ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2020年9月24日OA

7月から新たに始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』9月のゲストは新潟県の「岩の原葡萄園」代表取締役社長の神田和明さんです。幼少期になりたかった職業は置き去りに、サントリーにまさかのダジャレ入社。そして今後のライフワークについて語る神田さんの最終回。(全4回 4回目)
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ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

辰巳:はい、少しづつ秋も深まってまいりました、と申しますかね、9月のお客様は「岩の原葡萄園」の神田和明社長にお越しいただいておりまーす。

辰巳・神田:よろしくお願いします!

辰巳:今日は全4回の最後ということで、まだ喋り足りないこと、喋り忘れたこと、いろいろと語って頂ければと思います。
そして今日も「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」の田鍋真巳社長(以下ベーやん)にも同席してもらってます。先週の宿題の一発芸は?

ベーやん:一発・・・じゃ来月でいいですか?笑

神田:また先送りですか?笑

辰巳:別にハズしてもいいんスよ、大ウケは期待してない。

ベーやん:スイマセン、宿題すっかり忘れてました汗。

辰巳:元吉本興業のお笑い芸人という異色の経歴からの、この番組でももっと面白くなってほしいなぁと、ものすごく期待してるんだよ。

神田:お願いだから芸人としてもうひと花・・・。

ベーやん:どっちなんですか!?

辰巳:いや、それをなんとか両立したらカッコイイじゃないですか、でしょ?

ベーやん:、ですか?

辰巳:よろしくお願いします。

ベーやん:よろしくお願いします。

辰巳:そして、お料理担当の井村貢シェフですー。

井村:はい、よろしくお願いしまーす!

辰巳:さ、今月1週目からスパークリング、白、ロゼときて最終週の今日は赤ワイン。どんなワインでしょうか?

神田:マスカット・ベーリーA。まさに、岩の原葡萄園の創業者が生み出した、”本家本流の”ワインです。これを看板商品として訴求していきたいと思ってます。2016年は非常にいい年で、熟成度も高いですし、酸も非常にいいバランスですし、これはかなりいい出来。


岩の原葡萄園 マスカット・ベーリーA 2016

辰巳:ではカンパイしましょっ!!

全員:カンパ~イ!!!

辰巳;あ、ホントだ。

神田:(ベーリーAの商品は)「深雪花」もありますけど、これが代表選手。

辰巳:どうですか、ベーやん?

ベーやん:なんかこう、バランスがムチャクチャいいって感じですね。ワインのパラメーターとかあるとしたら、例えば香りー、甘みー、渋みー苦味ーとか。全部平均点以上の叩き出してる感じのワイン。

辰巳:なんか経営者みたいな発言笑。

ベーやん:とにかく「ぶっちぎりで何か!」っていうよりは、赤ワインのとっかかりにはすごくいいワインだと思います。

辰巳:まさにパラメーター!

神田:うちの看板商品をこういう形で評価いただけるのはすごくうれしい♡

辰巳:ベーやん、最近ワインの勉強してるでしょ?

ベーやん:いやいや、でも一発ギャグよりワインの勉強の方が好き♡次の番組のゲストはどういう方が来るのかなぁとかどういうワインがあるのかなぁとか。

辰巳:いいですねぇ、”日本ワインを飲める店”としてこの「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」もだいぶ認知されてきたんじゃ?

ベーやん:はい、多摩ゾーンの中でも南大沢ってやっぱりいいエリアなので、日本ワインの普及にはいいんじゃないかなと思います。

辰巳:井村シェフ、どうですか、このワイン?

井村:”料理が作りたくなる味”、ですね。タンニンとか香りとか、想像するといろんなものと合わせて楽しくなるなー、食事が美味しくなるだろうなーって。非常にバランスのいいワインだと思います。

神田:ありがとうございます!

辰巳:マスカット・ベーリーAって最近各ワイナリーで上質なワインを造ってますけど、これは王道「岩の原は”これだ!”」みたいなね。もちろんいろんなテクニックは使ってるんでしょうけど、気を衒わないっていうか。若干イチゴっぽいジャミーさも軽く残しつつ、キレイに仕上がってるって感じします。

神田:2014年に設備を変えてこれができた。昔は大きいタンクで仕込んでたんですよ。でもそれだと収穫した地区の良し悪しがわかんない、だから畑ごとにタンクを全部分けたんです。それによってどの畑がいい熟成をするのかってのがわかってきたんですよ。で、選りすぐったやつをこのワインにしたんです。とにかくバランスがいい。。。それ以外は(他のワインの)ブレンドに使ったりしてます。
ま、(前社長の)坂田が設備投資をして、本体(サントリー)にお伺いを立ててー、(←大会社のお決まりごとですね)、そこから技術が活きてきた。仕込みなんか、例えば”選果”は収穫したブドウのいい粒だけを選りすぐることを全部手作業でやるとか。(設備投資に負けないほどの人力を費やしたんですね)

辰巳:なんでもそうでしょうけど、やっぱり”手間暇かけるものほどいいものができる”って、ワインってそういう意味でもすごく素直ですよね。やった分だけ結果が出ると思ってます。
ちなみにおいくら?

神田:これは4000円ですね。

辰巳:以前よりちょっと上がりましたね?でもそれだけ手間暇かけて・・・笑。ワンランク上目指してるのはわかります。最近日本ワインもちょっとづつ値段が上がってる感じしますけどね。

神田:そうですねぇ。だから飲む方がどれだけ4000円のワインの価値をわかってくれてるか、ですよね。こうやって(第三者の)ご意見を聞くのってとても大事なことだと思います。

辰巳:(先週登場した)「深雪花(ロゼ)」っておいくらでした?

神田:2500円前後。

辰巳:値段も少しづつ上がってますけど、品質も上がってますからね。

神田:(安い高いは)消費者が決めることですからね。飲んだコストパフォーマンスがいいかどうかはすべて消費者が答えを持ってる。

辰巳:そうですね。
さ、このマスカット・ベーリーA 2016に合わせたお料理はなんでしょうか?

井村:はい、秋も深まってきたので、豚肉とナスを合わせたお料理にしてみました。ワインのバランスが良く香りも高いので、4種類の胡椒を使ったソース。それと豚肉の甘味と旨味、ワインの香りと合わせてみました。


豚肉のスパイシーソース・ナスのピューレ添え

辰巳:なんか・・・スバラシイですね、シェフの”語り”もスバラシイけど「4種類の胡椒!」。どんな?

井村:今日は白胡椒黒胡椒にピンクペッパーとグリーンペッパー。それぞれ胡椒の熟成度が違うので、いろんな香りが混じり合って。

神田:ペッパーとワインが口の中で弾けてますよ。

辰巳:(料理の)味が強めだから、普通ならマスカット・ベーリーAよりもっとガツンとした品種合わすんだけど、実際食べてみると合いますねー。弾力性というか、ワインのポテンシャルは高いってのがわかりますね、とても不思議な感じ。どうですか、ベーやん?

ベーやん:合いますよ、この豚肉の柔らかさと。豚肉って結構噛まないと旨味が出てこないんですけど、これはなんかトロけるような感触。

神田:ペッパーがすごくいい形できてますね。

辰巳:かなりガツンと、でもワイン飲むとスッと引いてくれる。

辰巳:神田社長はサントリーでずっとお勤めしてこられたんですけど、食べる方はお好きなんですか?”マニアック”なのか、それとも”ただお腹が膨れればいいのか”どっちですか?

神田:これ言ったらまた社員に怒られるかもしれないですけど笑。僕あんまりグルメじゃなくてー、基本的に粉物大好きなんですよ。たこ焼きお好み焼き・・・。

辰巳:へぇ~~~。

神田:だからそんなにグルメじゃないんです、ま、育ちも良くないんですけど笑。たこ焼きは週に2回は食います。

辰巳:ちょ、ちょっと大阪人じゃないでしょ?笑笑。サントリーはもともと関西ですけど。

神田:いえ、関西には一度も赴任したことないです。

辰巳:じゃなんで?

神田:ソースが好きなんだと思うんですよ。(出身地)北海道はどっちかっていうと味の濃い、(例えば)ジンギスカンの味は濃いじゃないですか?だから大阪系の(濃いぃ)ソースと粉物大好き♡。これがあれば何もいらない。それにワインを合わせようとすると大変で「社長やめてください、もっと品高くー」と・・・。

辰巳:(ここから関西魂に火がつきます)そりゃ違いますよ、言ってくださいその社員の人にっ!たこ焼きとかお好み焼きとか、それこそカップ焼きそばでもいいですよ。それに合うワインもあっていいべきですよ、値段はもっと安くして。(会社の)ポートフォリオとして絶対造るべきですよ、特に大きなワイナリーは。そんな気取ったワインばっかりじゃダメなんですよ。

神田:そう言ってくれるのは辰巳さんだけですよ。

辰巳:ちんまりレストランの席に座ってグラス回しながら高級料理を食べる人ばっかりじゃないんですよ。多くの人たちにね、サントリーさんもビールやってらっしゃるけど、普段そのビールを飲んでらっしゃる人たちに、どれだけ日本ワインを飲んでいただくか?それをやらなくちゃいけないと思います。

神田:いやぁ嬉しいです。

辰巳:ところで、子供の頃はどんな感じだったんですか?

神田:まーぁ、基本的にはわがままな人間、ぁ、今もか笑。好き勝手やってましたね。宿題は1回もやったことないです。姉がいるんですけど、ま、優等生。常に成績が良くて、としごなんでー、常に比べられてたんですよ。

辰巳:で、将来何になろうと思ってたんですか?

神田:昔のアルバム見返してみたら「弁護士か相撲取りになりたい」って書いてあったんですよ笑笑。

辰巳:え、えらい落差笑。

神田:相撲大会で優勝したことあるんです。だけど、弁護士にも憧れてたんです。

辰巳:そうなんすか?でも小樽商科大学出身でしょ?

神田:ほんとはね、北大の法学部に行きたかったんですよ。ちょっと共通一次の関係で・・・。(北大は)780点が合格ラインで、僕は740点ぐらいで。二次試験で絶対リカバリーはできるんだけれども、親が「お前は浪人したらロクでもない人間になるから」って言うんで二期校の小樽商科大。でも本当は北大に行きたかったの。挫折の繰り返しだったんです。

辰巳:仕方ないですよ、そん時はそん時で何が正解かわかんないし。でも就職はサントリーに入った。

神田:普通ならニッカウィスキー(余市)とかサッポロビール、ですよね。

辰巳:でしょ?サントリーに普通行かないでしょ?

神田:僕らの当時はサントリーは人気企業第4位だったんですよ。2つ後輩の時代はトップだったんです。北海道からの入社は毎年1人か2人。

辰巳:なかなか狭き門だったんですね。それに対してファイトが湧いたとか?

神田:試験の時は徹底的に思ってること言って、飾らすに。だって入れるなんて思ってませんでしたから。そしたら当時の人事の方々が「コイツ面白いな」ってなって。地方は”ちょっと変わったやつ”を採る。それでなんとか引っかかって・・・。最終面接の時に「あなたの特技はなんですか?」って聞かれて「コントが得意なんですよー」って言っちゃったんです笑。間違いなく「やれっ!」って言われるじゃないですか?「コントやります、今度やります」って言ったところで「あ、これでハズしたな」と思いました爆。

辰巳:いや、ベーやんより面白いですよ笑。

ベーやん:なんてこというんですかっ!?笑笑

辰巳:でもね、サントリーってそういう会社ですよね、大阪系。

辰巳:ちょっと時間もなくなってきましたので、ここでリクエスト曲を。何でしょ?

神田:はい、私が尊敬する、そして「ザ・プレミアムモルツ」の宣伝をしていただいた矢沢永吉さん!もうね、昔から好きなんですけど。その中でも「逃亡者」。これはいいですね。

辰巳:では、どうぞ!

逃亡者

神田:在職中にやりたいこととして「日本ワイン葡萄の父、川上善兵衛をいかにアピールして、日本ワインをどう盛り上げるか?」。”マスカット・ベーリーA=川上善兵衛”をやるために『NHKの朝ドラにする!』何年後かはわからないけれど、これを私のワイフワークにしようかなと思って。130年の歴史を受け継いだ集大成を。川上善兵衛のお膝元としての”日本ワイン”の使命があるんで。在職中にどれだけできるかわかりませんが、ぜひご協力いただければ!

辰巳:そうなったら(朝ドラ化されたら)もちろん出ることになると思いますから爆。

神田:善兵衛は辰巳さんに決まってます⁉︎

辰巳:晩年は私で大丈夫ですけどね、若い頃はまた別の人にやってもらわなきゃ笑。

神田:辰巳さん生きてる間に何とか・・・笑笑。

辰巳:でもね、”川上善兵衛”さんって名前は、きちんと日本人の基礎教養として、日本ワインファンだけじゃなく、ワインを飲む人であれば”みんな知ってる”べきだと思います。それぐらいのことをやった人。
メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワールが最高で、マスカット・ベーリーAは一段落ちるっていう人もいるんですよ。でもワインってのは嗜好品だし、いろいろ意見が違うわけであって。それとこのマスカット・ベーリーAをいかに浸透させるかっていうところにはやっぱり料理も大事なんですよ。料理に合わせてみると、ピノ、カベルネ、メルローよりベーリーAの方が和食には断然合う!っということをもっともっと皆さんに実体験していただいた上で広まればいいなぁと思ってます。井村シェフの責任も重いです(圧)。

井村:はい、もっと勉強しないとと思いますね。これまでフランスワインとかばっかり勉強してたんでね。

辰巳:最近はワインの教科書(ソムリエ試験用のテキスト)も変わってきましたしね。今は「日本ワイン」がトップに載ってます(それまではフランスを筆頭にヨーロッパのワインが主体でした)。時代は変わりつつあって、すごく面白い時期に岩の原葡萄園の社長になられて今引っ張っていらっしゃいます、神田和明社長。今月はありがとうございました!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2020年9月24日放送分

ワイナリー

岩の原葡萄園
https://www.iwanohara.sgn.ne.jp

収録会場

★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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