いろんなことがありました。私もプータロー生活が長かったり、ホントにどうなるんだろう?と思ってましたけど、まだまだ予断は許しませんし、ワイン業界も大変です。
今日は大晦日、年越しそばを食べながらワイン飲むのもいいなぁと思うんですけど、”ワイナリーの大晦日”ってどんな感じなんですか?

有賀:ワイナリーはその年の仕込みを終えて一段落しますので、ホッとする場面かもしれませんね。

辰巳:決まった行事とかは?

有賀:私どもはファミリーワイナリーなので、(12月)28日に社員をあげて餅つきをやるってことがあったんですけど、最近はちょっとやってないですねぇ。

辰巳:次やるときは僕もお邪魔したいなー。

有賀:ありがとうございます!

辰巳:餅つきってもう何年もやってない。子供がちっちゃい頃、幼稚園や小学校でやってたのに参加したりしてましたけど。自分が子供の時には普通にやってましたよねぇ。食文化にしても生活慣習にしてもどんどん変わりつつある。

有賀:餅つきってけっこう体力要るのでね。自分でついた餅って味わいも思いも違うのでやりたいんですけど。

辰巳:60(歳)も過ぎるとね、「昔懐かしい」ことが増えてきますよね。
ところで「有賀」は「アルガ」。「アリガ」とも読みますが、元々はどっちなんですか?

有賀:「アルガ」です。僕の先祖は長野県の諏訪で、武田家に仕えて山梨に。武田勝頼の重臣だったんです。ですから今の家紋も”*武田菱”なんです。だから有賀(アルガ)っていうのは、長野が発祥だと思います。埼玉にいる叔父は戸籍上は有賀(アルガ)なんですけど、「アリガ」って言っちゃってますけどね。
(*武田菱 https://history-land.com/takedashingen-kamon/

辰巳:周りがそうしちゃうんですね?

有賀:そういうことだと思います。ちなみに戦艦大和の艦長さんも有賀(アルガ)さんらしいですよ。

辰巳:でも古い文献はカナ振ってないでしょ?

有賀:カナは振ってあるんです。

辰巳:あ、振ってあるんすか?

有賀:なので「アルガ」とわかるんすよ。

辰巳:フジテレビに残念ながら亡くなってしまった有賀(アリガ)さつきさんというアナウンサーがいらして、最初に「有賀」姓を察したのは彼女だったような気がして、、、。全国区の方だったのでそれもあって「有賀」は「アリガ」と認識されたのかなぁとなんとなく。
で、その「アルガ」がポルトガル語の「アデガ(ワイナリーの意)」に近いというので付けた「アルガブランカ」という白ワインのブランドの中で、今日は「ピッパ」というワインをご用意いただきました。これもポルトガル語?

有賀:はい、「小樽」のことをポルトガル語でピッパって言います。

(前々回のヘリコプターに引き続き、今回は大型バイクのブルンブルンけたたましい音が入ってきました)

辰巳:ここら辺は暴走族も???

有賀:爆。

ベーやん:えぇ、今日は大晦日なんで。大晦日の風物詩。(←収録は11月26日でしたけど?)

(収録妨害につきしばらく様子を見守ります)

辰巳:あ、行っちゃいました。
(話元に戻ります)えー、これは樽発酵樽熟成したものってことですかね?ではこの「ピッパ」で乾杯したいと思います。


勝沼醸造 アルガブランカ ピッパ 2015

全員:カンパ~イ♪

辰巳:これもいいワインですね~。

有賀:これは造り方がちょっと違ってまして。通常のワインはブドウの糖分の他にお砂糖を入れるんですけど、それらの糖分はアルコールと二酸化炭素に分解されるので、甘さとしては残らないんです。このワインはそういう方法ではなくて、ブドウをジュースにしたあと、いったん凍らせてその氷(水分)だけ捨ててしまうんです。その溶けてるところだけを集めるとその部分は通常のジュースより濃くなるわけです。これをステンレスではなくフレンチオークの樽の中で発酵させる。

辰巳:”凍結濃縮”とか言われますね。

有賀:今は「*冷凍果汁仕込」という統一した呼び方にしようってことに決められました。
(*冷凍果汁仕込https://www.winery.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/05780e3129e329a6118a55d636f7ebda.pdf
第5条(4)参照)

辰巳:「冷凍果汁仕込み」ね。これは何年ですか?

有賀:2015年です。

辰巳:熟成も少し入っていい感じですが、ベーやん(ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の社長です)いかがですか?

ベーやん:樽の香りがしっかり入ってまして、、、(辰巳さんに向かって)なんで目線逸らすんすかっ?笑。また変なとこからコメント入ってー・・・って思ってるでしょ?

辰巳:だってこの前のコメントは「ブドウっぽい」とか言うし今日は「樽の香りがする」って言うし、面白くないなぁと思って。話もうちょっと面白くしようよー笑。

べーやん:えぇ!?シロウトはこんなもんすよ。

辰巳:まぁいいんですけど、いつまでもシロウトはやめてくださいねー笑。

ベーやん:キビシーなー笑。

辰巳:でもね、この半年毎週ワインを紹介してそれに合わせた料理をこのお店で提供していただいて、これは本当に感謝しています。素晴らしい試みだと思います。ラジオを聴いたお客さんにそれがわかっていただけてここにお越し下さる、、、こんな嬉しいことはない。そう言う意味では2020年は記念すべき年になったなぁって思ってます。

ベーやん:いやぁ、ありがとうございます。

辰巳:で、この番組だけで26種類、レシピを作ってこられた井村シェフ、ホントにお疲れ様でした!

井村:いえいえ、私自身勉強になりました。

辰巳:では今日のワインとお料理の説明をお願いします。

井村:はい、樽の香りが優しくて、最後に青リンゴのような後味を感じましたんで。飲み終わった後の喉を通る青リンゴの香りに合わせて白身のお肉が合うんじゃないか、ということで、、、。


豚三枚肉とリンゴのラグー カボチャのピューレ

辰巳:これは豚肉?

井村:はい、りんごと一緒に煮込んでます。バラ肉を使ってますんで脂もありますから、軽く仕上がるようにリンゴに助けてもらってます。

辰巳:へぇぇ、このソースは?

井村:カボチャのピューレにピンクペッパーの香りを少し効かせてみました。

辰巳:煮込んだソースは?

井村:これは豚肉とリンゴだけです。

辰巳:!、そうなんですか?う~ん、おいし♡肉自体甘いのもあって。有賀さん、いかがですか?

有賀:ワインの世界では”マリアージュ”という言葉をよく使うんですけど、今日ほどマリアージュを感じたことはないですね。全般的には洋食ですけど、素材の味がしっかり生かされてるので、日本のワインとの相性がいい気がします。

辰巳:どっちかっていったら樽を使ったワインってバニラ香のイメージがあってバターっぽい料理を合わせることが多いんですけどね、ブルゴーニュのシャルドネとか。そっちにいかず・・・。

井村:そうですね、豚の脂の甘みに合わせたいなっていう。

辰巳:なかなかやるな、このメニューも人気出ますよ。

井村:ありがとうございます!

辰巳:ラジオをお聴きの皆さん、このお店にいらっしゃるとこれと全く同じ料理、ワインもグラスで楽しめます。ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢にぜひお越しください。

辰巳:ではリクエスト曲いきましょうか?今年最後、大晦日の曲は何にしましょう?

有賀:んーーー、じゃぁ、、、大晦日に合ってるかどうかはわかりませんが、僕の好きな曲、”最近歌いたい曲”、でいいですか?

辰巳:もちろん!最近歌いたいんすか?それとももう歌ってるんですか?

有賀:まだ2回ぐらいしか・・・笑。

辰巳:歌ってるじゃないですか!笑笑。

有賀:「青葉城恋唄」。

辰巳:ほぉぉ、さとう宗幸!

有賀:これなんかいいなぁで最近ハマってるんす。

辰巳:山梨の方が仙台の歌歌うって?

有賀:聞いた時に「うゎ!これいいなぁ」ただそれだけ。

辰巳:誰かと一緒にカラオケ行って「あ、これいい歌だな、歌いたいな」って感じですか?

有賀:それとはちょっと違うな、なんかね、ラジオかなんかから流れてきて、、、。

辰巳:あ、そうか。若い頃は(この曲を知っていても)ピンと来なかったけど、年をとって聴いたらなんか琴線に、、、?

有賀:その通り!このコロナ禍っていうのは、もしかしたら我々にいろんなことを考えさせてくれてる、、、そういう時間な気がしますね。

辰巳:そうかもしれませんね。この歳になるとなんとなく人生を振り返ったりね、今後のこと考えたりする時間でもありましたよねぇ。

有賀:普段何気なくやってることが特別だったんだなぁ、とか「あ、こんなこともできたんだ」「でもこのことの方が大事なんだ」・・・そういったことを気づかせてくれた2020年だったと僕は思うんですよ。すごく厳しい歳でしたけど、社会にはいろんなことが起きるわけで、我々はそのことをネガティブじゃなくてポジティブに考えて今後はやっていくべきじゃないかと思うんですよね。

辰巳:この歌詞の「時はめぐりまた夏が来て~♪」、時がまたどんどん巡ってって、夏はあと何回来るんだろう?ワインはあと何回仕込めるんだろう?ってそんなことも思いながらちょっと納得しました。

有賀:笑笑。

辰巳:ではお聴きいただきましょう。さとう宗幸さん「青葉城恋唄」(1978年)。

https://www.youtube.com/watch?v=1YK0vweWicw

辰巳:いやぁ沁みる歌、聴き入っちゃいますね。僕は大学の2年生でしたから、有賀さんは大学卒業して新入社員の年じゃないですか?

有賀:そうですねー。

辰巳:そういう時代の歌ですよね。あれ、何年生まれでしたっけ?

井村:1972年生まれです、小学校2年生の頃。

ベーやん:1982年。形もなかったです爆。

辰巳:そっかー。
有賀さんにも息子さんが3人いらっしゃいまして、”有賀3兄弟”って言ってこれまた有名なね。長男の裕剛さんが醸造、今日来てる次男の淳くん、そして三男の翔くんが栽培をやってるという。理想的ですよねー。よくもそんなにうまいこと・・・笑笑。

有賀:交配・・・笑笑。

辰巳:時々この社長とんでもないこと言うんですけど。まぁ間違いじゃないですよね、いろんなDNA残してる。社長自身も栽培も醸造もされるし、最高の営業マンでもあるし。どうですか、お父さんから見て3兄弟は?

有賀:いろんな場面があるけどやっぱり血を分けた家族ってのは他とは危機感っていうか、”共有”が違うんすよね。そういう点では安心できる存在ですよね。今後もいろんなことがあると思うんですけど、”障害を越えていく”上ではすごいエネルギーがいると思うんです。そういう意味で”家族”って違うエネルギーを持ってるってのは感じますね。

辰巳:その3兄弟は仲いいんですか?

有賀:まぁそれぞれ役割分担があるもんですから、、、。(次男の淳さん同行で言いづらい様子です)。

辰巳:子供の頃よくケンカとか?

有賀:あんまり喧嘩してるの見たことないな。

辰巳:それは親父が絶対だったからなかなか歯向かえなかったとか?笑。

有賀:いやぁ、もしかしたら僕が子供の頃の彼らにあまり触れてなかったからなのからもしれませんね笑。

辰巳:仕事が忙しくてなかなか家にいられなかった、とか?

有賀:それが(息子たちが)ワイナリーに入った最大の理由だったかも知れないっすよ。

辰巳:親父がいなかったから息子たちはワイナリーに近づけたと?そう簡単に結論づけていいんですかね?ニュアンスはわかりますけど。でもね、ちゃんと子供たちは見てるんですよ、その背中を。

有賀:いや、如実にそれがわかるのは、僕が学生時代に野球やってたんすけど、(息子)3人ともサッカーなんで笑。もうちょっと(彼らが)若い頃に接していれば野球やってたんじゃないかなぁ、とかね笑笑。

辰巳:”憧れ””反発”両方あるんですよね~。
「勝沼醸造」、この日本のワイン界のリーダーとしてますますご活躍を!

有賀:そうありたいですね。

辰巳:今年もありがとうございました、よいお年を!

辰巳:有賀:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2020年12月31日放送分

ワイナリー

勝沼醸造株式会社
https://www.katsunuma-winery.com

収録会場

★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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