ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年4月20日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2023年4月のゲストは山梨県甲州市「甲斐ワイナリー株式甲斐株式会社」風間総一郎さんです。
自分の中では将来「家を継ぐ」、と決めていながら高校時代はサッカー部に所属。あの中田ヒデとも一戦交えたらしいです。
(全4回 3回目)

辰巳:4月3回目です。お客様は山梨県「甲斐ワイナリー」風間総一郎さんです。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:大学卒業してフランスに留学、今年いくつでしたっけ?

風間:45です。

辰巳:井村シェフよりはちょっと年下(←シェフは今年51です)。ではまずは乾杯しましょう、今日は白ワインです!

全員:カンパ〜イ🎶

【かざま甲州 やや甘口 2022】
https://kaiwinery.com/product/k0004

辰巳:「かざま甲州 やや甘口」という赤いラベルです。赤ですよね?

風間:朱色。

辰巳:朱色ですか。シェフ、このワインいかがですか?

井村:奥深い。なんて言うんでしょ?最初ひと飲みして、次にふた飲みした時に、だんだん味わいがプラスされていくような。

辰巳:ですね。なんか面白い。昔ながらの甲州の甘さながら、また違うお酒ですね。

風間:そうですね。

辰巳:これはまた違う造り方してるんですか?

風間:してないです爆。(←初回に同じ質問をした時にも「してない」と言いながら「酵母は4種類、収穫の時期は2回に分けて・・・」と「実はこだわってるじゃんっ」と言う造り方だったので周囲は「待ってましたっ!」のリアクションでした。)

辰巳:例えば。初回に飲んだ白ラベルの「かざま甲州 辛口(2021)」との違いは?
風間:甘さはこっちの方が強い。甘さと酸味のバランスはすごく気を使ってます。これは収穫時期ちょっと早めの甲州を使って、酸とこの甘さのバランスをとると言うやり方。

辰巳:糖度を残すってことはアルコール度数はその分低くなるってことですけど。ってことは少し補糖はしてる?

風間:はい、少し。アルコール度数は例年だと11%なんですけど、今回はちょっと高かったようで12%。

辰巳:それはどうして?2022年はいい年だった、とか?

風間:2022年は、僕の中ではけっこういい年。収穫量自体は少なかったんですけど病気がぜんぜん出なかった。ブドウが小ぶりだったんです。
そうするとブドウの養分が凝縮するのでワイン用としては理想的♡。

辰巳:自社畑は1.7haぐらいっておっしゃってましたけど、買いブドウも使うんですか?

風間:はい、買いブドウもいっぱい。特に’甲州’は多いですね、うちは。だって山梨県のブドウ農家さんは甲州の栽培がとても上手なんで、僕が作んなくても農家さんの方が上手かな笑笑。

辰巳:そう言う人もいらっしゃいますよね。”伝統”ですし。

風間:あとはうちにブドウ入れてくれてる農家さんはとても意識が高いので、綿密に連絡取るようにしてますし、毎年出来上がったワインを飲んでいただいて、報告と反省を毎年しますし、お互いがうまく付き合える環境は保っていきたいなぁと。

辰巳:自社畑にも甲州はある?

風間:あります!

辰巳:それは垣根?棚?

風間:棚です。棚の一文字短梢って言うやり方が多い中、うちの甲州は昔ながらのX(X字長梢剪定)と一文字短梢とを組み合わせてやってます。

辰巳:Xって’職人技’って言うか、なかなか難しいと聞きます。

風間:甲州のX仕立ては覚えるのに10年かかるって言われてます。僕が家に入って18年になりますけど、毎年これをどうしようかなって笑。

辰巳:そういう技術がだんだん継げなくなってなってくる。高齢化によって離農する方も増えてる。それは山梨に限らずですけどそういう現実もあります。それにはどう思います?

風間:んー、でも農家さんが減っていくのはしょうがないことだとは思いますけど。「ワインにするブドウに関してはワイナリーが作る」のがいちばんいいんじゃないかなぁと僕は思ってます。
今の問題は甲州よりもデラウェア。この農家さんがぜんぜんいないですよね。山梨はもうほとんどいないと思います。

辰巳:デラウェアのワインも造ってます?

風間:ちょこっとだけ造ってます。ブドウは農家さんにお願いして。でも今デラウェアの畑はみんなシャインマスカットの畑になってるんで。

辰巳:やっぱ「高く売れるもの」にいっちゃうんですね。

風間:僕もワイン造ってなくてブドウだけ作ってるんなら絶対シャインマスカットにしてるはずなので。そりゃしょうがないですね。

辰巳:冷めてますね笑笑。お料理は冷めないうちにいただこうと思います笑。
シェフ、これはなんでしょうか?

井村;春キャベツと貝のスープを使った、、、

辰巳:甲斐(貝)ワイナリーだから?笑笑。ちゃうんですか?

井村:ちゃいます、一応ワインに合わせた・・・

辰巳:なんだ、”そうだ”って言っとけばWelcome精神だったのに(←辰巳さんとシェフの大阪人コンビがまさかの噛み合わず)。

【真鯛のポシェ 春キャベツとハマグリのスープ仕立て】

辰巳:旨味がギッシリですね。貝は?

井村:ハマグリ。

辰巳:魚は?

井村:真鯛、アクセントにアンチョビ。「ワインの甘さと魚介の旨味」に少しのバターを加えました。

風間:とても美味しいです。このワインの甘さと旨味がすごく合いますね。

辰巳:この”やや甘口”というワインはどういうシチュエーションで飲んで欲しいと思って造られてるんですか?

風間:やっぱりちょっと甘さや旨味のあるお料理、とか、デザートでも。バターやお野菜を使った料理、冬だとお鍋の旨味ともよく合うのでよくお勧めしています。あとは’疲れた時’にも。

辰巳:甲州は何種類ぐらいのワイン造ってるんですか?

風間:1,2,3,4…甲州だけで5種類か6種類あります。

辰巳:全体の7〜8割は甲州?

風間:そうですね。生産量的には甲州が多いです。

辰巳:この上に乗っかってるほろ苦い野菜は赤水菜ですって?
甲州ってね、少しほろ苦みがある野菜にも合うんですよね。このお料理とワインもこのお店に来ればいただけるんですよね?

井村:もちろんです!

辰巳:ではこの辺でリクエスト曲を。聴きながらもう少しこのお料理を食べたいと思います。
今日はなんにしましょ?

風間:ベンフォールズファイヴの、「フィロゾフィー」。(←辰巳さんはもちろん、シェフも知りません)
聴いたらわかる方多いと思います。昔「ロングバケーション」という大ヒットしたドラマで使われていた曲なので。

辰巳:これはー、僕の後輩が作ってたドラマじゃないかな。
オーストラリアには「ペンフォールズ」というワイナリーがありますけど、関係ないですよね?笑笑(←ないですっ)。
これはアメリカの?

風間:多分イギリス。(←ブブー、アメリカでした)

辰巳:では聴いてみたいと思います。どうぞ。

Ben Folds Five「Philosophy」(1996年)
https://www.youtube.com/watch?v=e4qpTKiRewI

辰巳:はい、ベンフォールズファイブの「フィロゾフィー」でございました。これには何か思い出が?

風間:大学に行くか行かないかの頃だったと思いますけど。東京農業大学だったんですけど、その学科に行くと「うちを継ぐんだな」と、高校出る頃には人生決まる。そんな意識があったような気はしていたし、「自分にはワインを造るしか道はない」とは思っていても、「もしかしたら他に何かあるかも・・・」、な若干の迷いがあった。その頃によく聴いてた曲です。

辰巳:(高校出て)地元に残るっていう選択肢はなかったんですか?

風間:それは一切なかったです。

辰巳:だって山梨大学もあったでしょう?

風間:受かったのが農大の醸造学科、推薦で笑。

辰巳:ラクしたんですね笑笑。高校はこの間甲子園優勝した山梨学院でしょ?(←2023年春の甲子園で初優勝、収録はこの2日後でした)

風間:僕はサッカーやってまして。

辰巳:ぁ、サッカーも強いんですか、山梨学院?

風間:今はすごく強いです。10年ぐらい前に全国高校サッカー選手権で優勝したりしてます。

辰巳;ぁ、サッカーでも日本一!?すごいね。

風間:でも僕がいた時はすごく弱くて。中田英寿っていうサッカー選手いるじゃないですか?

辰巳:韮崎高校のね。

風間:いっかい練習試合やって12-0で負けたことがあって。サッカーのスコアじゃないですよね笑。

辰巳:野球だね笑笑。中田ヒデとは同い年ぐらい?

風間:彼のほうが2つ上です。僕も1年生ながらちょっと出場したんですけど、もはやおんなじ競技じゃない爆。

辰巳:それで「サッカーダメだ」、であきらめて、「ワインしかない」っと?

風間:笑、サッカーで身を立てようなんて思ってないし。でも今となってはワインでよかったことがたくさんあります。
もちろん大変なこともありますけど。こうやってお酒を造って誰かに飲んでもらって、その人たちが楽しそうに食事をしたりしてるの見るのってなかなかできないことなので。僕の両親がそういう仕事をしてましたので「土俵があるのってとてもありがたい」。

辰巳:でもこの10年(以上)、日本ワインが注目されて周りの反響が変わってきたじゃないですか。それに関して何か思ってることはありますか?

風間:「ワインが美味しくなった」ってのも日本ワインのファンが増えた一つではあると思うんですけど、でも、僕らは「まだまだだ」っと思わなきゃいけないと思っていて。
海外のワインの歴史からしたら日本のワインって「ほんの」「なんでもない」ぐらいの差があるわけで。
まだ僕らは成長過程であって、”どっかで満足したらおしまい”の仕事なんで、ちょっとチヤホヤされたら鼻高くなってしまったらダメじゃないかと。

辰巳:ほんと、そういう人もいますよね、周りに。

風間:僕がけっこうそういうタイプ爆。

辰巳:落研出身じゃないの?この落とし方抜群。
だんだん時間もなくなってきましたので、この続きはまた来週にしたいと思います。

全員:ありがとうございました!!!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villasdes Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

甲斐ワイナリー株式会社
https://kaiwinery.com

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年4月20日放送回

ワイナリー

甲斐ワイナリー株式会社
https://kaiwinery.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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