ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年6月27日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年6月のゲストは山梨県甲府市の「シャトー酒折ワイナリー株式会社」常務取締役・チーフワインメーカー、井島(いじま)正義さんです。
井島さんの最終回はこの会場での放送も最後でした。4年間お世話になった「Villas des Marriages 多摩南大沢」に感謝を込めて「キュヴェイケガワのマスカット・ベーリーA」で乾杯!
(全4回 4回目)

辰巳:さぁ、いよいよこの「Villas des Marriages 多摩南大沢」での放送も最後になりました。記念すべき(?)お客様は山梨県甲府市から「シャトー酒折」チーフワインメーカーの井島正義さんです。そしてこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:コロナの間ずっとがんばってきたお店が閉まるのはちょっと寂しい。もうちょっと早く収束してくれれば・・・。こんな素敵な場所で番組を放送できてほんとうにありがたく思っております。
さ、今回も乾杯しましょう。赤ワインです。

辰巳:カンパ〜イ🎶

【マスカット・ベーリーA 樽熟成 キュヴェ・イケガワ 2021】
https://www.sakaoriwine.com/product/マスカットベリーa-樽熟成-キュヴェ・イケガワ/

辰巳:この赤ワイン、あま〜い香りが漂ってきますよねー。これはなんでしょうか?

井島:これは最後に相応しい(?)当社の、マスカット・ベーリーAです。しかも最上級の「キュヴェ・イケガワ」でございます。

辰巳:最初に飲んだのは17〜18年前かなぁ。ビックリしましたよ、すごいワインがマスカット・ベーリーAから造られるもんだと。ラベル変わりましたね?シックなエチケットになったような。

井島:はい、2019年にカテゴリー毎にすぐにわかるようにラベルを一新しまして。

辰巳:これはおいくら?

井島:3300円。

辰巳:なかなか頑張ってる。聞き忘れてましたが先週のシラーは?

井島:3000円だったと思います。

辰巳:っということは(今月4回登場したワインの中では)キュヴェ・イケガワの甲州がいちばん高かったんですね。それはどういう理由?手間がかかってるとか?

井島:それもあります。あとは生産量。キュヴェ・イケガワのベーリーAの製造は今は4000本台なので。

辰巳:ぁ、そうですか。以前は2樽とかそんなもんでしたけどね。今は14〜15樽ってとこですね。

井島:池川さんとこのブドウの生産量が増えてきてますんで。ベーリーAは10t超えてます。

辰巳:今月は最初から’イケガワ’’イケガワ’と言ってますが、池川さんって何者?って思う人もいらっしゃるかもしれませんが。ブドウ栽培家の”池川仁(ひとし)さん”のことです。ご自分の畑はどれぐらいお持ちなんですかね?

井島:聞いてもね、「多すぎてわからない」笑笑。

辰巳:(あっちこっち増やして)足し算が大変なんですね。

井島:それに加えて生食用がありますんでね。

辰巳:キュヴェイケガワとして池川さんと最初に仕事したのが2005年?

井島:最初に当社が2001年に農協さんのベーリーA の樽熟成ってのを出したんです。それを池川さんにお飲みいただいたら「うちでもベーリーA作ってるからそれで造ってみない?」と。

辰巳:おぉ、なるほど。ってことはその時飲んだ2001年の樽授熟成がおいしかったってことでしょ?その頃はベーリーAの樽ってあんまりなかったですからね。いくつかあったんですけどーーー。ココ・ファームの、

辰巳・井島:「第一楽章」!

井島:メルシャンさん、マンズさんもありました。2001年ヴィンテージでは山梨県の複数のワイナリーで(樽熟成は)やってましたね。で、そのときに、「実際ブドウはどれぐらい入るのか?」っていう話をした時に、タンクが大きいので”5トン”。でも当時の池川さんは普通の農家でしたし「今の農家で5トンも供給できるところはないよ」っと話は一旦途切れてたんです。
そのあと、2005年に「『ブドウが余った』。農協のブドウと混ぜて造ってくれても構わないから引き取ってくれないか?」とお話をいただきました。
ちょうどその当時、例の、青梅のリキュールの工場を閉鎖して、(山梨の甲府の)酒折町に集約しようということになってまして小さいタンクがたくさんあった。、であれば、「池川さんの単独のワインでやってみましょう」と👏

辰巳:シェフ、このワインいかがですか?

井村:第一印象は”すごいバランスが取れてる’。酸も突出してるわけでもなく、奥行きがあって。でもベーリーA特有のあま〜い香りがしてて、飲んでて楽しいワインです。

辰巳:最初飲んだ時は樽強いっと思いましたけど、今開けて1時間経ったらすごくエレガント。

井島:今当社のワインには旧樽を使うことが多くなりました。

辰巳:新樽は使わない?

井島:はい、ほとんど。やはり日本のワインには”繊細さ”があるんで、新樽を使うとちょっと負ける傾向が・・・。

辰巳:こちらのワインに合わせたお料理は?お肉ですね?

井村:そうです。牛肉をシンプルに焼いて、夏野菜を香草バターで仕上げたお料理です。

【牛三角肉と夏野菜のプロヴァンス風】

辰巳:ナス、ズッキーニ、パプリカ、、、、このチャツネみたいのは?

井村:これはトマトとニンニクをピューレにしたトマトフォンデュ。ベーリーA に合わせていただくと非常にマッチすると思います。

辰巳:うん、トマトの甘みもかなりあってふくよか。

井島:トマトの酸味とワインとが非常に合いますよね。

井村”香りがふわっとね。

辰巳:この番組が2020年7月に始まって、ゲストはこれまで48名。毎回毎回違ったワインとお料理をご紹介してきたんですけど。ラジオでお料理とワインって表現があまり伝わらなくてあんまりやるもんじゃないなぁと思ってましたが、、、。なんと!「月刊たる」(たる出版:http://taru-pb.jp/)にて当番組のダイジェスト版が連載されることになりました。
(初回は2024年9月25日発売。今年5月に放送された長野県、アルプスの矢ヶ崎社長と辰巳さんの対談です。せひお読みください!)

辰巳:ここでリクエスト曲を。今月はずーっとJAZZで来てますが?

井島:はい、今回も。リー・モーガンというトランペッターの「アイリメンバークリフォード」という曲。そのクリフォードもトランペッター。

辰巳:先輩へのオマージュ?

井島:そうです。とても卓越したトランペッターだったんですけど、交通事故で亡くなって。リー・モーガン自身も若くして亡くなってるんですけど僕はすごく好きなトランペッター。

辰巳:この曲とワインとの絡みづけは?池川さんはまだお元気ですけど?笑笑。

井島:そうなんですけどね💦「思い出にしちゃアカン」っということで爆。リー・モーガンの音色っていうのは非常に緻密で丁寧。これって『池川さんのブドウ』に非常に精通するところがある。「このブドウに関しては後世にも続いてもらって、皆さんにも覚えていていただきたい」。

辰巳:その辺りを含みながら聴いてみたいと思います。

Lee Morgan「I Remember Clifford」
https://www.youtube.com/watch?v=wB4xWjgbGwY/

辰巳:ちょっとしんみりしつつググッときますよね。

井島:ゆっくりとワイン飲みたくなりますよね。

辰巳:聴いてたら1本すぐ空いてしまいそうな曲。普段もワイン飲みながらジャズ聴いてらっしゃるんですか?

井島:夜は聴きながら飲むことも多いですね。

辰巳;外飲みというよりも家飲みのほう?

井島:家では自分とこ(シャトー酒折)のワイン飲むことにしてます。で、外のお店では他社さんのワイン。

辰巳:なるほど。あまり時間もなくなってきましたが、日本のワインも広まってきて、ワイナリーも500件を超えたと言われてる今、30年やってこられてこの状況をどう思って、これからどうなるだろうと思いますか?

井島:ワイナリーさんが増えるということは、’個性的な’ワイナリーさんも増えてくるということで。その中での「役割分担」はきっちりした方がいい、と思います。そういう意味で我々のワイナリーは、『誰もが親しんでいただきやすい』。だから流通もスーパーさんで販売してもぜんぜんよくて「どこでも買える」、量もたくさん造りつつ、でも初めてワインを飲む人にも美味しいと思えるワインを造らなければいけないのかなぁと思ってます。

辰巳:年間10万本(生産)っということはそれほど大きいわけじゃぁない、立ち位置的には中堅クラスのワイナリー。この立ち位置ってどうなんすかね?地元に則したワイナリー?

井島:そうでもないですね。(親会社の)木下インターナショナルの販売網があるので、一応全国で。だけどうちは「安心して飲める」「失敗しないワインを造る」。ワイン買って飲んだ時に「ぁw、これちょっと失敗したな」って経験は輸入ワインも含めて(多くの人が)あると思うんですけど、

辰巳:、ってことはあまり冒険はしない?

井島:冒険は下の世代がしていただければいいと思ってます。

辰巳:血液型は?

井島:A。

辰巳:だろうと思ってずっと聞いてました笑。下の人たちにはどんどん自由に!って思いはあるでしょうけど、「なんかもっとしたいな」とかないですか?ワイン造り以外でもいいですけど。

井島:そーぅですねぇ。もいっかいリキュールやってもいいかな。

辰巳:そんなに梅酒が好きでしたか?(←入社からしばらくは青梅で梅酒造ってました)

井島:梅酒も面白い。

辰巳:ってことは今も会社で梅酒は造ってるんですよね?

井島:はい、あとは柚子。

辰巳:ワインは100%日本ワインのみ?原料は全部甲府?

井島:そうです。

辰巳;経営的には?

井島:まぁ販売がわりあい順調にいってくれてるので、

辰巳:じゃぁ造っただけ売れてるってことですよね?もちろん”価格と品質の安定”があるでしょうけど。もっと増やそうかなとかは思わない?

井島:いやぁ、ブドウが手に入らない💦。

辰巳;だから”自社畑を増やそう”とか”耕作放棄地を取得”みたいな動きがありますけど?

井島:まだそこまではいってないですね。自社で栽培してるとブドウのコストが高くなってくるので、、、山梨のいろんな生産者にブドウを作っていただくということをやっていかないと。

辰巳:まだまだワイナリーが増えると益々ブドウの取り合いに・・・。

井島:なるでしょうね。

辰巳:昔は甲州やベーリーAなんか見向きもしなかった大手が今はどんどん造り始めてますから。

井島:どうしますかねぇ苦笑。

辰巳:(親会社の木下インターナショナルの)社長は?

井島:けっこう慎重ですね笑。

辰巳:酒折さん、まだまだいろいろできそうな気がするんですけどね。スパークリングとかは?

井島:瓶内2次はデラウェアと、マスカット・ベーリーAのロゼを季節限定で2020年からやってます。

辰巳:山梨県を担うワイナリーとして存在感を発揮していただいて、これからも注目していきたいと思います。あまり深い話もできなかった気がしますが、今の山梨の現場も聞けて非常によかったです。

辰巳:これをもちまして4年間この会場「Villas des Marroages 多摩南大沢」での収録は千秋楽を迎えました。
長い間ありがとうございました。これ以降も番組は続きますので引き続きお楽しみください!

全員:ありがとうございました!!!

【お知らせ】
2020年7月から4年間、会場を提供していただいた「Villas des Marriages 多摩南大沢」が6月末、惜しまれつつ閉店されました。なお、番組は「プリオホールディングス(https://prior.co.jp/)」系列の店舗に会場を移して継続されています。
引き続きお楽しみください。

シャトー酒折ワイナリー株式会社
https://www.sakaoriwine.com/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年6月27日放送回

ワイナリー

シャトー酒折ワイナリー株式会社
https://www.sakaoriwine.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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