7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』10月のゲストはシャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャー兼チーフ・ワインメーカーの安蔵光弘さんです。今回はワイン造りのプロとして、至極真っ当にマスカット・ベーリーAのレクチャーから入ったのに、最後はなぜか”青春時代のアイドルは?”で締めくくるという、、、(締めくくれてませんが)。安蔵さんにとってのアイドルは果たして誰だったのでしょう?(全5回 3回目)
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https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:はい、10月のお客様はシャトー・メルシャン ゼネラルマネージャー兼チーフワインメーカーの安蔵光弘さんをお迎えしていまーす!
今日は3回目、改めてよろしくお願いしまーす!
安蔵:よろしくお願いします!
辰巳:そしてこのヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の田鍋社長(以下ベーやん)とシェフの井村さんです!
全員:よろしくお願いします!
辰巳:なんかアレですね、男臭いけど面白いですね笑。毎回あっという間に終わっちゃう。今日は何お話をしていただこうかと思ってるんですけど、、、。まずは乾杯しましょう!
全員:カンパ~イ♪
シャトー・メルシャン ももいろ 2019
辰巳:んーーー。これはね、シャトー・メルシャンの「ももいろ 2019」。ほんっとに色がうっすら桜色といいますか、ちょっとサーモンピンクがかった感じで。メルシャンのちょっと前を思い出しますと「ももいろメルロー」をね、ゴロが好きで一時期よく飲んでたんですよ。”ももいろ”と謳ってけっこう経つんですか?
安蔵:10年ぐらいじゃないですかね?
ベーやん:ラジオじゃ伝わらないんですけどいいですね、色味が。
井村:色のわりには味がすごい膨よかですね、ブワァッと広がってくる。
辰巳:これはブドウは?
安蔵:メルローとマスカット・ベーリーAを使っています。
辰巳:セニエですか?ぁ、セニエって専門用語が出てきましたけど、これは一応説明したほうがいいですよね?ではよろしくお願いいします。
安蔵:(以下安蔵ゼネラルマネージャーのレクチャー)
赤ワインの色を濃くするためにですねー、ブドウを潰した直後に果汁を抜くことを”セニエ”と言います。で、果汁を抜くとその分皮の比率が上がりますんで色が濃くなる。フランス語で言うところの”血抜き”ですね。マスカット・ベーリーAとメルローって比較的粒が大きいほうなので、これ(セニエ)をやったほうがいいのかなと。
辰巳:セニエのロゼって当たり外れも多い。でも最近のメルシャンのロゼって美味しいですよね。桔梗が原メルローのロゼなんて、、、。
安蔵:ぁ、あれは本当に海外の方からも評価をいただいている、、。
辰巳:ファーストヴィンテージ何本か持ってます。
安蔵:あーそうですか、あれは巧くいきましたー。
辰巳:(ももいろ 2019は)おいくらですか?
安蔵:税抜き1800円(オープン価格)
ベーやん:なんかマスカット・ベーリー・Aってブドウが毎回よく出てきますけど、日本のワインではよく使われるんですか?
辰巳:日本でもっとも作られている赤ワイン用ブドウ品種。日本で交配されたブドウ品種なんで日本にしかない。「日本で赤ワインといえば”マスカット・ベーリーA”を覚えてください」という言い方を
しとります。
ベーやん:わかりました、勉強になりました笑。
辰巳:なんで今までそういう質問してくれなかったのー?マスカット・ベーリーA何度も何度も出てるのにぃ笑。ワインのことすごく知ってるような顔するからスルっと駆け足で行っちゃうんだけど。
ベーやん:いやいや、ぜんぜんわかんなかったです。毎週よく出るなーって。あとメルロー。
辰巳:メルローはフランスのボルドー中心に世界中で作られてるグローバル品種。
ベーやん:ベーリーAは日本でいちばん作られてるんですね?
辰巳:(頷)93年前ぐらいからかな。
ベーやん:そんなに前!?
辰巳:川上善兵衛品種。
ベーやん:あーーー。(←うっすら思い出しましたか?)
辰巳:9月のゲストに岩の原葡萄園の神田社長が来てて4週話をしてたのに、ぇw、ずっとすり抜けてたの?
ベーやん:ずっと雰囲気で乗り切ってきたんです爆。でもちょっと限界来たなと思って笑笑。
辰巳:田鍋社長(ベーやん)は元吉本興業の芸人なんですよ。そうやってすり抜けるのも一つの芸なんですね?爆。
ベーやん:黙ってたんですけど、限界来たんで。今日聞けるかなと思って思い切って聞いてみました笑笑。
安蔵:聞くは一瞬の恥。
辰巳:そうですよー。この番組始まって14回目で初めて質問いただきました笑。
ベーやん:まだいくつかあるんですよ、この手のドシロウト質問が笑。
辰巳:どんどんっ聞いてください。
マスカット・”ベーリーA”とね、最近は伸ばす風潮になりましたね(以前は一般的にマスカット・”ベリーA”と呼ばれることが多かったようです)。
安蔵:”ベーリー”という品種と”マスカット・ハンブルグ”という品種を掛け合わせたものなんです。だから”ベーリーA”です。
ベーやん:”A”ってのは?
安蔵:Aは交配のタイプ、A、B、C、、、といろいろある。
辰巳:(この話)したじゃない、こないだ神田社長がー!
ベーやん:いや、”B”の話はしてない!BとかCとかあるんスか?笑。
安蔵:昔はあったみたいですけど今はなくなっちゃったみたいです。
辰巳:この質問先月してほしかった笑笑。
安蔵:このブドウは岩の原(葡萄園)で作られたものですからね。
ベーやん:あ、そうなんスね!?なるほど!
辰巳:大丈夫、あと1年もすればワイン通になりますから。
安蔵:楽しみにしてます笑。
辰巳:さ、井村シェフ、今日のお料理はなんでしょう?
鰆のタルト プロヴァンス風
井村:今日は鰆(サワラ)のタルトです。サワラの旨味とトマトの酸味、あとは玉ねぎを使った2種類のソース。1つはアンチョビ風味、1つは香草風味で作らせていただきました。
辰巳:しっかりとした味付けですね。
井村:ワインのふくよかな香りとマッチするんじゃないかと。
辰巳:あーほんとだ。ちょっとこのワインには(味付けが)強いんじゃないかと思ったけど、そんなことないですね。
ベーやん:これを毎週考えてるんですよね?ずっと疑問だったんですよ、毎週突発的によくできるなぁって。
井村:使ってるブドウの品種と食材で「こうだろうなー」ってだいたい想像して。まず”頭の中で”食べて飲んでます。
ベーやん:なるほどっ!
辰巳:我々が今飲んでいるワインと食べているお料理のマリアージュを、このヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢のレストランで体験できます。こういうことを毎週やってる番組ってなかなかないんじゃないかと思います。田鍋社長(ベーやん)の理解もさることながら、井村シェフの手腕ですよね。さらに期待しつつ、いつまで続くのかという・・・。
井村:笑。ま、まだまだ大丈夫です。
辰巳:安蔵さん、かつて4年ほど住んでいたボルドーでもこんな番組ないでしょう?こんな手の込んだめんどくさい・・・。思いつきで始めましたけど、ちゃんとノッてくれるベーやんとシェフ。ものづくりってノリじゃないですか?ワイン造りも普通のことやってもしょうがないから「こんなことしたい!」っていうノリって大事でしょう?
安蔵:大事ですね、ある日思いつく時はあります。ただ、なんにもなくて急に思いつくんではなくて、無意識のうちにずーっと考えていて、ある時パッと思いつくパターンが多い感じがしますね。料理もそういうところありますかね?
井村:はい、今日(収録日)まで毎日このこと考えてるんで。
ベーやん:あっそうなんですか?それ(通常の)仕事に支障出ませんか笑。
辰巳:仕事は仕事、ルーティーンルーティーン笑。
井村:頷笑。
ベーやん:あーよかった、安心しました笑。
辰巳:でもこの番組用にレシピ考えることによって、シェフの腕も上がるんじゃないかと思うんですけど。どうですか、井村シェフ?
井村:そうですね。この番組でやってることを、実際の仕事(ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢内レストラン)でアレンジして生かしてます。
辰巳:料理人もねー、いつもおんなじことばっかりやってたら飽きるでしょ?
ベーやん:あ、刺激を与えてくださってるんですね?
辰巳:そうですよ笑。ものづくりって本当にそうなんスよ、飽きてきちゃったらおしまいですからね。きちんとしたモノを造り続けるのはひとつの職人の仕事、それはそれでいいと思う。でもやっぱりね、モチベーションってあると思うし、この番組で考案した料理がどんどん定番になっていけばいいと思うし。。。いいでしょ、こういうの?
安蔵:ですね。自分のワインの味は分かっているのでー、どういう料理が出てくるのかなっていうのは毎週楽しみです。
井村:そう言っていただけるととても嬉しいです。
辰巳:ところで。この本読ませていただきました。分厚いですけどなかなかいい本ですよね?
安蔵:ありがとうございます。
https://www.amazon.co.jp/ボルドーでワインを造ってわかったこと-日本ワインの戦略のために-安蔵-光弘/dp/4802205724
辰巳:ボルドー生活のこと、ワイン造りのことも含め日常生活のことを書かれてる。特に知らなくて面白かったのは、”元々ボルドーはワイン造りに適した場所じゃなかった”っていう歴史のくだり。
ボルドーは場所的にも(ブドウ栽培的に)良くなくてね、それを改良したり、いろんな商売敵と戦いながら生き残ってきた。何百年前まではボルドーよりももっともっとワイン造りが盛んな地域もあったけど、そこに勝ってきたんですよね?
安蔵:そうですね、言ってみればちょっとズルいような手も使ってワイン市場を独占してきたっていう歴史がボルドーにはありますね。
辰巳:ボルドーの人ってズルいんですか?笑。
安蔵:笑笑。まぁ戦略家?そんな感じはありますね。
辰巳:2年ぐらい前に出た本で、ちょっとお高めですけど(2600円)ワインを勉強するにはとってもいい本です。
安蔵:380ページほどありますので。
辰巳:力作だと思います。
ではここらで安蔵さんのリクエスト曲を。今回はなんでしょう?
安蔵:はい、じゃぁデーブ・ブルーベックの「Take Five」を。
辰巳:ジャズですね、これはわかります笑。なぜこの曲?
安蔵:これもワイン絡みなんですけれど。昔「アカデミー・デュ・ヴァン(ワインスクール)」通ってた時の、先生の自宅で勉強会をやっていたんです。で、その先生の自宅は浅草にあるんですけど、とある日曜日にその勉強会やった後に「ちょっとジャズバーに飲みに行くか」って話になりまして。そしたらそこでジョージ川口というすごいドラマーの方のライブをやってたんです。その時に演奏されてたのがこの「Take Five」。一発で”ジャズ”が大好きになりました。
辰巳:では聴いてみましょう!
Dave Brubeck「Take Five」
辰巳:これはわかるでしょう?
ベーやん:わかりますっ!
辰巳:なんか安蔵さんの趣味がよくわからない(初回がシャンソン、2回目がThe Boom、そして今回はジャズ)。
安蔵:耳馴染みのある曲が好きですね。特にこの曲をライブで聴いたのは衝撃的でしたねー。
辰巳:あんまり歌謡曲とかは聴かないんですか?
安蔵:聴きますよもちろん。
辰巳:若い頃は?アイドルは誰が好きでした?
安蔵:松田聖子が好きでした。
辰巳:松田聖子ちゃんの世代ですか~!?それはちょっとノーマル笑笑。どっちかって言ったらマニアック、なんとなく変態系?みたいな感じしたんですけど爆(←なんだか失礼)。しない?
ベーやん:ちょっとします笑笑。
辰巳:芸能界にもちょっといたベーやんも言ってるぐらいですから。ニッチな人も好きじゃなかったんですか?松田聖子って言ったら無難だから言っとこうみたいな?
安蔵:いや、けっこう好きでしたよ。コンサートとかには行くことはなかったですけどCDとか持ってましたね。あと好きだったのは荻野目洋子とか。
全員:おぉぉぉぉ!
辰巳:お姉ちゃん(荻野目慶子)じゃなしに?
安蔵:妹の方、”洋子”ですね。
辰巳:ま、安蔵さんは年代的には私と10年ほど下。
安蔵:52(歳)です。
井村:僕48(歳)です。
辰巳:ここは割と近い。井村さんも松田聖子?
井村:いや、僕は中森明菜が好きでした♡
安蔵:当時の2大巨頭でしたからね♡
辰巳:なんだほぼ一緒じゃないですかー笑笑。で、ベーやんは?
ベーやん:僕の世代はモーニング娘。とか。(←38歳)
全員:ほぉぉぉぉ!
辰巳:な、なんか1世紀違う爆。(安蔵さんに)じゃぁ今でも松田聖子さんと一緒にワイン飲みたいとか思います?
安蔵:そうですね、でも(今)どんな感じになられてるか、ですよね笑笑。
辰巳:また時間がなくなってまいりました。ボルドーの話、海外の話をしようと思いながらまた次回。次回次回と言いながらどんどん伸びていきますねー汗。今日はこの辺にさせていただきます。
今回のお客様はシャトー・メルシャンのゼネラル・マネージャー兼チーフ・ワインメーカーの安蔵光弘さんでした!
全員:ありがとうございました!
お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2020年10月15日放送分
- ワイナリー
シャトー・メルシャン
https://www.chateaumercian.com/aboutus/- 収録会場
★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/