プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年7月31日OA

2025年7月のゲストは青森県むつ市の(有)サンマモルワイナリー代表取締役社長、北村良久さんです。
今回は北村さんイチオシのメルローで乾杯!下北半島の大自然ならではの動物の出没に四苦八苦。ジビエともいうその動物を食す会を企て盛り上がった最終回!(全5回 5回目)

辰巳:今月は5週あったんでたくさんお話聞けて嬉しかったですが、今回が最後になりました。下北半島からはるばるお越しくださいました「サンマモルワイナリー」の北村良久社長です。そしていつも通り井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:今月のワインは白・白・白・ロゼときてようやく赤。ここのアイテムはすごく多いんですよね。

北村:30以上はあります。

辰巳:この赤ワインはメルロー。今日はこれで乾杯したいと思います。

全員:カンパ〜イ🎶


【サンマモルワイナリーメルロ2021】
https://www.isego.shop/shopdetail/000000006170/(←参考サイト)

辰巳:北村さんのイチオシですね。

井村:シンプルに美味しい♡バランスが整ってる。

辰巳:骨格もしっかりしてて「どこのワイン?」っと思ってしまうタイプですね。樹齢はだいぶ経ってます?

北村:そうですね、もう初期の頃からですから26〜7年になります。生産本数はそんなにないアイテムです。

辰巳:メルローがお好きとは聞いてたんですけど、今人気のピノ・ノワールのもっとも広い畑をお持ちのワイナリーとしても知られてる。でも今月はそのピノ・ノワールが1つも出てこなかったという笑。なぜに?

北村:ちょっと新しいものを紹介したかったのと、(前週の)ロゼが人気ありますんで試していただきたかった。ピノはうちの看板ですんで他にも飲んでいただく機会はあると思うので、今回は・・・。

辰巳:なるほど。今さらピノはいいだろうと?笑。かつ、同じく主力商品のスチューベンも外してるんすよ笑。そこら辺が大阪人というか笑。今月は3人とも大阪人、大阪弁でお送りしています。

辰巳:こないだ久しぶりに(ワイナリー)行きましたけど、シェフ行ったことあります?

井村:ないですねぇ。

辰巳:なかなかいいですよ。本州最果てのむつ市。その間に北方の司令塔、海軍の基地があって。

北村:北の衛りですね。

辰巳:その上に恐山という聖地もあって、(マグロで有名な)大間、その先に函館。。。そこを回るツアーしましょう!

北村:是非ともお願いします!

辰巳:そこにワイナリーがあることによって、いろいろ結びつけられるんじゃないかと思いますんで。近いうちに。

北村:よろしくお願いします!

辰巳:さて今日のお料理は?


【埼玉県産香り豚ロース肉のスービッド じゃが芋とあんずのグランメール】

井村:埼玉の香り豚というブランド豚とアンズを一緒にソテーして、グランメール風(おばぁちゃん風)に。今日はワインを意識してフランボワーズビネガーを落として、ほんのり後から効いてくるようにと調整してみました。

辰巳:なるほど、柔らかい豚です。

井村:これは低温調理、65度で2時間ぐらい焼いてます。

北村:すごく美味しいです、アンズともよく合って。フランボワーズビネガーの酸味とメルローがすごく合う気がします。

辰巳:そういえば久しぶりにこのメルローいただいた気がします。今全国のワイナリーは500軒以上になってて、至る所でメルロー造ってますが、メルロー以外でなにかフックになるようなワインがあるといいなという感じはしてて。

北村:今北海道では一部始めてるようですけど、当時は商業ベースでやってるメルローは恐らく北限で熟度がぜんぜん来なかった。
でも近年の温暖化でようやくメルローの適地になりつつあるんで、ちょっと早く植えすぎたのかなぁと思います。

辰巳:早く植えすぎて、いろいろ苦労あったんですか?

北村:下北半島って大自然ですので、予想以上の被害を被るんです。例えばスズメバチとか、出るとなったらもうオカルトの世界。
垣根があったとして、そこでカーン!と(鐘?)鳴らしたらブワァァァっと。でも刺さないんですよ、一生懸命ブドウ食べてますから。
キイロスズメバチっていうのの食害はトン単位です。

辰巳:熊も?(前回そういう話になりました)

北村:熊もトン単位。うさぎも危ないです。新芽を雪解けのタイミングでずーーーっと食ぅていくんです。それがいちばん樹に対する被害が大きいですね。

辰巳:スズメバチは甘いものが好きなんですね。

北村:ほんっとに映画の世界ですよ、あんな数見たことない。異常発生ですね。だから今は事前に女王蜂をトラップにかけて獲るんです。そうじゃないと物凄く増えるから。他はアナグマもいればタヌキもいますし。幸いなことに猪と鹿はいませんけど。
日本カモシカはまだ覚えてないのか、ブドウの葉っぱは食べないですね。猿は北限で天然記念物なんですけどまだ来てないです。でもムチャクチャ用心はしてます。

辰巳:賢いから来たら大変ですね。電柵は?

北村:若干入れました。ただ(動物たちに)覚えられるんじゃないかなぁ。ゴルフ場には全部電柵入れてるんですけど、猪にはすぐに慣れられましたし。踏み倒して入ってきます。そうなるとほぼ効果ない。

辰巳:どうすんですか?

北村:猟友会のみなさんにお願いして罠の設置、猿はモンキードッグを行政にお願いするしか方法がないです。

辰巳:北村さんも鉄砲打つの似合いそう。

北村:実はこないだ狩猟免許取りに行ったんですよ、勉強して。でも鉄砲を持つという段階になったらやっぱり気をつけなきゃ。
僕お酒好きですから。実際飲んでる時関係のないところで触って暴発したりとかいう事故があったりするんです。
だからそういうの向いてない、やめよ!思うて。

辰巳:基本的に真面目なんですね笑。

北村:真面目なんですよ。

辰巳:真面目な大阪のお坊ちゃん笑。

北村:近くで穴熊獲れたから、雉獲れたから食べるか?言われるんですけど、そこにはまだ行けてないんです。

辰巳:そういう会やりましょうよ、下北半島のジビエの会。

井村:ジビエ!

北村:是非!お願いします。やっぱ熊ですよね。

井村:熊美味しいですよね♡

辰巳:春先が一番美味しいっていいますよね?

北村:うまく獲れればいいですけどね。

辰巳:ここで軽いを約束したというところで笑、リクエスト曲を。7月最後のリクエスト曲はやっぱり、

北村:ボブ・マーリーを。(←今月コンプリートです)最後は「One Love」で。

辰巳:今月は毎回レゲェ聴いてますけど、ほとんど区別がつかないっ💦題名もわかって聴いてるんですか?

北村:もちろんですっ!

辰巳」:では心して聴いてみたいと思います。


Bob Marley「One Love」
https://www.youtube.com/watch?v=nULDDv-pHFI&list=RDnULDDv-pHFI&start_radio=1

辰巳:もう最後になりますが、この、ワインの世界に入ってよかったですか?

北村:やっぱり自分はワイン好きだ、ということもありますし、始めた当初はフランスワインだとかカリフォルニアワインがある中で
「どこまでいけるのかな〜」っていうのがありましたけど、最近は”日本ワインの良さ”を感じまして。他社さんのワインを飲んで非常に素晴らしいと勉強さしていただきました。”日本の国の微生物の文化”が物凄く影響してくるんだなと、他の国にはない微生物を日本は生み出してくれてる。

辰巳:それは土壌の微生物じゃなしに発酵のほうの?

北村:そうです、天然発酵の方。

辰巳:今は切り替わってる?

北村:はい、全部じゃないですがどんどん切り替わってます。やはり製造本数も多いですから管理するのが大変ですので、徐々に天然酵母に切り替えて亜硫酸量も徐々に減らしていこうと。

辰巳:このメルローもそうですか?

北村:いや、これはまだ。

辰巳:このワインはどれぐらい造ってるんですか?

北村:2500本ぐらい。

辰巳:ここ20年やってこられてようやくわかったこともあるんでしょうし?

北村:自分たちがこれから皆さんに”美味しい!”っていうワインをようやく造れるようになってきたかなと。「造ってきた」んじゃなく「ようやくこれからがスタート」なんで。

辰巳:ブドウの樹齢もね、1998年からですから27年?ブドウも成人してきましたね。

北村:(畑には)雑草も残した方がいいのかとか化学肥料を使った方がいいのかだとか(あるいは逆なのか?)、、、もういろんなこと試してきて、ようやく「自分たちの地域ではこれがいい!」ってのがわかってきたような感じです。

辰巳:これからですね。日本ワインってまだまだポテンシャルがあると思いますしもっともっと売れればいいんですけど、、、そこら辺はむつかしい。絞ったら今度は米騒動みたいになる可能性はなくない。

北村:北海道の余市、長野とか、やはり地域で持ってるポテンシャルでブランドができるのと違って、私らは”大自然の一軒家”みたいなところで造ってますし地域に仲間もいませんのでー。そういう意味では自分たちだけで市場を開拓していかなくちゃいけない。

辰巳:どうなんですか、”産地”にするにはある程度ワイナリーがあった方がいいじゃないですか?

北村:ゼッタイそうです。

辰巳:(新潟の)カーブ・ドッチの越智さんは今は余市に行っちゃいましたけど、当時は新潟でワイン経営塾みたいなのを開いて後輩を育てて「新潟ワインコースト」という産地になりましたけど。そういう構想はないんですか?

北村:ワイン造りや栽培を教えるのは、うちにも技術担当がいるのでできますけど。じゃぁワイナリーを経営できるかどうか?、のノウハウを教えられるのかどうかは非常にハードルが高くて、「こうしなさい!」とかそこまで責任持って言える実力はないですね。

辰巳:日本全国のワイナリーツアーをやるんですけど、惜しいのは下北ワイン(サンマモルワイナリー)入れると1日潰れる。
なのでなかなか行けないんですけど、そういえば日本酒の蔵もありましたっけ?

北村:1箇所だけ、関乃井酒造さんがあります。

辰巳:そういうわけでなかなかツアー作りづらいんですよ。なんかいいアイディアないですか〜?

北村:仲間増やしたいですね。日本ワインが好きで、いらした方が楽しめるような場所になるといいなぁと思います。

辰巳:チーズはやってらっしゃらない?

北村:(この地域で)やられてたんですけど、なかなか起動に乗らなくて皆さんお辞めになって。ヨーグルトは作られてるところはあるんですけど。乳牛をやられてるところも限定されてて非常に厳しい世界、、、うちは肉牛、短角種をやってます。

辰巳:そうか、下北も南部ですもんね。

北村:今100頭飼ってます。

辰巳:驚!どのあたりですか?

北村:ワイナリーのすぐ近く、2箇所に分けて飼ってます。年間25頭ぐらい出荷してます。

辰巳:屠(殺)場は?

北村:十和田の方にあります。肉の方もなかなかいいもんができてきたんで。

辰巳:ん、そっちも経営されてる?

北村:そうですそうです。「下北牛」って言ってうちの「下北ワイン」に合わせる牛やろうと。

辰巳:他には?なんかつつけばいろいろ出てきそう笑笑。野菜とか?

北村:笑、ぜんぜん話しちゃうんですがカレーやってるんですよ、レトルトカレー。凝ってしまって工場作って今やってるんすよ。

辰巳:短角牛も入ってる?

北村:はい。肉は予約販売で(お客さんのニーズで)欲しいポーション、例えばヒレとかはすぐ売れてしまうんですよ。
でも人気のない部位は余る。じゃぁカレー?自分とこのレストランでやってても間に合わないんでレトルトにしよう、で工場作って。

辰巳:美味しいんですか?(←って💦)今度カレー工場も見に行きたい。

北村:ぜひ来てください!

辰巳:ということでそろそろ時間が来てしまいました。なんか、(逆)参勤交代で夏場だけ青森にいらっしゃる奥様の話聞けなかったような気がします。今度は大阪で奥様にお会いしたいと思います。これからも期待しております。

全員:ありがとうございました!!!

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年7月31日放送回

ワイナリー

有限会社サンマモルワイナリー
https://www.sunmamoru.com

収録会場

エネコ東京
https://eneko.tokyo/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム