
2025年4月のゲストは山梨県山梨市、牧丘町の「三養醸造株式会社」代表取締役、山田啓二さんです。
最終回は甲斐ノワールのペティヤン、「マダムノワール」で乾杯!このネーミングに一同大暴走!?した後は辰巳さんがいちばん聞きたかったというボルドー液についてのお話。(全4回 4回目)
辰巳:4月も最後の週になりました。今月のお客様は山梨市牧丘「三養醸造」代表、山田啓二さんです。
そしてプリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:もうだいぶ慣れましたよね?
山田:はい4週間も経つとさすがに笑。
辰巳:過去これまで3回ずっと白ワインだったんですけど、今回初めて赤ワインです。ではよろしく!
全員:カンパ〜イ🎶
【マダムノワールペティヤン2024】
https://sanyowine.com/product/sp0013
山田:これはマダムノワールという甲斐ノワール100%で造ったワインです。田舎風。
辰巳:甲斐ノワール100!?なんで”マダムノワール”なんですか?
山田:”甲斐ノワール”というと、「ぁ、あのゴボウの香りがするワインですよねー?」とかとか先入観がでてしまう。ましてやペティヤンなんていうあまり馴染みのない商品には先入観はない方がいいのかなーっと思って。
辰巳:つまり甲斐ノワールに対するマイナスイメージがあるんじゃないかなーという?
山田:はい、勝手にそう思って。
辰巳:これは2024年ヴィンテージ。
山田:この品種でワインを初めて造りました。
辰巳:買いブドウなんですね?
山田:はい、なんか裏に書いてありますね。「栽培者:Mt.Seven Farm(マウントセブンファーム)」。ここの方は多分兄貴と(日川)高校の同級生なのかな。で、星の観測が好きな方で、牧丘にはよく来てたそうなんです。
辰巳:牧丘って星が綺麗に見えるところなんですか?
山田:そうなんです。近場で非常に綺麗に見える。それで彼とはご縁があって、、、。
辰巳:で、こんなブドウ(甲斐ノワール)できたからどうかな、と?
山田:はい。そう言われて、その時は「甲斐ノワールって何?、ぁ、興味ある」って言ったら1500kg持ってきて。
ほんとは3tくださいって言ったんですけど(←ぇw)そんなになかったみたいで笑。
辰巳:これも牧丘の畑?
山田:うろ覚えなんですけど、ここは由緒正しいところらしいです。ワタシも興味あるので今度検索してみますね。
井村:非常にフレッシュで、クイっと飲めるような。こういうワインは楽しくなりますね。
辰巳:やっぱりゴボウの香りはします?
井村:若干は・・・。
辰巳:甲斐ノワールのイメージはやっぱり”土の香り”ありますよね。これ何の掛け合わせでしたっけ?
山田:カベルネ・ソーヴィニョンとブラック・クイーンの子供です。やってみたら粒も非常に小さくて、香りも欧州系の香りがキレイに出ていて、発酵の初めの頃は「何、このステキな香り♡」と思ったんですよ。でも何ヶ月経ってみたら『本来の姿が出てきた』笑。
辰巳:ハッキリいうと「マダムじゃなかった」と?
山田:騙されたー笑。
辰巳:つまりはマダムノワールじゃなしに?
山田:言えないです。
辰巳:言っちゃってくださいよ。
山田:えっと・・・ババァ爆。
辰巳:えっと、山田さん、山田さんにとっていくつぐらいからババァなんですか?
山田:いや、このワインはサッパリ感があるし、もしかしたら逆かも。もっと若い”八王子から山梨にやってくる暴走族”とかそんな感じかもしれないです爆。
辰巳:こうゆう表現は面白い。シェフどう思います?ババァ?暴走族?あるいは・・・。
井村:ど〜ぉなんでしょ?女性の暴走族とか爆。
辰巳:レディース?爆。まぁいいや、この話をすると長くなるので。シェフ今日のお料理はなんですか?
井村:今日は牛カツです。フランス料理の4大ソースの一つ「ソースエスパニョール」。デミグラスソースの意味はフランス語で”半分に煮詰めたもの”という意味なんですけど、その煮詰める前の状態のソースです。エスパニョールとはいってもスペインで生まれたわけではなくて、本来は牛肉のソースのこと。当時のスペインは牛肉をたくさん食べるところだったんで、そういう名前がついたと一説にはあります。
辰巳:闘牛の国ですしね。で、今日はその牛のカツ、ですね。
井村:はい、あとは八王子のお野菜のサヴォイキャベツなど。脇の粉みたいなのは先週フランスの友人が来たときにいただいたマスタードの搾りかすです。本来のマスタードの香りがすごくするのでお肉と一緒に食べていただければ。
辰巳:ワインとはどの辺を合わせてみたんですか?女性の暴走族?
井村:それはちょっと置いときまして笑、この赤ワインの独特な香りとカツのクリスピーな香りがマッチするかと。洋食っぽいお料理です。
辰巳:いただきます。
【牛フィレ肉のカツレツ ソースエスパニョール】
辰巳:うん、イメージはわかってきました。ワインは思ったよりもさらっとしてるんですよね。だからデミグラスソースじゃなくその一歩手前の、、、。すごくわかります。山田さん、いかがですか?
山田:素晴らしい、感動です😭笑。
辰巳:もう少しゆっくり味わってもらうために、ここでリクエスト曲聴きましょうか。今日は何にします?
山田:「欲望」。人間の、、、欲望です。私の、、、欲望です。そのコントロールが自分でもよくできなくって、お腹が減ったらご飯食べるし、眠くなったら寝るし、ぐらいしか出来なかった当時、、、
辰巳:その当時っていつのことですか?
山田:24歳ぐらいの時。なんかやたら眠くなってました。そのころこの歌が流行ってて、ミュージックビデオはプールで子供たちが走り回る映像で。僕もそのころわりと泳いでた方だから非常に記憶に残ってるんです。
辰巳:今日のワインとはなんか関係あるんですか?
山田:甲斐ノワールっていう品種は”欲求に訴えかけてくる”。官能的な酸味が刺さってくるし。
辰巳:”セクシー”、の方の欲望ってこと?
山田:そう言いたいんですが、なんか違いますよね。
辰巳:相手がババァだから笑笑?
山田:そう、マダムじゃないから笑。
辰巳:若い頃の”欲望”のイメージ?
山田:んーーー、そうですかね。なんかとんがってますよね。
辰巳:じゃ、ちょっと聴いてみましょうかね。誰の曲ですか?
山田:ホフディラン、”ボブ”じゃないです。
辰巳:でもまぁボブディランのパロディっぽい名前なんでしょうね。山田さん、絶対フツーの曲リクエストしませんよね笑笑。
井村:そうすね笑。
山田:でも一応気ぃ遣って、みんなの知ってる曲もいっこ入れなきゃ、でこれ。わりと売れた歌です。
辰巳:では聴いてみましょう。ホフディランの「欲望」。
ホフディラン「欲望」
https://www.youtube.com/watch?v=9cAzuLfvOMA&list=RD9cAzuLfvOMA&start_radio=1
辰巳:はい、もう最後になりますが、僕が一つ聞きたかったのは。最近「ボルドー液を使うと(ブドウが)不味くなる」と何人かに聞いてるんですけど、
山田:あーやはり。不味くなりますよ。
辰巳:一方で3ヶ月ぐらい前かな、高知でボルドー液を作ってる会社の社長(井上ワイナリーの井上孝志氏)もゲストでいらっしゃって
(←2024年12月の放送でした)。ボルドー液の良し悪しはそれぞれのワイナリーでの思いやポリシーもあるだろうとは思うんですけど、山田さんのボルドー液に対する実際の経験とかあれば少し真面目な話ですが笑、ぜひお聞きしたいな。
山田:ボルドー液は、まず作るのが大変で。「えーと、アレとアレとアレを混ぜて💦」、しかも時間が経つと効かなくなっちゃうんで。
辰巳:その井上ワイナリー(井上石灰)は、ちゃんと混ぜたやつを売ってるんです。
山田:井上ワイナリーさんのICボルドーはすっばらしい商品なんで、これ無しでのブドウ作りは難しいと思います。私もそう思ってます。
「自分が造るワインには使わない、趣味じゃない」ってだけで決してICボルドーが悪いわけではないと思います。
辰巳:趣味じゃないのはどの辺?
山田:「香りがちゃんと出なくなる」ってのをずっと懸念していて、実際使わなくなってメルローは頭抜けて香りが良くなってきて。周りには伝わりづらいかもしれないんですけど、自分で作ってると非常に感じます。
辰巳:この場にメルローを持ってきていただけたら感じられたかも、なんですが。
山田:あー、今日はないです🙇。
辰巳:あと「土にもどんどん蓄積されるから」という話を聞くんですけど。
山田:土の中に蓄積して、微生物の活動を鈍らせるのが私が一番嫌いなところ。でもまぁそこまで農家さんには強要はしないですけどね。
辰巳:じゃ、普通の農薬はある程度使う?
山田:”皆さんが嫌がられるいろいろ”を使います。プラマイで何を大切にするか?っていうところで、先祖から受け継いだ畑を銅という重金属(=ボルドー液) で蓄積していくのがすごい嫌で、できるだけ使いたくないのがスタートでした。
辰巳:他にはブドウ作りのポリシーなんかはありますか?
山田:「楽しんで愉快に飲んでいただきたい」です。
辰巳:でも山田さんって飲まなくても愉快笑。
山田:今日けっこう飲んじゃったんですけど僕飲むと無口になる笑笑(←どの口が言う?)
辰巳:面白い人。やっぱり「ワインって人」だと思うし、その人と会うとワインの味も変わりますよね。まぁそれも別の要素かもしれませんけど。だからいろんなワイナリーや試飲会に行って人に会うのは大事ですよって感じがするんですが、この人出不精でなかなか人前に出てこない笑。もうそろそろ奥さんの紀子さんを前面に出してもいいんじゃないかと?
山田:ほんとは弟に出てもらいたいんですけど。。。まぁそのうちそうなるかもしれません。兄と弟はちゃんとしていて(←兄はちゃんとしていたから東京の大学から東京の企業に就職したとのこと)、社会的な対応はできるので笑。ワタシはちょっとムズカシイ・・・笑笑。
辰巳:そんなことないですよね、ちょっと変わりもんっていうぐらいで笑。
山田:慰めていただきありがとうございます😭
辰巳:これから益々三養醸造さんのワインを飲むのが楽しみになりました。今はどれぐらいのアイテム造ってるんですか?
山田:10〜15個(種類)。全部ネコヨウコラベル、それ見て「どんなワインか?」がちゃーんとわかるようなラベルだと思うんです。
辰巳:ちゃんと見てもわからない笑。
山田:よ〜く見ると伝わると思います笑笑。だからうちのHP開いてこのラベルをじぃ〜〜っとよく見て、「どんなワインかな?」って考えたら『フワっ』っと来ると思います笑笑。
辰巳:難易度高そう笑笑。でもこれを機に三養醸造のファンが増えると思います。この面白さを直に感じて欲しいんで、何か機会を設けたいと思っているところです。4月のお客様は三養醸造の山田啓二さんでした。
全員:ありがとうございました!!!
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年4月24日放送回
- ワイナリー
三養醸造株式会社
https://sanyowine.com- 収録会場
エネコ東京
https://eneko.tokyo/