2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年1月のゲストは富山県のホーライサンワイナリー 代表取締役 山藤智子さんです。笑いっぱなしだった今月も最終回。ワインのこと、ワイナリーのこと、、、瓶熟された「YAMAFUJI 2016」を飲みながら語らいます。(全4回 4回目)
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https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:さぁ、1月ももう最後になってしまいました。けっこうテンション高くて驚くような話もありましたけど。今月はホーライサンワイナリー やまふじぶどう園の山藤智子社長に来ていただいております。
辰巳・山藤:よろしくお願いしまーす!
辰巳:早いもので1月も最終週。これまで驚くような話も飛び出しましたが笑。
まずは乾杯しましょう!先週に引き続きまして今週も赤ワインでございます。
全員:カンパ~イ🎶
やまふじぶどう園 「YAMAHFUJI 2016」
辰巳:ぁ、これはまたホーライサンっぽくないといいますか、わりとビシッとくるタニックな感じ、フルボディと言っていいかどうかはわかりませんが。
山藤:うちの中ではそうですね。
辰巳:これは山藤さんのフラッグシップなんですか?
「YAMAFUJI」というブラックラベルの2016年。なかなか美味しいですね。
山藤:発売当初は白いラベルで出してたんですよ。それから取っておいた500本ほどを貯蔵しておいて黒ラベルに変えたんです。
辰巳:メルロー、カベルネ・フラン、マスカット・ベーリーA。。。これは瓶熟ですか?(山藤:頷)樽は?
山藤:入れてないんです、うちは樽が6個しかなくて。でもあまり必要ないのかな、富山の人はやっぱり新鮮な食材を召しあがるんで樽香もそんなに要らないかも。
辰巳:日本人っていつからこんなに樽好きになったのかなって最近疑問に思ってるんです。赤ワインって「樽に入れなくちゃいけない」って思い込んでる人もいます、造り手にも飲み手にも。でも「そんなことはないんだ!」っていう日本ワインに僕はいくつも出会ってます。これはそういうのの一つじゃないかと思うんですけど。
さて、今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにお付き合いいただいております。シェフ、このワインどうですか?
井村:これはもう「ガツン!」。なのに樽の香りがないっていうのがいいですね。
辰巳:「樽使ってるかも~」って思わせるような重みやタンニンがあるじゃないですか。バニラまではいきませんけど、深い香りがあってね。このワイン(お店で)使いやすいんじゃ?
井村:はい、そうですね。いろんな料理と合わせやすいです。
辰巳:樽が前面に出てきちゃうと合わせる料理が難しい。
井村:(調理の)技術的にも選択肢が狭まりますよね。
辰巳:いや、このワイン美味しい♡初めて飲んだ気がしますけど?
山藤:そうだと思います。昨年(テレビ番組の取材で)いらしていただいた時にはお出しできなかったので。
辰巳:いや、いいゎ、これ。マスカット・ベーリーAは1割ぐらいで、あとはメルローとカベルネ・フランが半々?
山藤:いえ、メルローが6割、3割がフランなんです。
辰巳:先週いただいた「わるだくみ」はマスカット・ベーリーAとメルローが半々で、方向性は違うんですけど、でもなんか”食事を大事にした、家族経営っぽい”のがなんかあるんですよ。大工場じゃなしに’手作業’っぽい香りのするワインですよね。
さてシェフ、このワインに合わせたきょうの料理はなんでしょうか?
井村:はい、牛ほほ肉を赤ワインで煮込んだお料理です。上には甘みが強い西洋ねぎをクリーム煮にしたものを乗せてます。野菜はロマネスコ、カーヴォロネロ(黒キャベツ)、人参のピューレ。実はお肉はパプリカと一緒に煮込んでます。
牛ほほ肉の赤ワイン煮 西洋葱のア・ラ・クレーム添え
辰巳:そのお野菜がお肉の周りにポンポンポンポンっと置かれてまして。おつまみのようで酒飲みには嬉しい♡
辰巳・山藤:いただきまーす!
辰巳:ん、このネギのピューレが効いてますね。
井村:この甘さがワインとを繋いでくれてると思います。
山藤:ぁ、幸わせ♡富山に2号店どうですかね笑。
井村:汗
辰巳:でもまぁ東京に出てこられたらぜひ寄ってくださいね、東京駅からはちょっと遠いですけど(約1時間)。
山藤:来る価値あります。
辰巳:こういうペアリングはすごくうれしい。ワインも喜んでる、料理も喜んでる。
山藤:ほんと、そうなんです。生まれてきてよかった笑。
辰巳:美味しいもん食べてると文句なしに顔がほころんできますよね。そういう仕事なんでしょうね、料理人もワイン造りも。
この番組が始まって17ヶ月として毎週4種類だとすると大体70種類ぐらいのお料理を作ってるんですよね。このペースで行くとすぐ100種類200種類いきますんで、どんどんシェフにプレッシャーかけたいと思います笑。
井村:汗
辰巳:ところで。”富山でワイン”って大変だったと思いますけど?
山藤:なかなかです、いやぁ、ようやったと思います笑笑。だって思春期の頃初代のひぃおじいちゃんに対しては怒りしかなかったですから。「なんでここでブドウ植えたんやっ!?」と。
でも大阪のソムリエの教室に通ってた頃(ブドウ栽培に向いてるのは)「水はけの良いとこ」っていうじゃないですか?うちはミネラルたっぷりの粘土質の実はいい土壌だった。
辰巳:(植える)品種によりけりでメルローなんていいんじゃないですか?
山藤:そうそうそうそう。今年もメルローいいです、マスカット・ベーリーAも。3年前にブラッククイーンも植えたんで今年はメルローと混ぜてみようかと。
辰巳:白ブドウはどうなんですか?
山藤:白はねぇ、苦戦してて。ソーヴィニョン・ブランも好きで植えたんですけど、やっぱり・・・難しいですねー。
辰巳:アルバリーニョはやってませんか?
山藤:やってないんです。(同県の)セイズ・ファームもやってますし勧められるんですけど、やっぱりセイズさんとは土が全然違うんで。
辰巳:富山って海の土地でもありますんで、白があったらいいなと思うんですが。
山藤:そうなんですけど。リースリング・フォルテとか昔植えてたんですけどよくならなくて。シャルドネも垣根でやってたんですけどうちの会長が「アカーン」って全部切っちゃって笑。
辰巳:ぁ、会長気が短いんすか?
山藤:大胆です。30年ぐらい前に「あ、これは富山の人に好まれるかも」っとピノ・ノワールを植えたらしいんですけど、雨に弱いんすよねー。それもパァーンっと切っちゃって笑。
辰巳:あれ、プティ・マンサンは?これは病気にも湿気にも強いし。これから輸入品種ではアルバリーニョとプティ・マンサン、と僕は思ってます。
山藤:わかりましたっ!ちょっとやってみます。
辰巳:あとはヤマブドウとの交配系の白ね。山ブランとかそういうのがいいと思ってるんですけど。
さて、今日のブドウ品種、じゃないや、リクエスト曲爆。
山藤:今日はグレープという、
辰巳:さだまさし?爆(←昭和の人間にとってはお約束)
山藤:いやいや、私たちから言わせるとインシストですよ、韻シスト!大阪のバンドなんですけど、、、。
辰巳:きょ~ねんのあ~なたのお~もいでが~♪(←だから違います)グレープって?
山藤:(歌の)タイトルなんです。アーティストが韻シスト!
辰巳:では韻シストのグレープ、Withoutさだまさしで爆。
韻シスト「GRAPE」(2021年)
https://www.youtube.com/watch?v=AVJAaO0N7Vo
辰巳:これどういう歌なんですか?
山藤:「ブドウのように束になって輪になって風に吹かれても強くいこうよ」みたいないい歌なんです。
辰巳:ご家族はこの韻シストっていうグループご存知なんですか?
山藤:もうだいっすきで。長男が「もしご縁があったらぜひお呼びしたい!」と。それが去年かなったんです。前回お話ししたミッチさんのつてで来て頂いて。
辰巳:ちなみに韻シストは何人組?
山藤:4人。
辰巳:ちなみにグレープは2人組爆。(←まだ言ってます)
山藤:「この曲は私たちのために作ってくれた」ぐらいに思ってますけど笑。
辰巳:いい曲です、時間あるときにまたゆっくり聞いてみたいと思いますが、、、。今日は1月の最終週ということで、もうあまり時間もありませんけど、これから、のホーライサンワイナリーはどうしていこうかと?富山のワイナリーでもあと5年で100周年、存在感・歴史はありますし、もうすぐ4軒目のワイナリーができたりする中、新しい社長になってこれからどんな方向に向かっていくのかなっと非常に興味があるんですけど?
山藤:うちは本当にワインも娯楽、ブドウも娯楽。ただみんなに”楽しく飲んで欲しい”のがいちばんです。だからイヴェントも辛い時こそ回数こなしてやってますし、さっきも言った通り「ワインは主役になっちゃいけない」。食事を引き立てながら楽しむもんだと思うんですね。だからみなさんもっともっと楽しんでいただきたいと思うんです。ワインに関わらず、いろんな方に会える機会も作りたいと思いますし、やりたいことは山のようにあるので難しいんですけど笑。21歳の息子もそうですけど、これから若い子たちに引き継いでいくため、その子達が目指す、そこ目掛けて楽しくやってけたらなと思いますねー。
辰巳:ですね。「ワインが主役にならないように」ってのは僕も大賛成。いろんな地域、地方でいろんなワイン造られてるんでね。このレストランもこないだまでフランスワインしかなかったのに、今や日本ワインに汚染されてる爆。もとい、染まってる。
シェフのお料理もフランス料理でありながら日本人の味覚に合わせて造られてるってのは自然なことであって。
山藤:ぜひ、富山来てほしいです!東京では買えないワインばかりなので。
辰巳:!? そうなんですか?年間生産本数はどれぐらい?
山藤:ひらがなシリーズは全部で2万本ぐらいなんです。(ベーシックの「山ワイン」シリーズを合わせると約5万本だそうですが)だから物質的に無理ってのもあるんですけど、こちらにきてもらって富山の空気と一緒に飲んでいただきたい!
(やまふじぶどう園のワインリストはこちら https://www.winery.co.jp/winelist/)
辰巳:僕もイヴェントなんかで紹介しますんで、なんなら独占で使わせていただきたいと思ってます笑。
なんだかあっという間の1ヶ月でした。本当はもう少し前に来ていただくはずだったんですけど、コロナの兼ね合いでようやく実現したという。
1月のお客様は北陸地方で最も古いワイナリー、富山県やまふじぶどう園 ホーライさんワイナリーの4代目社長 山藤智子さんでした。
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2022年1月27日放送回
- ワイナリー
やまふじぶどう園
https://www.winery.co.jp- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/