プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年4月17日OA

辰巳:4月3回目、今月のお客様は山梨市牧丘からお越しいただいております「三養醸造株式会社」の代表、山田啓二さんです。
そしてプリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:まずは乾杯しましょう!これはオレンジワインかな?

全員:カンパ〜イ


【シャルドネコ・アンバー】
https://sanyowine.com/product/wh0003

辰巳:うん、わりとしっかりとした、でもキリっとしたシャルドネ。

山田:意外と美味しいですね笑笑。

井村:色もアンバーでキレイ♡。

辰巳:名前はシャルドネコ。

山田:これは雅恵ちゃんが始めに言い始めて・・・

辰巳:雅恵ちゃんって?奥さんですか?

山田:いえ、奥さんは紀子さん。知人の雅恵ちゃんが最初にシャルドネコって言い始めてその名前「いただきました!」。
以降うちの樽熟成のシャルドネはすべてシャルドネコという名前です。
普通の225Lの樽に入れちゃうと樽香が付きすぎるんで、じゃぁ500Lで、ってなると(量の塩梅はちょうどいいんですけど)2樽分になるので今度は美味しいワインにするバランスが取れないんです。
同じブランドのメーカーで同じサイズでも樽によって出来が違うし味が変わってくる。だったらその樽を3つ以上使って多様性、いろんなニュアンスを取り出してこのワインに付与したい。だったら225Lをいくつも使った方がバランスは取れるので。ただ、香りがつき過ぎちゃうんで
次のヴィンテージの同じ畑のブドウと一緒にした方が・・・。

辰巳:ふーーーん、なるほど。マルチヴィンテージというか、2種類のヴィンテージが入ってるっということ?

山田:はい。これは2022年と2023年。まぁオレンジワインが流行ってたってのもあるんですけど2023年は”思いっきりオレンジワイン”にしたんすよ。「わぁこんなにオレンジになるんだ?大丈夫かな?」ってくらい笑。

辰巳:亜硫酸使ってなかったから?

山田:そうです。こっちはそれでよかったんですけど、もう一つの、真っ当に造った樽熟成の方とブレンドした時にバランスが最初の頃はバラバラ。だから瓶熟成をしてからリリースしたんです。

辰巳:いいですね。最初温度がちょっと低かったんですけど、今香りが開いてきて香りがすごく出てきました。

井村:シャルドネって今本当にいろいろあるじゃないですか。それぞれが個性ある中でもこれは美味しい♡

辰巳:おいくら?

山田:3,300円税込です。

井村:お店で使いたいですね。

山田:これは2000本造ったんですけど、うちのワインは3000円超えるとそんなに売れないんで笑、在庫は2年は持つと思うんでゆっくりと笑。

辰巳:いやいや、これ美味しいから売り切れちゃうかも。

山田:まぁうっかりしたら売り切れる、かも笑笑。

井村:それに合わせた今日のお料理は真鯛、エビ、つぶ貝、ホタテ、を混ぜ込んだパイ包み焼きです。
パイの中身が緑色ですけど、これはアレッタ(ケール×ブロッコリー)のピューレのムース。


【真鯛とアレッタのパイ包み焼き アメリケーヌソース】

辰巳:美味しい♡ワインに合わせた加減がちゃんとされてますねぇ。ソースの味付けも、パイのちょっとクリスピーな感じもあって。

山田:シャルドネとパイが非常に合う。あとはこの茶色のソースにも。

井村:これはエビのアメリケーヌソースです。

辰巳:とても柔らかいアメリケーヌ。

山田:もうちょっとゆっくりと合わせたらこの組み合わせがもっとよくわかると思います。

辰巳:わかりました。そしたらリクエスト曲を聴きながらゆっくりと召し上がっていただきましょう。
今日は何にしますか?

山田:エクシード。僕がすごい気に入ってる曲。牧丘1周マラソン大会(←正式には「山梨市巨峰の丘マラソン大会」です)ってのがあるんですけど、それを走る時の歌。

辰巳:マラソン大会のテーマソング?

山田:はい。私が小学校か中学校に始まった長くやってるマラソン大会なんですけど、これはわりと新しい曲。

辰巳:林由恭(はやしよしやす)さんという方の曲?どんな方?

山田:双子で族音二重奏とかのユニットをやってたり、ちゃんとしたプロです。牧丘出身で、小学校は一緒です、同級生。

外野:なんと!

辰巳:そういうことは聞かれる前に先に言ってください!小中の同級生?

山田:高校も一緒だったかな?牧丘の辺にある高校笑。我々の頃は総合選抜高校だったんですよ。昔は日川高校と言っていたところ(現在もです)。
当時は日川校舎ってとこに行ってたんですけど、(自宅からは)一番遠かったし、高校って感じがしなかったんでまったく記憶がないんです。

辰巳:日川高校でしょ?

山田:一応そういうことにはなってますけど。私たちの頃は”総合選抜”だったもんですから、「日川」って感じはなかった。昔はとんでもない先生たちがいたんですけど、

辰巳:林真理子さんも卒業生でしたよね?

山田:だからその頃は「さすが日川高校!」って感じだったろうと思うんですけど、なんか薄まっちゃった頃に入ったもんですから・・・。

辰巳:そんなに謙遜しなくてもいいのに。とりあえず小中高の同級生のが作った歌「エクシード」です。どうぞ♪


林由恭「Exceed」
https://www.youtube.com/watch?v=bp9-09pg3PI&list=RDbp9-09pg3PI&start_radio=1

辰巳:「牧丘マラソン」のテーマ曲で地元出身の同級生、林由泰さんの「エクシード」でした。好きだから?友達だから?

山田:友達だから、ですね笑。以前はそのマラソン会場に地元のワインのテナントで売り子として行ってたから思い入れのある大会なんですけど『必ず雨が降る』爆。9月の台風が来るシーズンにやるなんとほんとにおかしい笑。

辰巳:なんでそんなシーズンにやるんですかね?

山田:巨峰のいちばんのピークに(畑のコースを)みなさんに走ってもらって楽しんでいただきたい、ってのがあったみたいで。

辰巳:あれ、巨峰のピークってその頃でしたっけ?

山田:牧丘は9月の第2週とかそんな頃。

辰巳:そうか、ブドウ畑の中を走るマラソン?途中でそのブドウ食べてもいいとか笑。

山田:バレなきゃ笑。

辰巳:そういえばボルドーマラソンもそんな時期でしたね。それこそ給水地点にワインが置いてあったりね。それ飲みながら走ってる人もいた気がします。

山田:そういうイヴェントにゆくゆくはなればいいんですけどね。

辰巳:牧丘という地域は、例えば。ワイナリーが牧丘じゃないところにあっても、牧丘に畑を持ったりしてるところもありません?

山田:サントネージュさんが持ってるのは知ってるんですけど、ほかは・・・。ぁ、マルスさんか。「牧丘甲州」ってのがあったかも。結構な量造ってるかもしれませんね。

辰巳:昔の記憶なんですけど、山田さんの畑、もう雑草だらけで。葡萄棚の下も雑草だらけだったんですよ。「なんで?」って聞いたら「こういう雑草と戦って勝ち抜いたブドウしか要らないっ!」って言ったんです。”当時はライオンを谷へ突き落とす”スパルタ的な感じだと思ったんですけど、それは今も?

山田:いろいろやってみたいことをこだわってやってみたんですけど、周りに迷惑をかけすぎて笑、ヒジョーにまずいことになって笑笑、今は草はちゃんと刈るようになりました

辰巳:笑。マズイことになったってどういうことですか?

山田:草が生えるとその草を目指して虫が集まってくるんです。いちばんダメなのはダニ。そのダニ類が巨峰に吸い付く。そういうブドウに傷をつける虫類が集まってくると商品価値が落ちるんで。ワイン用のブドウは問題ないんですけど、近隣のよそ様の生食用ブドウによくないことをしてしまってました。自分としては今でも草ボウボウでやりたいんですけど、「そのリスクに見合った成果があったか?」と言われれば。。。
「ボルドー液かけるかかけないか」ぐらいの差があれば今でも草ボウボウ・・・。

辰巳:その草ボウボウでいじめ抜いたブドウからできたワインの方がよかったっていう感触はあるんですね?

山田:んーーーですね笑。土づくりが草を生やして草を刈って、それが分解されて微生物になっていく過程で、いろんな栄養分がいつでもブドウに供給できるようなフカフカの土が欲しい。

辰巳:だったら刈ればいいのに。

山田:なんでだったのかなぁ、、、なんかにこだわってたんです。

辰巳:こだわりが毎年違うんですね笑。

山田:でも今でも草はギリギリまで伸ばした方がいいと思ってます。草を伸ばすほどにその草の根っこも地中に伸びるんです。そうすると草の根っ子の分だけ地中に穴が開くので、隙間ができてフカフカの土になる。ブドウに必要な要素って品種によって微妙に違うと思うんですよね。そのブドウが常に好きな状態に手に入る環境を維持したい。そのためには背丈よりも高い、10m 20m伸ばして、

辰巳:そんなには伸びないと思いますよ笑笑。

山田:ですね 。でもそうやって伸ばしてから刈った方が非常にいい土になる、っと今でも信じてます。

辰巳:なるほどー。今でもそうやって試行錯誤しながらやってるんですね。

山田:非現実的なことばかりではいけないんで、今は現実と見合わせてその中でできることをやろうと。

辰巳:それは山田さんが4代目を継いでからそういうことをやり出したんですか?それとも前から?

山田:昔は病気(バンプ病)が出るから一切草を生やさない、枝は絶対残さないとかいう理屈に適ったことはやってたと思います。そして糖分を残すために収穫を遅くまで引っ張ってアルコールが高いワインを造ろうという風習が私たちの時代になって”いい香りを出そう”になった。経験的には香りのピークで摘むのは早い時期の方がいいと思っていて。っていうことをメルシャンさん、かな?がデータで出して(←確かその収穫時期を『適熟』と言っていたと思います)「あーやっぱりそうだ」と。早く摘むことでバンプ病の心配もほとんどなくなるし、草を生やすこともできる。っと思ってるんですけど、その土壌づくりをするには3年4年5年6年かかるので・・・。

辰巳:やっぱり年月のかかる作業なんですね。ということで今週はここまで。また来週よろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

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プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年4月17日放送回

ワイナリー

三養醸造株式会社
https://sanyowine.com

収録会場

エネコ東京
https://eneko.tokyo/

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