プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年6月12日OA

2025年6月のゲストは長野県小諸市の(株)テールドシエル代表取締役池田岳雄さんです。
「標高950mでブドウ作るのは長野でパイナップル作るようなもの」と県の農政部に言われましたが、、、。
今回は、その畑でできたソーヴィニョン・ブランで乾杯!(全4回 2回目)

辰巳:6月2回目の放送になります。今月のお客様は長野県小諸市の人気ワイナリー「テールドシエル」代表池田岳雄さんです。
そしてプリオホールディングス総料理長井村貢シェフです。今日の収録も「エネコ東京」で行っております。

辰巳:まずは乾杯しましょう。今日のテールドシエルのワインはなんでしょうか?

池田:ソーヴィニョン・ブランの「アンベトン」の2023年です。

辰巳:アンベトンってなんですか?

池田:”コンクリートタンク”での熟成の意味です。卵形のコンクリートタンクで熟成させてます。
対流することで樽と違うコクの深さっていうのがあるんじゃないかなっていうことで導入しました。

辰巳:かなりあるんですか?

池田:コンクリートタンクは今2機です。

辰巳:ソーヴィニョン・ブランもこのコンクリートタンクのものとステンレスのものがあるっていうことですか?

池田:そうです。これからお飲みいただくのはエッグ型のコンクリートタンクのものです。

辰巳:だいぶ違うんですか?

池田:そうですね。(エッグ型の方が)酸味や渋みはしっかりしてるのに飲んだ時はまろやかなんです。

辰巳:ではいただいましょう!

全員:カンパ〜イ


【ソーヴィニョンブラン アンベトン 2023】
https://cercle-store.jp/?pid=184235065&srsltid=AfmBOopq1XBIGyEUVr4bu0WmPDLur6DLFpP5afEcmqXkEqIdxb-5Tm1e(←参考サイト)

井村:今日のお料理にもオレンジの皮を使ってるんですけど、このワインを最初に飲んだ時に’ドライな感じ’と’オレンジの皮を切ったときの香り’がしたっていう印象です。

辰巳:独特の甘い香りがとても魅力的です。前回ワイナリーに伺った時には貴腐の付いたワインがありましたよね?

池田:その時はソーヴィニョンを収穫して頂きましたよね。でもこの2023年は貴腐が付かなかったんで、この年の貴腐(ワイン)はないです。

辰巳:別にわざと貴腐を付かせてるわけではないんですもんね、年によって。

池田:そうですそうです。

辰巳:これがソーヴィニョン・ブランかって言われてもそこまで”青っぽい”という感じはしない。どっちかというと”丸っぽい柑橘”。
美味しいです♡シェフ、今日のお料理は?


【鶏むね肉のサラダ仕立て オレンジ風味のレバーペースト添え】

井村:はい、今日は鶏の胸肉を柔らかく低温調理しました。見た目はカルパッチョでその上にサラダが乗ってる、みたいな。
サラダのほうは鶏のレバーをペーストにしたコクのあるドレッシングにしてあります。

全員:頂きます!!!

辰巳:ちょっとレバーの香りがします。白ワインにレバーはあんまり合わせない気がしますが?

井村:ソテーした’現物(固形?)’のレバーって白にはなかなか合わせることないと思うんですけど、こちらは最初にレバーペーストを作ってそれを裏漉ししてソースにしました。ニンニクやらハーブやらの香りもありますから、一緒にワインと合わせてもらえれば。

辰巳:確かにニンニクの香りともマッチする、なんか不思議ですね〜。

池田:これまでのソーヴィニョン・ブランの”果実味がある”ものとは違う、まろやかなワインには合うと思います。

辰巳:今ドメーヌものとしては何種類ぐらい?

池田:年によって違うんですが、2023年は赤白合わせて8種類。

辰巳:白はシャルドネとソーヴィニョン?

池田:あとはピノ・グリもあります。赤はピノ・ノワール、シラー・・・。2017年に、少量ですけどソーヴィニョン・ブランのファーストヴィンテージの時にアルカンヴィーニュさんに委託醸造しました。これまで県の農政部が「標高950mでブドウ育てるのは、長野県でパイナップル育てるようなもんだ。どうせまた荒廃地になるからやめろ!他の野菜作ったらどうだ?」と。でも私としてはワイナリーのネーミング(テールドシエル)通り、下に雲海があって常に南西の風が巻いている。ブドウに水分ストレスを与えるためにわざわざ急勾配を利用して下に根をしっかり張らせることでブドウの熟し方が変わってくると思ったんです。

辰巳:寒いところでしょう?

池田:そうです。氷点下10度以下年間になることが年間10日ぐらいあります。
世間は1年間12ヶ月のところ、私どもは13ヶ月(と考えてます)。というのは、他の地域ではやってない作業が冬の間にあるんです。
幼い1〜2年ものの若い樹には凍害防止のために藁を巻くんですね。だから私たちの合言葉は「クリスマスまでには藁巻終わらせよう〜!」。
これが約半月。次は3月。今度は藁を外す作業が半月ぐらいかかります。なので約1ヶ月ぐらい余計に手間暇かけてます。
寒暖差の激しい畑のそのソーヴィニョン・ブランがファーストヴィンテージだったんですけど、衝撃的なデビューになりました。

辰巳:そう、ほんとに果実味がしっかりとしてる。これはどこで誰が驚いたんですか?

池田:ワインラヴァーの中で、特にソーヴィニョン・ブランを愛している方々の会があるらしく。認定されてるかどうかはわからないんですけど笑。

辰巳:認定は別に必要ないとは思いますけど笑。

池田:そしたらこのワインが「すごい美味しい♡」ってことになって、SNSで「長野の標高の高いところのソーヴィニョンは素晴らしいよ」と評判になったんです。

辰巳:そういうある程度影響のあるインフルエンサーがいたんですね。

池田:はい、信州大学の特任教授やってる鹿取みゆきさんです。

辰巳:なんだ、誰かと思ったら鹿取さん笑。
彼女も当初は「こんな高地で美味しいワインなんてできっこない」と思ってたわけですね?

池田:私「千曲川ワインアカデミー」の2期生で彼女の授業聞いたんですけど、その時いろいろ言われました。
「高地でやるからには凍害防止はしっかりやりなさい」云々、いろいろ言われて初めていいものが出来るとわかり。

辰巳:なるほど。いろんな人のアドバイス受けて勉強して。で、彼女(香取さん)に飲んでもらってアドバイス受けて?

池田:はい。私どもの圃場に来ていただいて、そこで培ったテロワールを見て感じていただければなと思って。

辰巳:いわゆる寒冷地のワインとは違うんですよね。

池田:そうです。

辰巳:ではここでリクエスト曲を聞きたいと思います。今日は何を?

池田:これも私の青春時代で申し訳ないんですけど、ダ・カーポの「野に咲く花のように」。

辰巳:これが青春時代?

池田:青春時代のちょっと後半になるかと笑。


ダ・カーポ「野に咲く花のように」(1988年)
https://www.youtube.com/watch?v=cSBRLGWtqm8&list=RDcSBRLGWtqm8&start_radio=1

辰巳:1988年の曲だったようで。っていうことは30代半ばぐらい?

池田:そうですね。子供が生まれた頃、この彼女の澄んだ歌声で「なんとか癒されたな」笑。

辰巳:お子さんは女の子2人でしたっけ?

池田:男・女・女。

辰巳:息子さんは今何を?

池田:佐久で塾をやってます。

辰巳:ワイナリーではお嬢さん2人にはお会いしましたもんね。下の方のお嬢さんのダンナさんが栞原(くわばら)さんというテールドシエルの醸造家ということで。今お孫さんは?

池田:7名。みんなでブドウの足踏みをしてます。

辰巳:一番上のお孫さんは?

池田:長女の息子が今大学3年生。今年の夏はその孫に会いに北海道に行きます。

辰巳:ってことは北大?

池田:はい、北大の理学部です。

辰巳:北大出身の醸造家も結構いるんですよ。(←この番組に出演してくださった方では長野県の「アルプス」社長の矢ヶ崎さん、埼玉県の「武蔵ワイナリー」福島さんが北大出身でした)

池田:あとは余市と仁木町のほうでワイナリー巡りを、と思ってます。かつてそこの役場の方々とか、生産者の皆さんが糠地ハウスに来ていただいたのでそのお礼も兼ねて。

辰巳:わざわざ北海道から長野まで見学に来る、ぐらいのワイナリーになってる。これはすごいことですよ。

池田:いやいやいや。

辰巳:さっきの醸造家の栞原一斗(かずと)さんの話ですけど、元々は(栃木の)ココ・ファームにいて、ブルース(・ガット・ラブ)と曽我貴彦という今や北海道を代表するヴィニュロンの後輩ですもんね。

池田:栞原はブルースさんと貴彦さんに育てられた。ですからそれを忠実に守って、今無濾過無清澄補糖補酸なし、「本質はブドウですよ」と今は社員にもそれを伝えているところです。

辰巳:なるほどね〜。また来週以降もお話伺いたいんですが、さっきの話。「野に咲く花のように」の時代はまだ起業前だったんですよね?
そのころは何をされてたんですか?

池田:ガス関連会社の役員をしておりました。その後新たな会社立ち上げる時、私が(当時の通産省の)窓口になって補助金もらう事務局になってて、結局もらえたんです。そしたら(新たな会社は)「オマエがやれ」と。それで23年間です。

辰巳:ちょうどお子さんが徐々に生まれる頃ですね。でもその前は何かやりたいことなかったんですか?

池田:「第一次オイルショック」が昭和49年にあって、就職難の始まりが昭和51年。もうその真っ只中。それからの数年間はほんと就職難でした。東京に就職するつもりでいたんですけど、「長男だから戻って来い」と言われ、、、。

辰巳:小諸で生まれ育って、大学は東京?

池田:そうです、明治大学。

辰巳:ワインも関係なく?何を勉強されてたんですか?

池田:商学部です。

辰巳:へぇぇぇ、でも東京には就職せずに?

池田:就職は決まってたんですけど(実家から)呼び戻された、長男だから。

辰巳:池田家自体は元々何をされてたんですか?

池田:父は公務員でした。でも「長男は地元に帰るべき」と言われ戻りました。

辰巳:へぇぇ。でもそのころはまだワイン飲んでないんでしょ?

池田:ないですね。あの頃は日本酒ビールでどんちゃん騒ぎでした。

辰巳:次回は「どうやってワインに入っていったか?」をじっくりと伺おうと思います。

全員:ありがとうございました!!!

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年6月12日放送回

ワイナリー

テールドシエルワイナリー
https://www.terredeciel.jp

収録会場

エネコ東京
https://eneko.tokyo/

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