2021年1月18日(月)、メルシャン株式会社が2020年振り返りと2021年の事業方針をオンラインにて発表しました。
代表取締役社長の長林道生氏は冒頭「コロナに始まってコロナに終わった。気づき、学んだ1年でした」と2020年を振り返りました。
国内におけるワイン市場全体の具体的な数字(メルシャン推計)は
*ワイン市場:-10%
*輸入ワイン市場:-13%
*国内製造ワイン市場(含日本ワイン):+-0%
メルシャン社内における数字は
*ワイン全体:-3%
*輸入ワイン:-9%
*国内製造ワイン:*+2%
(*うち日本ワイン「シャトー・メルシャン」は+7%)
注:数字はいずれも前年比
2021年度の事業方針としては「ワインファン・メルシャンファン」を増やして『ワインのおいしい未来をつくる』。
前年同様
『*CSV×付加価値』を掲げ、従業員一人ひとりが「経営者」となりイノベーションを次々に生み出す組織を目指します。
(*CSV:Creating Shared Value
1.企業が社会と共有できる価値を創造すること
2.「社会的価値の創造」と「経済的価値の創造」の両立により企業価値向上を実現すること
メルシャンHPより)
2021年の具体的な販売目標は(()はメルシャン推計市場全体)
*ワイン全体:-5%(-5%)
*輸入ワイン:-13%(-6%)
*国内製造ワイン:*+2%(-3%)
(*うち日本ワイン(シャトー・メルシャン)は+20%)
日本ワイン「シャトー・メルシャン」について
引き続き『日本を世界の銘醸地に』。
*地域・ワイナリー・生産者と共生する取り組みの進化
*デジタル活用によるグローバルへの発信力強化
*NEW!多様なインフルエンサーによる発信力強化
(インスタグラムなどSNSのさらなる強化)
以下、今後の日本ワインについての展望諸々、勝沼から安蔵光弘ゼネラルマネージャー兼チーフ・ワインメーカーのコメントがありました。
2021年の畑の取り組みとしては
*椀子ヴィンヤード
現状プラス6haの畑を整備。うち3haは圃場整備終了
*桔梗ヶ原
片丘地区に1ha開畑
*勝沼 祝村ヴィンヤード
もう少し増やしたい
Q:(記者からの質問)シャトー・メルシャンでは今後のビオ的アプローチはある?
A:(明言は避けましたが)
土壌の保全が大事、土が良くないといいワインができない。
除草剤は減らしてきているし、雑草とブドウの根の共生は21世紀を乗り切るには必要なアプローチだと思っています。
Q:(記者からの質問)温暖化が進んでいるにあたって?
A:いろいろ新しい品種を試してみたい。
・新鶴(福島県):アルバリーニョを増やしつつある
・山梨:プティ・マンサン、テンプラニーリョ
いずれも手応えはあるので、うまくいったら広げようと思う。
今期は世間同様多大な被害があったワイン業界。数字は企業にとって”命”ですのでそれは追わないといけないのでしょうが、そんなことはおかまいなしにブドウは育ちます。なので育ち行くブドウを放っておくわけにもいきません。どんなにひどい天候になろうとコロナになろうとその土地でベストを尽くすのは同じ、ワイン造りは農業なんだなぁとつくづく思った次第です。(小山田貴子)