プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年7月24日OA

2025年7月のゲストは青森県むつ市の(有)サンマモルワイナリー代表取締役社長、北村良久さんです。
まずは色鮮やかなロゼワインで乾杯!本州最果ての地にワイナリーができたのは父上の思いつき?奥様とはどこで知り合った?
後継は誰?・・・今回も盛りだくさんです!(全5回 4回目)

辰巳:7月4回目のお客様は、青森県の下北半島からはるばるお越しくださいました「サンマモルワイナリー」の北村良久社長です。そしていつも通り井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:東京まで5時間?

北村:そうですね、それぐらいはかかります。今回は飛行機で来ましたけど、三沢から飛んで、残念なことに遅れまして、着いたら今度は電車が止まってて笑。

辰巳:ワイナリーから三沢空港まで2時間、でも空港からの東京便って少ないでしょう?

北村:日に2〜3便です。でも新幹線より飛行機の方がリーズナブルです。今早割とかありますんで。

辰巳:僕らはシニア割ですけど笑。シニア割は当日しか買えないんですけど半額!

北村:そりゃすごいですね。

辰巳:こりゃ空いてたらシニア割!まぁ(北村さんは)あと5年ぐらいですね。(←Over 65歳ってことのようです)
まずは乾杯しましょう、今日はロゼワインです。

全員:カンパ〜イ🎶


【下北ワインKanonRose 2024】
https://www.sunmamoru.com/shopdetail/000000000586/ct7/page1/order/

辰巳:あれ、なんだこれは!?すごい甘い香り。でも決して甘口ではないんですけど。

井村:いろもキレ〜イなピンク色で、ほんのりバラの香りもするような、あとはベリー系の香りとかいろんな香りが混ざり合っててすごい美味しい。

北村:前回までに飲んでもらったライヘンシュタイナーとシュロンブルガーに、「北の夢」というハイブリット品種を入れました。
「北の夢」はヤマブドウ(サンカクヅル)にピノ・ノワールが掛け合わさってます。

辰巳:志村(富男)先生の品種ですよね。色的にはセニエっぽいんですけど?

北村:セニエではなくて、北の夢はほぼ色付けだけで、主体はライヘンシュタイナー(&シュロンブルガーが47%ずつで同率)。

井村:いやぁ美味しいす。お料理はお魚料理にしました。メインは300度ぐらいで一瞬で焼いてる真鯛です。そうすると中にジュースが残ってくれて旨みが閉じ込められるんで。
少し日本酒で味付けして高温で。プロヴァンスの郷土料理でバイヤルディってのがあって、パプリカとかズッキーニとかナスとかのプロヴァンスの野菜をグラタン皿で重ね焼きにしてあるんですけど、それをアレンジしたものです。


【香草風味の真鯛の瞬間焼き 夏野菜のバイヤルディ添え】

辰巳:こういうお料理を食べながら飲みますと、ワインに旨みが増す気がします。このお料理の上のグリーンは?

井村:香草パン粉で、この中には香草をいろいろ入れてます。

北村:美味しいです♡これから下の野菜も一緒に食べてみます。

辰巳:ソースがオレンジ系だからロゼとはどうかなと思ったんですけど、お料理に酸味もあるし非常にうまくまとまってますね。
このワインはおいくらですか?

北村:・・・ちょっとお待ちください。えーと(←手元の資料調べ中)、2355円です汗。

辰巳:このワイナリーアイテム数がすごく多くてですね、30種類以上?それは覚えきれないですよね笑。

北村:すいません💦

辰巳:ラベルはカノンちゃん(←北村さんの姪っ子)なんですけど、いつもの白いエチケットとはちょっと違うんですか?

北村:そうです。これは(カノンちゃんが)成長した20歳ぐらいの時のラベル。

辰巳:へぇぇ。で、今カノンちゃんはどうされてるんですか?

北村:今は大阪で不動産屋やってますね笑。(ラベルになったモデルの、自身の子供さんと甥姪)みんなそれぞれ働いてます。

辰巳:ワイナリーを継ごうという人は?

北村:ん、まぁ息子にどうかなぁと。大学卒業したあとナパヴァレーに行ってまして、そこのカレッジで栽培と醸造の勉強して卒業して。その後オーストラリアのアデレードの学校に留学、っというところでコロナで行けなくなりまして。
そんなこと言ってるうちに”彼女とできちゃった婚”になっちゃいまして、結婚して子供も2人産まれましてー。はい、ワタシの孫です。その息子には今うちの関連会社の乳酸菌製造メーカーの社長やらせてます。

辰巳:じゃ、ワイナリー継がないかもしれない?

北村:そうですねぇ、お酒が弱いんですよねー。うちの家内がお酒が飲めなくて、その血を引いたみたいなので。努力して飲んではいるんですけど、ちょっと苦手なようです。

辰巳:じゃぁ(継ぐのは)お嬢さんの方?

北村:娘はけっこう飲む方だとは思うし、ワインにも興味はあると思うんですけど、青森にはあんまり来たくない(らしい)。。。

辰巳:でも大阪から飛行機だと三沢空港まで1時間ちょっとでしょ?そんなに遠くはない(、ような)。

北村:ま、本人がどう思ってるかわかりませんが汗。

辰巳:ワイン造りの方は、長野の塩尻志学館高校卒業の寺沢(文也)くんがやってるんですよね?最初はどなたがやってらしたんですか?

北村:その寺沢が醸造の専門学校卒業して生え抜きでいますね。あともう一人いたんですけどその人は退職して。
今はその寺沢の後輩の女性が来てくれてまして、2人体制。

辰巳:その後輩も長野の人?

北村:いや、彼女は学校は東京で仙台出身かな?今うちの2つの工場ではどちらも男1女1で稼働してます。

辰巳:そんな時代になりましたね。なかなか楽しみです。ではここでリクエスト曲を。またまたまたまたボブ・マーリーですか?

北村:はいそうです!「スリーリトルバーズ」、お願いします。


Bob Marley&The Wailer「Three Little Birds」(1977年)
https://www.youtube.com/watch?v=HNBCVM4KbUM&list=RDHNBCVM4KbUM&start_radio=1

辰巳:このボブ・マーリーは今でも普通に聴いてるんですか?

北村:そうですね、まぁ気が向けば笑。なんか懐かしいなぁと思って聴いたりします。

辰巳:で、今もサーフィンされてて、最近怪我したとか?

北村:そうなんですよ。インドネシアのロンボク島のポイントで、ナメて入ったら怪我しました。筋肉を包んでる潤滑する膜があるんですけど、そこを怪我したようで、最初は手もぜんぜん上がらずレントゲン撮ったらそこが真っ白になってて。手術はしなくて済んだんですけど。

辰巳:じゃぁしばらくサーフィンはやってないんですね?

北村:いやいやもう復活しました笑笑。

辰巳:例えば海外遠征とかは奥さんとご一緒に?

北村:それはサーフィン仲間と。毎年冬はあっちこっち行くんですけど、それで今年ロンボクで怪我笑、去年はスリランカだったんですが、それは奥さんと行きました。

辰巳:あれ、奥さんとはまだお会いしてない気がするんですけど?一緒に住んでるんでしょ?笑。まさか大阪にいるとか?

北村:冬は大阪にいてて、今月(6月)に下北に来て11月に大阪に帰る笑笑。

辰巳:なんですかそれ!?参勤交代、ぁ、逆か笑笑。

北村:避暑地として笑。

辰巳:普段は何されてるんですか?

北村:うちの家内は・・・今は何してるかな、受験か。ファイナンシャルプランナーをボケ防止で。

辰巳:付き合いは長いんですか?

北村:イギリスに留学してる時に知り合って、

辰巳:カッコえぇな〜、そのサーフィンしてる時?

北村:僕はサーフィンしてましたけど、彼女はアーティスト思考でした。けど向こうで出会ってそのまま結婚したもんですから彼女は専業主婦になりまして。
だから最近はそのファイナンシャルプランナーの勉強や、元々はバレリーナでしたので身体能力ある驚。だからキックボクシング驚驚。

辰巳:夫婦喧嘩したら怖いですよね笑笑。

北村:娘もやってますんで家ではあまりエラそうなことは言えない、ボコボコやられてしまいますんで笑笑。

辰巳:向こうで知り合って一目惚れ?

北村:というか成り行きといいうか、とりあえず僕の方から「結婚してくれ」とは言いましたけど笑。その頃一緒にアムステルダムに旅行に行ったんです。
そこで「店の全部がポストカード」っていう店に寄った時、「じゃぁ好きなカード3枚選ぼう」ってことになって選んだら、ぜんぜん別々に選んでたのに、最終的に3枚とも一緒やったんですよ。その瞬間「これは結婚するな」と思ったんです。

辰巳:おぉぉぉ、えぇ話や!今もそのハガキあります?そのハガキの写真(風景)どことどことどこやったんですか?

北村:ぜんぜん覚えてないけど、その壁一面ポストカード貼ってあったのに選んだ3枚が全部一緒。

辰巳:それありえへんでしょ?

北村:ですです。(彼女は僕の)後ろでずっと選んどったから、もしかしてハメられたんですかね爆。今気づいた。

辰巳:あらぁ、そっち?笑笑。もう還暦になったし、そろそろ聞いてみてもいいんじゃないですかー?

北村:帰って聞いてみますー。そん時は「あれ、一緒や〜」ってなったんですけど、向こうは「シメシメ」って思ってたのかも。

辰巳:おいくつですか?

北村:僕より5つぐらい下かな。(←北村さんはこの6月で還暦です)

辰巳:若いですね。

辰巳:日本のメーカーで売り上げトップになって2年間の海外生活(←正式には1年半)経て、帰る時には嫁さんを連れて来たと?

北村:そういうことです。

辰巳:すごい順風満帆のような気もしますが。でもそれから体を壊して?

北村:その頃は激務でしたから。

辰巳:お父さんの会社に入ってガンガン仕事されてて?

北村:そうです。もう結婚はしてましたが、休みもなく。で、調子悪くなって、、、っというより「もうギブアップ」状態だったんですよね。今思えばそれも運命で、こういう好きなワインのこともできるようになったし、海が近くてサーフィンもできますし、幸せな人生になったようです。

辰巳:お父さんは、今の場所でゴルフ場計画が頓挫して、でもワインが好きだったからワイナリーということになったんですよね。その時は陣頭指揮を?

北村:いやぜんぜん。元々のゴルフ場が頓挫した時うちは誘致企業でしたから。川内町の町長がいて「リゾート施設は頓挫したけど、他になにかせいよ」。「地域の雇用と経済のために北村さん何かやってくれ」と言われとったんですよ。
そしたらうちの親父はたまたまフランスのワインやってるテレビ番組を見てまして、その内容が『ブドウ畑は痩せた土地がいい』と。
わかった瞬間「川内の土地は痩せとるな」と笑。川内の町長に電話して「川内の土地痩せてるんちゃうんか?」「痩せてる痩せてる、米も取れんねん」「ほんならワインがえぇんちゃうか?」「やろやろっ!」その発想で始まったんです。
調査してここがワイン(用ブドウ栽培に)向いてる土地とかそんなのちゃうかって、単なる思いつきやったんすよ。

辰巳:それが1997年?

北村:そうです。そのころはまだ体調崩す前だったので、様子見には行ってましたけどまだワイン事業には。その時は会社の青森のホテルとかゴルフ場とかの役員がブドウの栽培の担当もやってました。コンサルティングはほとんど(元マンズワインの)志村先生にお願いしてまして、僕はその結果を見に来てるだけでしたね。

辰巳:時々ワイナリー見に行って、サーフィンやって。

北村:そんな感じでした。

辰巳:まだ日本ワインがそんなに広まってない頃。

北村:当時は「日本でワインを造るんやったら、『カリフォルニアワイン』とかのインポーターやった方がいいんちゃう?」、っていうニュアンスだったんです。

辰巳:日本にちょうど赤ワインブームとかが来た頃ですよね。

北村:で、(うちで造ったワインを最初に)飲んでみたら正直なところ「これ1000円で売れるんかな?」。と思いましたけど、この先樹齢を重ねて10年経ったら美味しくなるかも、とも。最終的には最近の2019年のグレートヴィンテージの時に「これは美味しいワインが造れる!」と思いました。

辰巳:美味しいワインができるのには時間がかかるんですよね。ワイナリーできて10年、ブドウ植えて20年経ってからなんですねぇ。
いろいろ苦労しはったと思いますけど、気がついたら還暦になってしまってこれからどうするのかなと考えます?

北村:ワイン造りももちろんですけど、あの地域、牛も育ててるんです。だからもっともっと農業に特化してやっていきたい、総合的な農業経営をしていきたいですね。

辰巳:夢はだんだん広がっていきますね。
かなり時間かけて深掘りして来週あと1回です。北村さんの人生がだんだんわかってきて、波乱万丈でありながらなかなか恵まれてるとも思います。奥さんとの出逢いも然り。来週もよろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年7月24日放送回

ワイナリー

有限会社サンマモルワイナリー
https://www.sunmamoru.com

収録会場

エネコ東京
https://eneko.tokyo/

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