ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年7月21日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年7月のゲストは兵庫県から「一般財団法人 神戸農政公社 神戸ワイナリー」大西省三さんです。
関西弁強化月間3週目の今回はフラッグシップ「ベネディクシオン 白 2019」が登場。このワインの誕生秘話、後半は
大西さんが現施設へ転職してからの人事異動遍歴が明らかになります。(全4回 3回目)

辰巳:7月を迎え3年目に突入して3週目。お客様は神戸ワインの大西省三さんです。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいてます)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:先ずは乾杯しましょう。今日も白ワインです。では乾杯!

全員:カンパ~イ🎶

神戸ワイン「ベネディクシオンブラン」
https://onlineshop.kobewinery.or.jp/?pid=143802587

辰巳:ぁ、これはこれで安定感がある。シェフどうですか?

井村:口の中に甘みと香りが広がっていって飲み口が非常にいいですね。

辰巳:”シャルドネの樽熟成という、どっちかっていうと飲み慣れた感じでしょ?

井村:笑、そうですね。

辰巳:樽発酵・樽熟成?

大西:そうです。

辰巳:「ベネディクシオン」というシリーズですね。神戸ワインさんの中では「セレクト」が主力にあって、その上に何段階あるんですか?

大西:えーと、「セレクト」いうのはステンレスで熟成、その対象にあるのは樽熟成の「エクストラ」。で、その上が「ベネディクシオン」なんです。
これが今神戸ワインでフラッグシップとってるというか、いちばん需要が多い。

辰巳:ぁ、そうなんですか?

大西:そうなんですよ。こないだトランプさんが来られた「G20」でもこのシリーズの赤が提供されたんです。
この「ベネディクシオン」が発売されたのを機に神戸ワインのブランド力がグッと上がったってのは事実です。

辰巳:「ベネディクシオン」はいつぐらいからでしたっけ?

大西:2008年にまずベネディクシオンのリースリングが出たんですね。そのあとにこれ(シャルドネ)が出たんで2010年ぐらいだと思います。

辰巳:今はもう結婚されて北海道の「農楽蔵」にいかれてる渡辺佳津子さんが始めたんですよね。

大西:彼女がフランスに行って勉強してエノログになって帰ってきて初めて造ったのがこの「ベネディクシオン」シリーズ。
そのレシピを守って継続してきた商品がこれなんです。当初びっくりしたのが彼女が「大西さんこの(余った)卵持って帰ってください」と。
「これなんなん?」と聞いたら(ワインを)濾過するのに卵(卵白)を使うらしく。酵母も変えて、さらに品種の特性を活かすために
樽も各々変えました、と。私は醸造専門ではないのにいろいろなこと教えてくれて、大変苦労して造ったワインなんです。

辰巳:苦労だけじゃなしに”投資”もしてるわけですよね。

大西:しましたね、はい。

辰巳:だから名前が”天の恵み(ベネディクシオン)”。このワインはおいくらですか?

大西:3080円。安いと思います笑。

辰巳:最近日本ワインも高くなってきてるんですけど、これは安心して飲める。ヴィンテージは2019年ですけど、もっと熟成してもいいような
タイプのワインですね。

大西:痛いところ突かれました。辰巳さん、おっしゃる通りです。ただ営業としては需要ある限りやっぱり数字先行笑。
熟成待たずにリリースしてるところも正直あるんですよね汗。

辰巳:これは何本ぐらい造られてるんですか?

大西:ヴィンテージによっても違うんですが、6000~1万本ぐらい。

辰巳:神戸ワインさん自体の全体の生産本数は?以前は100万本ぐらい造ってたでしょ?

大西:よくご存知で。まぁそれ以上。今は22~23万本ちゃうかなぁ。現状は需要が増えてきてちょっと足らないようになってはきてるんです。

辰巳:”眠れる巨人”みたいなもんでポテンシャルはすごくある。それもこれも全部大西さんにかかってる笑。

辰巳:料理が来ました、なんか海苔巻きみたいな笑。このお料理はなんでしょうか?

「カンパチと夏野菜のマリネ」

井村:ビーツのソースの上にズッキーニ、玉ねぎ、トマトとシンプルに。

辰巳:あー、ズッキーニのくるくる巻いてあるのが海苔巻きに見えたんだ笑。

井村:ま、軍艦みたいにはなってるんですけど。上にはカンパチ、梅紫蘇のソースで夏らしく。

辰巳:ではいただきまーす。うん、かなり甘みあります。

井村:これもズッキーニから出てくる甘みです。

大西:素材の甘みが出てますよね。

井村:カンパチもマリネ、塩と胡椒だけで。で、ソースは梅紫蘇。

辰巳:はい、こちらをいただいている間に、リクエスト曲を聴いてみたいと思います。
今日は何を?

大西:イクマあきらさんの「ダイナミック琉球」。

辰巳:皆さん知ってますかー?今日のスタッフ、ディレクター(だけ)は知ってました笑。
さすが下田っち(←下田ディレクター)。
そもそもなんで?

大西:沖縄美ら海水族館を運営してる「沖縄美ら島財団」さんの本部町出身の人と飲みに行ったんです。で、大西さんとこで
「本部に残ってるシークァーサーでワイン造られへんやろか?」ということで造ったんですよ。
まぁそれで沖縄行ったんですけどこの歌知らなくて。その商談の時の印象を思い出して選ばせてもらいました。

辰巳:いつの話?

大西:そんなに古くない、5年ぐらい前かな。

辰巳:そのシークァーサーのワインはまだ造ってるんすか?

大西:これは委託醸造。うちが依頼受けて造って瓶詰めして沖縄に送ってるので。

辰巳:じゃぁ今度こっちにも回してください、なんとかちょろまかして笑笑。

大西:これはうちが何ケースか財団から分けて貰ってるんでできますよ。

辰巳:美味しいんですか?

大西:意外にさっぱりしていて、シークァーサーの香りはしますけど夏野菜に合わせても素材を邪魔しないんですよね。
いっかい飲んでいただきたい。

辰巳:アルコール度数は?

大西:12%ぐらい。

辰巳:じゃ少し補糖はしてるんですね。(大西:頷)ぜひ飲んでみたいと思います。
ではイクマあきらさんの「ダイナミック琉球」、どうぞ!

イクマあきら「ダイナミック琉球」(2009年)
https://www.youtube.com/watch?v=XU94JysTLVI

辰巳:なんか聴くと沖縄に行きたくなる曲ですね。ワインじゃなしに泡盛飲みたくなります笑。
ではシークァーサーワイン楽しみにしております笑。
話は戻りますが、大西さんが34歳で転職して、神戸ワインに入られて最初はホテルだったと?

大西:そうです。今は変わってうち(の所有)じゃないんですけど。私おったとこのフルーツパークのホテルは今もやってますけど
農業公園に隣接してたところは今は閉鎖してます。

辰巳:あそこぜひ再開してほしい。

大西:みなさんおっしゃいます。シェフもいっかい来てほしいんですけどいいロケーションなんですよ。
*レストランもコロナが続いて開店休業状態。
(*KOBE WINE&BBQ:https://kobe-bbq.jp>)

辰巳:こればっかりはしょうがないですけど、一回ぐらい井村シェフお招きして「会」やりましょうよ。

大西:レストランはかなり広いですし、来ていただいたらわかるんですけど造作も結構いいんです。
地下鉄の西神中央駅からだとタクシーでワンメーターぐらい。バスの本数は少ないんですけど。

辰巳:チャーターバス用意してなんかイヴェントしましょうよ。ほんと使うべき、もったいないですよ~。
大西さんがいらっしゃったホテルはそこじゃなしに?

大西:はい、北区にあるフルーツパークの中で神戸ワインから車で1時間ぐらい笑。

辰巳:遠いじゃないですか!?でも神戸市。神戸市広いですからね。
ま、でもそこでホテルマンやってたんですよね?

大西:ホテルマン、ふふ。あと結婚式もやってましたんで。

辰巳:なんか似合いそう。幸せそうなお顔してますし。そのホテルは長かったんですか?

大西:そうでも、3年ぐらいかな。

辰巳:それから?

大西:それから旅行社廻りです。(うちの)施設の誘客廻りをやらせてもらって、そっからはワイン事業ですよね。
命題は、恥ずかしいんですけど「在庫整理」。在庫過多になったのを一生懸命整理して来たっていうのが私の中では印象いちばん強い。

辰巳:「在庫整理のプロ」っ!笑。

大西:笑、プロじゃないんですけど、大変苦労しましたねぇ。

辰巳:何年ぐらい?

大西:平成10年に”在庫過多”になりましてね、6~7年前まではずっと在庫整理でした。渡辺さん帰って来て「ベネディクシオン」ができても
手伝ってもらってたこともあります。でも(ワインを)造らないと生産農家さんが困りますし。
ぶどうの需要はものすごくあるんですよ、ブドウの絞りかすなんかも。神戸ワインビーフなんかも絞りカスを飼料にして今世界に出ていってるんですよ。
知らないとは思いますけど可食にも貢献してるんです。カレーとかプリンとか。

辰巳:なるほど。井村シェフは大阪の出身ですけど神戸ワインの印象とかありますか?

井村:例えば神戸プリンとか、”神戸”とついたものってたくさんあるじゃないですか。昔からそういう”お土産需要”に力入れてる県なんだろうな
っていうのはありましたけど神戸ワインはちょっと印象になかったです。

辰巳:それよりもワイン自体飲んだことがなかった?笑。でも今や「日本ワインを飲む」料理人として日本一やと思います。
せっかくですからこの機会に神戸ワインをご紹介してほしいし、(神戸ワインさんも)|ここが大事な出荷先になればいいなと思っとりますが?

井村:大丈夫です!なんかコラボレーションでもできればと。

辰巳:でもここタンクがデカイんですよね汗。(≒ワイナリーの規模がデカイ)

大西:そうなんですよ大汗。

辰巳:以前の小仕込みのシステム復活してくれればなぁ・・・。

大西:北海道ワインさんの次にうちがおっきぃ時もあったんです。「時代錯誤や~」ってぐらい大きいタンクがあったこともあったんで。

辰巳:それほど神戸市が投資されてたということですね。このラジオをお聴きの皆さん、もし神戸に遊びに行かれる際にはぜひ行かれてみてください。
来週もよろしくお願いします。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

神戸ワイナリー
https://kobewinery.or.jp/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年7月21日放送回

ワイナリー

一般財団法人 神戸農政公社 神戸ワイナリー 
https://kobewinery.or.jp/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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