2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年11月のゲストは(株)井筒ワイン 代表取締役社長、塚原嘉章さんです。
辰巳さんとは親子でもおかしくない年齢差ですが、まったくのエイジレス。カッコイイです。
初回はソーヴィニョン・ブランを飲みながら”昔の特殊なワイン特区?”のお話から。(全4回 1回目)
辰巳:さぁ、11月になりました。今月のお客様は長野県からお越しいただきました。
塩尻の老舗ワイナリー「井筒ワイン」の塚原嘉章社長です。
そしていつも通り、この番組を収録会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:塚原さん、お元気ですねぇ。
塚原:おかげさまで。生かされてます笑笑。
辰巳:社長は3代目ですか?
塚原:そうです。創業は昭和2年、祖父が始めましたから。
辰巳:ぇw、そんな古いんですか?
塚原:ですから九十何年?もう100年近いかな?
辰巳:じゃぁ生まれる前から?
塚原:そうそう。私が生まれたのは昭和12年、1937年ですから。
辰巳:丑年。こないだね、*麹谷宏先生とお会いしましたけど、同い年ですよね?
(*麹谷宏氏:https://npo-plat.org/kojitani-hiroshi.html
「日本のワインを愛する会」前身の「日本ワインを愛する会」の理事もされていました。)
塚原:そうです。
辰巳:元々はグラフィックデザイナー、、、。”ワインとガラスに魅せられた”人みたいなもんですよね。
こないだ”終活展示会”みたいなのに行ったんですけどね。先生もお元気でしたよ。
負けず劣らず塚原社長も。シェフ、ビックリするでしょ?
井村:はい、ビックリしました!
塚原:この7月で85歳になりました。
辰巳:この番組ゲスト最長老!
塚原:でしょうね。
辰巳:(サンサンワイナリーの)戸川さんよりも5~6歳上ですもんね?
塚原:そうです。
辰巳:井筒ワイン、シェフは聞いたことありますか?
井村:あります。
塚原:ありがとうございます!
辰巳:どんなイメージありますか?
井村:やっぱり”老舗”というイメージが強いですね。
辰巳:もちろん”老舗”もそうですけど、”しっかりとした会社”。質的にも量的にもポリシー的にも。
長野県をリードしているイメージがあります。
今の井筒ワインの基礎というか隆盛というか、は、塚原社長になってから?
塚原:ん、まぁ、そうですかね。1960年に家に入りまして。でもその時には「ワイン」という言葉は日本にはなかったんですよ。
(「葡萄酒」でした)。ヨーロッパの本格的なワインを造ろうと苗木を植えたのは六十何年前ですかね。
辰巳:!? 塚原さんが家業に入ってから改革を始めたんですか?
塚原:そうです。それまで塩尻地区はアメリカ系のナイヤガラとかコンコードだった。
辰巳:今でも大事なブドウですけど。
塚原:まだブドウ栽培の60%はそれです。でも「それだけじゃいけないんじゃないか?」。
それでヨーロッパ系のブドウを取り入れたのが始まりです。
辰巳:それから約60年、大学を出てずっとワイナリーを引っ張ってこられた。(大学は)醸造の勉強されてたんですよね?
塚原:えぇ、梨大(山梨大学)にもお世話になりましたし、東京農大の醸造科にも。
辰巳:その前はやはりあそこですか?塩尻の*志学館高校。
(*長野県志学館高等学校:https://www.nagano-c.ed.jp/kikyo/)
塚原:そうそう。
辰巳:「ワイン造りを教える高校」。そこに行ってらした?
塚原:そう、ワインの道は長いんです笑笑。
辰巳:高校時代からワインを。もう筋金入りのワインメーカー!ホントすごいですよあそこ(志学館高校)。
高校生ですからね、ワイン飲んじゃダメなんです((^ ^))。
塚原:造るだけ((^ ^))。
辰巳:卒業して2年ぐらい経って初めて自分の造ったワインを飲める、表向き時はそういう風になってます笑笑。
塚原:その通りっ!
辰巳:昔は、子供の頃は、そうでもなかったんでしょう?
塚原:私の時代、子供の頃はお酒飲んでましたからね笑。
辰巳:やっぱりワイナリーに生まれた子供ってのはそんなもんすよね。
塚原:そうですそうです。
辰巳:離乳食の前にワインを舐めて・・・。
塚原:車も酔っ払い運転ってなかったですからね。
辰巳:酔っ払い運転は”あったけど”規制が緩かったってことでしょ?酔っ払い運転してもよかったんでしょ?
塚原:よかったんです爆。昭和30年代まではそうでしたよ。
辰巳:酔っ払い運転とかの罪はその頃まだなかった?
塚原:、ような気がします。
辰巳:塩尻って”ワイン特区”ですから爆、もしかしたら実質上なかったのかも。
塚原:まだ法的には決まってなかったかなぁ。
辰巳:僕はずーっと前から、勝沼でも塩尻でもワイン生産地は「飲酒運転特区」ってのを作って、『ぶつかってもなんともない
、誰にも害を与えないスピード、時速20km以下』で運転するなら酒飲んでもいい、その代わりスピードオーバーは罪」
っというのをやらないかなーと、何度か提案したことあるんです。誰も賛同してくれませんでした笑笑。
いいと思いません?笑笑。
塚原:いいと思いますねぇ。(ぇw)
辰巳:今度塩尻でやってみますか?
塚原:試験的にやってみますか!?(←やめてくださいっ)
辰巳:[ワイナリー←→ワイナリーor レストラン]間に限定するとかね、、、っていきなり大変な話に笑笑。
でもこのノリの良さは新しいことをどんどんやろうとする塚原社長の気持ちが現れてるなと思いますが。
そういえばワイン飲むの忘れてました笑。今日のワインはなんでしょうか?
塚原:白、ソーヴィニョン・ブランです。
辰巳:2021年をお持ちいただきましたが、今年の「日本ワインコンクール」で銀賞を受賞された商品ですね。
では乾杯したいと思います。
全員:カンパ~イ🎶
「NACソーヴィニヨン・ブラン 2021」
https://shop.izutsuwine.co.jp/products/82
辰巳:香りいいなぁ。このソーヴィニョン良くなってきましたねぇ。最初の頃はあまり香りも立たず、
「どうしてこういうワイン造ろうとするんだろ?」って思ってましたけど。
シェフ、いかがですか?
井村:もうとにかく香りがいいですね。香りだけで何杯も飲みたくなるような。
辰巳:先月塩尻にお邪魔した時にも(塚原社長と)これぐびぐび飲んじゃいました笑。ホントに喉越しがいい!それともうひとつ。
井筒ワインさんの特徴は「値段設定」。すごくリーズナブル。最高級のごく少量のフラッグシップを造るってことも
大事なことなんですけど、一般の人にも買いやすいように、地元の人も含めてね。そういう発想ってありますよね。
塚原:それが我が社のポリシーですからね。
辰巳:ですからそんなに儲かってないかもしれませんけども、
塚原:儲かりませんっ笑。
辰巳:年間7~80万本ぐらい造ってるんですよね?
塚原:そうですね、80万本。
辰巳:それをちゃんと売れる販路をお持ちですし、そういう意味でも長野県の”横綱”クラスですよね。
日本ワインのコンクールの実績なんかもけっこうおありでしょ?
塚原:いただいてますね。
辰巳:で、このソーヴィニョン・ブランに合わせたお料理はなんでしょうか?
井村:八王子で育ったカブと柿を合わせたブルーテ。グリーンのルッコラで苦味を加えてます。
辰巳:ではいただきます!
全員:いただきます!
「中西ファームのカブと柿のブルーテ」
塚原:カブの味が口の中に広がりますね。
辰巳:これカブの甘みだけでしょう?
井村;お砂糖は入ってないです。
辰巳:カブラ美味しい♡関西人どうしてもカブラと言ってしまう。でもカブラが本当なんですよ、略して”カブ”。信州は?
塚原:カブラとも言うんですけどやっぱり”カブ”、ですね。
辰巳:うん、このソーヴィニョンの酸味と柔らかいブルーテはどうかと思いましたが、
合わせてみると逆にワインがアクセントになってますね。
塚原:うん、合いますね。
辰巳:井村シェフはワインに合わせて番組では毎回違うお料理を作ってくださって、
ここのお客様もほとんどが日本ワインを注文するという素晴らしいレストラン。
八王子は塩尻・松本からも非常にアクセスもいいので「Villas des Marriages 多摩南大沢」に皆さん是非お越しください。
それにしてもこのカブラいいなぁ。以前もカブ使った料理ありましたよね?
井村:はい、カブ僕好きなんで。でもまだちょっと香りが弱いんで、柿で甘みを助けてもらってます。
塚原:自然の味、ワインともよく合ってます。
辰巳:食べるのもお好きなんでしょ?普段はどんなものを?
塚原:いろいろ食べますよ、嫌いなものありませんから。
辰巳:あーそうですか。女性には好き嫌いあるんですか?(←でたっ!)
塚原:女性も全部好きですよ♡
辰巳:女性も食べ物もなんでもOK!?
塚原:言うなればね、食べ物は「皆さんが嫌い」ってのが好きなんですよ。極端なこと言うと「くさや」ってあるでしょ?
あれは熟成して美味しい。香りがなんとも言えませんね。
辰巳:くさやはワタシも。納豆なんかも?
塚原:もちろん!醸造品は全部クサいですからね。でも「クサいほど熟成してる」、美味しいんですね。(←井村シェフ激しく同意)
辰巳:ワインも熟成した方が?
塚原:その通りです。
辰巳:そうなんです。井筒さんのワインもいくつか古いの持ってまして、熟成してこれまた美味しいんですよ~♡
塚原:やっぱり熟成ですね、食べ物’は’笑笑。
辰巳:(お約束)女性は?爆。
塚原:(否定できませんよね)
辰巳:もうムリやり言わせてますね。
辰巳:ここで熟女の歌を聴きたいと思います。今日はどんなリクエストでしょうか?
塚原:昔学校の時に聞いた「椰の実」をお願いしたいと思います。
辰巳:いいですね。歌唱はどなたがいいですか?
塚原:鮫島有美子さん(←熟女?)なんかいいですね。
辰巳:ではお聴きいただきましょう、どうぞ。
椰の実(歌唱:鮫島有美子)
https://www.youtube.com/watch?v=vKfYK8-_5d0
辰巳:今日は長野県塩尻、井筒ワインの塚原嘉昭社長にお越しいただいております。
塩尻といえば、今は「桔梗が原メルロー」で世界中に名前を轟かして、『メルローの産地』として認識してるかもしれませんが、
実はコンコードやナイヤガラという食用、そしてジュースになるブドウの一大産地でしたし、その前は甘味果実酒、、、。
塚原:、コンコードは甘味果実酒の原料。ナイヤガラは白ワインの一部でした。
辰巳:(サントリーの)赤玉ポートワインなどありましたが。井筒ワインさんはこれとは別系統なんですよね?
塚原:うちは*神谷傳兵衛さんの「**ハチブドー酒」。日本の中ではこの神谷さんの葡萄酒がいちばん古い。
(*神谷傳兵衛:https://ja.wikipedia.org/wiki/神谷傳兵衛)
(**蜂印香竄葡萄酒(はちじるしこうざんぶどうしゅ)他甘味果実酒参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/甘味果実酒)
辰巳:浅草の「神谷バー」ですよね、(茨城県の)明治の時代の洋館「牛久シャトー」持ってた。
ボク実は先日「牛久シャトー」の名誉館長に就任しました。そういう意味でも繋がりがあるんですよ。
蜂印香竄葡萄酒の原料のブドウを供給してたのが井筒ワインさん、だったんですよねぇ。
他のワイナリーさんはサントリー(赤玉ポートワイン)だったりして。系統が違ったんですよね。
塚原:赤玉ポートワイン、大黒ポートワイン(現メルシャンが当時製造していた商品)、、、。
辰巳:そうい甘味果実酒のコンコードや、ナイヤガラという一大産地だった。今でも美味しいワイン造られてますよね?
塚原:そうですね、香りが独特ですから。
辰巳:その前は養蚕。蚕畑がね。
塚原:桑の畑。
辰巳:桑畑じゃなしに”蚕畑(カイコバタケ)”。生糸の産出が盛んで、、、。
塚原:その生糸の生産が景気悪くなって、昭和の初め頃蚕畑をワイン畑に笑。
辰巳:それでいち早くワイン産業に乗り込んだという?
塚原:そうです。その頃祖父が神谷傳兵衛と出会った。
辰巳:おじぃさんは何年生まれですか?
塚原:いま健在なら120歳ぐらい?
辰巳:120歳?昔は結婚早かったとして、まぁ135歳ぐらいとしたとして明治20年ぐらいですね。だとしたら非常に先見の明があった。
塚原:と思います。
辰巳:社長のワイン造りを始めた若い頃、その話をぜんぜんしてないな。この番組いつも進まない汗。いろいろ脱線しちゃってすいません笑。
塚原:楽しいです♡
辰巳:次回はそこから始めたいと思います。今日のお客様は長野県塩尻の「井筒ワイン」塚原嘉昭社長でした。
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2022年11月3日放送回
- ワイナリー
株式会社井筒ワイン
http://www.izutsuwine.co.jp- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/