「シャトー・メルシャン」2021年事業計画

2021年5月18日、「シャトー・メルシャン」の事業計画が発表されました。今年1月には同社(メルシャングループ全体)の発表がありましたが、今回は「シャトー・メルシャン」に特化した事業計画です。

【日本を世界の銘醸地に】
「シャトー・メルシャン」のビジョンでもあります。これには当社だけではダメで、他のワイナリーさん、農家さん、売っていただく、飲んでいただく方々すべてと成長していかないと。みんなに「いいね!」と言っていただかないと。
(マーケティング部長 山口明彦氏)

【新商品の紹介】
「シャトー・メルシャン」から欧州系品種より3品、日本固有品(甲州)より2品の新商品が発売されます。以下、安蔵光弘ゼネラル・マネージャーの発言を元に順番にご紹介します。

★「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード」シリーズ
シャトー・メルシャンではすでに名を馳せている銘醸地”桔梗ヶ原”。奈良井川と田川に挟まれた、ボルドーで言うところの「アントル=ドゥー=メール」ですが、右の田川のすぐ東側が「片丘地区」です。桔梗ヶ原よりも若干標高が高く(750m~805m)土壌も砂利が多くてとても水はけがいい。「これなら桔梗ヶ原と差別化したメルローができるんじゃないか?」と思ったそう。実際、ファーストヴィンテージは桔梗ヶ原よりも”果実味のはっきりした印象があったそうです。現在は桔梗ヶ原もそうですが、メルローの他にカベルネ・フランの圃場も増やしていて、今後はメルロー単一品種ではなく、カベルネ・フランとブレンドしたワインも展開していきたい、とのことです。2019のファーストヴィンテージは3種類の「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤードシリーズ 」を発売します。

シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー&カベルネ・フラン 樽選抜 2019
メルローとカベルネ・フランを同時期に収穫して混ぜて仕込んでいます。
2021年9月下旬・ワイナリーおよびキリンオンラインショップ「DRINX」限定発売 オープン価格

シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード メルロー 樽選抜 2019
片丘地区のメルロー100%で仕込んでいます。
2021年9月下旬・ワイナリーおよびキリンオンラインショップ「DRINX」限定発売 オープン価格

シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード 2019
別々に仕込んだ片丘のメルローとカベルネ・フランをバランスよくブレンドしています。
2021年9月下旬・ワイナリーおよびキリンオンラインショップ「DRINX」限定発売 オープン価格

★「シャトー・メルシャン 岩出甲州 オルトゥム 2020」
『アイコン』シリーズについに「甲州」が仲間入り。ラベルの左側に金色で描かれたラテン語が目印です。同社最高峰のこのシリーズはこれまで「Ortus(勝沼・城の平のボルドーブレンド)」、「Signature(桔梗ヶ原のメルロー)」、「Omnis (椀子のボルドーブレンド)」、「Rivarlis(長野県北信左岸・右岸のシャルドネ)」「Trilogy(瓶内二次発酵によるスパークリングワイン)」がありますが、いずれもフランス原産品種。今回満を持して”日本固有品種、山梨の甲州”を使った『アイコン』が誕生します。今や定番となった「きいろ香」、この”きいろの香り”誕生のきっかけとなったのが岩出地区の上野園です。「Ortum」という名前はここのオーナーで同社元ゼネラル・マネージャーの上野昇さんをリスペクトしたラテン語で、”上昇”の意味。安蔵さんが名付けたそうです。

2021年9月下旬 ワイナリーおよびキリンオンラインショップ「DRINKS」限定発売 オープン価格

★「シャトー・メルシャン 鶴岡甲州 2020」
山形ではずいぶん前から甲州は作られていて、山梨とは違う”酸のしっかりした”ブドウができる、と認識していたそう。山梨より粒は小さくは果皮は(山梨のよりは)赤いんだそうです。サイドレスという雨よけ(ビニールハウスの、”屋根はついているが壁はない”ニュアンス)を施している樹齢30~40年の畑から収穫されます。シャトー・メルシャンとしては40年以上ぶりの新たな産地のブドウから作る甲州ワインだそうです。

2021年6月1日以降ワイナリーのみの限定発売 オープン価格

 未知の領域へ手を出すにリスクは伴うもので(時には命を落としたり)。食に関してはコーヒーやフグを最初に食した先人たちは単純に”スゲ~!”っと思います。日本ワインの歴史もまた然り。飲んでも死にはしないものの最初から美味しいワインではなかったと思うし、戦争を挟んだりして”美味しい”以前に”武器”になった時代もありました。このコロナ禍でのタイミングの発表も含めどんな時代にも”果敢”は必要なことなんだとあらためて思った次第、この時代に立ち会えてラッキー!とさえ思います。今回私はオンラインでの参加でしたが(リアル会見では試飲できた模様)実飲が楽しみです!(小山田貴子)

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